こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2023年のアニメの感想(1月~3月)その5

 

齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定

齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定 ~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)

 おおっ、なんか中国でやっていたとかいうアニメだ。聴いたことがある作品だが日本でも公開したのか。じゃあ見よう。

 完全に向こう産かと思いきや、実は原作は日本。でも中国の会社でアニメにしたという。それをまた日本で放送したのだ。変わった経緯を持つ作品だな。

 で、経緯は特殊でも中身はといえば以前見た「ドラゴン、家を買う。」ぽい。あのアニメは寒かったなぁ。

 

 ヒロインのレーコにすごいすごいと持ち上げられまくっているドラゴン様だが、実は草食で強くない。流れのままにその設定でいくしかなく、真実を言えないままズルズル旅が続くというものだった。

 レーコがぐんぐん先行するのをドラゴン様がなんとか調整して振り回される。そんな二人のユニークな掛け合いで楽しく見せていくファンタジー作品だった。ジャンルはギャグなのだろう。

 

 気弱なドラゴンを大塚芳忠、なんか可愛いチビのレーコを悠木碧が演じている。二人が出ているからとりあえず見るかとなる。

 

 絵柄が可愛らしくヒロインもキュート。

 鎧萌えが素敵なヒロインのアリアンテが良かった。Fateのセイバーきっかけで鎧萌えに目覚め、FAIRY TAILのエルザで本格的に開花した私の趣味である。

 

 ハーフサイズの15分枠で見やすかった。最近はハーフサイズの作品に助かる。30分だと疲れを感じるようになったものな。

 

僕のヒーローアカデミア(6期)

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 ヴィラン連合が一旦引き下がったのは良いが、その傷跡はデカく、多くの人間と街を失うことになった。戦いの規模がデカく被害もすごい。

 ヒーローが街を守れていないことについて大衆は怒りと不信感を露わにする。加えてエンデバーと荼毘の繋がりについてのショッキングなスキャンダルも出て来て大衆心理は更に揺れる。

 これを受けてヒーローもプレッシャーに絶えきれず廃業者が次々と出てくる。

 今回の騒ぎが残したダメージがいかにデカいかが分かるシリアスで暗い展開から始まる2クール目だった。

 

 楽しい熱血バトルものとして気楽に見れるテンションではなくなり、険しい社会情勢やシビアな大衆心理も浮き彫りになるショッキング展開が見えるようになった。これにはこちらもショックを受けるぜ。

 

 デクの戦いがより過酷に、そして孤独になっていく展開は痛々しい。孤独のヒーロー像に見る虚しさで胸が締め付けられそうだ。デクを想うオールマイトや彼のママンを見ると切なくてやりきれない。

 これはこれで意外性がある展開で楽しめるが、シリアス過ぎるからどうしてこうなった?と疑問が膨らむ。

 

 オール・フォー・ワンが大人しく牢屋に捕まっているのではなく、牢屋の中から革命を起こしてくるから怖い。

 せっかく捕まえた悪人共が全部野放しにされてしまう。これでまたヒーローや政府の信用が失墜した。

 増えるし強くなっていく悪の存在にゾクゾクする。

 

 デクを学園に戻すためにかっちゃんはじめクラスメイト一同が立ち上がる展開が見所だった。

 デク対クラスメイト全員の流れは心が傷んだが、その中でかっちゃんが更生してデクに対する友情を示した点は良かった。いじめっ子なんてのは精神の脆弱さを晒すダサい人間の姿である。でもそこから改心してデクに歩み寄ったかっちゃんは偉い。この二人は物語スタート以前からも一緒だったものな。かっちゃんが推せる。

 

 V6解散以降、屋上から叫ぶ青少年の姿はもう見れないと思ったが、今回はお茶子ちゃんがぶちかました。デクくんと仲間達の絆を想って屋上から未成年の主張を飛ばしたお茶子ちゃんの情熱には心打たれた。

