こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

我が愛しの2012年 -10年前のアニメ「なかいも」を振り返ろう-

 いや~10年ってマジで早い。この10年間、マジで楽しかった。楽しすぎて色々覚えていないようで、忘れていない事も多い。そんな謎な感想が先行して飛び出す10年前の事を思い出さずにはいられない。

 

 どんな凡人だって、いつまでも平坦で刺激無き人生を行くという事はないだろう。

 私が凡人か非凡人かはさておき、こんな私にだって、いやむしろこんな私だからこそ人生に山あり谷あり、時に海に出ては波もあり。で、全部をなんとか乗り越えている。そう、10年もあれば誰の人生にもきっと何かある。

 

 丁度10年前の2012年の春、人生の転機が訪れた。こちらが全く望みもしないのに、そのタイミングで私の人生はそれまでと全く違う方向へと自動的に舵が切り替えれたのだ。

 そんなこんな色々あったので、2012年は特に思い入れの強い一年だったんだな。

 

 というわけで、楽しいオタクライフに沿った形で10年前を振り返ろう。10年前からさっきまで、私はずっとアニメを見て楽しんでいるのだ。10年前に見ていた愛しいアニメ達の記憶よ、カムバック。

 

 

この中に1人、妹がいる!

OVAの中に1人、妹がいる! [Blu-ray]

 このアニメを覚えている人間は、現在の地球に何人くらい生き残っているのだろうか。

 めっちゃ名作という程でもないが、昨今ザラに見る待った無しの駄ニメとまでは行かないまあまあの出来だったはず。クソな点があるかどうかはこの際無視して、探せば愛せる点がたくさんあった作品だと記憶している。というわけで好きなアニメだった。

 

 これのちょっと前には「俺いも」という新時代の妹アニメの金字塔が完成していた。当時の地球では、妹アニメ的追い風が吹いていた。そんな中、見事に時代の風に乗った一作がこの作品、縮めて「なかいも」と呼ばれたものである。私は妹アニメがとっても好きなのだ。これだけ日本アニメ史が幅を広げた中で未だ不朽を貫いている「妹」という概念はやっぱりすごい。

 

 このくらいの時期から流行り始めた一見すると「なんじゃそれ?」ってなる変わり種タイトル作品の一つに本作も含められるのだと思う。

 今ではもっとタイトルを長くした「なんじゃそれ?」なアニメが乱立し、それらの中にはしっかりと中身を見ても尚「なんじゃそれ?」となるものも割と多めにあったりする。もはや見世物をとして体を成せていない困った物も普通に上がってくるようになった。

 10年でラノベ系アニメの歴史も増えたには増えたと分かるというもの。とか振り返った中で、改めてこの作品の事が結構好きだったと気づく。

 

 

 この作品には、一人の男性主人公に対して可愛い子ちゃんが複数人寄ってくるというラブコメの基本要素がしっかり見られる。古今東西いつの時代にも一定数に好かれるジャンルであり設定である。もちろん私も好きである。

 そこに加えてちょっと面白いのが、その可愛い子ちゃんの中のどれかが自分の妹らしいというミステリー&妹要素を混ぜ込んだこと。

 

 普段仲良くしているギャル共のどれかは生き別れの可愛い妹なのかもしれない。でも自分は覚えていないし、情報も少ない。だから慎重にあれこれ探って真の妹を見つけるという他にはあったのか無かったのかもよく分からない面白みがある。うん、やっぱり妹は良い。

 そんな学園ラブコメ×妹探し当てミステリーアニメだった。

 

 出てくるヒロインズは安定して可愛いかったのでお目々の保養が捗るものだった。

 先行して登場するツインヒロインの鶴眞 心乃枝(つるま このえ)、神凪 雅(かんなぎ みやび)、それぞれを演じたのは、当時はまだまだ新人だった石原夏織佐倉綾音。事務所的にもプッシュしたいフレッシュな二人の共演は良き。

 先日、干支一周分の青春を捧げたアイムエンタープライズを卒業したあやねるが、めっちゃ若い時に出ていたアニメなんだな。彼女の芸歴も長いと分かるというもの。急に事務所を退所したから、結果しなくても良かった心配をしてしまったじゃあないか。というわけで妹とあやねるが好きならとりあえずオススメ出来る。

 

 可愛いヒロイン達ではあったが、絶妙に変態臭いキャラ性持ちだったり、そういうシーンがあったりだったので、これまた絶妙に品のないセクシー要素もありだったとも言える。

 メインヒロインを演じた新人女優の活躍が大変良くて印象に残ってはいるが、若い二人にこんなのやらせるなよ、または言わせるなよと思えなくもないシーンもちょっとありだった。

 一番覚えているのは、石原夏織の演じた子が結構なおっぱいを持っていて、主人公に「私のシュークリーム(おっぱい)も食べていいんだからね」的な体を許しきった願望持ちだった事。絶対に違うと思ったのに意外にもエロ女だったこのキャラ性はなんだかんだでグッドだった。

 そんなわけで、マイルドな絵柄ではあるものの、要所要所で危険なアレもあるため、親の前で見るにはギリギリでアウトだったかもしれない。

 

 石原夏織佐倉綾音の二人は番組ラジオの「このラジオの中に1人、妹がいる!?」のMCとしても活躍した。アニメのタイトルならいいけど、ラジオのタイトルもそれで行くのなら嘘があるでしょうが、とツッコミながら楽しんだものである。

 

