こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

最近謎にはまってしまう職質動画

 正月くらいから意外にもハマって見続けているのが職務質問動画。

 

 そこらへんをぶらついている投稿者に、これまたぶらついているお巡りさんが何か物言いをつけてくる。お巡りさんは仕事の一環として地域の人に声掛けをすることがあり、ネタが欲しい動画主はその仕事を自分の仕事としてしっかり撮影する。こうして動画投稿サイトが盛り上がるのだ。

 

 これはされる人間、してくるお巡りの組み合わせ毎にそれぞれ違った面白さがあって何か良い。

 

 ただ人間同士が世間話をして終わるならわざわざ再生する価値はない。これを見る価値は面白い問答にあるのだ。その問答ってのが、主に揉め事の中に見えてくるもので、まぁ言ってしまえば喧嘩になっている点に面白みがあるのだ。

 

 動画を撮っている人はあらぬ誤解のため本当に困っているのかもしれない。お巡りさんがまさか動画ネタ提供で話を合わせてくるわけもないから、そっちも多分大マジで来ているはず。両者の都合を考えて面白がるのは不謹慎かもしれない。でも、これは一つのエンタメとして意識できちゃうから仕方ない。

 

 私がこういうのを珍しがって見る理由は簡単。こんな現場に立ち会うことなど無いから。

 罪、恥、悔い、これらから極力遠ざかるよう心がけて生きて来た結果、お巡りさんに難癖つけられることがまるでない。絵に描いた好青年が飛び出て来たのが私ってくらいに真面目に一生懸命生き来たのだ。そういう人間には縁のないイベントである。

 だいたい疚しい事がゼロの人間なら堂々と胸を張って姿勢良く外を歩くはず。何かの犯人探しをする人ならそういう者は相手にしない。

 

 警察に犯罪を疑われて捜査されるなんてことはまずない。加えて街中で喧嘩問答がある。この二つが合わさったワンシーンなどもはやファンタジーレベルで異次元。

 きっと今日もどこかの街角で実際にやり合っている事なのだろうけど、あまりにも非日常過ぎるから椿事として楽しんでしまう。やられている人を見たことだってない。

 

 色んなパターンがあるもので、撮影者が何かおかしいからおかしい人と思ってお巡りさんが順当に選んで迫ってきていると納得出来るものもある。逆にお巡りさんの方が何かおかしいと見えるパターンもある。とにかくどちらサイドにも色んな人間がいるのだなぁと楽しめる。

 

 これってプロレスを見る感覚なのかもしれない。実際に手を出すことはないけど、スマートな暴言や愉快な皮肉が飛び交う会話のやり取りが面白い。

 ユニークな喋りスキルのある撮影者が、対話スキルの低いお巡りさんを撃退するのも一つのショーとして見ることも出来る。これは面白い対話を見れることに価値があるのかも。

 

 動物園で珍しい動物を見ているような感覚にもなる。珍しい生き物がいるし、それを世話する人の現場も園の外にいる自分からしてみれば珍しい。知らない世界のことは全部珍しいから面白いのだ。

 

 で、最終的には自分もちょっとやってみたいとか思ったりもする。身分を明かしておくと、私はお巡りさんではないので、その時には質問される側で参戦したい。しかしこれが全然声掛けがないから、日々想像するだけで終わる。

 こういう動画を見ると、自分ならこういう事を言いたいとかも考える。本当に変な態度で迫られたらそれなりに反撃もありかもと考えている。

 

 職質ってのもむやみやたらにやってはいけないものだとされている。

 ざっくり言ってしまえば、何か悪さをしたヤツ、これからやりそうなヤツ、またはそういう人間を知っている参考人になる場合、これのどれかに引っかかるヤツに声掛けがあるらしい。じゃあ私に声掛けがないワケだってなる項目達だな。

 

 でもこれって、お巡りさん側は事情を知らないから一か八かで仕掛けることはまぁ出来るっちゃ出来るのだろうけど、やられる側は自分はどれにも当てはまらないって知っているわけだからなぁ。そうなると、必死に不審尋問してくる警察が間抜けに思えるかも。もしも私相手にマジで星を挙げれると思って密着捜査してくる警官がいたらめちゃくちゃ目利きが悪い。

 

 不審尋問されるなら冤罪ってことだから、4割はムカつくけど、残りは珍しい体験が出来て面白いとも想う。ムカつく点、面白そうな点、それぞれのサイドから妄想だけしている。

 

 これで良く見る問答が、任意捜査ならこちらの判断で終了すると言って撮影者がその場を離れてしまうこと。でも警察はそうは行かないと通せんぼしてくる。運動エネルギーが前に向かっているのを急に止められると、人体は戸惑いとムカつきを感じてしまうのだ。

 警察はなんで止まらないの?と怒り、撮影者はなんで止まることがあるの?と言い合い、その末喧嘩になる。

 

 これってどうなのだろうか。任意と強制の間でどっちつかずの意見がぶつかって、どちらの言い分もクリアなようで、ブラックなようで、結果グレイな感じ。

 想うのだが、悠長に話すし呑気に撮影なんかしているヤツなら犯罪者探しとしてハズレくらいのことは警察も考えるはず。本来こういうコースで仕事を行いたかったのが全然順調にいかないから意地でもやることやって帰ろうとかなってるんじゃないのかな。撮影者の方が不審なこともあるが、警察が暴走するパターンも見たことがあるものな。引き際がダメな人もいるな。

