こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2021年のアニメ感想(4月~6月)その3

 今期もたくさんアニメを見て退屈せず愉快に過ごした訳だが、それでも厳しく現実を見てものを言おう。それが何かっていうと、今期クールって近年の中でかなりの不作ではなかったか?ということ。

 

 どうだろうか。たくさん見て来た者の中に、今期は豊作で仕方ないと諸手を挙げて喜べる者は幾人いたであろう。多分いないかいてもマジ少ない。

 放送された作品の数の多さに対して当たりがあまりにも少ない。日本のアニメ文化は加速し、年間で作られる数が増えた。これは素直に嬉しい。だが全体数が増えればその分ハズレも増えるのが困った真実。アニメ大国であると同時に、クソアニメ量産国の汚名もセットでついてくるのは悔しいことだが、確かにそれを返上しきれない結果にあるのもまた真実。

 好きだからこそ、こうしてちょっと性格の悪い見方もしてしまいがち。オタクだって笑ってアニメを見るだけに留まらず色々考えるものだ。

 

 そんなわけで日本のアニメ職人達よ頑張ってくれ。職人達に幸あれ。

 

 

 

極主夫道

 元ヤクザの「不死身の龍」が、引退後には専業主夫となって様々な笑える日常を繰り広げるヤクザ主夫コメディー。堅気生活の中でついつい出てしまう龍のヤクザ気質が意外性ある笑いを生む展開が大変楽しかった。ゴクドルズよりも好きだったな。

 

 プリキュアっぽい作中アニメに内田真礼が声をあてると聞いたことで、ドラマ版を一話分だけ見たことがある。アニメを見るとまた違った面白さがある。

クロマティ高校」や「ピューと吹く!ジャガー」的な間抜けにしてシュールなギャグ展開が楽しめる。普通に面白いので連続して見て笑えた。

 

 スタイリッシュな紙芝居的な意図的にカクカクしたアニメーションだったのが印象的。しっかりギャグで見せて面白いので、ヌルヌルしたアニメ要素は必要なかった。

 

  外で良く働く嫁を支え、しっかりバッチリ家事を行う龍の生活力の高さに注目できる。昨今はヤクザでも4大を出てなきゃ、とか言っちゃう時代だから、持つべきは教養などをはじめとしたしっかり生き抜く人間力。その点龍はやや社会常識からずれているものの、ものすごく自立している。とにかく女子力が高い。

 

 主役の龍は津田健次郎、その他登場するヤクザサイドの人間たちを大塚芳忠、乃村健次、田中敦子ら声にワルの威圧感がある有名人達が演じている。客員の演技も良かった。何気にちょい役のゲスト声優も豪華だった。

 

 大騒ぎして家のゴキブリ退治を行う回が面白かった。

 OPとED曲も笑えた。

 

聖女の魔力は万能です

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 タイトル通り万能な女セイが主人公の異世界もの。

 マジでしつこいくらい放送する異世界ものも、しつこいからとすぐに終わらせることは出来ない。しつこさをカバーするべく色々設定をいじって辿り着いた一つの答えが、イキった男子でなく美少女が異世界に行くというもの。同期放送作品にも転生したら蜘蛛だったヤツ、転生したら300年スライムを狩りまくる生活だったヤツなど、女子主人公の異世界アニメ被り現象が見られた。

 どうせ似たりよったりでアレなコンテンツなら、可愛い女子が楽しめる方が良い。てなわけで、女子主人公のこの手の作品には結構寛大なのである。

 

 スライム300年のヤツみたく、こちらもOLが異世界に迷い込む。聖女と祭り上げられ、イケメン達に取り囲まれる乙女ゲー的なやつだった。去年放送した悪役令嬢のアニメよりも主人公がマイルドでクセがなく、こちらの方がヒロインが好みだった。

 

 この作品についてはセイが可愛かった。石川由依の芝居も手伝って更に光っていた。というのが大きな感想になる。

 黒髪ロングで落ち着きのあるお姉さんという冒険していないプレーンなヒロイン性が良い。品と清潔感もある美少女で目の保養になった。色物女だって面白さがあって良いが、この安定感は捨てがたい。今期のイチオシヒロインだった。

 序盤はメガネヒロイン、後には裸眼ヒロインの二面性を見せたが、私はどっちでもイケる口である。

 もう一人のヒロイン アイラも可愛かった。OPを歌うのが結城アイラで、奇しくもアイラ被りになっているのも印象的。

 

