こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

いちごちゃんはレジェンドになる「劇場版 アイカツ!」

「劇場版 アイカツ!」は、2014年12月13日に公開された劇場版アニメ。

 テレビ東京開局50周年記念作品でもある。そんなに長いことあったのか。おめでとう。

 

 アイカツのあかジェネ放送時に公開された作品だが、こちらはあかりでなくいちごちゃんがめっちゃ主役。

 あかジェネ本編でいちごちゃんが「大スター宮いちごまつり」なるとんでもないツアーに出る展開がある。このツアータイトルは絶対に楽しそう。

 テレビシリーズでは、どんなことをやるのかとあかりに問われても「実はまだ何にも考えていない」といちごちゃんは答えていた。テレビではしっかり触れなかったそのツアーの内容に迫る物語になっている。これはなにをどう考えてもおだやかじゃない。

 

 テレビシリーズを見るだけでは分からないあのツアーって結局何をやったのだろう?とあかジェネ視聴後にも思ったものだが、こういう形で話が作られていたんだ。

 もう7年程前になる本作を今更見たところ、めっちゃ楽しかった。これはラブライブの映画のスクールアイドルムービーならぬ大アイドルムービーと言った強い作りになっている。

 

劇場版アイカツ!

 

 まず開幕早々から景気が良い。あかり達黄金時代のスーパーアイドル達が揃い踏みで名曲「SHINING LINE*」を披露する。歌が2番に突入すると、いちごちゃんとSHINING LINEで結ばる後輩のあかりちゃんも追加で登場する。この曲めっちゃ良いし、最初から聴けて良かった。

 

「大スター宮いちごまつり」を成功させれば、いちごちゃんはガチのレジェンドになれる。そう踏んだ織姫学園長は、学園を上げた大プロジェクトとしてこの企画を推すのだ。なんかすごい事になっているし、近い未来そうなるんだと思えてワクワクすっぞ。

 

 いちごちゃんが主役のステージだが、同期の皆もステージに上がってくれるし、裏方としてカバーもしてくれる。この時代の人間の集大成だな。

 生粋のアイドルオタクのあおいちゃんは、いちごちゃんを最も輝かせるステージ全体をプロデュース。最近はドレスのプロデュースにも挑戦している蘭ちゃんは衣装担当。裏方としても強い仲間達が支えてくれることで盤石の体制が取れている。

 

 ライブにはドリアカ勢も皆来てくれる。各員がそれまでドラマで演じたキャラクターとして登場してコラボする楽しい小芝居コーナーも良かった。

 

 あおいちゃんの「イケナイ警視総監」の衣装は、フューチャリングガールの衣装よりもエロ可愛くて良かったもしれない。

 おとめちゃんの「警察犬おとめ号」は可愛すぎる。おとめちゃんは不思議ちゃんすぎて出だしこそ「何こいつ?」ってなったものだが、そこからは話数を重ねるごとに沼ル良質アイドルヒロインだったな。マジ可愛いわぁ~。

 ユリカ様は実は数字に強いと分かり、経理役としてツアーのサポートに回っている。そろばんも弾けるアイドルここにあり。ユリカ様はなんだかんだで有能。

 

 ステージには登らないけどみくるちゃん、地下の太陽こと三ノ輪ヒカリまで出てきてくれる。

 本編への絡みは薄いけど、三ノ輪ヒカリってテレビでも使い捨てでなくちょいちょい出てきていたよな。初見だと、絶対いつかの時代のプリキュアじゃんって思える見た目だった。地下の住人のヒカリが、地上に出る度にやる「眩しっ!」っていうギャグは好き。何気にお気に入りのキャラ。劇場版にまで出すとはスタッフ分かってんな。

 

 このツアーに合わせて天羽先生がいちごちゃんの新ドレスを作ってくれるのだが、ライブが始まり後半に迫ってやっと完成となる。マジでギリギリやん。忙しいのは分かるけど、もっと早く仕事してって思えるヒヤヒヤ感があった。

 

 こうなるとライブ用の新曲も用意したい。そこでココのみのオリキャラのシンガーソングライター花音に楽曲提供を依頼しに行く。涼川さんの昔馴染みだと言う。

 現在活動休止中の藤村歩が花音を演じている。好きな声だったからクレジットを見るまでもなく分かったぞ。懐かしい。

 

