こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ゆっくりしっかり大人に向かって行こう「ぷちぷり*ユーシィ」

ぷちぷり*ユーシィ」は、2002年9月から2003年3月まで放送された全26話のテレビアニメ。

 

 現在は無くなってしまった懐かしのチャンネル「BS2」で放送された作品であり、今年20周年の作品でもある。このタイミングで視聴してみた。

 

 アニメ製作はGAINAXが担当。となれば業界では有名人の庵野秀明も製作に1枚噛んでいる。

 GAINAX作品といえば「新世紀エヴァンゲリオン」「ふしぎの海のナディア」「トップをねらえ」「まほろまてぃっく」あたりが一般的には有名所として上げられるだろう。そこと比べるとややマイナー作品になるものの「ぷちぷり*ユーシィ」だってとても良い作品だった。それを皆に知ってほしい。

 先に上げたGAINAX作品の有名所はBD化しているが、ユーシィはDVDしか出ていない。こちらもいつかはBDにして欲しい。

 

 GAINAXが手掛けた名作ゲーム「プリンセスメーカー」の世界観を題材にした作品でもある。「プリンセスメーカー」好きならこちらのアニメもチェックした方が良い。セガサターン版のプリンセスメーカーならちょっと遊んだなぁ。

 

 まずはご機嫌に始まるOP曲が名曲だった。豪華な声優陣で歌う隠れた名曲といえよう。この機会にしっかり知れて良かった。

えがおのてんさい」という曲名はなんともセンスがあって良い。

 気持ち良い人間性を歌詞に落とし込んだこの曲は、まるで主役のユーシィをイメージしたかのような楽曲になっている。

 これより約10年遅れて世に出る事となる乃木坂46の「ぐるぐるカーテン」という曲と奇跡的にサビがそっくり。でもユーシィの方が先輩だからパクリではない。

 

 そんな名曲「えがおのてんさい」を鬼リピで聴きながら楽しく見た感想とかを書き殴って行こう。

 

ぷちぷり*ユーシィ MAGIC SQUARE 1

 

内容

 主人公のユーシィは17歳の少女だが、なにをどう見てもチビである。実は10歳以降成長が止まり、中身は17歳でも見た目は10歳のままになっている。

 

 プラチナプリンセスのみが身につける事が許されるエターナルティアラには、何でも叶える事が可能な不思議な力があるという。大人の姿になるにはこの力を借りるしかない。

 ユーシィは、プラチナプリンセス候補が集まるプリンセスアカデミーに通って学びを得ることで、夢のプラチナプリンセスを目指すのだ。

 

感想

 序盤の段階で勇者の伝説、何でも叶う魔法のアイテム「エターナルティアラ」、プリンセス育成学校などなど、素敵にファンタジックな要素が次々と出てくる。こういった世界観やキャラの絵柄的にもやんわり「おジャ魔女」の感じがする。GAINAX製のNHKでやる「おジャ魔女」って感じで楽しめた。

 

 プラチナプリンセスになるための試練として、王女様からどこそこに行ってコレをやってこいというファンタジックな試練が課されることがある。しかし学校での学習はそれだけにあらずだった。

 プリンセスアカデミーのカリキュラムには社会勉強が含まれ、ミッションとしてバイトに向かうことになる。菓子店、図書館などで働いてユーシィは社会経験を得る。

 一般人から見れば遠き存在のお姫様だとしても、国の隅々をしっかり知ることが必要。そんなわけで、次期プリンセス候補の生徒達は、積極的に一般大衆の世界に混ざって行くことになる。

 外界の生活もしっかり経験させる点から、割りと生え抜きのお姫様向け人材育成だと言えよう。

 

 作品を彩るヒロインズが良い。

 ユーシィ含めメインで登場するプリセス候補ヒロインは5人。皆チビなのでそちらの愛好家には目の保養になること間違いなしだ。

 この5人がなかなかバランスが良く、各員可愛く、演じる声優も素敵。それぞれの絡みにも和む。

 

 山本麻里安の清潔感あるボイスが映えるユーシィのキャラ性は爽やかで良い。元気で良い子なんだよな。

 おデコ全部出しのユーシィのヘアスタイルは攻めているな。インパクトがある。アルク王子もお気に入りのおデコヒロインだった。デコ出し女が好きな人には刺さる。

 

