こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ブラックサレナは超格好良い「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-」

機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-」は、1998年に公開された劇場版アニメ。

 

劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- [DVD]

 

 萌えとおふざけで盛り上げたテレビシリーズの雰囲気はどこへいったことやら。

 劇場版では大きくテイストを変え、ギャグ弱めでシリアス多めになっている。特にテレビシリーズの主人公だったアキトはまるでキャラが変わっていて一体何があったんだって感じになっている。何があってそうなったのかは本編を見れば良く分かる。

 

 劇場版ではテレビシリーズラストから3年後の世界が描かれている。

 びっくりな導入なのが、アキトとユリカのお墓参りをしていること。なんと二人が死者扱いになっていることが初っ端から明らかになる。中身を知らずに当時見たファン達はびっくりしたことだろう。どっこい生きていたけど、二人にとっては只事ではない人生急変になったことは間違いない。

 かつてのナデシコチームは解体され、今はルリが出世して艦長になっている。テレビシリーズだと艦内の末っ子キャラだったルリルリだったが、今回からは後輩にして弟分のハリ君の面倒を見ている。人も成長するものだって分かる。

 もう一人のナデシコの新顔として目立つのが、木星蜥蜴の兵士だった高杉三郎太。テレビ版だとちょっとしか出番がない真面目な風貌のキャラだったが、今回では髪型を派手にいじったギャル男として登場。この変わりようにはびっくり。

 

 テレビ版で決着がついていなかった地球側と木星側の和平協定が進み、現在は2つの勢力が休戦状態になっている。かつて敵同士だった者達が仲良くしている様が見れて良かった。3年経ってまだ問題が解決していなかったら死んで行った九十九が報われない。ついでにガイも。

 

 地球、木星の問題が解決したら次に出てくるのが火星の勢力「火星の後継者」。何その名前って思える。火星の後継者の制服が微妙にダサい。

 火星の後継者が問題を起こして宇宙がまた揉め出し、それをナデシコメンバーがなんとかするという戦いの物語が描かれる。一度は艦を降りたかつての仲間達が再集結する展開ににワクワクする。

 

 三年の間にユキナがだいぶ可愛くなったと思う。

 私の推しのメグミちゃんは声優アーティストになってライブやってるし。売れたってことか。可愛かった。

 リョーコの髪型も大きく変わっている。テレビ版の明るい髪色の方が好きだったかな。

 

 先日「スパロボW」を遊んでいた思ったが、ブラックサレナってナデシコ史上一番格好良いメカだよな。平成の傑作ロボでもあると思う。

 ユリカを失って黒衣に身を包む復讐者となったアキトが乗り込む最強に格好良いロボがブラックサレナである。

 元気な熱血コックさんだったアキトが今回はとにかく暗い。ダークヒーローのような描き方になっている。上田裕司の芝居も全然違っている。テレビ版とのこのギャップはまさかの変更点になっていた。体をいじくり回された末、コックとして必須の味覚を奪われたという設定はショッキングだった。

 

 ブラックサレナ戦闘時のBGMが大変格好良い。これは上がる。

 北辰達と激突するラストバトルシーンが格好良い。ブラックサレナのボディが剥がれてアキト専用の紫色のエステバリスが中から出てくるところが良い。エステバリスの目から涙のようにしてオイルが漏れ出る悲しみのシーンも格好良い描き方になっていた。ブラックサレナのデザインと戦闘パートの作りにはロボアニメ好きとしては唸るものがある。

 

 このくらいの時代からアニメにCGを自然に取り入れる技術が進んだように思える。本編のあちこちで綺麗なCG描写が見られた。これはなかなか迫力があって良かった。今見るとこういう点からも時代を感じるよな。

 

 ちょい役のゲストキャラを立木文彦林原めぐみ三石琴乃が演じ、ボスキャラの北辰は山寺宏一が演じている。近い時期の放送作品でなにかと比べられることもあった「エヴァンゲリオン」声優達が劇場版に参戦している。これにはオタクとして何か深く感じ入るものがある。

 あと北辰ってスパロボでは何気に強くて苦手な相手だったんだよな。

 

 劇場版追加キャラ声優といえば、ラストクレジットになっているラピス・ラズリ役が仲間由紀恵なことに注目。ラピスって仲間由紀恵だったのかと今更になって知った。セリフの多いキャラではないので気づけない。そういえば仲間由紀恵は、世紀末くらいだとアニメや特撮に出て、歌も歌っていたなと思い出す。若手の頃に記念になる良い仕事が出来たなって思う。

 

 ミナトさんがハリに言った「甘えた分だけ男になれよ」、アカツキの「金持ちをなめんな」のセリフは何気に好きになるものだった。

 

 エンディングトップクレジットに来るのは、アキトでなくルリになっている。今回はルリが主役と言って過言ではない。

 世間的にもかなりウケたキャラで、メインヒロインのユリカを食う勢いの看板ヒロインになったと思う。白髪のミステリアスヒロインならルリと綾波どっちが良いかと比較されることもあったくらいだから、ルリって平成の名ヒロインだなと改めて思える。アスカ・ラングレーから言われるのも良いが、ルリからバカと言われるのもまた良しと言えよう。

 

 そんな訳で久しぶりにナデシコシリーズを一気見したけど、オタク文化が詰まった素晴らしい作品だと思った。

 続編はないのか。あれば是非見たいところだ。

 

 

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