こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

不吉を届けに来たぜ「BLACK CAT」

BLACK CAT 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

BLACK CAT(ブラックキャット)」は、矢吹健太朗によって描かれた漫画作品。

 単行本は全20巻がリリースされた。

 

 矢吹健太朗といえば後に描いた「To LOVEる -とらぶる-」のヒットからセクシー路線の作家として有名だが、その前には少年ものらしいバチバチのバトルものも描いていたんだな。どちらの作品もアニメ化しているからすごい。

 

 ブラックキャットを久しぶりに読んだ。これはマンガが先だったかアニメが先だったか覚えていないが、とにかく作品にハマってどちらも楽しんだ。良き思い出のある青春の一作です。

 これは名作だと思うので感想を書き殴って行こう。

 

内容

 主人公 トレイン=ハートネットは、世界を裏で支配しているすごい規模の秘密結社「クロノス」に所属していた。

 クロノスから請け負う任務とは暗殺業だった。クロノスの中でもやり手の者を「クロノ・ナンバーズ」と呼び、トレインはその第13の数字をもらい、コードネーム「ブラックキャット」を名乗って暗殺者として活動していた。

 

 後に組織を抜けたトレインは、賞金稼ぎのスヴェンと組んで街の掃除屋として活動していく。

 

 クロノスとは別勢力として活動する革命組織「星の使徒」が勢いを増して行動するようになる。星の使徒の指導者クリードはトレインを執拗につけ狙って来る。ていうか勧誘してくる。

 すったもんだの末、トレインは星の使徒打破のための大きな戦いに巻き込まれていく。

 

感想

 まず主人公のトレインが強くて格好良い。

 やり手の暗殺者として名を上げたことで、過去に栄光と傷を持つ設定になっている。ここのキャラ設定は「るろうに剣心」みたい。こういう昔はすごい闇のエージェントだったけど今は娑婆で明るくやっていますみたいな設定は好き。

 ターゲットを狙い撃つ前のお決まりの口上は「不吉を届けに来たぜ」という気の利いたもの。格好良い。不吉をクロネコ宅急便でってわけか。

 

 トレインの持つ黒い装飾銃「ハーディス」も格好良い。この銃をぶっ放すシーンは格好良くて興奮したものだ。

 後半は実弾を装填することなく、体内のエネルギーぶっ放す超電磁砲(レールガン)なんてスゴ技を放つようになる。とあるシリーズのヒットでオタクに完全に認知されたレールガンのワードが、そこより少し前の作品でも出ていたのか。レールガンの歴史です。

 1日4発までの制限付きで「幽☆遊☆白書」の霊丸みたいな感じだった。

 

 トレインはじめクロノナンバーズは皆オリハルコン製の専用武器を持っている。この設定も中2心的にワクワクするのだ。

 栄光のナンバーと専用武器を与えられたすごいヤツが13人いるという設定が良い。ポセイダル13人衆みたいだな。こういう強者の括りにチーム名をつけた感じのやつはだいたいのオタクが好きなやつ。マンガでは全員出てこない都合もあったけど。

 

 世界経済の3分の1を支配しているクロノスというデカい組織があって、そこに反逆の意志を持って攻め込む星の使徒がいる。ここがドンパチしている中、トレインやスヴェン達掃除屋は第3の勢力として絡んでいくことになる。

 クロノスとも星の使徒とも揉める事があるため、全体図的には三つ巴として見れる。この戦力図にも何か興奮するものがあるな。

 主人公は大きな組織のどちらにも属さず、あくまで気ままな猫のごとく介入していく。強い個人勢という立ち位置が好ましい。

 

 最初らへんはケチな賞金稼ぎ稼業に勤しんでいて、段々と大きな戦いに巻き込まれて最終的には大バトル合戦になる。そんな変わりゆく展開も好きだった。

 星の使徒の本拠地に乗り込む後半展開は怒濤のバトル合戦で楽しかった。トレイン一人でかなりの数の強敵を倒しているので、どんだけ強いねんと思って見ていた。

 

 クロノス側はそれぞれ特殊武器を持っていて、星の使徒のメンバーは「道(タオ)」と呼ばれる異能力を使って攻撃してくる。

 超技術で作られた武器や異能力を用いたバトル展開は大変楽しい。

 星の使徒の面々の能力も色々あって面白い。炎、氷、風、重力など色んな使い手を各種取り揃えている。

 

 そことは別の異能力で、スヴェンは未来視が出来るビジョンアイ、イブはナノマシンの力で体を変化して戦うトランス能力を持っている。攻撃能力が色々あって面白い。

 眼帯を外したスヴェンが未来を見る瞳術を使うのは、NARUTOの写輪眼みたいでオタク的にワクワクした。

 

