こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

「メモリーズオフ アフターレインVol.2 想演」

 

 調子良くVol.1をクリアしたので次はVol.2に取り掛かる。

 

メモリーズオフ アフターレイン Vol.2 想演 (通常版)

 

 今回はメモオフ2の主人公伊波健通称イナケン視点で物語が展開する。

 浜咲高校の文化祭をメインイベントにし、登場人物も主にメモオフ2のキャラが活躍する。文化祭を進める中でヒロインといちゃつく展開が楽しい。

 

 本編では恋愛に全振りしたため、学園ライフが濃く描かれていなかったと思う。アフターレインではキャラクター達の修学旅行、文化祭を描き、学園ライフが濃く見える点が良かった。

 

 メモオフ2の攻略ヒロイン飛世巴のエンドルートには、巴一択で行くルートと、ほたると巴が仲良くイナケン争奪を行うという言い方は悪いが二股ルートのようなものがあった。今作はその巴とほたるの二股エンドから続く物語になる。

 Vol.1では、智也とお初なのに攻略ヒロインになり、こちらでもいきなり健に深く関わる女として登場する巴が結構図々しいと思えもするが、巴はかなり推したいヒロインなので、好きなだけ出てくれば良いと思う。

 

 初っ端から二人のヒロインに取り合いっこされるという羨ましくもあり、悩ましくて胃が痛くなるようなイナケンの物語が描かれる。

 こんな状況を見て今一度思うが、私は美少女が好きだが、たくさんお近づきになることを本能的に避けている。この手の物語の男子主人公に感情移入する度に、モテたら楽しいだろうけど、それを上回っての面倒があるとマジに思う。

 ほたると巴、どちらも確実に男性のツボを突く究極ヒロインとしてデザインされた困った女達なので、私ならマジで選べない。

 

 この外伝にしろメモオフ2の本編にしろ、プレイヤーとして健に寄せる一つの想いが「この優柔不断野郎!男なら銭形平次のごとく一つにかけろ!」というものなのだ。そんな訳で今回でもまた揺れ動きまくりな健の悩ましい少年ハートが良く見える。

 

 初代の主人公智也がウジウジと悩む気持ち、揺れ動く健の悩ましい気持ち、どちらも半分は分かるのだ。だが、もう半分については「しっかりしろや!」とイラつく感じも確かにある。この二律背反を胸に宿し、黙々とオチに向かってプレイする。このようなちょっと変わった状態で取り組むのがメモオフシリーズを遊ぶ上での宿命となっている。結果的に楽しいから良いのだが。

 

 本作では、健が文化祭の出し物として演劇を行うルート、喫茶店を行うルートの二つのルートが楽しめる。

 演劇ルートでは、巴とほたるの二股問題に決着をつけ、ほたる一択で行くルートに入る。そして喫茶店ルートに進むと、巴ではなく、ここから新たに鷹乃ルートに入っていく。これは意外。ほたる、巴が最初からグイグイ来ている状態からのスタートなのに、そこからどちらでもない鷹乃に行くとは……これはちょっと変わっている。

 

 まず演劇ルートだが、演劇としてヤマトタケルの物語を扱っている点が渋い。

 翔太がプロジェクトの舵取りを行い、つばめ先生に脚本作りを頼むことになる。

 本作でつばめ先生は攻略ヒロインにならないのだが、やはり物を知る大人だけあって、絶妙に深い絡みを行ってくるのが印象的だった。本編では、二つの内一つを選べない健の心理を「ピュリダンのロバ」に例えたが、今回では二人の女の間で揺らぐヤマトタケルの物語をぶつけて来た。どこまで健の内情を掴んでこのネタを上げてきたのか、そう思うと、つばめ先生は侮れない女だと思う。演じた池澤春菜のクールな芝居が好きだった。

 人は誰だって仮面をつけることで役を演じているという深い人間心理を突いた言葉を発した点も印象に残る。想いを演じるの意味が込められた造語タイトル「想演」は、つばめ先生が口にした概念とマッチしていると感じられる。メモオフには、深い学びを得られる文学的要素もあるのだ。

 

 アフターレインシリーズは、キャラの立ち絵がちょっとクセがあるというか、なんかポーズ決めて来ているのが気になる。巴がセクシーポーズなのは良かった。

 中でもほたるの「遠くを見ているポーズ」の立ち絵がちょっと不自然と思っていたが、あれはもしかして文化祭衣装が映えるようにするためだったのかと思えた。袖がひらひらと長い和服で文化祭に臨むので、演劇衣装着用時だとたほたるの立ち絵が不自然に見えない。ほたるの衣装姿が可愛かった。

 

 ほたるルートでは、すごい遠回りをしたけど、最終的にはほたるを幸せする道に落ち着いた健が見られて安心出来た。本編とこちらの両方を遊べば、ほたるはすごく傷ついたヒロインだと分かる。やはりほたるを演じる奈々様の声が可愛い。

 

 演劇、喫茶店、どちらのルートを取っても鷹乃のターンが多めだった。

 相変わらず男に対する冷ややかな態度が目立ち、虫に例えての男ディスりにも磨きがかかっていた。一周してこの冷たい扱いがクセになってくる。

 

 演劇ルートになると、浜咲高校外部の人間である音羽かおる、飛世巴の演劇、映像分野に詳しいヒロインズが深く物語に関わってくる。ディレクションで巴と鷹乃がやや揉めるVS構図が見えるのが面白い。Vol.1では、かおると巴の卓球対決も楽しめる組み合わせだったので、この二人の息があっている。

 喫茶店ルートでは、鷹乃とほたるがルサックでバイトをし、可愛いルサック制服姿を披露してくれる。これは良き。

 

 鷹乃ルートだと、心が疲れるからということで、健がほたる、巴両名と距離を取りたがる想いが見える。これは良くないぞ。

 鷹乃と友人関係をちょっと越えてしまった感じで終わるが、このエンドもはっきり鷹乃で行ったわけでもなく、全部キープした3又に見えなくもないものに思えた。健は迷ってばかりだな。

 

 鷹乃のことが大好き過ぎる後輩の香菜も結構登場するのが嬉しい。松来未祐がボケボケした感じの女子を演じる声が可愛くて懐かしい。今彼女の芝居を見ると、ちょっと泣ける。

 

 静流さん、小夜美さんのビューリホー女子大生コンビの活躍が見えるのも良かった。セクシーな大人のお姉さん枠な二人が美しい。

 

 メモオフ2の本編では、相摩希とみなもちゃんが出会えなかったことになっているが、こちらでは出会って仲良しになっているのが見えるのも良かった。みなもちゃんが喫茶店ルートで遊びに来てくれるのだが、やっぱりみなもちゃんはカワェェと改めて思える。

 

 脇役の信も良い活躍をしている。特に喫茶店ルートだと、食材発注とかで大変心強い。ふらふらしているフリーターに見える一面もあるが、現場でキビキビと動くかなりしっかりした戦力だと分かる。

 

 新旧キャラの絡みが見えるのが嬉しく、健の迷える心を他人事として見ることで楽しめた。

 

 続くVol.3もやらねば。

 

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