こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2022年のアニメ感想(4月~6月)その2

 

処刑少女の生きる道

処刑少女の生きる道(バージンロード) 上巻(初回仕様版) [Blu-ray]

 タイトルの「生きる道」は「バージンロード」と読む。

 思わず草彅剛の「僕の生きる道」を連想してしまうタイトル。

 

 処刑が決まった少女が逃亡して何か起きる話なのかなとタイトルから予想していたらちょっと違う。

 

 まず最初に処刑執行人の少女メノウが登場する。彼女の仕事は自分達の世界に迷い込んで来る異世界人をターミネイトすること。世界を変える厄介な力を持っている彼らのことは、現地の人からすれば脅威なのだ。

 従来の緩い異世界ラノベなら来れば歓迎される日本人もここでは世界の異物扱いされて消される。考えてみればそういう都合もあるわなと納得な普通の逆を行く設定だった。

 こんな異世界処刑人がどの作品にもいたら、これまでのなろうアニメ主人公なんて皆一掃だな。まるでここ数年で加速的に増えまくった異世界駄目主人公へのアンチテーゼにも取れる設定だと思うのは私の勝手な深読み。

 

 一話目に登場したいかにも異世界モノ主人公って感じのもっさりした男子が本作の主役だと多くの者が思っただろう。でもその彼はメノウがサクッと殺ってしまいスムーズに退場。こちらの予想を裏切るショッキングな物語の導入となり、初っ端から気になる。

 

 メノウに次いで第2のヒロインのアカリが登場する。異世界人のアカリもメノウの処刑対象となる。しかし、不思議な力を持っているアカリを簡単に殺すことは出来ない。そこでメノウはアカリを伴って旅をし、その中で処刑方法を探す。

 本来なら食う食われるの関係性の2人が、表向きには仲良く旅する異色の展開が見えた。処刑を完了させるための旅であるというダークなテーマ性を、この手のジャンルにしては硬派に見せたことから結構楽しめた。

 異世界ものではあるが、よくある貧弱なストーリーとテーマ性が目立つ物とはやや違い、意外にもちゃんと見れるものだった。

 

 随分前から全話の画と声を仕上げていたことから、アニメとしてのクオリティも良い。キャラ画も可愛らしい。バトルシーンはしっかりファンタジーバトルをしていて格好良かった。

 

 本来なら馴れ合う関係性ではないメノウ、アカリの2人がラブラブしているのは癒やしだった。メノウはスレンダーな美人で、アカリは童顔のぽっちゃり系巨乳。この凹凸あるツインヒロインの並びが良し。

 アカリがメノウラブ過ぎるし、モモもメノウラブすぎる。そしてアーシュナ殿下はモモの事がラブ。こんな感じで女子同士の関係性が結構楽しい。

 

 後半に登場した闇ヒロインのマノン、それと関係する化け物女のパンデモニウムは存在感があった。

 パンデモニウムは怖いしキショいなぁ。ムシみたくウネウネ動き回るアニメは迫力ある仕上がりだった。

 可愛いけど中身はだいぶ怖いマノンのギャップは印象的。こんな闇ヒロインを石見舞菜香が演じたのも意外だったので記憶に残る。これまでの彼女の芝居のイメージにない怖いお姉さん役だった。

 

 ウマ娘のキングさんを演じた事で気になっている佐伯伊織がクールな異世界ハンターのメノウを演じた事にも注目できる。クールな役も良いではないか。

 

 そんなこんなで、一括りに少女と言ってもどんな道を歩んで生きていくのかは本当に人それぞれなのだと分かるアニメだった。

 

真・一騎当千

 今更になってまだ「真」の物語が追加されるくらいこのシリーズは見せ方の手数が多いようだ。というかシリーズの歴史も長くなったな。断続的にだが20年くらい続いているのは凄い。

 浅野真澄生天目仁美ら古くからの付き合いの推しがまだまだ若手の時からやっていたアニメか~。そう思えば彼女達も歴が長い。

 

 今回は孫策よりも孫権の方にスポットが当たる。2人揃って学園に来て早々強者にノックアウトされて失禁するというハードな青春を送っている。ヤワな乙女ならハートが死滅するだろう案件だな。 