 一度は概念が崩れたタイトル回収を見事行ってくれたお茶子ちゃんのガッツに拍手。彼女の粋な計らいでデクがちゃんと学校に戻れて良かった。もうちょっとで「僕のヒーローアカデミア」でなくなるところだった。

 お茶子ちゃんを演じたあやねるの熱の籠もった絶叫の芝居も良かった。あやねるファンも湧くこと必至の名シーンだったぜ。

 

 最終回のステインとオールマイトの絡みも印象的。

 かつての英雄もタダのおっさんになってしまったのかと思いきや、ステインはずっと彼を見ていて希望を感じていた。

 まさかヒーロー狩りのステインからエールを受けて英雄が立ち上がるとは。これは熱いシーンだった。ステインは秀逸なダークヒーローだから登場時から結構好きだったんだよな。ここでまた会えて良かった。

 

 それからベストジーニストの迷言「違法ジーンズ」は妙にツボった。今期はここで出た違法ジーンズと放送延期になった「魔王学院」の「アノス棒」が個人的パワーワードだった。

 

 次の7期でファイナルになるのかな。このアニメも随分長丁場になったな。

 全ての戦いが終わる最終回を見るため、私も更に向こうへプルスウルトラ!するしかない。

 

弱虫ペダル LIMIT BREAK

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 たった3日間の戦いを描くのにどれだけの人間が動き、どれだけの労力を用したのだろうか。そのくらい短い期間の物語を何話もかけて描いた。そこにやっと決着がつく最終回が見れて良かったぜ。なんて熱いチャリアニメなんだ。

 これに憧れて変なチャリライダーが増えないことを願う。チャリは良い乗り物だが、事故ったら人が死ぬ。

 

 皆の想いを繋いでとにかく最初にチームの誰かをゴールまで導く魂の合戦が見られた。メンバーの脱落も計算の内に入れて戦術を練るレース展開は、この競技独自のもので印象的。

 その想いをゴールに持っていく坂道と真波のラストの一騎打ちは燃えた。

 

 レース展開のみをスムーズに見せていけばもっと早期段階でアニメは終わっていた。本作はレース中に選手客員の回想シーンを挟むことでキャラ性の掘り下げを行っている。

 レース→良い所でキャラ回想。この繰り返しが楽しい。

 回想シーンはレースにかける想いの厚みを見せてキャラの良さを出すものなので、レース結果を見る遠回りになれど作品を楽しむ上で決して邪魔になるものではない。レースも熱いが、人間ドラマも秀逸だ。

 

 ゴールを切るに至る分厚い回想のターンがあってこそ、全てが終わった時、手に握っている汗の量も増えるというもの。最終回視聴後には「え?粘膜?」てくらいに手がべちょっていたのは私だけではないはず。

 

 敗北から多くを学んで復活した真波の物語、巻島先輩と分かれて以降沈みがちだった坂道が復活した物語など、見所は様々。 

 個人的に功労賞を送りたいのは手嶋くん。モブみたいな立ち位置から始まってよくぞここまでやった。いつも縁の下の力持ち的な役割の彼が、真に報われた優勝となって良かった。3年に上がってから手嶋の株が上がりすぎ。葦木場との友情をぶつけ合ったレースも格好良かった。

 

 総北の2連覇となったが、正直真波にも勝たせてあげたかった。2連敗はキツイし、応援してくれた可愛いメガネ委員長のためにも真波を勝者にしてあげたかった。坂道もいいヤツで好きだけど、今回は完全に真波を応援してラストを見ていた。

 それから坂道のヒメヒメの歌を久しぶりに聴けたのも楽しかった。こいつのオタク設定も良いよな。

 

 金城先輩視点で見る後輩達の物語も良い。怖いおっさんみたいな顔して金城が坂道達後輩の事をしっかり愛しているのが見えて良い。

 OB組が客席から見守っているのも良い。口は悪いが良いキャラをしていた荒北が出て来たのも嬉しい。

 

