こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

目指すは希望の青い空だ「水平線まで何マイル? -ORIGINAL FLIGHT-」

「水平線まで何マイル? -ORIGINAL FLIGHT-」は、2012年に発売されたPSPソフト。

 

 2008年にPCゲームとしてオリジナル版が発売され、2009年には追加シナリオが楽しめるファンディスクが発売された。

 それから少し時間を置いて発売されたPSP版では、オリジナル版、ファンディスクの内容が一気に楽しめる。それだけですごいのに、ここへ来てまだ嬉しいワンパンチが、PSP版のみの追加ヒロインがいること。つまりすごいお得なやつであり、買わない理由が特にない。

 

 PSPだとかなり後期に出た一作のはず。そのせいかお店で見たことがない。

 その手のアワードでは賞も取った作品だが、あまりプレイした人が多くないのかな。ネットに感想とか評価の口コミがあまり上がっていない。

 

 去年の末くらいに気持ちよくネットで波乗りをしていると、こんなゲームがあったと分かった。10年くらい前のゲームだが去年末まで知らなかった。

 たまたまネットで良い価格で出ていたので無事ゲット。

 

 心惹かれたのはジャケット。やはりゲームは、中でもギャルゲーはジャケに命を賭けないとな。中身知らなくても可愛けりゃとりあえず買ってもらえるからな。

 で、ジャケがすごく美しい。ものすごく清涼感と清純さを感じた。それもそのはずで、あの「冴えカノ」のキャラ絵を描いている深崎暮人氏がキャラデザをしている。そんなわけでちょいちょい詩羽先輩や沢村スペンサー風味を感じるゲームだった。とにかく女子の絵が美しい。萌えより先行して美の世界に沼る。

 

水平線まで何マイル? -ORIGINAL FLIGHT-

 

 遊んでみると、オリジナル版、ファンディスク、そしてプラスαを盛り込んだだけあってかなりボリューミーだと分かる。

 忙しい合間を縫って日々ちょこちょこ遊んだが、1月半ばから3月一杯までかかってやっとクリア出来た。ほんと、31日の晩にやっとコンプだったわ。ギリ年度内に始末出来て良かった。

 この手のゲームならプレイ時間が表示されるものが多いが、このゲームは時間が出ない。そのため総プレイ時間が分からないな。でも50時間くらいはやったのではないかな。私はボイス部分は全部聞くので、少なくとも全ボイス搭載時間は遊ぶことになる。改めてギャルゲーのセリフってめちゃ多い。ボイスデータもかなり膨らんでいることだろう。

 

 攻略ヒロインは7人。

 それぞれのルート開拓は多分難しい。コイツを狙ったつもりが別のアイツのルートに入ったり、また同じやつのルートに入ったりもする。狙った所に潜り込むのはムズい方だと思う。

 おまけにスキップが遅いので、2週目以降のルート開拓作業には結構時間を使う。これはラジオを聴くとか爪切りをするとかしながら気長に待つ。

 

 この手のゲームにしては珍しい仕掛けが、メッセージウインドウが画面下部でなく右側に出ること。その関係からほとんどの場面で立ち絵は一人分のみ。稀に二人分並ぶこともあるが狭い。

 

内容

 輝く太陽が空や海の青をもっと美しく演出する夏、主人公達は部活動として小型飛行機を飛ばす挑戦に打って出る。とにかく皆空が好きなんだな~。だから目指しちゃう。

 

 飛行機を作ってかっ飛ばすまでの工程で可愛いギャル共と戯れ、時には人間ならではが抱える悩み、葛藤の物語を越えてどれかのヒロインと幸せになる。そんなきらめく夏をバックにキュンキュン出来る清純ギャルゲーとなっている。

 

 めっちゃ夏って感じの爽やかさが良い。この点には「この青空に約束を」の感じも見える。

 

 主人公少年の平山空太は、当初だと自堕落なダラダラ人間として描かれている。それが飛行機を飛ばす目的を得てからはすごく頑張る。この成長物語を追っていく内容になる。

 

 空太達が所属する部活動の名は「宇宙科学会」。この部活だが、大層な看板をぶら下げておいて、やっている事は宇宙に関係なく地上でダラダラ遊ぶだけ。そんな事から架空研究会の扱いを受けている。

 そんなのだから学園の執行委員からは、実績もなくダラダラしているなら潰すと言われる。そこで飛行機を作って大会に出て優勝を狙うというプロジェクトが動き出すのだ。

 

