こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

そろそろオンにしてみる「メモリーズオフ」

メモリーズオフ」は、1999年にプレイステーションソフトとして発売された恋愛ゲームである。

 

 最近はシリーズナンバーにして8作目がリリースされ、それをもってシリーズが完結を迎えたという。今更ながらシリーズが約20年も続いたギャルゲーということを考えるとすごい。ついこの前、惜しまれつつ活動を終了させたジャニーズグループの嵐とはだいたい同期であり、歴史としても同じくらい続いた作品だ。そう思うと感慨深いではないか。

 

 先日、数多のグッズを有する我が部屋の整頓をしていたら、このメモリーズオフ、略してメモオフシリーズのあれこれが出てきた。

 最新作のメモオフ8を除き、様々なハードで発売したものを含めると、なんだかんだで皆揃っていた。PS、PS2、DC、PSPなどで出たものをかき集めると1~7までお家にちゃんとあるではないか。それらに加えて外伝、ファンディスクといったものもあり、なんだかすごい数になっている。メモオフシリーズだけで収納スペースをかなり占領しているではないか。

 

 最寄りのショップで安く入荷したのを見かければ、有名タイトルだからとりあえず確保していた。それが積もってこの量である。あとはジャケ買いということもある。メモオフはジャケットが良いんだよな。まぁどのギャルゲーも第一は中身、次にはビジュアルで売ることを重視するだろうから、どうしてもジャケは神々しいものに仕上がるよな。シリーズ途中でキャラデザが変わったこともあったが、結局どの作品でも絵が可愛いのでジャケ買いしてしまう。

 

 なんだか気分が良いからということで、テーブルの上にメモオフシリーズを並べて行った。それを見た私のお兄ちゃんが「こんだけメモリーズをオフオフって、いつオンにすんのさ?」とツッコミを入れてきた。これにはやや面白いと思えた。

 言われて思うが、これらはとりあえず確保だ、という思いで購入したが、実はプレイしていない。シリーズが完結したらしいし、それきっかけで順番にやるのも良いかなと思うようになった。お兄ちゃんが言うように、そろそろメモリーズをオンにした方が良いのかもしれない。そんなこんなで今更だがメモオフシリーズを追うことにした。とりあえず確保しとくものだな~、思いついた時にさっと引っ張り出してプレイ出来るから良い。

 

 まずは初代をプレイだ。なんとKIDから発売しているじゃないか。「Ever17」の会社だな。古っ、そして懐かしい。もう無くなってしまった会社なんだよな。KID倒産に震えた民草は少なくない数いただろう。そんな経験を今でも記憶している者は一体何人生き残っているのだろうか……。こんなところを見ても歴史ある作品だなと思える。

 これは一番古いだけに、PS、DC、PS2PSPと色んなハードで発売されていて、我が家にはどのバージョンもある。布団にくるまって気軽に出来るということで、PSP版を遊ぶことにする。こちらのPSP版だが、初回版を購入している。とにかく箱デケェとしか思えん。ギャルゲーの初回版の箱のデカさには困る。しかし初回版ボックスのジャケが良いなぁ。神々しい。

 PS版ジャケは彩花のアップ、DC版は唯笑のアップ、二人の幼馴染ヒロインがそれぞれでジャケを飾っている。お兄ちゃんに「どっちが好み?」と問うことで盛り上がったりもした。このジャケの比べっこをするだけでも楽しかったな。こんなに古い女達なのにマジで可愛いから困るよなぁ。

 

 プレイを始める前にも結構な想い出が出来てしまった本作は、そんな想い出のかけがえなさをテーマに展開するラブ・ストーリーである。世紀末に出た古いゲームだが、なかなかに味わい深いものなので、多くの者に推奨したい作品である。

 

 

