こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

今期一番熱かったアニメ「ジョジョの奇妙な 冒険ストーンオーシャン」遂に完結

  学校の先生もオタクも忙しくなる。それが世にいう師走。現代的に言うと12月である。

 そんな今年12番目の月に入った途端、嬉しくも忙しい事案発生。ストーンオーシャンのシーズン3が解禁されたのだ。私だけではない、世界がこの時を待っていた。

 この第3弾がファイナルシーズンにもなる。ネトフリにてこんなとんでもない名作が発信されているというなら、当然見るしかないじゃあないか。

「じゃ」で済むものをわざわざ「じゃあ」にするのがお耳に心地よいジョジョ節の基本である。

 

 ファイナルシーズンとなった今回配信の話数は全14話。これをもって石の海ともおさらばである。

 マジでめっちゃ楽しくて、昨日の昼から夕方にかけて14話を一気に完走してしまった。ジョジョ程週跨ぎで見るのに向かず、一気にしゃぶり尽くした方が美味しく味わえる作品もそうはないだろう。なので、ネトフリの一気見せ作戦は、この作品を売り出すにはうってつけなものだった。ネトフリもやるじゃあないか。

 

 半日で14話も見たのに、楽しすぎて時間がマジ一瞬。中だるみは無しで、早く次を見せてくれ状態だった。14話も見て疲れない内容だった。めちゃ面白い。

 見ているこちらもメイド・イン・ヘブンの時間早送りを食らったのかと錯覚したくらいだぜ。同じ感想を抱くジョジョラーが300人くらいはいることだろう。

 

 先日放送した「不徳のギルド」最新回の録画したヤツを見た後でジョジョに行った。こうして並べると面白いのが2作の熱量の差よ。

 不徳のギルドのことはちゃんと好きで良い作品だと思っている。でもその直後にジョジョを見ると、不徳のギルドがいかに馬鹿げたドスケベアニメであるのかがめっちゃ分かってくる。なんだか面白いカップリングを偶然発見したぜ。そんな不徳のギルドの感想もそのうち語ろう。

 

 そんな訳で、今年ラストの傑作を見た感想を書き殴って行こうじゃあないか。

 

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 今回シーズンでは、徐倫が脱獄した後の世界が描かれる。これまでの狭苦しい牢獄生活は無しで、広大な街中で14話が展開する。ここを出る前にかなり苦労してミュウミュウの厄介なスタンド能力を突破したのがもう懐かしい。

 

 脱獄後のストーリーは2012年の世界になっている。我々のいるリアル世界から見れば丁度10年前じゃあないか。10年前を懐かしみつつ見ていくぜ。

 

 女子チームは先に脱獄をかまし、それを知った男子チームもサクッと出てくる。

 先行する徐倫エルメェスエンポリオのチームを後発のアナスイ、ウェザーが追いかける状態でスタートする。チームが外で合流して強くなっていく予感がする点にワクワクした。

 

 新章一話目からいきなりマジで訳のわからん状態になっていた。掴みが良い。

 本から登場人物が抜け出して街で事件を起こす謎のスタンド能力が展開する。先に男子チームが襲撃にあっていた。この事件の規模がかなり広範囲に渡るものだったのに驚く。

 

 白雪姫と小人、ピノキオが本から抜け出ている。絵本から出て来たヤツらがブスばっかりで困る。

 知らない婆さんからもらったリンゴを食う白雪姫はどうかしていると小人が突っ込んでいる件については、確かにそうだなと納得できた。

 

 海外の名作絵本勢にとどまらず、日本勢として一瞬だがマジンガー、鉄人、アトムの3勢力も参戦していた。外国まで本が届いているであろう有名勢だな。

 ジイさんの代から親しんだ日本発のお友達とこんなところで会えるなんて感激。彼らがジョジョと雑にコラボしていて嬉しかった。

 これの後には、野球選手のイチローが施設に寄付した靴が盗まれたネタも挟まれていた。意外にも日本の要素を見る作品になっていた。

 

