「ぼっち・ざ・ろっく!」というアニメがとても良かった。2022年ラストクールを盛り上げた良き作品だった。
普通に可愛くて楽しくて楽曲が素晴らしい。萌えたいし音楽も楽しみたいという欲求多めな私を見事に満たしてくれた秀逸なコンテンツだった。めっちゃありがとうを言いたい。ここまで良いものになるとは思わなかったのでビックリ。
アニメの作りにクリエイター熱と愛を感じる作品だった。
日々これだけたくさんのアニメを見ているとやはり気づくのだが、作品によっては明らかにやっつけでやっているだろうという物も割と多くある。
これは作り手の気分が乗ってないのだろうな~と思えて仕方ない物も悲しいことに結構ある。まぁ作品の中身としても駄目なので、仕事をしようにも気分が乗らないということもあるのだろう。
我々はプロではないが、見すぎている事からそこらのパンピーよりはやや目が肥えている。だからちょっとばかりなら突っ込んだ作品の都合を見抜くことができるのだ。オタクは全部バカと思って作っていたら、手抜きを見抜かれ逆にバカにされるぞ。
そこへ来るとぼざろの作りは良かった。キャラ作り、格好良い演奏シーンにも良さがある。それから声優もナイス。
今年のクリスマスは、ぼざろの最終回で盛り上がった。最終回は華の文化祭ライブ回となった。良き音楽も届けてくれて良きクリスマスになった。
そんな愛しい楽曲達をこれでもかと詰め込んだ名作アルバムが誕生した。最終回放送から数日後に発売され、この一枚が私にとって2022年最後の一枚となった。
一年の終わりが迫るカウントダウンも聞こえ始める中、このような名盤をぶち込んでくるとは、やるじゃねぇか。ありがたい。
結束バンドが放つ初のフルアルバムのタイトルは、なんと「結束バンド」というセルフタイトル。家族に見せたら「何その名前?」と言ってプススと笑われた。華のJKバンドでこの華の無いネーミングセンスは確かにダサくて笑う。でも良きバンドだった。
OP曲を収録したCDを出して以降リリースがなかった。
あれ?EDとか挿入歌はどうした?忘れたのか?
そんな心配もぶっ飛ばす要素がここにある。なんとOP、ED、挿入歌、おまけに作中で使用していない新曲まで含めた全14曲のてんこ盛りアルバムになっている。これはお買い得のお値打ち品だ。
ラブライブのCDなんかをチェックしていれば分かるが、同じシングルでも形態が多く、OP、ED、挿入歌はバラバラでリリースするコンテンツも多くある。これをされると金がかかるし物が増えて困る。一方でコレクターの所有欲は金を払った分しっかり満たされる。あの売り方にもリスクとリターンそれぞれがあるから一概どちらが良い悪いは言えないのだ。オタクのが苦悩と楽しみの両方がそこにある。
ぼざろはバンバンシングルを出さず、放送後に全部入りを一枚でリリースした。たくさん集める所有欲を満たす分には要素が薄いが、金と物の場所を取られる都合を言えばすごくコンパクトにしてくれて助かる。
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堂々発売となったグループ初アルバムのジャケットで見せる表情としては不穏なぼっちちゃんに注目だ。すぐに思ったけど、なんかおっぱいの膨らみが追加されている。
調べると、後藤ひとりは巨乳設定らしい?という情報もあった。う~む、あんなキャラで巨乳という隠れ設定があるなら、確かに美味しい要素かもしれない。まぁ私としては女子のそこは飾りだから、とまでは言わないにしてもあまり強く拘らないのでどっちでも良い。
で、ぼっちちゃんのおっぱい事情なんかはどうでも良いとして、気になるCDの中身がすごい。
すごく聞きやすい上質な音楽が結集したものだった。もうめっちゃ聴いた。とりあえず20ループは行っている。内容がご機嫌すぎて私もご機嫌状態だ。
まじかぁ、女子バンドにときめいて熱くなるのは、こいつらの先輩バンドの放課後ティータイムで終わりだと思っていたのに、ここへ来てまた燃えるものがある。そしてキタちゃんにはマジで萌える。
放課後ティータイムで燃え尽きてあの場に置いてきた血のたぎりが復活した。私もまだまだ若い。
ロックを押す作品でありバンドなので、心地よいロック感が味わえた。