 

 やられる方の身に立って考えると、知らんおっさんに声をかけられて何か色々聞かれるのだから、普通に異常時だよな。知らんおっさんとは口を利くなって親にも先生もよく言われたしなぁ。撮影者が先にキレるパターンにも納得は出来る。

 

 何かヤバいものを隠していないかと疑って体を触る、それからバッグも見せてと言ってくる警察もいる。

 ここまでのことをふっかけられるのはよっぽどヤバそうな人ってことか、警官がマジで目利きが悪いのかどっちかだろう。爆弾でも持ってると思ってるのかな。

 

 これは普通に考えて「嫌だ」と言われるのが前提で行うはず。

 バッグは旅に持ち運ぶもの。その荷を解くなら目的地についてからってのが普通のことのはず。それを普通の道で用もなく開くのに自然性がない。自然性がない事を通常人はやりたがらない。まずはそんな提案があれば怪しく想うものだ。だからこの交渉はよっぽど丁寧に行わないと人は荷物の中身なんか自分から見せることはない。

 ここの交渉が下手な人が多いと想う。そもそも不自然なリクエストをしているんだから、そこを越えて自然な流れを作るのが一級の尋問リストだな。

 ここで変な事を言えば対象者はキレる。そうして面白い喧嘩動画になるのだ。

 

 で、これもよくある問答なのだけど、カバンの中を見せてと言って向こうから「嫌」と返ってくれば「なんで断るの?」「やましいものでもあるの?」と言うやつ。

 この返しが下手。まず簡単にOKする方が逆に不自然なんだって。

 カバンは基本的に四方が布に覆われている。自分以外に内部を秘するのが常なものでもある。それを他者にオープンにするならよっぽどの都合がないといけない。

 そして疚しいのかどうかの問いも間抜け。疚しいものがないならあるとは言えないわな。そしてあるならなおさらあるとは言えない。つまりこれは「ある」が返ってくるパターンがほぼ無い不毛な質問だと言える。でも、この質問の返し方で素人には分からない何かしらの情報集めでもしているのかもしれない。その可能性はあまり期待できないけど。

 

 これに簡単に断られる警官の場合、プロによる犯罪捜査のスキルの有無とは別に、普通に話が下手だな~って思っちゃう人も結構いる。まぁこのふっかけ方なら相手に叱られるのも分かるっていう動画もある。

 

 それから名前、年齢、住所に職業、「これからどこいくんすか?」とかも聞かれることがあるらしい。もちろん犯罪捜査に使える情報になってくるのだろうけど、ナンパで用いる文言と結構被るから思わず「ナンパか?」と突っ込んでしまう。

 

 これは基本的に初めて会う人間同士でやるはず。その中で警察が問う内容はパーソナルなことなので、どうしても初めての者が問うには失礼な内容にもなってくる。そこを叱られないように進めるにはやはり腰低く、丁寧に喋るしかないよな。

 動画でだと時短を考えそこの配慮をすっ飛ばして話を進める下手な人も結構いる。高圧的な態度が気にくわんと怒る撮影者も多くいるんだなコレが。

 

 それからこんな時代ゆえ、声をかけてきた警官を疑う者も多くいるよ分かる。何かを疑って迫る警官が、相手にもまた疑われている。こうなると何の話を始めてもスムーズに進まない。

 これもよくあるのだけど、逆職質とでも言うのか、撮影者が逆に警官にこそ身分を証明するよう迫る事がある。これをされると警官も同じく不快になるようだ。まぁ人間だものな。

 で、なかなか身分証を見せない警官もいる。人のを確認するのが一つの任務になっている人間が、まさか逆にそれを問われる用意がないのだろう。

 まぁここはやっぱりマナーだからな。警察も人に物を尋ねたいならさっさと応じるののが面倒がなくて良いと想う。

 

 こういうのを見て分かるけど、上手いこと警察をかわすのもそうだし、上手いこと相手から情報をもらうのも相当に難しい。

 

 職務質問が上手い人は普通に対話能力が高いので、他の分野に転職しても戦えるかもしれない。

 

 職質をされると泥棒と疑われている感じがして嫌な想いにもなるだろう。私はマジの泥棒に自転車を盗られ、それをプロ警官に取り戻してもらった事がある。だからもしも警察が何か強力を求めてきたら、過去に恩があることから冷たい態度は取れないんだよな。まぁ今後もないとは想うけど、どういう形であれ捜査強力を求められた時にはとりあえず優しく応じようと想う。同時にふざけた事をしてきたらマジで叱ろうとも想う。

 

 ちょっと警察の職質のやり方が下手と思った事も言ったが、いくつかの動画を見ればちゃんとおかしい人を見極める目があると納得してしまうものもある。この声掛け活動によって街から犯罪者が逃げて行くという効果もちょっとは期待できるはず。だから日本警察は頑張れ。

 

 警察と地域の人間、皆で心を合わせて住みよい街を作っていく。これが叶うのがベスト。

 住民と警察の喧嘩をポップコーンムービーでも見る感覚で楽しんだこともあったけど、それが常になることは望んでいないんだよ。

 

 今後も素敵な日本でありますように。

 

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