 あちこちにモテてしまってもうどうしようっていう宙ぶらりんな逆ハーレム状態でなく、セイの相手は一人の男に決まっている点が清くて良い。

  

 前期アニメ作品の中には、ちょっと有名になったクソ回復術士アニメがあった。クソ回復術士の彼の得意魔法が「ヒール」だったが、今作のセイもヒールが得意。例の回復術士のせいで「ヒール」のセリフがややトラウマとなっている中、セイも「ヒール」と言うのでややヒヤリとするものがあった。今期のヒール使いのセイは美しく可愛くて良かった。

 

やくならマグカップ

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 陶芸女子の日常アニメという新しい要素があった。

 生涯一度だけ子供会的なやつで焼き物をやったことがあるけど、私としては肌に合わないものだったのでもうやりたくないって想う。そんな思い出を胸に、今作を楽しく視聴した。

 

 Aパートはアニメ、Bパートは中の人が出てきてのバラエティという二部構成だった。中の人が前に出てくるのはウェルカムな声優好きななため、これはこれで良い仕掛けだった。

 

 内容については爽やかなものであり、嫌味や毒気、その他目立ったクソ要素はない。普通に楽しめるだけのもので良くも悪くも空気感があった。普通に見て安心できるやつ。

 水着回があったのは良し。謎の夢の世界を映した回はややカオスで印象的だった。

 

 石川界人が主人公ヒロインのパパ役で出ているのが印象的。もう親を演じるくらいになったんだ。 

 

 陶芸品なのに、座りたくなるクッションを作るという発想は面白い。最終回でお父さんが「思わず座りたくなった」と言って座って割っちゃったアレはダメでしょうが。本当に座って割っちゃうんだと笑ってしまった。

 

 二期放送が決まっている。そちらもサバでもを焼くついでに見てやろう。

 

ヘタリア World★Stars

 銃、刀、戦艦、馬、怪獣などなど、日本人は何でも擬人化したがるが、国なんて大きなものを擬人化した本作は目のつけどころが違うよな。ヘタリアも随分長生きしたコンテンツになったものだ。

 

 普通に世界史のお勉強にもなり、キャラが可愛いので目の保養にもなる。

 チェコスロバキアの愉快な小競り合いが可愛く描かれ、楽しく学べたのが良かった。チェコが可愛い。

 

転生したらスライムだった件 転スラ日記 

転生したらスライムだった件 転スラ日記 2 [DVD]

 今年は間にスピンオフのコレを挟んで分割2クールを放送し、合計3クール連続転スラ三昧で行くと年明けから聞いてはいたが、まさか日記の方も30分枠で行くとは意外。箸休めの10分枠くらいだと思ったらガッツリ30分枠でやっていた。

 激しくアンチとかではないが、コレも30分でやるとか転スラ優遇が過ぎるような気もする。そんなにコレは人気なのか。ここまで持ち上げられるのが不思議。

 

 シュナ、シオン、ミリムあたりは中の人も含め好きだから見るけど、30分はキツイ。日常系アニメ風になっているスピンオフだから、そんなに長々とやるとちょっとしんどい感じもあった。

 

 内容は、戦闘パートなどのシリアスを離れた皆々の緩い日常が楽しめるものだった。別段面白くもないが、ながらで見る分にはいいかなって感じ。

 あと、ガビルってうるさいよね。

 

七つの大罪 憤怒の審判

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 このシリーズも長いもので足掛け7年放送し、この6月末をもって遂に完結した。長いようで早い。一作目からリアタイ勢だった私もその分歳を取ったわけだ。 

 七つの大罪だけに7年かけて完結とは、なんともおしゃれなことになっている。

 

 シリーズ最終作2クール目も激しい聖戦が描かれる。

 大罪メンバーの中で私が一番推していたエスカノールが、激戦の中で命の花を散らす悲しき展開が待っていた。愛用の斧を残して消えてしまう彼を思い出しては泣けて来る。

 エスカノールが消えてしまう前にマーリンと交わした炎の口づけも印象的なシーンだった。

 

 マーリンがこれまで伏せていた自身の秘密と真意が見える展開も意外なものとして楽しめた。

 アーサーの相棒の猫のキャスがあんなに危ないヤツだったとは、これも意外だった。キャスが怖い。

 

