こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

最近の市場でのレトロゲームの扱いについて

 私はゲームが好き。これで大きくなってきた。チビの頃から湧いた熱というのは、時を待ってもなかなか鎮静化しないものだ。なので好きなのは今でも同じである。

 

 ここ数年は金と時間がとにかく無く、ゆっくり腰を据えてゲームに興じることがなかなか出来なかった。考えるとゲームをするならまずは時間があること、同時に心にも余裕がないと楽しむことが出来ないと気づく。ゲーマーって心がおおらかなんだな。

 

 幸運なことに、昨今では金と時間の確保がいくらか楽になった。

 

 というわけでゲームが欲しくなり、久しく出入りしていなかったゲームショップを覗いてみると、レトロゲームの扱いがかなり変わっていると気づいた。

 

 その昔には、陳列棚に主としてして並ぶのは任天堂SONYから出た最新のゲーム機のソフトだった。ハード戦争から撤退したようないわゆるレトロゲームはと言えば、端っこに細々と並べられるか、それにも満たず十把一絡げにして汚い箱に突っ込まれてたかだった。まぁこれは店によるが、だいたいの店ではそんな感じの軽んじた扱いを受けていた。だから大変安かった。

 

 だが今ではどこでもレトロゲームの扱いが良い。個人で開くよっぽどのマニア店でもなければ査定の荒かったレトロゲームが、今ではブックオフハードオフのような地球のあちこちにあるチェーン店でも良い扱いになっている。ネオジオ本体、ファミコンソフトの「けっきょく南極大冒険」などが高額な値札を貼られガラスケースの向こうにある。このスターダムな扱いには感動する。

 

 個人店を除けば、私がレトロゲームをよく買っていたのはブックオフハードオフだった。数はそれほど多くないが、査定が荒く、だいたいは100円、よければそれ以下で売っていた。売値が100円なのだから、買取は10円にも満たないくらいなのではないか。それが約10年くらい前の話。レトロゲームを安く買うならここ2店が穴場だった時代があった。

 

 ネオジオ本体(CDもROMも)、3DO本体、サターン本体、ドリキャス本体など、どれもこれも1000円かそれ以下の値で買ったのだ。それくらい特にハードオフは破格だった。だが今寄ればどれもこれもそれなりに高くなっている。10年くらい前に私が同じ店で80円で買ったスーファミカセットが、今日見れば3000円くらいになっている。今ではなんでもかんでも100円では買えない。

 

 レトロゲームというか、年代ひっくるめてゲームの価値が再検討され、その結果人気が上がって高騰化したのだと想う。だって古いだけでこれらのものは良い物だもの。良いものだから良い値で売るようになってくる。その流れは分かるが、中にはレトロゲームブームに乗っかって値段をふっかけ過ぎではないか、という調子こき状態も見られる。

 

 私が一番通っていた時期のブックオフでは、少ない数置いているスーファミゲームボーイのソフトは大方が100円で売られていた。しかし先日店に寄ると、結構数が出ていて、しかも結構クソゲーよりで商品状態も良くないものが550円で売られていた。

 これを見た時には、いくらレトロゲーム人気が来ても、このソフトにこの価値はないだろう、ふっかけてやがると思った。と言っても、買取価格はいつだってかなり安いのだろう。ブックオフオンラインでとあるゲームが2000円で売られ、その買取価格が200円だった。10倍にして売れば店も儲かるわな。

 

 こうして価値を再検討して扱いが良くなったのはファンとしては嬉しい。それを自分が最も安かった時期に購入していたということに優越感も得る。しかし、レトロゲームが人気になる一方で、寂しさも感じる。

 応援していた地下アイドルが売れて地上に出て、更には天上の者へとなっていく。この現象をアイドルオタクが寂しがるように、我々一部のゲーマーがこっそり楽しんでいたレトロゲームが、メジャーになって皆の知るところとなるのもまた複雑な思いで見つめてしまう現象である。

 

 昔欲しかったけど高かったソフトが、今見るともっと高くなっている。お金の余裕が出来たからレトロゲー収集をまた楽しみたかったのだが、今は昔みたく安く買えないから困ったものだ。

 

 昨今ではファミコンスーファミネオジオPCエンジンのミニシリーズが発売し、往年のオタクのみならず、新規ファンも巻き込んでレトロゲームの魅力が広まっている。こうなると有名になったものだ。

 サターンとドリキャスのミニシリーズが出ない限り、我々セガっ子の「それを知っている」という特権が失われることはないが、ここも発売してメジャーになったら寂しい。

セガサターンせがた三四郎ドリキャスシェンムー?湯川専務?なにそれ、知らな~い」てな反応を最新機種でしか遊んだことのない情弱な連中から聞かされるくらいが丁度良い。

 

 なんだろうが、自分が良いものと信じて所有したアイテムの価値が後になって上がるのは嬉しい。その昔にはゴミのような扱いを受けていたものでも、いつお宝になるかは分からないものだ。

 

 私もレアソフトを多数所有している。泥棒が来られたら怖い。それらの中には、親が買ってくれたもの、学校の同級生が部屋の片付けの際に捨てるのに困って私に寄越したものなんかもある。こいつらが何かの機会に自分があげたものが実は売れるものと知り、「やっぱ返して」とか言って来たらどうしようとも想う。

 

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