 私の一押しのヒールキャラの御堂筋くんの最後にも注目出来る。

 幼馴染で昔から色々あった今泉と御堂筋が一騎打ちで走る所はすごい。

 天候による偶然の障害物となった水溜まりを如何にスムーズかつ安全に越えるのか。この場面に見る分析力と運を用いた二人の心理戦には緊張した。

 御堂筋くんが脱落するのは悲しかったが、今泉に勝っていたら勝っていたでクソムカつく毒を吐くのだろうからまぁ仕方ない。

 こんなヤツでも母の愛を尊き物として胸に抱いているのは人間の真実だ。確かに母は偉大でしかない。

 御堂筋を演じた遊佐浩二のムカつく演技が好き過ぎる。弱ペダで一番好きなのは御堂筋くん。

 御堂筋くんの相棒の小鞠くんはめっちゃキモい。肉に反応する真っ直ぐなキモさが一周して爽快。

 秀逸な熱血系スポーツアニメで、スマートに見せるところはしっかりそうするが、こんな感じでたまにイレギュラー過ぎる曲者キャラが出てくる曲者アニメにもなっているのが本作の魅力である。

 

 今回も鳴子くんが壮絶な最後を迎えていた。視力が持っていかれるくらい筋肉も脳もフル可動させるすごいガッツを出す彼の熱さも好き。

 

 想いの力でチャリを漕ぐ高潔なスポーツアニメに大変感動した。

 

ブルーロック

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 次なるステージに突入し、今回は3人の小規模チームでサッカーをプレイする。勝ったら相手チームから好きなのを1人引き抜くエグいルールで進む。

 この引き抜くだとか居残る騒ぎで、仲良しだった凪とレオが袂を分かち、痴話喧嘩みたくなっているのが印象的だった。爽やかなサッカー少年だと思ったレオの中に渦巻く闇が見えてくる2クール目となった。

 

 格上選手全てを食って自分の糧にしようと意気込む潔世一のガツガツした戦闘本能が更に出てくるクールになった。試合の中でどんどん進化していく彼のプレイに注目。

 1クール目だとヒールキャラだった馬狼がこちらについて良い味を出してくれたのも良い。王様テンションの馬狼が挫折を味わう展開もサッカーの残酷なところ。潔が馬狼にヘタクソ発言したのはちょっと許せんので覚えている。馬狼がかなりお気に入りキャラかもしれない。

 

 ここから追加された糸師、蟻生、時光の三強のキャラ性が強烈だった。二度ぶつかったが結局潔達では勝てなかった。

「オシャオシャ」とうるさい蟻生のキャラ性は面白かった。

 

 今回も絵心さんがキモウザ怖いけど言っていることは勉強になる。サッカーは偶然と必然の連続という理屈は面白い。理論はすごい絵心さんのサッカーの実技ってどれほどのものなのだろうと気になる。

 絵心さんの相棒っぽくなっているアンリさんは可愛い。男まみれのアニメでここだけが清涼なゾーン。ヒロインって大事。

 

 第3ステージに上がる時に國神が脱落したのは残酷。あいつ好きだったのになぁ。

 次は世界を相手に戦うまさかの展開になった。大掛かりなことをやってもブルーロックは結果を出せていないし、親からクレームも来ているとのことである。結果を出すためにもうんと格上を倒すしかない。大いなる下剋上を目指す次なる展開にも一波乱あって面白そう。にしてもやっぱり親のクレームが来ていたかぁ~。

 最終回で追加キャラが結構多く出て来た。次回作もありそうなので続きもいつか見たい。 

 

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

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 私の知るもっと深まった本当の駄目人間とは大きく違っていた。主人公は想像よりずっとまともだった。このレベルで駄目人間を語るならややタイトル負けかもしれない。いや、本当の駄目人間には勝っているから良い事ではあるのだけども。ただ駄目人間を語るには大袈裟という話。本当の駄目人間はもう本当に駄目駄目すぎて映像化出来ないからな。