 極めて現代ぽく見えるが、時代設定は2030年くらいになっているらしい。ちょっとだけの近未来SF性があり、人間と空が現実以上に近づいた世界の物語になっている。

 もっとライトに空を目指せるだけ文明が進んでいて、軌道エレベーターを作っているとかなんとかいう話も現実味を帯びるくらい身近に迫った世界観になっている。

 

 学園内には正式に飛行機を飛ばす航空部があり、まずはそこに勝って学外のコンテンストを目指すようになる。同じ学校からは1チームしか出れない縛りがあるため、校内で争う事は避けられないのだ。

 人数の少ない宇宙科学会だが、会長の財力や渋い教官の教え、その他頭と体が使えるメンバーの力を総動員して勝利を掴んで行く。弱小だがなんとかやって行くこの感じが良い。

 構図としては最初こそ敵対関係にあった執行委員の日向、航空部の花見も味方にし、新生宇宙科学会で大会優勝を狙う挑戦の夏が開幕する。

 

 飛行機を作って飛ばすプロジェクトを完成させるには、部品を合わせて飛行機を作るのは当然、そして後はパイロットの準備もいる。皆素人だが色々頑張る姿が美しい。

 ちょいちょい専門的なこともあるが、各ヒロインと関わって各役割を見ていくことで飛行機の事がちょいちょい分かってくる。

 空太は特に専門担当がなく、あちこちを回って何でも行う雑用とか調整役を行うことになる。このあちこちを回る選択肢が重要で、それによってどのルートに入るのかが決まる。

 

 可愛い子ちゃんとご一緒する飛行機製作合宿は楽しい。そして杖をついた若本規夫ボイスのおっさん教官との渋みある一時も良し。ヒロインズを愛でるのが本番のゲームだが、おっさん教官も人間的にシンプルに面白く、物言いに教訓が見えることでとても味のあるキャラになっている。そういえばこの人、他のアニメやゲームでも杖をついた渋いおっさん役で出ているような……

 

ヒロイン

 

 ではヒロインのことを振り返ろう。

 どいつもこいつもめっちゃ可愛い。各CGも良しで萌える。深崎先生のイラストはマジで神々しい。こんなのを自分で描けるなら、部屋中に貼ることでオリジナル癒し空間を完成させたい。

 

 攻略順に行くぜ。

 

千鳥 水面(ちどり みなも)

 空太と顔を合わせば何かとギャンギャン噛みついてくる犬のような元気ギャル。空太と喧嘩ばかりするが、これもトムジェリのような仲良く喧嘩している範囲にすぎない。ルートに入って仲を深めていけば、喧嘩仲間からスムーズにラブを持ち寄っての男女関係に移行する。

 一体どうやってセットするのか分からないが、頭の左右で三つ編みをイカリングみたいにした髪型をしている。難しそう。

 

 宇宙科学会メンバーではなく、報道部に所属している。学内新聞の取材として飛行機を作る合宿にもちょくちょく来る。後は朋夏の追っかけとしてしばしばやって来る賑やかし役。

 

 うるせぇけど可愛いあんちくしょうでもある。個別ルートに入ってから女を出してくると大変萌えるのだ。

 他のメンバーは同学年と上級生、湖景ちゃんはなんちゃって年下キャラで本当は主人公よりお姉さん。そうなると、意外にも唯一の年下ヒロインだったのがみなもだった。こちらに対して後輩らしくはせず、敬語無しのあんた呼びだけど、実はレアな年下ポジだった。

 

 ぶっちゃけ最初は、演じた生天目仁美が好きなので陽向ルート狙いだったが、なんか知らんけどこちらのルートに入った。でもみなもルートが一番刺激的で楽しかったかもしれない。

 このルートだといつもは仲良しな朋夏とみなもがめっちゃ揉める。そこに自分も入っての三角関係に入っていく。これは、ワクワクすっぞ。

 

 さっぱり系のキャラと思った朋夏がめっちゃキレて怖くなるルートで、もしかすると彼女のイメージダウンになる危険もありなルートかもしれない。絶対いい子なんだけど、結構面倒で怖い所もある朋夏の意外な一面が見える。そうなることで、仲良しだった女子二人の関係が悪くなって行くのを見ると気の毒にもなるが楽しくもある。

 

 周りにはっきりと理由を告げてはいなかった、朋夏が新体操を辞めた理由もここでしっかり分かることから、みなもルートは朋夏のキャラ性の掘り下げの補完にもなっていた。

 心が痛むルートではあるが、見応えがある。

 

宮前 朋夏(みやまえ ともか)