  悲劇を乗り越えて迎えた幸せなフィナーレは本当に良かった。エリザベス、エレインがおめでたを迎えている。あのメリオダスが最後には人の親になるなんて、複雑にして感慨深い。キングとディアンヌも幸せになれて良かった。やはり最後はハッピーエンドが良い。

 

スーパーカブ

スーパーカブ Blu-ray BOX

 スポーツに打ち込んだりネトゲ廃人になったり、そしてスーパーカブで走り回ったりと一口に青春と言っても様々過ごし方があるものだ。そんなことを思いながら美少女×スーパーカブという珍しいジャンルの本作を視聴。

 バイク女子アニメなら過去に「ばくおん!!」などがあったが、あの手のネタ要素たっぷりのやつでなく、こちらのスーパーカブアニメはなんとも淑やかにして文学的。バイクという荒々しくうるさいイメージもある乗り物をテーマにしている割には、動より静の魅力を掘っている珍しい魅せ方で攻めた作品だった。個人的には結構好きなアニメ。

 

 うら若き乙女にしては簡素にしてミニマムな地味生活を送る小熊ちゃんが、スーパーカブに出会うことで青春のアクセルを踏み込む静かなる物語が描かれる。

 小熊と書いて「ボンゴ」と読むとかの変化球な読みで行くと思ったら本当に「こぐま」ちゃんだから変わった名前だよな。小柄な可愛い子に育ったから良かったものの、これで大きなプロレスラーみたいなガタイになったら名前とギャップあって突っ込まれるところだよな。とか思ってしまった。

 

 小熊の地味な青春を静かに描く点は印象的。別段コミュ障が見られるとか、学友と仲が悪いということもないが、他人にあまり興味を持たず基本一人でいる。そして一人暮らしをしていて、飯のシーンが地味すぎて寂しい。冷めたレトルトの丼ものの具を米にぶっかけて食う。絶対に美味しいけど、どこか味気ない。寂しい一人暮らしのリアルな食卓状況が見えるのがなんか良かった。この飯事情だけは、多分中年のおっさんも同じことをやってるのがわんさかいると想う。

 

 プレーンなヒロイン性にもまだ届かない無味な小熊をメインに据えているのがある意味面白くて魅力的になっていた。ここに活発で男勝りな美人の礼子、ザ・女子の可愛らしさがある椎ちゃんがいるのが良い。この3人は萌えて推せる組み合わせだった。

 特に今期放送アニメヒロインの中でもかなりお気に入りだったのは礼子。このサバサバして男子にも負けない男勝りなところは良い。礼子の作業着姿には萌えた。色気もあって元気なヒロインだった。絶妙におじさんぽいノリも良かった。

 

 ストレスフリーでまったり見れるものだと想っていたら、椎ちゃんが川に落ちて凍え 死にしかけた事件が起きる。あれはハラハラして嫌だった。可愛そう。

 椎ちゃんを救助に行った小熊が、お姫様抱っこしてバイク籠に椎ちゃんを乗っけたところは男らしい。チビなのに女の子を抱っこ出来るくらい力があったんだと驚く。序盤は人とあまり喋らないことから引っ込み思案なイメージがあった小熊だが、後半になると結構ズバズバ物を言うし、言動にも思い切りの良さが見えて最初の頃とイメージが変わって来たと思えた。小熊の変化が意外。

 川に落ちて愛車のチャリが死んたことでガックリ状態の椎ちゃんが小熊にすがる。ここを見ると、小熊がヒーロで、椎ちゃんがヒロイン。微妙にユリ感も見えて来て悪くない流れだった。

 

 スーパーカブに乗ったことがないのだが、整備の重要さや乗る上でのあるあるなど、オタクにはウケるであろうコアな要素が盛り込まれていたと想う。職人芸も見える良い作りのアニメだった。

 

 このアニメを見て乗車違反行為があったとかなんとかネタを見つけて来てはネットでやんやん言ってるヤツがいたりもしたらしい。ウケる。

 

ミニドラ

 これから二期が始める「小林さんちのメイドラゴン」の放送前の軽いジャブとなるショートアニメ。マジであっという間に終わる。調子が良い時なら瞬き無しでスタートからオチまで見れる。

