こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

目を覚ませハイパーヒーロー「SSSS.GRIDMAN」

「SSSS.GRIDMAN」は、2018年10月から12月にかけて放送された全12話のテレビアニメ。Sがとっても多い。

 

 先日、アズールレーンとアニメのグリッドマンがコラボしていることを知った。これをきっかけに、またアニメが見たくなった。で、見たわけである。

 もちろんリアルタイムで放送は全て追いかけ、かなり熱い作品だったことは今でも覚えている。しかしあれがもう3年前か。時が過ぎるのは早い。

 

 特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」放送25周年のタイミングでドカンと放送された話題作となった。円谷プロの中でもマイナーな部類で「早すぎた名作」と言われたグリッドマンが、ここへ来てアニメになるとは全く思わず、当時はまさに青天の霹靂を前にした思いだった。

 早すぎた名作なんて言われたのは、まだWindows95到来前の日本で、コンピュータ世界をテーマにした物語を描いたから。

 この当時だとパソコンの一般普及率はかなり低かったのではないだろうか。パソコンの普及率はマジで一瞬くらいで伸び、今ではそこらのガキでも持つくらいどこにでもある。しかし無い時代には田舎ならどこの家を見ても本当に無かったという。だからこの当時だと、見ているお子様にとって、コンピュータ世界の中でドンパチやっているグリッドマンの設定はしっくり来なかったのではないだろうか。

 私のお家はサイバー仕様な人間が多い。そんなわけで、自慢するわけではないが、90年代を迎える前からもパソコンを家で所持していた。当時だと地域でパソコンを持っている家庭はマジで我が家くらいだったらしいと聞く。親族が言うのには、市を飛び越えて県内で見ても、初めてWindows95を迎え入れた家庭は我が家だったとか。

 2018年ならすっかり時代が追いついて、少しはリアル性ある作品として誰にもイメージ出来るようになっただろう。実写からアニメまでの25年で世界も随分変わったものだ。それでもちょっと面白いのは、こんな時代になっても、アニメのグリッドマンは旧式ジャンクパソコンに宿っているという点。そこはリアルに合わせてスマホとかに入ったりはしないんだとツッコんでしまった。水着回では、ジャンクパソコンを裕太達のいる現地まで電車で運んでアクセスフラッシュするという、間抜けなまでにアナログな展開が見れて笑った。

 

 グリッドマンウルトラマンみたくメジャーではないし、原作を見て覚えている人はたくさんはいないだろう。それにぶっちゃけた事を言うと、ある時期まではガイファードと微妙に似ていて見分けが付かない時期もあった。

 アニメは人気出るのかな~とか思っていたが、放送すれば世間的にウケが良く、なによりも世間なんか無視してこの私が良いと思った。これが答えだ。

 この年はウマ娘の一期とコレがダークホースだった。こんな意外な作品が上がってくるとは想わなかったものな。

 

 アニメに落とし込んでもやはり格好良い僕らのグリッドマン、すんごい綺麗で迫力満点なアクションシーン、六花とアカネのあっち側とこっち側のツインヒロインの美しさが作品の看板要素となった。

 変身ヒーローものだが、仲間との友情、ほんのりとした色恋、くせの強いキャラたち、良い具合の萌えとお色気など、各種アニメ好き連中に受ける要素が散りばめられていた。その上で展開するシナリオも見応えがあった。

 

 主人公少年の記憶喪失という大きな謎から物語はスタートし、ラストのラストで描かれるアカネの真の世界を見るまで、毎度続きが気になるワクワク感があった。

 特にオチは、これまであれほどしっかり作ってきたアニメーションの世界の外を行くまさかの実写ということで、多くのオタク達の度肝を抜いてくれた。当時の最終回放送後には、これはどういうことかという考察がネットのあちこちで見られたことを覚えている。

 

 最終回まで見れば、より作品世界観とマッチしていると分かるOxTによるOP曲「UNION」は魂が熱くなる名曲だった。

 アニメ本編には未参戦の内田真礼が歌うED曲「youthful beautiful」も格好良さと切なさが良い具合にマッチした心震える良曲だった。楽曲も良しなアニメだった。

 

 3年前の作品だが、それなりに思い出があって覚えていることも多い。

 

 今回はBDで久しぶりの再視聴となったが、やはりコレは良いものだ!

