こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

装いも新たに帰って来た鉄の巨人「太陽の使者 鉄人28号」

「太陽の使者 鉄人28号」は、1980年10月から1981年9月までテレビ放送された全51話のアニメ。

 

太陽の使者! 鉄人28号

 

 いわずと知れた我らが鉄人が時を経てリメイクされたアニメ第二作目である。リメイクで既に40年も前のものだから色々と古い。

 テレビアニメ二作目の鉄人28号となるので、旧作と区別するため「太陽の使者」「新」などのワードを付け加えて表記されることがあるが、アニメOPのタイトルロゴを見れば「鉄人28号」とだけある。OP曲の歌詞に「太陽の使者」とあるからこれがポピュラーだろう。

 1979年に仮面ライダーのテレビシリーズを再始動した時にタイトルは「仮面ライダー」のままだったけど、世では「仮面ライダー(新)」とか「スカイライダー」と呼ばれていたあんな感じを想い出す。

 

 英才教育として父が私に与えた横山光輝のマンガ、白黒アニメ版、物議を醸すこと必至の色々やばい白黒実写版とそれまでの鉄人をチェックしてこれを見ると、まず想うのが鉄人のデザインがえらく違うこと。

 黒目がないことでより機械的な感じがする。結構デザインをいじっていると想うが、太陽の使者版の鉄人も悪くない。リアルロボット感が増して現代人にはこちらの方が受けるだろう。原作版からいろいろいじったデザインになっているけど、原作者からも受けの良い変更だったと聞く。結果、太陽の使者は格好良い。

 

 鉄人が好きなら一緒に好きなること必至の漆黒のロボオックスももちろん装いを新たにして登場する。ブラックオックスの登場はかなり後になる。鉄人には悪いがオックス派の私としてはオックスの登場に興奮した。

 今回のオックスも悪くはないのだが、デザインのいじりに現代テイストが強く、ちょっと違和感がある。現代テイストと言っても40年も前の話だけど。

 

 ブラックオックスといえば「ちょっと猫みたいで可愛い」という女性からの指示を得て人気になって来たロボット(この統計は我が妹から取ったものオンリーである)なのに、今回はその格好良さの中に潜む可愛さが感じられない。

 

 今回のオックスの角を見てみよう。

 

 

  太陽の使者バージョン        従来バージョン

     ↓                 ↓

 超合金魂 GX-44S 太陽の使者 鉄人28号&ブラックオックスセット ブラックオックス ハイグレードフィギュア(鉄人28号ハイグレードフィギュアVol.2) SEGA 2003年

 

 

 猫を意識してしまう旧オックスの可愛い角とはちょっと違うもので、今回のものは長くて尖ってハサミみたい。悪いけど、マジンガーZに出てくる「グロッサムX2」をちょっとだけ思い出してしまった。

                      ↓ 

         ダイナマイトアクション Limited マジンガーZ グロッサムX2 エヴォリューショントイ

                 ↑

 GBで発売した初代スパロボでは地味に強いので、私に苦戦を強いる嫌なヤツだった。

 

 そんなわけで、恐らく賛否両論あった名物ロボのデザインチェンジが最大の特徴にして面白みとなる新シリーズだった。結果どちらもそれぞれ良いお味で不味くないというのが私の得た手応えである。

 

 

 新たなシリーズとなるのでキャラクターを演じる声優はガラリと変わっている。そんな中、大塚署長はアニメ一作目から連投で富田耕生が演じている。このおっさん声が落ち着く。今回は署長でなく警部になっていた。

 

 今回の正太郎少年は山田栄子が演じている。我々キャプ翼好きならすぐ反応してしまうのが、岬太郎の声だということ。懐かしいお声が聴けて良かった。

 

 敷島博士の娘が正太郎と同じ年のガールフレンドとして登場し、名物キャラの村雨健二が登場しないなどの点は前作から変更されている。

 

 鉄人28号と言えば、立ち代わり入れ替わりで大小規模様々な悪党共が登場するイメージがある。その点は今回は同じで、よくもこれだけいるなって具合に次々と悪者が登場して正太郎達に仕事をさせる。

 シリーズ前半のボスキャラはスキンヘッドの見るからにワルのブランチ。後半からは新展開として宇宙からの刺客の宇宙魔王なるオカルティックな悪者ボスが登場する。鉄人にもファンタジー要素がぶっ込まれたものだと想う。宇宙魔王の息子グーラ王子と一度は仲良くなることで、後に対峙した時には葛藤する正太郎の苦悩が描かれる展開もあった。ラストは宇宙に出て世界の命運を賭けた戦いが展開する。

 

 放送時期が夏の盛りを迎えた時には、視聴者の体内の熱を逃がす試みとして「スリラーシリーズ」と銘打った怪奇現象とかゾンビとかその他化け物を扱いがちな回もあった。こちらの事情を考えての一時的作風のチェンジがありがたい。また話題に上げるけど、「スカイライダー」でも夏放送回にはこの手の怪談テイストの回があったなと思い出す。

 

 今回の鉄人のリモコンは昔のと比べてゴツくて格好良い。このリモコンを巡って敵と小競り合いをする展開がやはり何度かやって来る。

 鉄人を見ていて結構想うのが、リモコンを取られる、その他なんらからのコントロールを奪う罠にかかるなどして敵に利用されがちだと言うこと。「太陽の使者」でも結構序盤の回から敵にコントロールを奪われることになる。正太郎達の味方になった後のオックスも敵に利用されることがあった。これを見て改めて鉄人28号、並びにブラックオックスという超文明の粋は、人類の味方につけば頼もしく、逆に敵に回せばものすごく恐ろしいということが分かる。正太郎少年の双肩にはそれだけ重い責任がのしかかっているのだ。

 

 敵のロボットもたくさん登場し、ロボットアクションも古いにしてはなかなか迫力があって良い。今見ても普通に楽しめた。なによりも鉄人が格好良い。やはり鉄人は日本を代表するロボットである。

 

 ありがとう太陽の使者。私はこっちバージョンも好きだ。

 

 

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