こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

こしのり漫遊記 その45「盛り上がるネットショッピングと衰退するフリーマーケット」

 

      

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 近頃想う。ネットで商売する業者がたくさん増えたと。色んな業界がだいたいは通信販売をしている。こうなると実店舗の存在価値が危うい。

 

 その煽りを受けてか、私が買い物を行う領分にあるゲームショップが目に見えて減った。今では大手チェーン店が残るくらい。こじんまりと街の端っこに構えるオタクの拠り所となった個人店は軒並み消えている。チェーンのゲームショップだって生き残っていても最盛期より店舗数が減っているなんてことがある。これでは個人店の生き残りは難しいか。

 

 2010年台に入った頃からゲームショップの減少がゆっくりと進み、気づけば昔なじみだった個人店が皆なくなってしまった。寂しい。

 個人店は大手の相場よりも安かったり高かったりして、品によっての当たり外れが大きい。それが愛嬌だったりもする。こういう店の良さは、チェーン店と違って、店主とオタッキーな軽口が叩けることにあった。例えばブックオフなんかの若造ならゲームやアニメの知識なんてまるでない者だってきっといるだろう。個人店の店主なら、そいつこそがゲーム好きなオタクということもある。そんなオタクな店主との絡みも楽しいものだった。今ではそういう暖かいオタクの拠り所がなくなってしまった。

 

 金を持っていけばどこのショップでも同じものが買える。だが、金とは関係のない良いサービスというのは、どこででも味わえるものではない。まぁ時代が変わったんだろうな。新時代と前時代、新しいものが古いものを置いていくというのがどの業界でも当然のことだから仕方なくはあるが、昔を思えば少し寂しくもなる。

 

 大手ゲームショップだって減る背景には、恐らくフリマアプリやオークションサイトの存在も関係しているのだろう。ここでは店よりも安く物が売られている。確かにお得な物は随分お得になって良い。

 出品者としても、例えばブックオフに持っていくよりまず良い値で物が売れるはずだ。

 売買において業者が損する仕組みを敷くわけがなく、安く買って高く売るのは当たり前のことだろう。店よりも一円だって安く買えるなら、店に入るのをやめてこうして個人から買い取るのがお財布に優しい。

 今では当たり前だけど、考えてみれば業者でなくとも、そこらのおっさんだって勝手に、そして簡単に物が売れるなんてネットサービスの発展はスゴイ。店が無くともお店が開けるみたいなものだ。

 

 こういった個人が自由に物を売れるサービスを作ったのはナイスアイデアとも思える。ゲームショップでは、例えば100円で買い取って1000円、またはそれ以上で売ったりするらしい。こういうのを見ると、100円なんて安い値で買い叩かれるくらいなら、私が500円でも600円でも出して買ってやると想うことがあった。オークションやフリマアプリではそういう願望が叶う。

 

 これが流行ったら各ジャンルを専門にする業者はどう想うのだろうか。ネットで買い物するばかりで自分たちの店で買い物してくれないという焦りもちょっとはあるのかと考える。

 

 お店を攻撃するわけではないが、とりあえずブックオフで欲しい物を見つけた時には、あとでヤフオクで見たらそっちの方が安くてお得に買物できることが多い。私個人としては、ブックオフで買い物することがかなり減った。

 

 フリマアプリなどが幅を利かせて本当の店が減る中、本当のフリーマーケットも減っている。ちょっと前までだいたい週末になれば、地域のあちこちでフリーマーケットが開催されていたのに、これもいつの間にか数が減り、私の住んでいる地域のもなくなった。

 

 フリーマーケットでは会社で決められた定価に左右されることなく、本当に出品者の意志で値段の高低を自由に設定できる。つまり交渉の余地がある。こんなことはコンビニやスーパーでは絶対に出来ない。だから楽しい場であった。

 ここに物を出す連中は家にあったら困るからということで、本来の価値なんて度外視でとにかく物を減そうとする。向こうとしても帰りの荷物が増えるのは困るので、交渉すれば割とたやすく値を下げてくれる。だからフリマは、破格の値でレアアイテムだってゲットできる貴重な場だったのだ。

 

 フリーマーケットに行って初めて覚えた言葉が「値切り」である。これを行うのがここでの醍醐味だ。上手いこと取り入ってお得に話を進める交渉の場は楽しい。それで負けてもらえたら非常に嬉しい。これが好きでフリーマーケット巡りを趣味にしていた時期もあったのに、今ではこの文化も廃れたな。

 

 聞けばフリーマーケットにも出品代というのがあり、売上が良くなければお財布の中がマイナスになってしまう。ある程度は売らないと儲けにならないようだ。だったら家でフリマアプリで売るのが楽だよな。ここ最近では配送サービスも発展してお手軽に品を送ることも出来るらしい。

 

 長いことオタクライフを楽しんでいて無くなったもの、廃れたものを振り返ると、個人でやっているゲームショップとフリーマケットの2つが上がった。最近この2つを振り返るとその時が楽しく、それゆえ今が少し寂しいと思えてきた。

 買い物が便利なのは良いが、ネットを介して無人でことを済ますばかりでは味気ない。もっと商人と顧客が、というか人と人との温もりが感じられる取引が行われた方が良いとも思った。と言っても、先週だって通販でゲームを取り寄せてすっかりこっちのサービスを楽しんでいるのではあるが……。ネットショッピングというのもこれはこれで楽しくてハマる。

 

 なんにせよ楽しくオタッキーなマイライフを続けるだけだ。

 

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