「影技 SHADOW SKILL」OVA 第2期は、1996年に全3巻で発売された。
一話30分で3つのエピソードをさっくり楽しめる。
先日見たOVA1期が結構面白かったので、この勢いのまま2期にも突入だ。
まずガウとスカーフェイスが対峙しているシーンから始まる。
ここで、後にガウは「ブラック・ハウリング」の字名を持つ伝説の戦士になることが分かる。
「へぇそうなんだ、お前そんなに凄くなるのか~」と、こちらは初めて出世報告を受けることになるのである。
なるほど。これはガウが伝説の戦士になるまでの物語なのか。
こちらのOVAを見ることによって、物語全体の世界観が掴めるものになっていた。
そこからは、その戦いの歴史を振り返ろう的な感じになり、本編ではガウが出世するよりも前の過去の時代が描かれる。
一話目では、OVA1期よりも前の時間軸に巻き戻ってエレ、ガウの姉弟の物語が描かれた。
まずはエレが格闘大会で化け物をぶっ飛ばすバトルシーンが見所になっている。首を吹っ飛ばしてもまだ動くガチの化け物でキモい。OVAだからテレビでやるにはちょっと過激なグロさがあり、首を飛ばした箇所からめっちゃ血が出る。
拾って来て間もないガウは心を閉ざしてエレ姉に口を利かず、笑顔も見せない。OVA1期だとシスコンの感じも見えたガウが、姉に対して塩対応過ぎるレアな時代が見えた。前作での仲良しな姉弟の感じが見えない点にちょっと傷つきもするが、後でちゃんと心を通わせるので安心。
ガウもチビながらに姉を想い、心の中には戦士の矜持を抱いていた。戦士としてちょっとは見れるくらいにならない内には、姉と口を利かないという試練を己に課していたのだ。なんたるストイックマン。
先輩戦士スカーフェイスのアシストも借りつつ、ガウの心が成長していく。
これを見ると、なんだかんだで弟が可愛くて仕方ないエレの姉デレも見えて良い。相思相愛な姉弟だな。
2話目、3話目ではキュオ、フォウリィーをメインにした物語が展開する。
前回OVAでは、墓参りに行く姉弟を見送るシーンでしれっと顔見せはしていたが、あの段階では「誰よ?」な謎のキャラだった。その掘り下げが出来ていて良かった。原作をまるで知らないから説明があって助かる。
ゴリゴリな格闘技を使う姉弟と違ってキュオ、フォウリーはスレイヤーズとかにいても違和感のないファンタジーの住人という感じだった。
これが本来の影技の世界観なのか。姉弟と二人のヒロイン、合わせて4人のパーティーでファンタジー世界冒険を行っていく流れが掴めた。
前回のOVAだとファンタジー感が薄いゴリゴリの格闘モノに思えたけど、こちらを見ればそうではない。格闘術とは程遠い魔術札を使う人間も出てきて、そんな感じなのかと意外に思えた。打撃の影技と一見ミスマッチな魔術的な要素もアリだったとはな。なんだか楽しめそうな世界観だぜ。
ピカチュウやチョッパーの人外人気キャラの声でお馴染みの大谷育江が、可愛くキュオを演じているのは印象的。「姫ちゃんのリボン」で主役ヒロインを張った人だから、そういえば出は美少女役なんだよな。ちゃんと綺麗で可愛い声で良い。
エレの影技を見た後にキュオの武器の円月輪を見ると、これで世界観が同じなのかと思えてしまう。
円月輪とかおしゃれで良いな。扱いが難しそうだけど好きな武器。ワンピースのジャンゴと三國無双の孫尚香あたりがきっかけで好きになった特殊武器だ。
「月の王」と呼ばれるとんでもない獣の化け物を、キュオの円月輪で退治するバトル展開が見どころになっていた。円月輪で繰り出す技が攻撃重視の技でなく捕縛術という点もユニーク設定で良しだな。
キュオとガウが微妙にいい感じになっているようにも見えるので、今後の二人の関係性にも注目だ。
フォウリーの髪型がOVA1期と2期でちょっと違うような。
パーティーの中では一番アダルトなお姉さまの感じがするキャラだった。エレの暴走を止めるという重要ポジを占めるキャラでもある。
こちらのOVAを見ると、エレの私生活の態度が思ったよりもだらしないと分かる。大酒飲みで借金も作る困った女だった。酒場でおっさんと喧嘩してるし。
まるでキャラ性の異なるフォウリーとエレだが、かなり仲良しさんである。うむ、ヒロイン二人が仲良しなのは和む。
今は亡き水谷優子がフォウリーを演じている。オタクが好んで見がちな数多の作品に出演してはその作品を盛り上げた名女優である。時を越えて令和の今日にも感謝しよう。
OVA1期、2期を見ることで、作品の全体の流れが掴めた。これで次にはもっと詳しく世界観を掘っていくであろう長めのテレビシリーズに挑戦する準備が完了した。
次はテレビシリーズを見ていこうと思う。ディープな技の世界「影技」は楽しい作品だな。ここまで見た段階でだいぶ好きなんだけど。ド古いけど今のオタクにも割りと受けると思う。
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