 この時代には泣きゲーなるジャンルが流行し、より人間ドラマを、なんならちょっと重めなくらいのものをぶっ込もうというアイデアが重視されたのだと思う。

 本作の基本設定もやや重めなもので、主人公三上智也の恋人が交通事故で亡くなった段階から物語はスタートする。幼馴染でもあった恋人の彩花が死んでしまったことにより、智也は当然心にダメージを負うことになる。攻略対象となる魅力的な5人のヒロインそれぞれとの恋の物語の中でも、彩花のことを引きずって恋に前向きになれない智也の心情が描写される。同時に、いなくなった彩花との想い出シーンも随所に散りばめられている。彩花を忘れて次の恋に行くのは許されることなのか、彩花への想いが強く残る状態で他の者をしっかり愛してやれるのか、という難しいラブの心情が描かれる点に注目できる。

 だが過去とは、引き摺っている間は人生のお荷物でしかない。最後は全てを受け入れ、背負って生きていくことで糧となるのだ。彩花を失った過去を忘れるのではなく、 受け入れた上で、新たな恋愛に踏み出すというやや変化球な方向から攻める上質な恋物語が楽しめるものだった。トラウマを越えた先に光はあると分かるものだった。

 

 第一のヒロインが初っ端から天に召されているというとっかかり部分から特殊性があるゲームだった。アニメだったら「クロスゲーム」とか「あのはな」的な導入だったな。

 

 彩花が亡き者になっていることは、プロローグ時点ではうまい感じにぼかしていて、皆まで言ってしまうのは中盤までお預けになっている。まぁ基本設定を予め知っていたから驚きはないのだが、これはよっぽど勘が良くないと初手で彩花の死を見抜くのはムズいかもしれない。彩花が他のキャラと並んで出てこないし、一人だけ澄空高校の制服を着ていない点がヒントだったんだよな。プレイしてみれば、PS版ジャケットの彩花に天使の羽が生えていることに「なるほど」と納得できる。あのジャケがマジで神々しい。

 

 この世にはいないものの、全編を通して智也の心にずっと存在するのが幼馴染の彩花であり、今を生きるもう一人の幼馴染が唯笑である。死と生の関係上、メインシナリオで二人の幼馴染ヒロインが同時に存在することはありえないが、実質のツインヒロイン制度を取り、実質上の三角関係でもある点が印象的であり、面白くもある。 

 女二人、男一人の逆「タッチ」設定状態だから、彩花には悪いが、死んでくれていないと、多分三人の人間関係が揉めたのではないかとも思えた。リアルだと私には全く経験のない特殊な男女関係なので、このような楽しいイフの妄想も広がるというもの。

 

 彩花への想いを断ち切れず過去に生きる選択肢を取ってしまえば、彩花エンドとなり、それがイコールして実質バッドエンドにもなる。キーパーソンのヒロインでもあり、ここを越えていかないと5人のヒロインとの未来がないということで、彩花はラスボスでもある。極めて珍しいポジションに立つヒロインなんだよな。めっちゃ可愛い。

 そんな彩花を演じたのが、懐かしいの女優の山本麻里安である。まさか令和時代に入って新しく彼女の芝居に会えるとは思わなかった。山本麻里安がマジで出始めの時の芝居が彩花だったんだな。かの有名な「HAND MAID メイ」で主演を張った良き女優である。

 リアルに学生って感じがする芝居が好きだった。智也が彩花に愛の告白をする公園シーンのCGがめっちゃ可愛い。告白を受けての彩花のリアクションにも萌える。攻略ヒロインとの楽しいシナリオに入って行く前の彩花の想い出だけでも十分楽しめた。長い時間をかけて検討したが、私は唯笑よりも彩花派なのかもしれない。

 

 主人公の三上智也だが、元から明るく、この手のゲームの主人公にあちがちなウィットに富んだポップな人間性があるゆえ、学校ではとりあえず心の傷を隠して陽気に振る舞っている。なかなか好感の持てる奴だったと思う。

 この主人公を見て思うことは、とにかく良く寝る奴だなってこと。学校でもよく寝るし、家のシーンでも寝ているのが目立つ。まぁ育ち盛りの高校生だから、よく寝てよく食うを生命維持活動として行っているのだろうが、にしても寝るのが好きな奴だなって思う。学校が終わると本屋やゲーセンにふらふら行って帰って寝てで、どうも自堕落というか、脱力系キャラな感じもする。もっとやることねえの?とも思う。そんなこんなで気分や欲求に素直にふらふらしている智也も愛すべき主人公だったと思う。

 

 

 主人公を取り巻くヒロイン達は大変可愛く、それぞれに良き要素があった。どのヒロインのルートもかなり楽しめたぞ!