バンドの歌姫であるキタちゃんのボーカルを一番プッシュするのは当然のことだが、それに負けじと楽器の主張が強い。本当に想うけど、ギターやドラムも主役級にめっちゃ音が聴こえる。全曲通して楽器の主張がすごい。
演奏はめっちゃ格好良いし、大人っぽいのだ。まぁ中身は高校生以上の人が音を出して収録してはいるのだろうけど、マジのJKでこんな高等な音楽センスで来られたらビビる。
意外なのがキタちゃんのボーカル力。あんなポワポワしたアイドルキャラでこういう歌唱法で来るのも意外すぎる。中の人の長谷川育美は普通に声が綺麗、加えて発声の仕方が器用だ。格好良く発生して情感もたっぷりに歌い上げる。とても良いボーカリストだ。
ウマ娘のミホノブルボンの歌唱を聴いた時に、上手いしすごい声が綺麗と思って注目するようになったのだが、こちらの作品ではまるで歌い方が違う。
すごいなぁ。長谷川育美がここまで出来るとは思わなかった。感動したぜ。
一曲目のOP曲から格好良い。きらら枠のOPナンバーとしては意外なものとなった。この感じのアニメでこういう曲で来るんだと最初はびっくりした。
OPアニメのイントロ部で、地球→日本列島→後藤家→ぼっちの部屋の押入れと、どんどん世界観を狭く絞っていく場面切り替えが見えたのはユニークで良かったよね。
若者バンドにしてはちょっとやさぐれ感もあるのがツボるんだよな。格好良いし、疾走感もあるのだが、ぼっち要素がある番組らしくやさぐれ感もちょいちょい見える部分にセンスを感じる。
OPが曲「青春コンプレックス」の「猫背のまま虎になりたい」の歌詞は印象的。面白い例えだな。陰キャだけどもっと昇華された何かになりたいというぼっちちゃんの願望も見えてくるベストな歌詞だな。
基本はキタちゃんが歌うが、全員がボーカルを取れる。なるほど、女だらけのユニコーンみたいなものか。
楽曲によってボーカルが変わり、全員が歌えて良い声じゃないか。
青山吉能はワグちゃんでアイドルをしていたし、鈴代紗弓はちょっと前にやっていたシャインポストでもめっちゃ歌っていた。それぞれ場慣れした面々が集まっているから器用に歌っちゃうんだな。
ED曲も全部良かった。センスが良すぎる。
「Distortion!!」の後半サビの畳み掛けるようなフレーズは聴いていて気持ちが良い。
リョウの歌う「カラカラ」は、ボーカルにも曲にも清涼感があって良い。
「なにが悪い」の知虹夏のボーカルは伸びやかで可愛い。青春している一曲で爽やかで良い。
最終回はぼっちちゃんがアジカンの「転がる岩、君に朝が降る」を歌った。アジカン大好きアニメだから最後にモロにその要素で攻めたな。ぼっちちゃんのアンニュイなボーカルも良い。
最終回の文化祭で披露した楽曲「忘れてやらない」「星座になれたら」は特に良いと想う。
どちらも青春のとても良い所を凝縮しましたよみたいな感じがする。聴いていると未だ終わらない私の中の青春が爆発しそうになる。
アニメで「忘れてやらない」を演奏した時、後半部分でキタちゃんがウインクする所にはハートを殺られた。
「星座になれたら」のイントロがポップで格好良すぎる。関係ないけど、よく聴いていたことからミスチルの「星になれたら」という曲を思い出す。タイトルが似ているね。
最終回放送後に解禁された新曲の「フラッシュバッカー」も超格好良い。
ロックな演奏で醸す気怠い感じが最高にイカす。どの曲も格好良かったけど、これはまたベクトル違いのそれがあって一番衝撃を受けたかもしれない。あのメンバーでこんな重厚な一曲を生み出すイメージがなさすぎて斬新だった。この曲はめっちゃ格好良い。
というわけで結束バンドのアルバムに感動した。
アニメ発のアニソンアルバムではあるのだが、ボーカルの声質、ガチのロック演奏を聴けば、アニソン感は極めて薄いと言えるだろう。何も知らないアニメ素人が有線とかで聴けば、普通にそういう女子バンドが歌っているやつと想うことだろう。
アニソンにしてはすごく大衆向けなポップな一枚となった。待てよ、そもそもアニソンってのは、広く大衆向けな物といえばそうだ(一部の尖った物を除けば)。
なので、多くの人に向く素敵な一枚だと想う。皆で一杯買って聴いて2期に繋がれ。
これだからぼっちは止められないぜ。
孤独と愛し合った者こそが真の光を手に出来るのだ。
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