 花音が曲の構想を掴むきっかけになればということで、花音の前でソレイユの三人が「オリジナルスター☆彡」を披露するシーンがある。アイカツシステム無しの制服姿で歌って踊る三人が見れた。これは珍しい。3Dのライブシーンをシステム無しの屋外で、それも制服でやるってもしかして初めてだったかもしれない。この曲も可愛くて良いよな~。

 

 いちごが美月に寄せる想いはもはや恋。シンガーソングライター花音の見立てではそう出た。そうなのかぁ。それはそれでドキッとするじゃあないか。ここで改めていちごちゃんが振り返るアイドルとしての思い出が見え、その最初に出てくる美月というすごい女の存在感の強さとデカさも確認出来た。

 

 いちごちゃんが主役の成長物語ではあったが、いちごちゃんを育て導いた先輩アイドル美月さんの心情も深堀りする展開も目立っている。こちらも主役級の扱い。

 

 ここで分かるのが、やはり神崎美月は強い。そして美しく格好良いということ。とにかく惚れる良さがある。

 引退して後進に道を譲る美月の決意が見られた。まさかの宣言にビックリだ。

 トップアイドルの座をキープするのは精神的にしんどく、トップにいることで感じる孤独もあるということが分かる。しかしトップの矜持からその座は譲らない、でも奪いにくる分はウェルカムと考えている。王者の持つこの思考が格好良い。

 トップの座はいちごに「奪われたい」と言ったシーンは何かドキッと来た。なんだろうか、ここだけはさしもの美月もか弱い普通の乙女って感じに見えなくもない。ええやん。

 

 絶対的王者の美月さんの心にも、魂の解放を願う少し弱い部分があると分かったりもするのだ。その点にちょっと泣けた。

 自分が成りがりたいばかりのエゴでなく、アイドル界全体の質の底上げ、業界の未来についても考える美月の視野の広さがすごい。精神的に大人だな。

 テレビではここまで彼女の心情の核に迫ることは無かった。美月推しなら迷わず見るべき良い作品になっていた。

 

 美月の引退に待ったをかけるため、裏で働くあかりのアクションを描くターンも多めに描かれていた。あかりも結構頑張っている。美月捜索の過程で何気に水着姿もお披露目している点は萌え。

 アイドルがお休みになったらやりたい事リスト通り、あちこちに行ってエンジョイする美月を見るに、やりたい事がたくさんの若き乙女なのだと改めて分かった。

 

 ツアーの最後には、マスカレードと美月に推されてあかりもゲストで登壇する。ここで未来へとアイドルのバトンが繋がれていると分かってジーンと来る。いちご、美月、あかりが並んで楽曲披露するのは感慨深い。時代を繋ぐアイドル達の魂のリレーが見えた。

 

 有名アイドルてんこ盛りの楽しいステージを成功させたその時、アイドルランキングが動き、いちごが美月を抜いて遂に1位になる。弁当屋の娘からスタートしてよくぞここまで来たと拍手を送りたい。いちごちゃんの羽ばたきが見えて感動した。こうしてレジェンドアイドル 大スター宮いちごが爆誕したのだ。とにかくめっちゃ可愛かった。

 

 トップの座に立ったいちごからあかりに向けてのエールの言葉も心に響くものがある。ゆっくりでもいいからここまで上がってこいと後輩を激励するいちごちゃんは、すっかり先輩のお姉さんの顔になっていた。

 ここら辺の流れのシーンはテレビ番でも出てくるのだが、映画を見ていないと「そんなシーンあったけ?」となって話が繋がらない。あかジェネの後になって劇場版を見たけど、これで分からない部分の補完となって良かった。

 

 美月といちご、いちごとあかり、どうしても結びつきが強いそれぞれの関係性を掘り込んだ人間ドラマも楽しめた。そんなの抜きにアイドルがいっぱい出て来ただけでただ楽しかった。ライブシーンもたくさんで華がある。

 

 総括するととても良い作品だった。楽しかったので2回見たし。 

 というわけアイカツは最高。これだからアイカツは止められない。

 

 

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