 てなわけでヒロインズの想い出も辿っていこう。これぞ一番メモリーに残したいものだ。

 

 霧島 小夜美→音羽 かおる→伊吹 みなも→今坂 唯笑→双海 詩音の順で攻略した。

 

 PSP版をプレイすると、選択肢を決める際に各ヒロインの高感度が上がるのはこっちというヒントが出てくるので、個別ルートを目指しやすかった。それでも全イベント、全CGをコンプするのはやや骨が折れた。

 

霧島 小夜美

 迷いなく第一攻略ヒロインは彼女に決まりだった。めっちゃ可愛い。

 学園を舞台にした作品なので、他の攻略ヒロインは主人公と同じく学生である。そこに来て小夜美さんは、購買のパン屋さんという外部から入り込んでくるヒロインなので、ポジションが特殊にして美味しい。体調不良の母に変わり、ヘルプで購買の仕事に入った二十歳の大学生であり、ただ一人の年上ヒロインでもある。そんなわけでまず需要あるキャラ設定となっている。

 経済学部の学生なのに計算が苦手、オーダーの覚えも悪く、商売人としてはポンコツな一面がしばしば見られる。そんな点にも萌えである。ポンコツスペックな点は、年下からも親近感を持たれる要素になっていた。そんな訳で智也とも仲良くなるのだが、やはり大人のお姉さんなので、他のヒロインにはないややエロス感が感じ取れる点に大変グッと来る。

 足を捻挫した小夜美さんをおんぶして家まで運ぶエピソードがあり、その時のCGが可愛くてドキドキする。

 普段はポニテにして学校で働いているが、遊園地デートの時には髪を下ろして普段とは違う服装で登場する。そんな点にもキュンと来るものがあった。

 智也と同じくらいの年の弟を失った辛い過去を持ち、最初は弟の代わりが出来たみたいで嬉しかったから智也と懇意にしたと告白して来る。気持ちは分かるけど、本気で好きになった側からしたら、弟の代わりなんてたまったものではない。代わりではダメ、それ以上の存在になってやる、と私を熱くさせるような展開となり、智也も最終的には弟ポジを脱して恋人になって無事エンドを迎える。ええ話や。

 年上だし、学園外部ヒロインだしということからか、おまけキャラ程格下とは言わないものの、小夜美のターンは短め。他のルートを遊ぶと、小夜美ルートの短さを感じずにはいられない。大変良いキャラなのでもうちょっと出番が欲しかった。

 

音羽 かおる

 ショートカットの転校生ヒロイン。掴みどころがなくミステリアスな一面もあるが、人懐っこくて気さく、サバサバ系でもあり、総合的には二重丸なヒロインだった。一番なあなあで接しやすいこの感じは良かった。めっちゃ可愛い。

 演じているのはあの田村ゆかり(通称ゆかりん)である。世紀末からでも良い仕事をしていたんだな。ゆかりんの築いた王国の民になって久しい。この私も腐る程いる王国民の一人である。ゆかりんには長く世話になっている。ありがとう。かおるを演じるゆかりんの芝居にも萌える。声がめっちゃ綺麗で可愛い。

 関係ないけど、音羽の姓を見れば「エースをねらえ!」に登場する音羽京子を思い出す。音羽という名前の人間といえば、この二人しか知らない。音羽京子に引っ張られて名前を間違えることもしばしば。京子の方も愛すべき良いキャラだったよな。

 意外なことに、かおるにも過去を引き摺る恋の物語があり、元カレとの恋をしっかり終わらせて智也との恋に向き合うというやや重い展開があった。智也の過去とやや共通する点を持つのが印象的なヒロインだった。

 かおるとの仲をはっきりさせるため、唯笑をやや強めに突き放す展開があり、その時には胸が傷んだ。でも仕方ないよね。新しい恋を始めるなら、幼馴染の友情と恋人との愛情とははっきり分けないとね。

 