 主人公の幼馴染ヒロインでジャケットにアップで映っていることからメインヒロイン扱いのはず。もちろん可愛いし、良い子ではあるが、他のヒロインも強いからどうしても途中からメインヒロインの感じがしなくなる。

 

 飛行機作りではパイロットの役目を行う。教官の鬼特訓が待っているが、アホなのかってくらいの体力バカでめっちゃ活き活きときついメニューをこなしている。体力お化けだな。

 ペチャパイキャラで本人もそれを気にしているが、引き締まったボディと顔面の良さから、凹凸がなくとも放てる健康的な色気を宿している。結果すごいヒロイン。

 プールでの訓練シーンでは機能性重視で色気もあったもんじゃない地味水着で出てくる。そこはビキニとかも見たかった。

 

 運動神経は抜群だが、そこを離れたテクニックがいる飛行機操縦でどうしても突破できない壁がある。そこにぶつかって悩んで葛藤する姿が描かれる。とにかく追い込まれることで朋夏の精神が暴れた状態になる。その結果、彼女の隠れた属性のキレキャラが発動する。根はいい子で、それなりの理由もあると分かるけどやっぱり怖い。朋夏のある種暴走とも取れる言動でチームの統率感も乱れる。この点はドラマがあるなぁ。

 

 直情的で人の話聞かないなぁ~という思える場面もしばしば。ちょっと落ち着けやと思えてしまう。

 

 ちょっとおバカな子な点もあり楽しいやつでもある。飛行機を飛ばすならちょっとでも軽い方が良いということから、自慢のロングポニーをざっくり切って男子みたいに短髪にして来たのは笑った。すごい行動力と覚悟。

 

 

名香野 陽向(なかの ひなた)

 めっちゃ可愛いな。陽向先輩の白ビキニ姿は大変美しかった。

 妹の湖景ちゃんとの仲良し&ユリユリしい感じは癒やしだった。妹スキスキお姉さんキャラで面倒が見が良く、ちょっとのツンデレさんでもあった。

 会長が冷やかしたがる可愛さを持っている。会長と陽向のツーショットは美しくユリユリしい。この二人の組み合わせも良し。

 生天目仁美のボイスがとても良い。

 

 執行委員の委員長ということで、最初は空太達の部活を潰す話を持ってくる。なので初っ端だと敵のポジションだけど、合宿が始まってからはまさかのエンジニアとしてこちらについてくれる。何でも教養としてやっておけば良いということで、意外にもメカ周りに詳しいキャラだった。陽向の作業服姿にも萌え。

 

 安産型キャラの要素をそこそこ強めの売りにしている。飛行機の操縦席にキュートなお尻がフィットしまくって抜けなくなるのを助けるイベントが楽しかった。

 そんなキュートなお尻の形をしっかり確認出来る陽向をマッサージするシーンにはやや興奮。

 

 姉妹揃って責任感が強く、他人に甘える事に慣れていないというか知らない。

 飛行機作りにおいて自分の担当区分は完璧に仕上げたいが、仕事量的にそれは無理。そんな時でも、端から一人でやる頭しかないからヘルプを出すことをしない。そのために行き詰まって葛藤するという、優秀だからこそ出てくる面倒臭さがある。もっと周りを見て信用して助けを呼べと言いたい。そこを救ってやるのがこのルートの肝だった。

 仕事が出来て周りの事も見ているはずなのだけど、あまりにも周囲の協力を避けることで、結果としてはスタンドプレイになって困る。優秀な者の中の一部にはこういう難しい問題があったりする。そんな事も見えてくるシナリオだった。

 

 

津屋崎 湖景(つやざき こかげ)

 めっちゃ可愛い。可憐で儚げな妹ポジのキャラ。しかし割りと序盤でそうでもないと分かってくる。

 実は3年生の陽向とは双子の姉妹。でも空太の後輩の1年生である。え?なんで?と混乱を呼ぶキャラ。

 こちらを先輩と呼んで慕ってくる1年生ヒロインだが、病気療養のため入学が遅れた実は一個上のお姉さん。なんちゃって年下枠だったな。

 それにしても気になるのは、姉の陽向の発育がすごく良いのに、こちらはちんちくりんだという事。このからくりは湖景ちゃんが奇病の眠り病を患ったことにあるとか。2年くらいほとんど寝たきりになっていて、それがまるでコールドスリープのような効果をもたらし、老いや成長もストップさせたっぽい。だから陽向のナイスバディからマイナス2年のちんちくりん状態。