 学校に集まってくるプリンセス候補達は、実にグローバルな顔ぶれになっている。よその国から来たのレベルではなく、次元からして違う連中が集まるマジのグローバルになっている点が印象的。

 ユーシィは人間界代表で、義理ではあれど勇者の娘。ココルーは霊界、グレンダは魔界、エルミラは天界、ベスは妖精界から選ばれた代表で、4人それぞれが各界のプリンセスである。プラチナプリンセスは、プリンセスの中のプリンセスというマジで選ばれし者が掴める栄光だと分かる。

 

 一口にプリンセスといっても実に色んなヤツがいる。魔界から来たグレンダが特に濃い味のキャラでウケる。

 ワガママで性格に難あり。毎度ギャンギャンとめっちゃうるさい。最初はウザいお姫様だなと思ってしまったが、これが結構癖になる味で、最終的には推せる面白いヒロインになった。

 学校の校長、バイト先で世話になる大人達を含め、ガキのくせして相手を問わず積極的に揉めに行くまるで野獣のようなヒロイン性が見える点が面白い。

 ユーシィ、エルミラと揉めることもしばしばあった。ユーシィとは普通の同級生同士の揉め事が見え、テンションの低いエルミラ相手だとグレンダのうるささが際立つひと味違う揉め事の現場が見えて面白かった。

 グレンダは褐色肌で胸に穴が開いている服を来たセクシー要員でもあった。皆ガキのヒロインズの中では発育がよく、服の穴からは胸の谷間が見える。冷静に考えると、冷静に見てなどいられないスケベな格好だなと見終わった今になって思う。おジャ魔女にも出ていた松岡由貴がめっちゃ元気に演じていたのも良かった。

 

 エルミラをクールに演じた川澄綾子の声が良い。ずっと好きな声なんだよな。

 横に広がる天使の羽が邪魔をして教室の扉につっかえて入れないという天使の生活あるあるが見えるシュールなシーンが印象的だった。

 

 一行への合流が意外と遅い事に焦れたベスとココルーの、やんわりユリちっくな雰囲気を醸した関係性も可愛らしくて良かった。女子にしては強気のベスも、ほんわか可愛い系のココルーちゃんに迫られるとデレるという画に萌えた。

 

 プラチナプリンセスになれるのはたった1人のみなので、顔を合わせた瞬間から全員が待ったなしで蹴落とす対象のライバル同士になるわけでもある。そんな都合もあって、5人のヒロインが学校で学ぶ中で揉める展開も多々あった。しかし、その末には仲間として友情を育てる点もしっかり描かれている。5人の絡みは萌えるし、友情物語にはほっこりして泣けることもあった。この点はNHK作品に向く良き要素だった。

 

 5人のヒロインそれぞれにつく執事キャラもユニークで良かった。

 エルミラの執事ロボのバリザンは、胸に携帯電話のバリ3のマークが入ったギャグチックなデザインで面白い。「バリ3」って最近では使わないのかな。

 執事キャラが頼りになりそうで、それでいてポンコツでもあってという愛せる立ち位置にあったのも良かった。

 

 後半では、エルセル女王とガンバードの意外にもスキャンダラスな過去が分かる点にびっくりした。結構重い愛の話。

 そしてアルクユーシィ恋物語が進む点も楽しめた。ユーシィは愛に生きた女でもあった。この点は清い。

 他にも出てくるゲストキャラ達もユニークだし、漏れなく担当声優が豪華だった。声優好きとしても楽しめる作品になっている。

 

 エルセル女王は今も当時も17歳の井上喜久子が演じている。10歳から先の成長を求める17歳の少女のスタートの物語である事に対し、17歳がゴールで一生そのままの役者が出演しているという組み合わせになっている。今となれば、これは狙ったものなのか?とも思えてちょっと笑える。

 

 人よりゆっくり、それでいてしっかりじっくり成長して行く乙女達の清潔感ある青春物語が楽しめた。これは普通に楽しく美しいアニメで好きになった。

 

 ロリ好きにはまず受けるだろうし、絵柄や展開としても今のちびっこに受けると思う。20周年だし、令和に再放送すれば良いのに。そんなことも思える良い作品だった。

 

 

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