 

 お話の方はたった3話なのでサクサクとあっという間に終わってしまった。激しいバトルの中にローアングルからのパンチラシーンを映すという変態的職人芸が楽しめる作品だった。

 

ダンス・ダンス・ダンスール

【Amazon.co.jp限定】ダンス・ダンス・ダンスール vol.2 (全巻購入特典:描き下ろしA5アクリルボード&缶バッジ[57mm]森流鶯 引換シリアルコード付) [Blu-ray]

 ジークンドーを心得るまるで野猿のような少年が、バレエダンスに魅せられてダンサーの道を辿っていく青春物語。

 野猿のようなだった潤平少年が、紳士淑女の嗜むバレエの世界に入る事で命として進化して行く過程が楽しめる。バレエにかける青春はピカピカなのだ。結構スポ根していて面白い。

 

 画、ダンスの要素からすぐに「ボールルームへようこそ」を思い出した。熱いテンションは良作共通していたな。

 

 1番肝心なダンスシーンは優雅に見せる良き作りだった。

 魅せる表現力はあっても型破りなダンスであることからお偉いさんに評価されない潤平の苦悩が見える点は一つの見所。

 

 流鶯というキャラを語る上でとにかくシリアスな過程を通らねばならないのが特徴。流鶯周りのエピソードには学校でのいじめ、祖母からの虐待などのキツイし暗いものが多い。流鶯がいることで物語にスリルが増し、それだけに厚みのある内容になっていた。

 

 メインキャラを見ていると、しっかり考えて今を生きている人間の熱が見えてくる。そこが良かった。

 

 潤平、流鶯、そしてヒロインの都で三角関係が完成される流れは楽しい。

 都の清涼さは良し。本渡楓の元気な声も好きだった。

 

 あと気になるのは、潤平が自分の師匠でもある都の母の事をババア呼びすること。礼儀は大事。そして同級生のママの事をババア呼ばわりするのはいけないと思います。

 

パリピ孔明

【Amazon.co.jp限定】パリピ孔明Blu-ray 全巻購入セット ( Amazon限定特典:B2布ポスター(キービジュアル))

 第一にアホみたいなタイトルだなと思った。トンカツDJ感もあるタイトル。

 でもちょっと前にアメトーークでどこぞの芸人が面白いって言ってたような気がするし、何を隠そうこの私も同族のパリピなので見てみた。

 

 タイトルがコレなので内容への期待は薄かったが、中身は意外にもしっかりしていて面白かった。良い意味で期待を裏切ってくれたぜ。コレをP.A.WORKSが手掛けたというのが意外。

 

 三國無双横山光輝漫画でお馴染みの諸葛孔明が、現代の渋谷に転生してくる事で始まる音楽と天才軍師の要素をかけ合わせた異色が過ぎる作品だった。

 大昔のおっさんが今日の日本に来るのもおかしいが、一回死んで赤ちゃんからやり直すとかでなく、マジにあのまんまの姿で渋谷に来るから笑える。現代日本であの格好、ヒゲは怪しすぎる。三国志オタクのマスターがいなければ、物語がこうもスムーズに成り立つことはなかっただろう。あのマスターも面白くて好き。

 そんな孔明が見つけた才能が月見英子なわけで、こいつがとても健全な色気のあるギャルで良き。英子は月英の生まれ変わりなのかな。

 

 無名のクラブシンガーの英子を歌手として売り出すために行う孔明のプロデュースが面白い。三国志に出てくるあれこれの計略を応用してヒットシンガーにしていく。渋谷の夜のクラブで石兵八陣が見れたのは面白かった。三國無双では迷子になって面倒なヤツだったよな。

 音楽でも戦争でも成功を収めるために重要なのは戦略である。効果的に能力を発揮できる場を用意するのは大事。孔明の作戦からはそういった事情が見える。あれこれの小細工で英子を売出す孔明だが、最後には理屈抜きで良い英子の歌声に賭けている。どこまでも魅せられて英子を信じる孔明の心意気は良し。

 