 ゴッホの自画像が絵の外に出て歩いていると、見た目がゴッホまんまでなんか変って思えた。

 

 これだけスタンドの設定を次々ぶっ放しておいてまだ新作が出てくるのがすごい。原作の先生のアイデア力が素晴らしい。

 種明かしが難解なとにかくとんでもないスタンドが次々と登場していた。バカではとうてい思いつかないユニークでインテリな内容だと思う。すごい。

 

 ウェザー・リポートの技にはいちいち生物、地学、科学とかの高等な学問が絡んでいる。天気に関わることにはうんちく要素が多めだな。

 そんなウェザーとプッチ神父の意外な因縁が見える展開はとても印象的。まずはプッチの生い立ちが描かれ、その中でウェザーが何者だったのかも明らかになる。まさかそんな事になっていたとは。二人は実の兄弟だった。

 母親が産院で意図的に起こした赤子取り違え事件の真相を教会の告白で知ったプッチは、どうしたものか迷った末、神父の掟通り墓場まで持っていくことにした。これを直ちに公言しなかったのは、神の道を行く者としてマナーを守ったことになる。そこは評価出来る。告白の内容は守秘義務として外に漏らさないという要素から、「私は告白する」という映画を思い出した。

 

 ダークサイドに堕ちた神父も、元々は妹想いな良き兄貴だったと分かった。妹想いの兄貴な点と素数をスラスラ言える点は良いものだと評価出来る。今回もピンチに陥った時には、元気に勇気のナンバーをブツブツと数えていたな。

 

 二人の因縁を断つ決闘において、ウェザーは神父に対し自身の悪を自覚していないのがどうしようもない真の悪だと説いている。神父に説法を噛ますとは、よく出来た人間だ。そしてその内容がとても深い。確かにその通り。

 このように、人間に潜む無自覚の悪がめっちゃ怖いと分かるのが6部の1つの味噌だと想う。

 

 プッチの言動の根底にある理念には、崇高な目的のためなら犠牲はいくら出ても仕方ないというものがある。身勝手で非常に怖い。こんな素数大好き野郎はぶっ飛ばすべし。

 

 記憶を取り戻したウェザーが起こす次なる異常気象がカタツムリの嵐だったのはマジできしょい。前回は毒ガエルの雨で、今回はカタツムリかよ。そのカタツムリを食うマイマイカブリもたくさん出てきたし。何れにせよ私が苦手とする地球の仲間達によるオンパレだった。カタツムリの作画がリアルでキモい。

 

 そんなウェザーもプッチに殺られてしまう。ここはめっちゃ悲しかった。

 女子チームがやっと合流するも、ウェザーは死す。死闘を共にした徐倫がウェザーに贈った「そよ風の中で話がしたい」の一言には涙腺がやられた。この一言の収録時には、徐倫役のファイルーズあいも泣いたのではなかろうか。

 そういえば二人は尿意を越えた先で深まった仲でもあったものな。徐倫とウェザーは結構良いコンビだったのかもしれない。

 

 最初の内は軽薄で乱暴な変人と思えたアナスイも、ウェザーの死には友情から絞り出した言葉を贈ってくれる。ウェザーは救われていたときっぱり言い切るところに男同士の理解を見た。ここも感動出来る。アナスイはウェザーが好きだったんだな。

 そしてウェザーの亡骸を前にして、女なのに漢泣きしているエルメェスの姿にも胸を締め付けられた。

 ウェザー退場のここは名場面だったので、巻き戻して8回くらい見た。

 

 男女脱獄囚達が合流してからは、アナスイ徐倫に寄せるラブが弾けていた。アナスイが用意した結婚指輪をワニに投げる徐倫の無体なアクションには笑った。

 アナスイのファッションだが、改めて即職質レベルのぶっ飛んだ格好だなと思えた。

 