伊吹 みなも

 こちらは一つ下の学年の後輩ヒロインである。見た目もだけど、年下らしくはしゃいだりする点には素直にめっちゃ可愛いと思える。大人しそうに見えて、意外とぐいぐい来るパワフルさもある点が良かった。

 絵が趣味の美術部員である。みなもちゃんの内面の良さは、やはり美を追う芸術家らしく感性が豊かだという点にある。国語で習った在原業平の恋の物語を紐解く時、海に落ちた銀杏の葉に見る美を語る時には、実に詩的な表現で言葉に表す。特に銀杏の葉の話は、オチへと繋がる重要なイベントになるので特に印象に残る。春の花見だけでなく、秋の落ち葉見も嗜む風情ある乙女だった。

 病弱ヒロインの属性も持ち、悲しいことに最終的に彼女は天に召される。ぶっちゃけこのルートは悲しく、智也にとっては救いがなかったのではないかと思える。

 いつぞやの韓国ドラマでも見た展開だが、自分と合うドナーがないと死ぬという例の病気にみなもちゃんはかかっていて、なんとそのドナーを持っていたのが彩花だったということが判明する。そしてドナー移植を前にして彩花は旅立ってしまった。智也としては、彩花の死は自分に責任があると思っているので、その上みなもちゃんまで失うオチは辛い。この流れはきつすぎるだろう。

 だがしかし、ただ死んで悲しい物語ではなく、間違いなく迫る死を前に、最後まで輝いて生きようとするみなもちゃんの姿に感動と美を覚えてめっちゃ泣ける。

 もう死ぬんだから、最後の一秒は最も愛した智也と一緒にいたい。病院を脱走して智也の家まで来てそう告白したみなもちゃんの弱った姿が痛々しく、そして最後まで生を謳歌しようという凛々しさに胸がキュンと来た。みなも役の河合久美がこのシーンで見せた熱演も素晴らしいものだった。

 銀杏の葉と海がコラボしたことによって生まれた黄金色の海を見るラストシーンはさすがに泣いた。ゲームで泣いたのも久しぶりだ。エンディングテロップが流れた時には思わず「みなもぉ!」と叫んでしまった。

 

今坂 唯笑

 彩花と共に看板ヒロインを張るキャラなので、最後のご馳走として残しておこうと思ったけど、なんか分からない内に個別ルートに突入したためそのままGOとなった。

 主人公を「智ちゃん」呼びして親しく接してくる幼馴染である。やはり幼馴染とは最強ジャンルなのかもしれない。しっかり者の彩花と違い、コイツが一番おバカで天然でガキっぽい感じもするのがまためっちゃ可愛くて萌える。

 首元まで覆う黒色のシャツを制服の下に着ているため、鎖骨が一生見えないファッションになっていることが気になる。お肌の露出度が一番低いヒロインだったのかもしれない。

 メインヒロインだけあって、このルートが一番ボリュームがある。また、もう一人のメインヒロイン彩花の存在も一番見えてくるもので味わい深かった。

 このルートを進めて思うのは、重いし、焦れったいということ。互いに彩花のことが引っかかっているから、智也と唯笑がしっかり恋仲になって行けない展開が描かれる。当人の心を思えばそれは分かる、でも他人から見ると焦れったくてイラつく想いも確かにある。そんな感じで、なんだかんだ感情が入り込んでいけて楽しめるものだった。

 中盤では唯笑が可哀想にもなる。彩花のことが忘れられない智也の目には、いつまでも自分が映ることはない。そんな苦しみの中にある唯笑もまた人並みではない青春を送っている。どうせ見てもらえず、気持ちが届かないのなら、友人としも距離を置こうする唯笑の想いにも納得できる。日常パートこそ、精神年齢の低さが見えるヒロインだが、本当は智也の事を第一に考えて行動する気遣いさんである点が良かった。

 それまで引き摺っていた重い過去を、しっかり背負うことで人生の糧にしてまた歩み出すというクリア条件にして作品の一番のテーマが見えるのがこのルートだった。

 