 しかし姉があれなので、ペチャパイの朋夏と違って数年後の未来には可能性がある。実際に作中で時間が動くにつれおっぱいが順調に成長している経過報告がなされている。水着シーンはペタッとした感じのスク水姿を見せてくれる。これも良し。

 ちょっとのSF性とファンタジック性が設定に反映された珍しい枠のヒロインだった。

 

 合宿では姉と共にエンジニアを担当。すごいなぁ、こんな美人姉妹が機械をいじって油にまみれてコツコツと飛行機を作って行くってのがイメージになさすぎて意外。

 こちらの妹も姉と同じく責任感が強く、簡単に他人様を頼らない。それで心身共に負荷がかかることになる。仕事が出来る萌え萌え姉妹だけど、そこのところはもっと楽にスムーズに生きろよなと思える。

 

 出来そうに見えて料理がまるで出来ず、すごい不味いビーフストロガノフを食わされるイベントがある。アフターストーリーでは料理の腕も上達し、及第点を取れるだけには成長していた事が確認出来た。

 個別ルートに入った後半では、一応先輩ということから、こちらをリードするややS気も見せてくるので結構ドキドキする。

 

古賀 沙夜子(こが さよこ)

 めっちゃ可愛いなぁ。美しい。そしてエロい。

 学業優秀でスポーツ万能、スタイルも抜群に良く、まるでアイドルか女優のような整った顔面を持つ。そして金持ちのお嬢様でもある。そんな頼りになる皆の会長である。空太達にとっては部のボス。

 会長の水着姿は美しすぎるので、それを見れただけでやる価値はあった。

 朋夏のパイロット特訓メニューをプールでやる際にも、水着姿で現れては一緒に遊ぼうとこちらを誘惑することで邪魔してくる。それがまた良い。

 

 見た目はすごく良いが、中身が曲者。

 面白い事を適当にやりたいみたいなフィーリングで部を牽引し、その結果実績無しの不良部活認定を受け、強制解散寸前まで追い込まれる。

 気象関連に強く、その手のジャンルのワードを日常会話に盛り込んで他人様を冷やかしがち。陽向がその餌食になってちょくちょく冷やかしを食らっている。二人のやりとりが可愛い。

 おっとりとした雰囲気でゆっくりと喋る人だが、結構怖い人でもあり、強引にやりたい事を通す感じもある。空太達が最初は天体観測を提案したところ、なんだかんだと飛行機作りに持っていったのもこの人。

 この可憐な見た目にまるでマッチしない大型トラックに乗るシーンがあり、意外過ぎる免許を持っていた。

 

 お嬢様にはお嬢様で、一般家庭の娘にはまるでない悩みがある。そんな事情が出て来る個別ルートにはシリアスさもあり。共通ルートでは見せないここだけの彼女の顔を見ることが出来る。

 諸々の事情から、個別ルートでは会長がこちらにすごく冷たくなる。がしかし、それはそれで攻略意欲が湧いて来るとも思える。

 

 意外にも地中海料理を上手に作れるスキルを持っている。合宿所で二人暮らしを行うことになる個別ルートでそれを食わせてくれる。地中海料理ってのを食ってみたくなるぜ。

 

 年齢もステータスも圧倒的にこちらより上で、加えて掴みどころがなく真意が見えづらい曲者ヒロインでもあった。それだけにこのルートでは翻弄されるラブを楽しむ事が出来た。こんな素敵なお姉さんが相手ならそれはそれで良し。

 演じた猪口有佳の芝居も良かった。

 

花見 麻里矢(はなみ まりや)

 日本語的には「まりや」読みで合っているぽいが、外国の血が入ったハーフであり、母国の発音ではマーリャが正解だという。そんなわけで皆はマーリャと呼ぶ。

 

 格好良い子で良かったな。短髪でイケメン、チビの割には巨乳。

 素人集団の宇宙科学会とは違い、しっかり経験を積んだパイロットということから王者の風格がすごい。

 ハキハキと喋る強い女子を演じた後藤麻衣の喋りも良い。良い声。

 

 こちらも陽向と同じく外部勢力の者であり、正式な部活メンバーではない。航空部のエース部員であり、当初はライバル関係だった。勝負の後の合宿ではこちらに着いて頼もしい味方になってくれる。昨日の敵が今日の友になったという形を取ってメインシナリオに絡んでくることから、ベジータやピッコロ的ポジのキャラでもある。男子的にもワクワクする構図の上に成るギャルゲーヒロインだった。

 

 このルートでは朋夏でなくマーリャがパイロットとして大会に出場する。無念のパイロット交代までの間に展開する朋夏とマーリャの女の友情がある。ちょっとグッと来るよな。意外にも気が合う二人がとっても仲良しになるのもユリユリしくて良かった。

