先日我が家の押入れの整理をしていたら出てきたゲームソフト、それが「青の6号 歳月不待人」である。2000年に発売されたドリームキャスト対応ソフトである。ドリームキャストやPS2、ニンテンドー64あたりが盛り上がっていた懐かしの時代に発売した一本だ。
副題の漢字部分は「歳月人を待たず」と読む。月日の流れは我々を待ってはくれない。ただ流れるばかりである。そんなあっという間の流れの中にある人生を大事に生きようという意味が込められた先人からのありがたい教えである。高校生くらいになれば読みも意味も分かるよな。
で、このソフトなのだが、ちょっと調べてみると、現在ではなかなかの高額で取引されているらしい。
昔安く買ったものが、その内には高く売られるようになる。この流れの内、一番安い段階から持っていたということに関して、誰に対してでもなく優越感を得るのである。これがコレクターの楽しみの一つでもある。しかしこんなに高いソフトになるとは思わなかった。そういえば自分の家以外で見たことがない。
クラスの誰も知らないのだが、このゲームには原作マンガがあり、OVAにもなっている。様々メディア展開をしている割には皆知らないんだよな。そんな私もOVAを見たにしては内容をかなり忘れている。とりあえず水浸しの世界だったなとしか覚えていない。
そんな水浸し状態なのがこのゲームの特徴なのだ。だいぶ昔に遊んだものだが、だいぶ楽しかったことは今でも鮮明に覚えている。色々思い出して書いていこう。
ゲーム内容は、海洋サルベージものというそれまでに経験したことのないジャンルだった。この世界では水位がとんでもないくらい上がっていて、かつて栄えた街々が深い水の底に沈んでしまっている。終わった文明を眺めるこの儚さはなんなのだろう、でも単純に水の中の街を見て回るのも面白そう、とか思って遊んでいた。
主人公は潜水艦を操縦して水に沈んだ街を探索する。そして沈んだお宝を引き上げる。これが醍醐味となる。この作業が大変楽しかった。現在は中古価格が定価を越えたプレミア商品になっているようだが、高い金を払ってもプレイする価値はあると想う。なかなか夢が広がる面白い世界観ではあった。
本作と同じようにサルベージのお仕事を描いたアニメ作品に「AIKa」というものがあったが、あちらもセットで思い出す。「AIKa」では東京タワーの先っぽがギリ見えるくらいで、後の部分は水に沈んでしまっているんだよな。これが近い未来には現実になると想うと怖いが、フィクションと割り切れば興味深い。
潜水艦でお宝を探す面白さもあって良いが、水の中は危険がいっぱいだ。
エアーの問題があったり、どこかにぶつけてダメージが溜まるとゲームオーバーになってしまう。そして謎の怪魚が攻撃を仕掛けてくる。「スーパーマリオ64」の巨大ウツボにトラウマをもらった少年少女は少なくない数いるだろうが、あんな感じのちょっと怖いのが出てくる。
ちょくちょくアイテムを購入して潜水艦をカスタマイズ出来るのもお楽しみ要素となっている。武器を積むことで敵の怪魚共を蹴散らすことも可能となる。
結構難しい点もあったが、かなり面白いゲームだった。今の進化したゲームと比べたら画質はザコだろうけど、当時だとこのレベルまで臨場感ある世界観を映したのはなかなかすごいことではないだろうか。広々とした水の世界を近くに感じる楽しさは今でも覚えている。
そんなわけで楽しいゲームを回顧した。副題が示す通り、歳月はこっちを待っちゃくれない。私の時間も激流のごとく早く過ぎたなと思った。というわけで、素敵なゲームに人生の時間の大切さを教えてもらった。良いゲームだ。
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