 奪われたディスクを回収し、後半には遂に承太郎が復活する。さしもの承太郎もディオが人生の寄り道で発掘した闇神父にめっちゃ苦しめられることになる。承太郎と徐倫の親子愛も見どころ。

 

 プッチの覚醒のスピードが早すぎる。スタンドが進化して能力が益々派手になる点には恐怖を感じた。

 緑の赤ちゃんの力も合わせてめっちゃ強くなる。ここまで厄介なおっさんになるとは思わなかった。悪者で嫌な所も多分にあるが、総合的にコイツも良いキャラをしていたな。プッチのアクションからも目が離せない。

 

 承太郎が復活してもまだプッチに苦戦する状況にある中、アナスイが男を見せるのにぐっと来た。アナスイが承太郎パパに娘を頂く宣言を堂々とぶちかます所は格好良い。

 ちょっと前までおらついた学生だった承太郎が、よその男から娘を下さいと言われるまでになるとはな。メイド・イン・ヘブンの能力とは別に、普通に刻まれた時間の流れに感慨深いものがある。

 

 これまで幾度となく危険を越えたラッキーの持ち主の自分が、この戦いも乗り越えたら超ラッキー。そんな時には徐倫に正式に結婚を申込むとアナスイがめっちゃ気合を入れていた。戦いが終わったら結婚宣言、これは世に言う死亡の旗立て作業なのでは?

 フラブが立ったらその通りにアナスイも退場になるのだが、その前に徐倫がプロポーズを受けても良いと答えていた。ここはラブロマンスが見える良きシーンになっていた。

 

 世界がどうなるかという極限状態に来れば、結婚話だってスケールが小さい話になる。アナスイの宣言を受けて、こいつ何言ってるんだ状態になる承太郎の反応は分かる。がしかし、ここまで追い詰められた状態だからこそ、後顧の憂い無くラブの想いは全部吐き出したいというアナスイの想いもまたしっかり分かる。ラブに生きた男アナスイの熱いキャラ性を描いたファイナルパートには燃えた。

 

 最終決戦でもプッチがまさかの連勝。復活した承太郎、主役の徐倫まで倒されてしまう。アナスイエルメェスも倒れる。

 まじかよ!嘘やろ!とならない方がおかしい。ジョースターの血筋でもこの神父を圧倒出来ないのか。プッチの能力がチート過ぎる。

 

 スタンドの力をつける程に、発言の力も増す神父にも注目出来る。

 人間同士が惹かれ合う引力、巡り合い逃れられない運命、そして人類が長らく目指しておきながら未だ人跡未踏の地である天国への到達、聴くほどに神秘かつオカルティックな内容は興味深い。

 5部でも「運命」について突き詰めて行く展開が見えたが、こちらでも後半になって飛び出る「運命」の要素が強い。

 

 とにかく運の引きが強く、自身も頭が良く力がある。だから神父は追手をかわして生き残る。ムカつくけどこいつも確かにすごい。

 ラストは本当に人知を越えすぎた異次元な展開となり、皆の想いを背負ったエンポリオだけが過去世界の2011年に飛ぶ。ここまでファンタジーなのか。メイド・イン・ヘブンの能力がワケワカメ過ぎる。

 

 そして迎えたマジでマジの最終決戦は、エンポリオが蹴りをつけることになる。

 ウェザーが命を賭けて残した遺品のディスクの使い所がまさかにここになろうとは。その前には、徐倫が自身に入れれば能力を貰えるのかと言及しているシーンがあった。だが結局彼女はディスクの力を使わず退場となる。最後まで残った伏線はエンポリオが掘り起こすことになる。

 エンポリオがウェザーのディスクを使って能力を発動し、無事神父をやっつけるのだ。

 

 すごい!

