こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

おしゃもじをマイクに持ち替えて世界を取れ「アイカツ!」

アイカツ!」は、2012年10から2016年3月まで放送された全178話のテレビアニメ。

 長い物語は、全4部に分けられている。どこから見てもとにかく楽しくて可愛い。そんな千歳飴のような構成の素敵なアニメでした。

 

 今年の秋が来れば放送開始からなんと10年を迎える事になる。ちょっと前に始まった可愛いアイドルアニメかと思いきや、今やすっかり懐かしの一作の仲間入りを果たした。

 青春時代を共にした作品が10周年とは、何をどう考えてもめでたい。そうなると懐かしいのでまた見たい。というわけで、BDを用意して初代アイカツを見ることにしたのだ。

 

 とりあえず第1部となる1~50話の1年分を、ギュッと濃密に期間を詰めて4、5日で視聴。第1部の感想とかを殴り書きたい。

 

 久しぶりに見ると、これが実に楽しい。そして抜群に可愛い。

 登場するのは可愛いアイドル達なので、文句なしに可愛いのは当然のこと。加えて思い出補正というやつなのか、10年前に恋した可愛いあんちくしょう共は、10年経った今日見てもやはり色褪せず可愛いのだ。

 10代の初恋は、ジジイ、ババアになってもなお思い返せば全て愛しいという。10年前には、いちごちゃん、あおいちゃん、蘭ちゃん達可愛いアイドルにキュンキュンさせられた。10年経った今見てもそれは同じで、やはりキュンキュンするのだった。変わらぬこの感情は美しいものなのだと思う。というわけで、古くとも可愛さは一生据え置きなのがアイカツヒロインズなのだ。皆可愛すぎて死ねる。

 

 数多の伝説のアイドルを排出したシリーズ作品だが、全部の中で最推しは「美しき刃」の異名を取る紫吹蘭だな。いちご、あおいと同級生でばっちり可愛い。ちょっと発育が良いのか、二人よりも背が高い。そして中学のガキなのに微妙にエロいという点も良かった。蘭ちゃんは一生良いな。演じた大橋彩香もセットで推せる。

 そんな蘭ちゃんにも注目しつつ、いちごちゃんがスーパーアイドルへと成り上がっていく熱い物語を再視聴だ。

 

アイカツ!1stシーズン Blu-ray BOX1

 

 弁当屋の娘の星宮いちごが、アイドル養成所のスターライト学園に入学し、多くのアイドル仲間と切磋琢磨することで一流アイドルに成長して行く。その熱き過程を描いたアニメが「アイカツ!」である。これだからアイカツは止められない。蘭ちゃんめっちゃ可愛い。

 

 久しぶりに見たが、いちごちゃんは初登場からずっと可愛い。普遍にして不朽の可愛さがある。これがブスという美的感覚なんてこの世にはないだろう。超絶可愛すぎて怖いわ。不思議なことに、回を追うごとに好きになる。これは仕組まれた設定、または構成なのだろう。

 

 絶対に可愛いいちごちゃんのことを、絶対に可愛いアイドルになれると見極めたのが、親友のあおいちゃんだった。いちごちゃんの持つ隠れたアイドル性について、あおいちゃんが「アイドルの匂いがする」と評した運命のシーンは、22世紀まで伝えて行きたい名場面、名セリフだな。

 ここ二人の友情、そして仲良しな風景に見る萌えは一生尊いのだ。

 

 いちごちゃんがアイドル業界入りするために背中を押したもう一人の人物が、推しキャラのいちごちゃんのママだった。

 弁当屋の必須アイテムである「おしゃもじをマイクに持ち替えても良い」という言葉を送ってくれた美しき母による美しき愛にはグッとくるものがある。心を掴む良いセリフだったな。ママさん美しすぎる。

 それにしても能登麻美子のママボイスは癒やしMAXで最高だった。こんなに落ち着いた母の役をする女優が、ここから数年後にはジョジョ4部でサイコパス女の由花子を演じることになるとはな。芝居の引き出しが多くてすごいし、ある意味怖い。

 

 友人と母に道を開いてもらったいちごちゃんは、かなりスムーズにアイドル街道を突き進んで行く。というか快進撃すぎてすごい。

 新人の内にバンバン仕事を取るし、途中編入ながらも、先輩アイドルの先を行く戦績も上げている。

 快調すぎておかしくない?とは思いつつも、そこを気にする下卑た感性に蓋をするのである。

 

 これは本人の努力に加えて、りんごママから引き継いだカリスマアイドルの血が導いた納得の結果だ。そう思うしかない。

 

 これを10年前に見ていた私は、鈍感でぼさ~としていたからか、後半の種明かしがあるまでりんごママがマスカレードのミヤだと気づかなかった。今になってみれば、割と早期段階からも、消えたマスカレードの片割れが誰なのかを推理出来る描写が十分にあるではないか。リアルタイムでさっさと気づいたお友達は冴えている。

 