 こんな風に褒めてばかりで不服な点は無しな作品だった。

 

 で、改めての感想とかを書き殴って行こうと思う。

 

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アカネが良い

 久しぶりに見てもとにかく強く思うのが、二人のヒロインが美しいという事。終始それを思ってしまう素敵なアニメ。どんだけ可愛いのって話。

 グリッドマンが傑作になったのは、物語の仕掛け人だったアカネの存在のおかげだと思う。このキャラがかなり興味深くて面白い。

 

 グリッドマンと響裕太がコンビを組んで戦う物語がメインで、正面から見ると主人公はここ二人だと言える。そこへ来ると、アカネは裏の主人公で、裏ヒロインでもある。グリッドマン側につく六花の純とした感じとは逆に、心に深い闇を宿したアカネがいる。表裏一体な二人のヒロインの存在は、作品の看板要素になっている。アカネも六花もマジで可愛い。

 

 原作のドラマだと、カーンデジファーという悪者がいて、そいつと組むのは武史という困ったガキだった。悪もまたコンビを組んでグリッドマン達に挑む。

 アニメではカーンデジファーがアレクシス・ケリヴになり、武史のポジがアカネになっている。原作準拠からかなり離れて、男子を女子に変えた点が良かった。これが多分最大のヒット要素だと思う。

 実際にああいうのはいるからリアル性は強いが、それでも武史のような色々アレな男を25年越しに綺麗なアニメでまた見るのは痛い。心に闇を持つ若者をボスに置くのは固定にしても、どうせなら映えて華のある可愛い子ちゃんの方が良い。悪者サイドにもヒロインを置いたのは、なかかなの冒険だったかもしれないが、結果アカネに沼ってめっちゃ良かったっす。

 

 アレクシスも頭が燃えている印象深い悪者だった。

「どうせお前悪者なんだろう?」と最初からでも思ってしまうが、どこかすっ惚けたエセ紳士ぶりを長らく見せたアレクシスのやり口は巧妙だった。どうせ悪者なんだろう感がひしひし伝わる、稲田徹のエセ紳士ボイスが映えるキャラだった。

 

 中盤くらいでもうアカネが世界の神で、怪獣を作って世界をめちゃくちゃにしていることが皆に知られてしまう。割とネタバラシが早いのも印象的だった。

 こんなにふんわり系女子なのに、世界の創造主と破壊者を兼ねる大ボスだったとは意外すぎる。

 

 アカネが怪獣を作り、逆に気に食わないヤツはサクッと消すことも出来る。

 昼飯のパンにボールをぶつけて潰しちゃたクラスメイトのギャル、いけ好かないユーチューバーとかを待ったなしに消してしまう。怖い。

 破壊者として狂気性を見せるアカネは怖かった。

 

 可愛いアカネだが、アンチくんには手厳しくDV行為に出る。これは良くない。アンチくんを蹴るし、スマホぶつけるしの荒れたアカネの一面も記憶に濃く残る。

 

 最終回までの間に、喜怒哀楽それぞれを見せたアカネを見事演じきった上田麗奈の芝居がとても良くて好き。当時だと、上田麗奈と言えば、例の部活アニメでたくさんのモブキャラを一人で全部演じた切った面白い人というイメージがあるばかりだった。アカネの芝居を見て、改めて良い役者だとインプットしたものだ。アカネきっかけで推しになった。

 

 怪獣好きな美少女JKというアカネの存在は尊いレッドキングは3代目がベストという特撮マニア的には達観しているとしか思えない言動は好感度ぶち上がりである。

 怪獣フィギュアがたくさんのアカネのお部屋はいい部屋だ~と思える反面、下を見れば床が見えない程ゴミ袋だらけなのはショッキング。綺麗好きな整頓好きコレクターの私だとあの床は耐えられない。アカネが水着姿でゴミ袋にダイブして寝転がるシーンは妖艶だった。

 そうなのだ。アカネと言えば、そこはかとなくエロいのが特徴的。裕太を自分の勢力に誘う時のやり口がなんかエロかったし、水着回はすご過ぎた。

 基本はロリな感じだが、ここぞとばかりに妖艶な素振りを見せる。この点にはドキリとするぜ。

 

 六花は足と尻で良さを見せ、アカネはおっぱいが武器。それぞれ部位は異なれど、しっかりこちらを魅了するチャームポイントをお持ちのハイスペックヒロインズ達が楽しめる作品でもあった。ヒロインの良さを見せるシーンでは、カメラワークや作画に絶妙なフェチズムが見えたと思う。

 

 最終回でのアカネと六花の絡みには、女の友情が見えて感動出来た。対極にあるここ二人の絡みは尊いのだ。

 かなり前の回で六花がアカネのプレゼントとして買った定期入れを最終回で渡すことになる。これを受け取ったアカネが、プレゼントが意味するのは「どこか行けってこと?」と勘違いしたのは、面白くて吹いてしまった。

 

 最終的には、心を閉ざしたアカネがそれを開放することで自分の世界、つまりはリアル実写世界に帰って来るオチになっている。なんだかんだあったけど、つまるところこのアニメは、アカネの人生の停滞から復活までを描いたもどかしい青春物語だったのかと考察することが出来る。しかしラストで実写なのはビックリだったよな。