 歌手を売出すためのプロデュース力が大事と分かる面白みもあるが、真のお楽しみ要素は孔明が信じる英子の歌唱力にある。

 英子の芝居は本渡楓、歌唱は96猫で分けられている。96猫と言えば結構前にやっていた「ふらいんぐうぃっち」のOPを歌っていて、あれはとても好きだった。あの時と違って太い声で格好良い曲をやるようになったんだな。挿入歌も迫力があって良かった。特に最終回の10万いいね獲得を決めたライブが良かった。

 

 英子の戦いと並行して描かれるKABEと赤兎馬のラップバトルも楽しめた。

 英子と七海の交流も良かった。会社の方針で自分のやりたい音楽性を追求できないことに苦悩する七海の物語は重い。こういう事もプロの世界なら実際にありそうと思えた。

 プリンにメンマを乗せてくっているキドさんが面白い。キドが10万良いねの10万人目になるところもちょっと良かった。

 

 緩く踊っているOPアニメも良かったし、ED曲も懐かしのアゲソンで良かった。

 

マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON -浅き夢の暁-

マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON-浅き夢の暁- 2(完全生産限定版) [Blu-ray]

 ファイナルと銘打っておきながらいつまでも終わらない進撃の巨人アニメと違い、こちらはちゃんと落としたな。春先には進撃仕切らない巨人アニメにちょっとプンプンしていたので、近い時期にファイナルを迎えたこちらの作品を見てそんな感想が最初に出てくる。

 

 遂に来たマギレコのオチを見てみると、とんでもない大戦争をギュッと4話に凝縮したものだった。

 ぶっちゃけ結構分かっていない部分もあるが、とにかくてとんでもない事になっているのは分かる。こんなにちっこい可愛い子ちゃん達が展開する戦闘シーンの迫力は凄い。

 

 これはバッドエンドだったのか?

 すっきり爽快なオチではなかった。とりあえず大いなる戦いが終わったという事で大きく文句もない。

 

理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ

 来たぞ。例の七面倒臭くて賢いのかバカなのか分からないラブコメの第二弾。

 これも二年前のコロナが流行り始めたくらいの時から始まったアニメか。そう考えれば一期も結構前のことだな。とにかく白衣女子は良いぞ。

 

 相変わらず雪村と氷室が仲良く恋愛研究をしつつも恋仲を深めてイチャつくのを楽しめる物だった。

 恋愛に科学や数学を持ち込むのは野暮ったい。そして何にでも数字での答えを求めるなとツッコミたくもなる。

 高等学問を用いてすごい事をしているのは確かなのだが、一方で「しょうもない」の一言で片付く研究にも思えてしまう。そこがユニークで好きだった。

 まぁ色々言ったところで、この私も所詮は彼らと同じインテリ。なので共感と好感をしっかり抱くことが出来てしまうわけ。

 

 一期よりも更にラブラブイチャイチャで良かったがそこに危険なくらいにセクシー要素をぶっ込んだ危険なお姉さんが藤原 翠雨だった。こんな危ない女がいる大学生活というものそれはそれで面白そう。このキャラは良かった。

 

 雪村は家庭教師のバイトでギャルを教えて「ビリギャル」みたいなことになっていた。

 ロリなのに不思議とエロい棘田と虎輔のラブコメ展開もキュンとして良かった。集団デート実験で虎輔だけ美少女のフュギュアとデートしているのが痛くて笑えた。

 

 普通の女子でいることに拘る奏の苦悩にスポットが当たるのも印象的。奏もメインヒロイン感のある可愛いヒロインだった。

 反射的に男を投げ飛ばしてしまう奏が持つ色恋のトラウマは深刻だがちょっと笑える。

 奏と式城くんが付きあう事になるが、最終回でその式城くんのマジでヤバイ一面が解禁されたのはビックリ。こんなに大人しい童貞みたいな顔して中身はかなりクレイジーだった。まさかこのアニメに警察が出動するような犯罪要素が出てこようとは。それまで平和だったアニメだけに最後のスリル展開は印象的。

 

 最終回の事件で奏が雪村の事を好きになってやんわりと三角関係が出来たけど、それでも平和にオチまで持っていった。

 3期はあるのかな?またやれば良いと思う。

 

 スポンサードリンク