こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

BD7は「少年探偵団」

「少年探偵団」は、1975年10月から1976年3月まで放送された全26話の特撮テレビドラマ。

 

 チビだった時には、ポプラ社から出ていた江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを図書館で全部借りて読んでいたな。あれは楽しき思い出。

 大人達がどこかで払っているのであろうお金で、我々はタダで名作が山ほど読めた。改めて図書館ってパラダイスだよな。

 そんな訳で、我々の親世代がガキの時分からも子供達に親しみがあったのが明智探偵だったり二十面相だったり少年探偵団だったりする。

 

 少年探偵団や二十面相の物語は複数回ドラマ化されているようだが、今回は通称BD7で親しまれているこちらのシリーズを視聴した。

 

 最初こそBD7ってなんだ?と思ったが、それは少年探偵が7人いる意味の「Boy Detectives Seven」の略称だった。なんだかおしゃれ。OP曲でもBD7は少年探偵団の事だと言ってる。ちなみに女子メンバーも一人混ざっている。

 

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BD7メンバー

 毎度二十面相が事件を起こしては明智探偵と少年探偵団がその解決に向かうという流れになる。

 明智探偵と二十面相の戦いも描くが、今作で一番焦点が当てられるのは7人の子供からなる少年探偵団である。極めて子供向けに作られた特撮ドラマになっている。

 

 少年探偵団といえば一番手の小林くんがやはり輝くリーダーキャラになっている。

 あとの子供達は特技がそのままあだ名になったようなユニークで愛嬌のある連中だった。

 アクロバットが得意なトンボ。

 ものまねが得意なオウム。

 メカに強いキカイ。

 体当たりが得意なアメフト選手のガッツ。

 パチンコ射的の名手ゴムカン。

 紅一点の手品師マジョ。

 

 以上の個性的なメンバーで毎度の事件解決に乗り出す。

 

 小林くんはハーフなイケメン。最近で言うところのSnowManのラウール的な要素がある顔つきかもしれない。なかなか見ない顔。

 小林くんの妹も登場する。こちらの妹ヒロインは本当に中の人の妹だという。兄妹共演とはレア。

 

 骨折入院のため小林くんが出てこない回があった。あれはそういう設定で別の仕事があったのかな。

 

 小林くん以外は安易かつユニークなニックネームが連なっているが、昨今の学校教育では、ガチであだ名を禁止にしているとか。現代だったら出来ない演出なのかな。

 手品が得意でマジョってなんか面白い。マジョというジョブが光栄なものなのか悪口になるのか、どちらとも判別できない。

 

 アメフト選手のガッツがアメフトをしていない通常時もヘルメットや防具をつけたままなのがウケる。あれはフィールドだからしっくり来る格好であって、町中で普段着にしたら違和感が強い。

 ちゃんとBD7で集まってアメフトをするシーンもあった。

 

 BD7メンバーはとにかく恋多き連中で、毎度のゲストキャラにお熱を上げることが多い。しかも年長者で高嶺の花なパターンが見られる。定番要素の目立つ本作だが、恋多きメンバーの青春もそれ。

 

 BD7メンバーの特徴的な移動手段として、昭和のイカす自転車、ローラースルーゴーゴーがある。

 この自転車は今見ても高そうなデザインをしているな。ローラースルーゴーゴーはキックボードぽいけど何か違う。これらのアイテムはこのドラマきっかけで売上がグ~ンと伸びたと言う。さすがに古くて知らない歴史。実物は見たことがない。

 

怪人二十面相

 江戸川乱歩の小説といえばのこの人が最大のライバルになる。二十面相の活躍に特撮技術が見られる。ここは重要ポイント。

 

 一話目から円盤と宇宙人といういかにも特撮好きを引き込む要素を用いている。一話に登場したエセ宇宙人が普通に変態って感じで笑えた。衣装代が高くつくデザインには想えない。

 

 いろんなトリックで悪さをする彼の最も得意とするのが変装術である。毎度のゲストキャラに変装している。毎度のハイライトは正体がバレて変身解除する二十面相のアクション。多くのゲスト俳優が順に変身解除ポーズを披露した。

 

 変身解除時にはスキャニメイトという特殊効果が用いられる。今見るとグニャついたサーモグラフィーて感じで新鮮味はないが、当時だとこれが最先端技術だったという。これを見せつけてやりたいのが作り手の意図。

 

 そのため毎回のお決まりのシーンが敷かれる。

 ある程度人数が集まったところで小林くん、明智探偵あたりがこの中に二十面相が化けているヤツが紛れ込んでいると宣言する。その後、まずは中村警部が我先に身の潔白を証明する文言をぶつくさ言う。次に真の二十面相が誰だか分かる。バレたら最先端技術を見せつける例の変装を解くシーンとなる。

 このクセの強いお決まりパターンは2、3回目見た段階でも強い既視感となった。ていうか毎回ウケるんだけど。

 

 見抜く方もすごいのだけど、二十面相もバレすぎだろう。

 とりあえず一旦は中村警部に疑いが集まる点はコメディ。警部のアリバイ証明のコメントが毎回違うのも笑える。中村警部は愛せるコメディリリーフだった。

 

二十面相と団次郎

 序盤回だと二十面相役の俳優の名は伏せられていた。いつからか団次郎表記になる。

 ウルトラマンの郷秀樹役でもある彼が敵のボスという真実を受けて、当時の子供達は何を思ったのだろう。

 

 最終回の展開は気になるし印象的。

 俳優団次郎が本人役で登場する。子供たちにとって人気者の彼は、BD7にサインをねだられていた。

 ここらあたりまでの顔出しならファンに向けてのちょっとしたサービスで良いと思ったが、最終回で扱ったキーアイテムの黄金仮面は団次郎の親父の形見ということになっている。本人ネタをエピソードの重要設定にここまで盛り込むものなのか。これの放送を見た団次郎の父親がびっくりするだろうが。

 

 最終回の明智探偵と二十面相の対決では、明智探偵が優勢に立ち、遂に二十面相の覆面を剥がす事に成功する。すると下から現れた顔はやっぱり団次郎

 BD7メンバーは「団次郎が二十面相だったのか!」と驚くわけである。リアルの団次郎をそこまで持ち込むんだとこちらもビックリ。

 ラストのカーチェイスの果に二十面相もとい団次郎は爆発の中に消える。死んだのか、生き延びたのか、真相は謎の向こう。とりあえずその後一ヶ月間は二十面相の活動はなかったそうな。

 

 これを見たフィクションの概念を知らぬ子供達は、団次郎がマジに二十面相で死んだのかと思うじゃないか。これを見た後の団次郎の俳優活動がついつい気になってしまうオチだった。ていうか何回団次郎って打ち込むんだよ!

 

 というわけで、団次郎が伝説の特撮俳優となったBD7の活躍の物語「少年探偵団」は、とても楽しい特撮ものだった。私もすっかりお気に入り。

 

 

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