 

グリッドマンのアクションはやはり熱い

 アクションシーンの作りが神がかってすごいと毎回思う。

 2Dか3Dか大きく区別がつかないくらい自然にCGを盛り込んだ戦闘シーンは爽快過ぎてマジで格好良い。

 昨今だと、グリッドマンの後に作られたにも関わらず、違和感強めに2Dと3Dがコラボした作品としてエクスアーム、テスラノートなどが上げられる。あれらと比べると、グリッドマンの自然なCGの取り込み方はすごいぜ。

 

 グリッドマンの強化アイテムに変身する「新世紀中学生」というクセ強めのお助けキャラ達も良い味を出していた。中学生感の薄い連中ではあった。

 グリッドマン単体だとシュールなヒーローだが、お助けアイテムと合体したらどんどん派手になる。もうスーパーロボット状態だ。金ピカになってやりすぎくらいにド派手技を放つ様はガオガイガーだった。やっぱり本気モードで金ピカになるロボなりヒーローってのは熱い。

 

 グリッドマンと新世紀中学生メンバー全員でオンボロパソコンにアクセスしたら、データ量が大きすぎて全員がフリーズするという回があった。そこの都合の悪さはアニメにも反映するのかとツッコんでしまう。この演出は意外性があって面白かった。

 

 今回のグリッドマンは最初は青くて、後に赤くなって戦う。アニメでもやはり格好良いぜ。アニメのグリッドマンは、思ったよりもゴツゴツしてロボット感も結構強い。

 そんなちょっとの違和感を持つあの頃のちびっ子達に向けての演出なのか、最終回では原作版のシュッとしたグリッドマンにモードチェンジした。そして原作のOP曲もかかる。過去作もフィーチャーした作りは気が利いていて良い。

 原作ドラマの方でグリッドマンに変身した翔直人の中の人が、アニメでは声優として友情出演しているのもすごいコラボ。BDオーディコメンタリーにも参加して、当時の貴重なお話を披露している。勉強になる。

 

 そういえば原作グリッドマンなら、メインの子供達はちょっと良いチャリであちこちに冒険していたが、アニメはチャリに乗らず徒歩だったな。

 

アンチくんの冒険でもあった

 メインのグリッドマン、裏主人公だったアカネ、そしてもう一人生き様が濃く描かれた戦士がアンチくんだ。

 当初はグリッドマンを倒すために動く敵の怪獣で、アンチヒーローだったわけだが、戦いの人生の中で真の道をみつけてもうひとりのグリッドマンになる。その名もグリッドナイト。

 黒き戦士のグリッドナイトも格好良い。最初のごつい怪獣モードもあれはあれで良い。

 

 特撮やバトルマンガ好きなら当然の心理だが、かつて敵対していた者とここぞって時に共闘する展開には燃えるのだ。悟空とピッコロが共闘してラディッツに対抗した時とかが、イコールの例として適切だろう。グリッドマン、グリッドナイトが手を取り合う後半展開も熱い。

 

 戦って負けてを繰り返してアカネちゃんにDVを受ける。だが全く動じない。素直で真っ直ぐ生きる姿が時にはおバカに見えるが、結局清々しくて好ましい。そんなアンチくんからも目が離せない。

  

 白髪のオカッパということで、ガンダムで大きくなって来た者なら真っ先に「ガンダムSEED」のイザーク・ジュールを思い出したことだろう。だがそんなアンチくんを演じたのは、シン・アスカを演じた鈴村健一。ちょっと惜しい。

 後半ではアレクシスに目を攻撃されて「痛い痛い!」と叫びはしないものの、包帯で鬼太郎状態になる。そんなところにもイザークの要素を感じた。SEEDではイザーク推しなのだ。

 

 最終回では包帯が取れて、アンチくんの目が無事だと分かって良かった。そしてアノシラスちゃんとの奇妙なタッグを形成。この二人のタッグがどうなるのかは、続くダイナゼノンの方で楽しめるぜ。

 オーディコメンタリーでグリッドマン役の緑川光が、ダイナドラゴンはアニメ化されていないと指摘していた。この段階で続編の話があったのかどうか知らないが、彼の要望通り、ダイナドラゴンはダイナゼノンの方で主役マシンとして好待遇出演を果たすことになる。良かったではないか。

 そんな訳で、続編に繋がる可能性を見せた最後のシーンにもアンチくんがいたのだ。彼も推せるキャラだった。

 

 

 

 まとめると、我々を退屈から救ってくれる目が覚めて仕方ないアニメが「SSSS.GRIDMAN」だった。実に良い作品だった。こうなるとダイナゼノンもこの流れで続けて再視聴したいところだ。

 SSSSから始まるこのシリーズも二作目があったのだから、もうワンチャンで三作目もあれば嬉しい。

 

 

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