 特に石原夏織の声がすごく好きで、この年には大変彼女を推していた。業界的にもそうだったようで、この年度の声優アワードでは新人女優賞を受賞している。すげぇ。

 このアニメよりも前に放送していた「輪廻のラグランジェ」の主役ヒロインまどかも彼女が演じていて、その芝居が可愛くて好きになったんだよな。アニメ序盤で、学校の映画部が映画を撮るのにまどかが参加し、そこで男子に告られて照れて走って逃げるシーンがある。この芝居がすんごく可愛く、ここでは芝居に恋をした。

 というわけで、ゆいかおりならもちろんどっちもイケるけど、どちらか選ばないと首をはねられるってなればかおりを選びたい人間です。

 

 まぁこんなアニメを思い出したきっかけは、実はアニメ自体でなく、曲がすごく良かった事に関係している。ぶっちゃけ、結局のところどいつが真の妹だったっけ?というオチもうろ覚え状態である。まぁその内再視聴しよう。

 で、先日iPodのシャッフル再生をしていたら、このアニメのOP曲「Choose me♡ダーリン」が出て来たのだが、これがめっちゃ良い。2010年代アニソンで1位くらいに聴き込んだ完成度MAXな曲だと思う。

 ていうかこのiPodも10年前から同じのを使っているけどまだちゃんと動いて仕事をしているんだよな。人間の会社だって10年経てば使い潰されて消える者が結構な数出てくるってものなのに、このマシンは今でも仕事をしていて偉い。

 

 iPodがすごいってのと同等なくらい「Choose me♡ダーリン」もすごい曲だった。今は無くなってしまった「StylipS」が歌っていた。歌も踊りも芝居もやるスーパーグループであり、4人のメンバーの歌声も素晴らしかった。特にこの曲をきっかけに追いかけるようになったゆいかおりの二人には注目出来る。あのゆいかおりが在籍していた伝説のグループなんだよな。無くなったのが実に惜しい。

 

 アニメにマッチしたラブコメ全開な世界観の歌詞はセンスが良く、そして可愛い。

 イケてる彼は一人だが、それを良いと言って狙う女子は複数人いる。そんな彼女達は、抜け駆け禁止という上っ面の条約を掲げながらも、隙きあらば意中の彼をかっさらう準備はいつでも出来ている。という理屈では錠をかけることの出来ない迸る乙女のラブを歌った一曲になっている。こいつは昨今の流行り言葉で言うところの「分かりみが深い」といえる説得性のある歌でもある。

 

 この歌に登場している女達は、それぞれ恋のライバル関係にあるが、なんだかんだで仲良くもあるという点で安心出来る。これより前に出したゆいかおりの「 Our Steady Boy」という名曲もちょっと似た世界観を持っていて、こちらでも仲良く一人の男を複数人で取り合う関係性が描かれている。

 女子同士の間で交わされるものの中には、友情と愛情がある。これらのバランスが良い感じで保たれることで、揉め過ぎない恋と友情が叶うのだろう。青春はほとんどフィーリング、残りはちょっぴりの計算、これが叶えば青春の玄人。そんなことが分かってくるというもの。

 

 歌詞の随所に見られる恋する正直者の心情にはキュンとも来れば普通に面白くてクスリとも出来る。すごく正直な人間が書き上げた曲だと分かる。

 他の可愛い子は見ずに自分だけを見て選んでほしい。女子は皆がメインヒロイン志望で脇役に成り下がる気などまるで無し。優しくするだけじゃなくしっかり奪って欲しい。などなど、恋する乙女ハートが丸見えな歌詞内容はかなりキュンと来る。すごい良い曲じゃあないか。

「傷ついたっていい あなたに決めたんだ」の歌詞には、恋する乙女の強気な覚悟が見えてMAXキュンキュンが来る。

 

 この私も含め、オタクってのは少々大げさな生き物なので、何かと「神」をつけて評論しがちだが、そんな中でもちゃんと冷静に検討してもこの曲は神っていると思う。2012年の一曲といえばこの曲の存在感が強い。

 歌っていた4人がもう揃うことはないので、もうライブでは聴けない曲なんだよな~。そこが惜しい。せめて内二人だったゆいかおりの二人がまた二人で歌って踊る所は見たい。一回だけの再結成でも見たら多分泣く。この曲を好きになったきっかけでグループの他の曲も追いかけたし、ゆいかおりの方も聴き込むようになった。やっぱり思い出の曲だわ。

 

 楽曲に合わせてのOPムービーも良く、5人のヒロインが一人ずつよく分からないタイミングで入れ替わって主人公とダンスをするシーンが最高に萌えでキュンで美しかった。まるでマジックのようなキャラ入れ替わりアニメーションの出来は良し。

 ↓


www.youtube.com

 

 そしてED曲の「Heavenly Lover」もキュンキュン来るラブがすごい。まるでラブのお中元とも言える良き曲。

 こちらはアニメを盛り上げたヒロインズ役の石原夏織佐倉綾音竹達彩奈大亀あすか日高里菜の5人が歌っている。この5人は強い。そういや主人公のモテ男役は櫻井孝宏だった。思い返せば豪華な顔ぶれだったんだな。

 

 このくらいの頃から亀ちゃんは芝居よりも麻雀に本腰を入れるようになったのかもしれない。この時には、あやねるが歌っている!と思って集中して聴いていた。

 

 というわけで、曲が神だったアニメだった。

 

 懐かしのアニメ「なかいも」はアニメも可愛く面白く、そして声優も楽曲も全部良かった。ありがとう青春。事情とか抜きにして正直に恋して!

 

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