 二期をやると聞いてから長い期間が経つがやっとか。ミニドラでざっくりキャラのことや世界観のおさらいが出来た。これで来たる二期放送の準備はばっちり。

 サバサバ系女子の小林さんの日常がまた見れるのが嬉しい。メイドは好きだしドラゴン娘も悪くない。癒やされて萌える可愛いアニメだ。

 

 京アニが手掛ける作品なので、やはり見れば嫌でも思い出すのは、例の狂人が起こした放火テロ。人様の土地に火を放つのは普通に犯罪だし、神の下に命は平等と言っても、オタク的によりありがたい命である才能集団を殺したのは更に重き罪だと言えよう。犯罪な時点でアウトだが、アニメオタクの天敵になって仕方ない行為をしたのはもっと許せない。本当に酷い事件だったなと思い出す。 

 燃えたことで仕事がスムーズに行えなかった段階を経て、また良いアニメを作ってくれることがありがたい。テロの傷を乗り越えて仕事を行う京アニのことは、この脳みそと視力が生きている限り応援しようと想う。

 

セスタス -The Roman Fighter-

拳闘暗黒伝セスタス 1 (ヤングアニマルコミックス)

 その昔遊び倒したファミコンソフト「セクロス」に字面も語感も似ているので気になって視聴したところ結構面白い。私と同じ理由でチャンネルを合わせた猛者も世界に一桁数くらいならいたはず。

 

  奴隷の身分である戦士達に残された道は戦うことだけ。戦うからには勝つしかない。そんな厳しい世界で生きる男達の物語。めっちゃバトルするのが楽しい。

 マジで厳しい世界なので、本当にこんな運命は嫌だと想って見てしまった。セスタス達戦士の人生には、アニメを見て楽しむ余裕など全く無いのだ。怖い。

 

 ヒョロくて弱っちそうに見えたセスタス少年が、ザファル先生の厳しき教えの元でどんどん強くなり勝ち上がっていく様に「はじめの一歩」的サクセス感を見た。面白い。

 

 遠藤綾が演じるお嬢様が調子こきすぎてムカついた。エムデンは何であんな傲慢なお嬢様が良いのだろう。

 

 殴り合った後には当然臓器にもダメージが行く。そんな臓器の悲鳴は、翌日血尿として現れるのがこの業界のあるあるらしい。最終回で持ってきた血尿ネタはマジ怖い。健全な生活をして臓器にダメージを与えない、幾度か経験した拳での荒事も基本向こうの攻撃を読み切るので当たらない、そんなわけでこれまで私の股間から赤き液体が出たことない。しかし出るのを想像しただけで怖くなる。この知識はちょっとお勉強にもなった。

 

 大塚明夫氏がとにかく良い声で格闘技についてナレーション

してくれるのも助かる。

 二期がありそうな気もする。その時にはしっかりチャンネルを合わせよう。

 

究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら

TVアニメ「究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら」エンディングテーマ「キスイダ!」

 

 現実よりもクソアニメだった。

 

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 それだけの感想では終われない。

 これも最近よく見るゲームの中に入ってグダグダやる感じのやつだった。ギャグテイストで緩く楽しめる感じだった。竹達彩奈が出ているので、それだけでとりあえず見るかって気になった。

 

 主人公がとにかく冴えない青春を送っていて普通にダサい。現実世界とゲーム世界、両方の物語が描かれ、どちらの世界でも小便を漏らすことで周りから引かれる点が共通していた。陸上大会で転んでその衝撃で漏らしてしまう。これはキツイだろう。めっちゃ可愛そう。

 

 主人公がダサイのと変な話なのはよそに、キャラは癖があって好きなのもいた。

 ヒロインは面白く可愛さもあって良い。巨乳の面白お姉さん、サイコパスな幼馴染、ドS変態、ツンデレ妹、このように世の中の紳士諸君にどれかは受けるであろう各種属性揃い踏みになっている。

 ゲーム世界で主人公の幼馴染ヒロインに設定されているアリシアのキャラは特に強烈すぎて笑える。最近では例のダンベルアニメ、「推し武道」などで喜劇女優のセンスも魅せたファイルーズあいが、愉快にサイコパスな演技でアリシアのキャラ性の良さをを底上げしていた。ED曲でのアリシアの「殺してあげる~」セリフには笑える。

 主人公にアドバイスと罵詈雑言を飛ばしてくる松岡くん演じる伝説のゲーマーも笑えた。口が悪すぎる。

 

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