 ちょっと気になったのは、芸能界に入るのに、または入った後にも、いちごちゃんが色々と知らなさすぎな点。あおいはアイドル博士で芸能界に詳しいが、いちごちゃんはテレビとか見ないのか、一般人でも知っているような流行りワードや芸能人を何も知らないんだよな。このアンテナの張りの悪さもまたマイペースで天然ないちごちゃんらしさがあって萌え。

 

 学園の序列一位のスーパーアイドル神崎美月に追いつき追い越すのがいちごの目的だが、一部ラストの大会では、ギリギリまで追い詰めたところで惜しくも負けている。でもこれは大健闘。

 それにしても神崎美月は強い。結局学園在学中の彼女をスターライトクイーンの座から引きずり下ろす事は誰にも出来なかった。すごいなぁ。

 いちご達新人アイドルは、仲間内でキャピキャピワイワイやっていて和やかだが、美月にはどこまでもストイックにアイドル道を突き進む孤高の格好良さがある。上を見ても下を見ても誰もいないという彼女ならではが持つトップの孤独感が見える点もアイドルものとして良い点だった。

 

 売れっ子の美月にはろくに寝る時間もない。そのため体調不良になる回があった。以前、確かマッチが、売出し時期には寝る時間もないくらい仕事三昧だったので逃亡を考えたことがあるとかテレビで言っていた。売れっ子芸能人はやばいくらい大変らしいと分かる。

 体調が悪くなるくらいの無理はしないようにと学園長に言われた美月が「無理はします」と答えたシーンにはグッと来たぜ。セーブしているようでは激動のアイドルシーンのトップの座には君臨出来ない。無理してでも全部出し切るというトップアイドルの矜持が見える点には胸が熱くなったぜ。

 

 全寮制の学園で皆は学生寮で暮らすが、序列一位の美月だけは、美月パレスという一戸建ての寮に住んでいる。あからさまに待遇が違うトップの特権が凄すぎる。

エースをねらえ!」でいうところのお蝶夫人的なポジにあったのが神崎美月だった。ペーペーの主人公から見て明らかに格が違うすごいボスキャラを置くのは、主人公の目的とそこに向けての成長が分かりやすくなるもので良かった。

 

 学園のアイドル達はどれも一流アイドル。スタンダードな良さも見えれば、くせ者臭がすごい奴らまで、実に面白い顔ぶれになっている。

 おとめ、ユリカ様、さくら辺りは、意外にもネタ性たっぷりで好きだった。

 

 鬼の角かドリルのような髪型を作ってくる有栖川おとめは、初見だと「おかしな頭してんな~」と思えたものだが、意外にもハマる。

 ラブの申し子の彼女が、ラブを感じるものを見た時に発する「ラブユ~」が可愛い。この役での黒沢ともよの声がめっちゃ可愛いなぁ。他の芝居を見ると結構低音の喋りが多いが、新人の時にはこんな声も出していたんだ。

 絶妙にふざけた感じが見えるおとめちゃんのネタキャラぶりにはウケる。「ぽわぽわプリリン」とかいう一見ネタ集団を作り上げるが、後には大成してかなり上まで行くという設定もウケる。とにかく強烈なキャラだったな。

 

 作中でもリアルでも同性人気が高いのが藤堂ユリカ。コンセプトアイドルという道を行く者で、吸血鬼の末裔というキャラをストイックに貫いている。こちらも最初こそ「またふざけたのが来たな~」と思ったものだが、一見ふざけたそれを貫くという魂に熱いものを感じられるようになり、しっかりジワるアイドルになった。

 吸血鬼モードオフ時には、地味なメガネキャラになるユリカ様もイケる。吸血鬼が苦手とするにんにくが実は大好きで、こっそりにんにくラーメンの出前を取っているシーンも萌える。沼倉愛美の透明感ある声も良かったな。

 

 回が進むと進級する作風になっている。いちご達の学年がひとつ上がったタイミングで登場する後輩アイドルが北大路さくら。

 歌舞伎芸人の血が入ったハイブリッドアイドルで、テンションが上がると領域展開して北大路劇場を始める。こいつも面白ネタが盛り込まれたコミカルアイドルだな。

 さくらの名前にマッチしたピンクヘアーで決めてくる。やはりピンク髪は問答無用で萌える。めっちゃ可愛いな。 

 さくらは安野希世乃が演じていたのか。声とキャラがマッチしている。

 

 前期OPから顔出ししていたけど、一番遅れて合流したのが一ノ瀬かえで。こいつ、いつ出てくんだろうと思って待っていたキャラである。急に出てきてトライスターの試験に合格したのはすげぇな。

 後半登場だから出番は多くなかったが、実はいちごのアメリカ行き決定のきっかけを作ったキーキャラでもあったんだよな。

 

 主要アイドルキャラは、スターアニスに選ばれる8人で、一部では思ったよりもキャラが出てこなかったな。だがその分各員のキャラ性の掘り下げが可能となり、こちらもしっかり感情移入して見れて良かった。