双海 詩音

 実はかおるよりもちょっと前に学校に来たまだいた転校生ヒロイン。謎めいた美少女帰国子女であり、クラスの者と馴染もうとしない孤高な点がかなり気になる。

 図書員を務める文学少女でもあり、めっちゃ本を読んでいる。属性名がそのまんまタイトルになった作品もあるくらいだから、やはり文学少女というジャンルも不朽のものだと思う。萌える。しかしリアル世界を見れば、文学青年も文学少女絶滅危惧種だと思える。

 どうやら金持ちのお嬢様らしく、だいぶ良い葉っぱを使った紅茶を日々嗜んでいる模様。日本の自販機の缶紅茶を初めた飲んだ時に「まずい」とコメントしたことがあった。多分「午後の紅茶」あたりを飲んだのだろうが、午後ティーを飲んで不味いと言うギャルはちょっと嫌かも。大変推せるヒロインで好きだったが、この点だけは気になった。

 学校では他を寄せ付けない心の鉄仮面を被っているが、実はフェイクだったと後で分かる仮面優等生的キャラ性を持つ点が印象的だった。苦手とする蜘蛛を目の前にした時に素が出るシーンはちょっと良かった。

 日本のことをあまり知らない詩音が言う「この辺に侍はいないか?」という問いはパワーワードにもなっていたと思う。

 

 詩音ルートでは、他者による興味本位くらいのちょっとした想いや言葉が、また一方の他者にとっては重い差別表現に捉えることが出来るという人間関係での問題を扱っている。

 日本人ではあるものの、体内には外国人の血も流れることから、見た目が他とちょっと違っている詩音が、そのちょっとの違いでちょっとの範囲を越えた心の傷を追うことになるエピソードが描かれる。この点には、社会問題である差別の要素が見て取れるため、社会派なシナリオにもなっていた。ちょっとの違いが、ちょっとではない心の壁や溝になる人間関係での問題は、いつの世にも見られるだろう。他者から「ガイジン」と呼ばれることに敏感に反応する詩音の想いがよく見えることが印象的だ。

 これまで色んな国を渡り歩いて来た詩音にとって、自分のことを最も異質な者として扱ったのが、同じ国の仲間である日本の人々だったという点にショッキングなものを感じた。敵というのは、遠く離れた場所よりも意外と近い場所にいる、ということも思えるものだった。仲良くしよっ、日本の皆。

 

 詩音の長い髪に彩花の面影を見た智也が、数回に渡って名前を呼び違えるシーンが記憶に残る。消えぬ過去の傷があるのは分かるが、付き合い出してから他の女の名前と間違えるのは失礼だなと思った。

 クールで高嶺の花感がある詩音のヒロイン性が良かった。共通ルートでは見せない詩音のレアな笑顔が見れる個別ルート展開には萌えた。詩音とかおるはイケメンな女枠だったと思う。最近はイケメンな女も好きなので、詩音にはツボるものがあった。

 

 

 

 実に攻略が楽しいヒロインズだった。ここにしてプラスしてラスボスヒロインの彩花の存在も楽しめてお得だった。

 

 ヒロインの他にも愛すべきキャラとなったのが主人公の悪友 稲穂信だ。こいつだけは全シリーズに登場する最強の脇キャラなので、メモオフを語る上で忘れられない人物だ。ただの賑やかしキャラと思いきや、唯笑に積極的にアプローチをかけたり、実は彩花の交通事故に関係していたという重要な設定もあるキャラだった。

 長きに渡って信を演じたのは間島淳司。これがデビュー作だったとのこと。「とらドラ!」とかの芝居が有名だが、初代メモオフでは声変わり仕切っていないような感じで、全然声が違う。メモオフの歴史を辿ることは、間島淳司の歴史を辿ることでもあると理解出来る。

 

 

 各ヒロインといちゃついてキュンキュンした後のEDで流れるのが、山本麻里安の歌う「This may be the last time we can meet」だ。この曲がとても良い。最近は鬼リピートで楽しんでいる。

 山本麻里安演じるヒロイン彩花の想いが反映したような歌詞にキュンとくる。「思い出すことも思い出してね」という歌詞があり、最後は「忘れることも忘れないで」の歌詞で締める。これは智也に向けての言葉なのかと思える。滲みる。

 みなもルートをプレイすると、また別の意味で滲みる。「今日が最後のデート」という歌詞が、みなもルートラストシーンにマッチしていて心が震え、目頭が熱くなる。 

 良い曲を発掘できた。

 

 

メモリーズオフ ピュア

メモリーズオフ ピュア NPC 【ネオジオポケット】

 PSP版には、ネオジオポケット用ソフト「メモリーズオフ ピュア」も一緒に収録されている。これは財布も緩むお買い得ポイントだ!