 このオチは読めない。

 初手でここまで読めた人間は一人もいない説を提唱したい。

 

 ジョースターの人間がオチを持っていかないという意外性マックスな落とし方になっていた。ならば適当に落とした消化試合なのかといえばそうではない。これはこれで大きな意味がある。

 神父があれ程こだわり、自身で勝ち取ったと信じていたのが「運命」だった。そしてこともあろうに、神父はその運命に負けたことになる。運命に負けた事が神父の敗因だと言い切ったエンポリオの勝利の一言は実に小気味良い。

 

 ここまでエンポリオを連れてきた仲間達全ての想いが繋がったことで産まれた最強の運命にプッチは負けることになる。この繋げ方は美しい。

 徐倫の最後を言葉を聴けば、これまで倒れた仲間たちの誰一人欠けてもエンポリオをこの運命まで連れて行くことは出来なかったと分かる。仲間達が一丸となって悪を討ち滅すという、少年漫画らしい素晴らしきオチだった。

 ここで泣いたが、その先の世界でもう一盛り上がり待っていた。

 

 一人生き残ったエンポリオが辿り着いた謎の世界。そこには名前が違うけどそれぞれ見知った顔の連中がいた。倒れた仲間達そっくりの顔が元気に生きている運命の先の世界で、孤独なエンポリオは救われることになる。 

 徐倫そっくりの女から名前を聞かれ、号泣しながら名乗るエンポリオ。ここ、めっちゃ良かった。ここは10回巻き戻して見た。

 

 神父を倒した最終決戦から最後の大泣きまでエンポリオを演じた種崎敦美の芝居も超良い。先日熱い幕切れを迎えた「ダイの大冒険」の時よりも良い芝居だったぜ。

 

 大団円が過ぎるベストな6部最終回となった。マジで最高。

 

 今回シーズンからはOP曲が変更された。それも新たなお楽しみとなった。新OPには前回シーズンで退場したF・Fの姿もあり。あいつも良いヤツだった。泣ける。

 そしてこのOPだが、通常バージョンとは別に、シリーズ定番の最終回特殊バージョンがある。この最終回バージョンがヤバい。最終回のOPでは、歴代ジョジョが全部出てくる。泣けるぜ。

 

 そして最終回EDではあの有名な「Roundabout」が流れる。皆大好きなヤツ。楽曲のバックで、歴代シリーズに登場した懐かしい奴らがシルエットで登場。

 EDのシルエットに花京院やポルナレフを見た時には嬉しくなった。EDの5部の映像では、途中退場したフーゴのシルエットも確認出来る。彼を忘れていない5部への配慮も素晴らしい。

 

 アニメでやる最大級の価値を出した最終回のOP、EDの仕掛けはヤバい。スタッフが有能過ぎる。ここまでシリーズを見てきたファン、そして漫画を書いた先生が絶対に嬉しい演出だろうと思う。視聴者ニーズを良く汲み取ったベストな出来だった。スタッフの仕事ぶりにマジで感動するわ。素敵な原作を素敵な人間達が映像化した事がしっかり分かった。

 ジョジョはマジで一級大河ロマンだわ。最終回でそれが良く分かった。

 

 今年最終クールのアニメは実に色んな顔ぶれが見えたわけだが、中でもジョジョが一番良かった。マジで神がかって熱い内容だった。最終回はさすがに泣く。

 

 当初は、次のジョジョは女子かよ、大丈夫?と思って見ていた6部が、こんなに熱いことになるとは思わなかった。

 難解だがそこが至高なシナリオとスタンド能力、そしてキャラクターが最高。アニメにすれば各員を演じた声優もすごく良かった。これは親族にも伝えたいベストな作品。

 

 これでまだ続きの7部があるというので、そちらもいつかアニメ化して欲しい。

 

 ジョジョのテレビアニメシリーズも今年で丁度10年。10年目にして6部が堂々完結した。1部からずっと追ってきてこの10年目をくれたのは嬉しすぎる。ジョジョと駆けたこの10年がマジで楽しかった。

 

 今年はジョジョに燃える良き年末となった。2022年、マジで楽しかったな。まだ終わってないけど。

 

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