 このくらいの人数に焦点をあてるくらいが丁度良い。最近ではいきなり10人も越えてバンバンとヒロインが出てきて、覚えられないままに終わるものも結構ある。アイカツはその点を結構丁寧に見せていて良かったな。

 

 登場アイドル達は、席が一つしかない仕事を取り合うオーディションに参加するが、ライバルであってもギスギスした感じはなく、仲間である事を強く描いている。随分ライトに描く業界ものなので、胃が痛くなることはない。まぁ女児向けだからそこはマイルドにするわな。

 アイドル達が仲良しな点は和む。いちご、あおいは元から親友だが、学園入学後にはそこに蘭が入ってトリプル仲良しになる。この3人の仲良し感は尊い。ここに蘭をぶっ込んだのは良いエッセンス。ソレイユの3人は最強。

 蘭がトライスターとソレイユ、二つのグループのどちらでやっていくのかで苦悩するエピソードも見どころになっていて良かった。

 

 サインを書くこと、ファンとの交流の意義、モデル業において蘭が語るランウェイを歩くアイドルの正しき心理など、見て聞いて学べるアイドルの心得というものも描かれている。勉強になるぜ。

 

 スターライト学園でなんだかんだのアイドル修行を終えたいちごは、一部最終回でアメリカに武者修行に出る。一年間放送した物語は激動すぎて楽しかった。

 ファンの間では言わずと知れた伝説のシーンが、いちごのアメリカ行き前最後にソレイユが見せた「カレンダーガール」のパフォーマンス。ここでこの曲、そして歌詞を今一度噛みしめると、どうしてもジワるものがある。女児向けの萌えアニメではあっても、さすがにここは泣ける。

 いちごとの別れを一番寂しがっているあおいちゃんが、涙を我慢しているところに萌えるし泣ける。

 

 アイドルをやるならカードが命。アイドル共有の概念にそうあるように、アイドル達はステージドレスを召喚出来るアイカツカードを持っている。アイカツシステム搭載マシンにそれをはめ込むことでバーチャルな感じにお着替えを完了させる。そして素敵なドレスでパフォーマンスを行うのだ。

 私は実機に触れたことがないが、アイカツデータカードダスというアイテムを使用して遊ぶゲーセンのゲーム展開も行っているという。カードダスの要素がもろに反映されたシーンが、ライブ前のお着替え時に見られる。ここのところは、多くあるアイドルアニメの中でも本作ならではが持つ特徴になっている。

 

 アイドル各員が身につけるドレスに見る秀逸なデザイン性も作品の見どころだといえよう。

 ドレスを作る多くのブランドが登場し、アイドル各員が好みとするブランドの衣装を選ぶ。上位ランクのドレスは、店にあるのを誰でもが買えるシステムではなく、デザイナーから認められた者しか着ることが出来ない。アイドルとしての魅力で職人を口説き落として素敵なドレスをゲットすることは、アイドル達皆が越えて行く壁になっている。ここのところはちょっと厳しい。

 一流デザイナーに会ってドレスを作ってもらえるよう交渉するためには、断崖絶壁を登って行くという苦難の道も用意されていた。いちごちゃん、りんごママ共に、崖登りを経験してドレスゲットに至っている。

 魅力ある服を作るブランドがいくつも登場したが、やっぱりスパイシーアゲハが一番良かったかな。美とイケてる格好良さを兼ね合わせた衣装を生み出すブランドで、我が推しの蘭ちゃんもこのブランドを気に入っているからな。

 

 ドレスアップして行うCGのライブも見どころ。

 2012年当時のCGで見るアイドルのライブシーンは、今だと結構違和感がある。当時はすげぇ~と思って見ていたが、もっと技術が進んだ今見ると、意外とアクションがカクカクしているし、歌唱時のアイドルの表情もなんだかぎこちない。

 最新のCGで作ったライブパフォーマンス映像だと、ウマ娘のゲームで名曲「グロウアップシャイン」のパフォーマンスをつい先日見た。あちらの作り込みはすごくて、やはり10年前だとまだまだしょぼく、10年後だと格段に進化していると分かる。

 それでもアイカツ放送1年目の序盤回から後半回にかけてでも、十分にCGの進化が見えたとは思う。どんどん磨きがかかるライブシーンも楽しいアイドルアニメだった。

 

 このくらいの時代になると、アイドル文化に付随してSNSってのも盛り上がったようだ。アイカツの世界には、限りなくツイッターぽいキラキラッターというネットを介したコミュニケーションツールが存在している。あおいちゃんがコレを頻繁にチェックしているシーンを見ると、アイドルもネットであれこれと情報を発信し、またお客さんからの意見を得ることで自分磨きとする時代になったのだと思える。

 放送開始時の2012年には既にこういうのが流行っていたんだな。当時も今日もガラケー勢なもので、この手の文化には触れたことがないんだよな。

 

 

 というわけで最高やんと言えるアニメだった。

 新キャラ追加でもっと楽しくなる第二部以降も順次見ていこう。

 

 

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