 

 今回遊んだのをきっかけに、持っていなかったメモオフピュアも最寄りのお店で箱付きのを購入して来た。しかもお安く美品状態のものをゲット出来て良かった。

  ゲームソフトジャケットは、中学校の制服を着た彩花と唯笑のツインヒロインがアップで写ったものである。これは今時の表現で言う所の「めっちゃバエル!」というやつである。

「ジャケット可愛い!」と想い、我が家のショーケースに飾っている。

 

 ちなみにネオジオポケットは、以前から人知れず買って遊んでいた。本体といくつかのソフトは持っている。それを先日お兄ちゃんに見せたところ「何コレ?地球にこんなものがあったんだ!」とコメントされた。令和時代に入り数年が経った今になって初めてネオジオポケットの存在を知ったという。私はロム、CD、ポケットのネオジオ3タイプをコンプしているのだが、お兄ちゃんは「一緒に育って来たけど、お前がこんなもので遊んでいたことは今まで知らなかった」と言っていた。それもそうか、買ったことを言ってないのだもの。

 

 こちらでは、彩花がまだ存命だった智也の中学生時代が綴られている。彩花が生きている!そして唯笑と並んでのツーショットが拝める。これだけで感動する。 

 明るく楽しいイフストーリーであり、彩花が天に召されることなく無事澄空高校に通って、幼馴染三人が楽しく青春を送るという平和な結末も見れる。

 

 彩花が死なない状態で、彩花と唯笑のどちらと付き合うかの選択肢が待つことになる。本編を遊んだ時には、彩花が生き残っていたら智也を巡って多分揉めるとか考えていたのだが、そんな考えは失礼で無粋だと分かった。彩花と唯笑、二人とも同じ男を愛しているが、智也がどちらを選んでも、余った方は「お前なら許せる」の精神で友情を崩さずそのままの関係でいる。男が絡んでもなお不滅の女の友情がココにある。美しい。

 

 そしてもう一つ嬉しいのが、彩花が生きているならみなもちゃんも生きているとうこと。より幼い時代のみなもちゃんとココでまた会えるのが嬉しい。本編のみなもルートのオチへの救いを見出すのがこのメモオフピュアの物語だった。彩花とみなもが元気でいる、それだけでなんか泣ける話だった。

 

 一番良かったのは、彩花のキス顔が拝めるCGの出来の良さ。彩花のキス顔にはキュンキュン来る神々しさがあった。これだからギャルゲーには心が震える。

 

メモリーズオフ アフターストーリー

 もう一つ嬉しいことに、本編唯笑ルートの後日談を描いたアフターストーリーも楽しめる。PSP版は諸々お得である。

 こちらでは、唯笑と付き合いはじめたものの、恋人として接する上でまだ彩花のことが引っかかってウダウタダ考えてしまう智也の葛藤が描かれている。

 いや、分かる。本当に分かるけども、唯笑に失礼だし可愛そうだから、いい具合に忘れて速くちゃんとした恋人関係になれよ!と思わずにはいられない。そんなちょっとイラつく想いもある楽しい物語だった。人の持つ思いの強さが、また別の人との関係を邪魔するという辛い心情がよく分かるものだった。智也もストレスの溜まる青春を送っているよなと思える。

 こちらはセリフのまったく入っていない普通のノベルゲー仕様になっている。他のヒロインも登場し、彼女らの日常も楽しめて良かった。おまけに信くんもちゃんと出るから安心。

 

 

 

 そんなこんなで、まだ20世紀だった頃に発売したゲームを今更しゃぶり尽くしたわけだが、めっちゃ楽しかった。

 楽しかったので、若き日の奈々様(水樹奈々)が出演した次作も遊ぼうと思う。

 今、メモオフが熱い。

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