 

 マジで脳みそを蕩かすがごとく甘々キュンキュンラブだったな。見ていて恥ずかしくなるレベル。

 コレは無理にでもシラフを捨てて世界観と役に入り切らないと役者陣もまともに芝居が出来ないだろう。ハズくてやるには覚悟のいるシーンが多い。これだから日本の声優って素晴らしいんだよなぁ。

 

 まず天使様が隣の男の部屋にこうも簡単に出入りするのがおかしい。これはありえない。男女どちら側だろうが自分の兄弟がこうだったら絶対注意する。

 

 学校のマドンナが地味な俺の所にだけグイグイ来るこの幸福っぷりはどうよ!という実現可能なら自慢しまくれる中2童貞妄想のようなシナリオだが、真昼ちゃんが可愛いので先行してくる性格の悪いツッコみ所も直ちに霧散される。

 まぁ可愛いヒロインが出てイチャイチャ萌え萌えしていれば楽しいから全部気持ち良く受け止めるってわけさ。オタクって実に簡単思考。

 にしてもどんな想いでコレを書くのだろうか。作者はニヤつきながら筆を取っているのだろうかとか想像すると、それにまたニヤついてしまう私がいる。

 

 真昼ちゃんがただ可愛くて儚げなわけではなく、結構芯が強い図太い女にも描かれているのが良い。今の時代、女子だって強くなければ。

 そんな強気な点を持つ彼女が繰り出すツンデレな要素も可愛い。石見舞菜香必殺の萌え声も脳にシュワリと来るから強烈。良い声だ。

 

 毎度毎度寸止めのニヤけイチャイチャを見せてつけてくるのが楽しいのだが、同時に結構焦れる。これは家族の前で見たら微妙にハズいテンションのアニメ。

 

 後半は天使様の方が結構頑張っているから、藤宮くんが男なんだからもっとグイグイ行け!と尻を叩きたい思いになる。こう思わせることでユーザーを楽しませる仕組みなのだとしたら、私は見事術中にハマっている。藤宮くんとは何だか仲良くなれそう。

 

「かわいい人」と言って精神的に距離を詰めて迫ってくる真昼ちゃんにはドキッとした。あそこは良い。

 

 天使様に激しく萌えた藤宮くんが、男の性を抑え込む檻が決壊しないよう踏ん張る青春物語にも注目できる。この点に悶える青少年の心が濃く見える。男女関係はそこの駆け引きがマジで大事だからな。

 

 天使様とのHな夢を見て、その中でアレがエレクトロしてスパーキングして目覚めてパンツを洗う朝が描かれたシーンはエモーショナル(←極力ボカした表現で意味わからん)。

 落ち込むことはないぞ。男なんてそんなもん。自分が情けないとか思わず頑張れ藤宮くん。すごく彼を応援したくなるセクシャルなシーンだった。

 

 最終回ではそれまでの焦れのストレスがすっきり解消される。

 借り物競争にかこつけて真昼ちゃんの方から公開告白をかましてきた。女子から先に来るか。これは意外。それを受けてやっと覚悟を決めて藤宮も男を見せる。

 お前もっと早く言えや!とは思ったが、ちゃんと言うことを言ったのだからよくやったと藤宮くんを褒めてあげたい。

 

 こうして振り返ると、私ってば二人のトロついた恋の歩みをめっちゃ楽しんでいたな。私が速攻タイプだからトロトロした恋愛が珍しく、ゆえに新鮮で楽しめた。

 

 ただイチャイチャするだけの緩い物語ではなく、トラウマを含むキャラクターのバックボーンに迫るややシリアスなドラマ性もあり。そこも見所だった。

 

 というわけで、藤宮くんレベルに仕上げる駄目人間メーカーの可愛い子ちゃんならウェルカム。

 

koshinori.hatenablog.com

 

 

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