 ボスのクリードの能力「イマジンブレード」は、刀身が見えない剣という内容で、これがグッドアイデアだと思う。

 刀の柄しかないように見えるけど、実はその先があってしかも長く伸びて射程もすごい。これは夢がある。この武器の設定がすごい好きだった。

 クリードの能力が徐々にレベルアップしてイマジンブレードの形態も変化していく。どの形態もイカすデザインで好きだったな。

 レベル2だと剣に顔が出て変幻自在の攻撃をしてくるからめちゃ強い。3になると所有者と剣が合体した化け物状態になっていた。あれは良いグロ感があって好きだった。

 

 主人公のトレインのキャラも好きだけど、狂気性を帯びたクリードのヒールさもかなり印象に残る。キモ怖いけどクリードはめちゃくちゃ良いキャラをしている。ブラックキャットの傑作キャラだと言えよう。

 クリードからトレインへの想いは狂った愛なんだよな。とにかく終始トレインのことが好きすぎるヤバいヤツとして描かれている。

 執着心とストーカー気質もあり、それを活かした暗殺仕事もしてくる。トレインと深い関係になるサヤを殺し、現在の相棒のスヴェンも狙ってくる。これは自分以外と仲良くなるのを嫉妬して攻撃する厄介なメンヘラめいた言動でヤバいって。とにかく行動概念がヤバい。

 クリードのキモさとクレイジーさはとにかく印象に残る。それでもイケメンの剣士だからビジュは良い。

 この狂気性をしっかり出してアニメ版を盛り上げた三木眞一郎の声がマンガを読んでも聞こえてくる。アニメでクリードを演じた彼の仕事は大変良いものでした。

 

 主人公とボスの関係性としてはちょっと珍しいものが見れた。そこはとても印象に残るものだった。

 クリードがトレインに心酔しきって大好きなのをトレインは迷惑がっている構造だからな。普通の喧嘩のような対立とはちょっと違うんだよな。

 

 名物キャラとなったのがヒロインのイヴとキリサキ=キョウコだな。この二人が可愛くて好きでした。この二人のキャラは「To LOVEる -とらぶる-」にも活かされることになるから、後の事を思えば偉大なるアイデアのキャラだったのだな。

 

 トランス能力があるイヴの戦闘スタイルも面白い。萌え好きに媚びないクールなイヴちゃんのキャラ性も良かった。

 先に出てきたリンスも良かったが、彼女は途中で離脱してイヴの方がよりレギュラーヒロインになっている。赤髪の盗賊女というリンスのキャラ性は今思えばワンピースのナミみたいだったな。

 

 この段階からも絵が綺麗で上手いからヒロインも大変可愛く描けている。でも後にセクシー路線でヒットする作家とは思えないくらいブラックキャットではセクシーシーンが少なかった。

 最初はそうでもなかったが、後半から段々とヒロインの絵柄に萌えと華が出てきて、小さくなったトレインとキョーコが行動するあたりになると女子の顔がしっかりTo LOVEる ぽくなってきている。

 敵の攻撃で一時期トレインが子供になってしまうのは、今でも人気のショタ要素だったな。計画的に世の流行りを取り入れた展開だったのか。

 

 終盤の星の使徒との戦いで、イヴの攻撃が敵兵士のスーツを切り刻んで裸にしてしまうシーンがある。そこで男のイチモツを見て取り乱すイヴの反応は、金色の闇ちゃんみたいだった。ここに次回作に繋がる片鱗が見えた。

 

 後半で仲間になる掃除屋のリバーのキャラ性が気になる。そういやこんなヤツいたわ~と懐かしく思い出す。

 ツンツン頭な見た目にキャラ性までるろうに剣心左之助みたいだ。ガントレットを使って攻撃するのも同じくるろうに剣心の戌亥番神みたい。左之助と戌亥番神は敵対する仲なので、因縁のある二人をミックスしたようなキャラ性だったな。

 

 蟲使いのシキが召喚する最強の虫戦士 刹鬼が格好良かった。刹鬼のデザインがドラゴンボールのセルみたいだった。

 この作品では武器、メカ、ロボにこの手のモンスターまでとても綺麗に描いている。どれも少年誌にワクワクするお友達には好みの要素なので、それらが色々出てくるのは嬉しい。

 

 あと気になるキャラは悪者ガンマンのデュラム。

 口元を覆うマスクが幽☆遊☆白書のカラスみたい。能力も同じく爆撃系だったし。

 

 こんな感じで、過去作のどこかにあったようなウケの良い要素を色々ミックスさせてオリジナルの味わいにした良いバトル作品だった。どこかしらの要素が誰かに刺さるってな具合の作りだと思う。

 

 不吉の届け屋による格好良くて面白いマンガだった。やっぱりこういうスマートなバトルマンガって時代を経ても良いものだな。

 

 

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