 

 普段強気のマーリャがデートシーンで乙女を出してくるのに萌える。デートシーンに特にキュンとくるヒロインだったな。

 浴衣とチャイナドレスのシーンがとても良かった。

 

 学生なのにもう雑誌で特集されるようなやり手パイロットのマーリャに対して、憧れと焦りがある空太の心情も濃く描かれる個別ルートになった。将来のビジョンがはっきり見えているマーリャと肩を並べるために、飛行機関連の勉強を頑張る空太の成長物語も見れるルートなのが良い。

 

 有名人のマーリャと凡人の空太が付き合うことで周りが騒ぎ出し、結果ネットに嫉妬から来る中傷が書かれる事件が起きる。これの犯人はしっかり分かってとっ捕まえるのだが、ちょっとのSF性の見える近未来の世界観でもやっぱり人のこういう闇の精神ってあるんだなぁと分かるシナリオだった。

 心に闇指す根暗人間の性根を叩き直すかのような清い意見を飛ばしてくれる教官の言葉が胸に響く。このルートの教官が一番格好良いのだ。熱き真実の人である彼の勇姿も見れるルートだった。

 

香椎 真澄(かしい ますみ)

 最後に遊んだルートはPSP版からの追加キャラの彼女。

 まずおっぱいがすごい。既存のどのキャラよりもデカい。これが邪魔することからスポーツは苦手。

 ツインテで結んだ先はドリル状巻き髪。これは良き。

 

 まるで囁くような弱々しい小声の女。海外生活が長く、日本には不慣れで対話も苦手。気弱で結構コミュ症なヒロインでもある。

 この感じのヒロインを喜多村英梨が演じたのが意外。野郎でもはっ倒すくらい剛気だったり、そうでなくとも強かな女を演じるイメージが強いので、喜多村英梨の声でこの弱々しいヒロイン性は珍しい。声もすごく可愛い。喜多村英梨史上一番可愛い声での芝居がココだったのかもしれない。

 

 空太の悪友の上村の従姉妹。そんな関係から、このルートでは上村にも良い出番があり、ちょっと格好良くも見えてくる。

 

 真澄は宇宙大好き少女。このルートでは飛行機の大会に出ず、部活で天体観測をすることになる。そのため陽向、マーリャ、おっさん教官の出番が少ない。

 

 合宿で皆と仲も深めていい感じにコミュ症も克服してきたかと思いきや、その後で様子が違ってくる。

 合宿をきっかけに空太と恋人のお付き合いをするようになるが、同時にすごく依存してくるようにもなる。とにかく空太ラブで距離感もおかしく、ベタベタしてきて校門でキスしてきたりもしてちょっとおかしい。

 嫌われたくない、捨てられたくないと言って心身共に空太にべったりで、周りが見えていない真澄の変わりようが痛ましい。これはややヤンデレ要素も出てくるヒロインになっている。意外と地雷枠だったのか。

 

 従姉妹がこんな事になれば上村も怒り、空太に強く当たってくる。まぁ分かる。

 恋愛は高め合う関係であるのが望ましく、傷の舐め合いのきっかけにしては駄目。そんな都合が見えてくる。

 

 自分たち二人の世界があるのみで、周りから浮いた存在になっている事を当の本人らは気づかない。そんな人間関係の落とし穴を描いている。

 結構深い人間心理に突っ込んだ濃い目のシナリオで楽しめた。

 

 

まとめ

 これと言って目的なくダラダラと学生をしていた空太が、飛行機を作って飛ばすことを目標にしてからは頑張って成長していく。そんな爽やかな青春物語が見れたのは良し。

 それぞれ役割を持った上で、仲間と協力して何かを生み出すことの素晴らしさも伝えていた。

 ヒロイン達はとにかく美しく可愛く、個性もあって良かった。

 

 しかしシナリオがボリューミーすぎて、ぶっちゃけ疲れも感じた。

 冗長が過ぎるとは言わないものの、劇的に何かが変わっていくわけでもない単調なパートが長いといえば長い。でも全体的にはそこまで悪くない。

 

 全ヒロインのルートを解放した最後に遊べるおまけシナリオでは、全ヒロインが結集してお喋りする良き時間を送れた。

 教官、上村の野郎キャラも萌えの邪魔にならないくらいの度合いで出てきてそこそこに活躍していて良かった。

 

 やはり空は良い。これだから人類は水平線を目指さずにはいられない。

 ありがとう青春。

 

 

 スポンサードリンク