こないだふとお兄ちゃんから「お前左手で字書ける?」と聞かれた。うん、書けるんだなコレが。
元々右利きだけど、右利きの人間の割には便利だからということで、普段から左手もよく使っていた。そこに加えてもっと左を鍛えることになったきっかけが、両利きでテニスをする越前リョーマくんが主役の「テニスの王子様」のアニメを見た影響だった。あれを見て、どちらも使えたら便利だし、何よりカッチョイイ!と思ったわけである。
オタクは己の信じたカッチョイイには忠実なので、カッチョイイと思うままにそれを自分の中に取り込んで行く分には何の不思議もないわけだ。というわけで取り込みが捗る捗る。
最初から右任せが多かっただけで、左を使って特別違和感があるわけでもない。試しにバドミントンをすれば普通に左が使えた。ボールも普通に左で投げれる。あれっ、私ってば二刀流の才能があったのか。
で、字もちょっと練習したら問題なく書けてしまった。
ということで書けるよと証拠を見せてやったら「なんかキモい」と言われた。
オタクのくせに二刀流を磨きやがって的なディスりが入った。こいつぅ、兄貴じゃなかったらそれこそバドミントンラケット二刀流でターミネイト案件だぞ。ていうか酷くない?酷すぎて笑ったもん。
あと学校にはテニスの授業がなかったので、バドミントンしか経験がありません。素人の我流にしてはかなり強い方だったらしく、学校でも上位の成績で行けました。
そんな右も左も行ける二刀流アニオタの私が振り返る夏アニメの思い出をくらえ!
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我ながらマジでなんの話よ?
菜なれ花なれ
可愛いチアガール達が応援してくれる爽やか青春物語。
多分「アニマエール!」以来の女子チアものだな。間に他にも何かあったかもしれないけど思い出せん。それと男子がやる方の「チア男子!!」というアニメもあったなぁ。色々思い出しますわ。
清潔感と可愛さがたっぷりの作品で視覚的に満腹です。やはりP.A女はイケる。
お話はまぁ普通って感じ。めっちゃオモロイということもなければゴミしょうもないということもない。
とりあえず絵が綺麗で女子が可愛いのでそれだけで及第点です。今期は全体的に作画が死にかけのものが多かったので、絵の崩れについてツッコむ隙がないだけでもよくやっている。全体レベルがあんなのだから全体に対する私の評価も甘い甘い。
設定、キャラへのツッコミは少々あったりする。
まず最初からかっ飛ばしてくれる小父内さんの暴れた奇行がエグいから笑う。猿並みの身体能力でパルクールを披露しながら登校する通称サルクールを炸裂させてくれたあれにはやりすぎだろとツッコんでしまった。バカって思ったし。普通に歩け。
まぁ最初のインパクトはどの作品も欲しいところだが、本作では肝心のチアではなくサルクールを第1のインパクト要素に持ってきた。そこは確かにインパクト大でした。
でも信号機に乗ったり、よそんちの屋根とか塀の上を歩いて学校に登校したら学校にも地域にも、もしかすると警察にも怒られるんじゃね?
最終回でも皆が使う駅構内でサルクールってたし。サル少女と楽しむ夏クールでした。
第1のヒロイン かなたちゃんが持つシリアスな物語に注目。過去の失敗による恐怖症からチアのジャンプ技が飛べなくなっている。これも初っ端からの印象的な要素。
最初は医学的にトラウマを克服して選手復帰を目指す流れもあったが、それもマジでちょっとで、最終的には気合でサクッと飛んで解決した。それもありえん程クソ高い所から命綱も無しのジャンプだった。あれも見方によってはギャグだな。
前クールに放送していた某忘れん坊野球アニメでも1塁への送球が無理なイップス持ちのキャラが出てきたが、あれの克服には大変な時間と苦労がかかった。で、こちらではサクッと片付けちゃうからそこはちょっとツッコミたくなる。
飛べないチアはただの女に過ぎないといえばまぁそれはそのまんまのことだろうが、飛べるようになるまでかなり急いだな。
中盤で目への保養と真夏の熱気解消に良いとされるお風呂回が入ったのだが、まぁサービスが悪い悪い。なにがっていうと、服を来たまま風呂に入っている。なんでや?肌守り過ぎで草。
あれには萎えたという意見が多く出てきそう。←私はそんなスケベ思考で臨んでいないのでそんなことは一切思っていません。
で、マナー違反のお風呂でチア練習をおっ始めるし。もちろんマナー違反なので真似しちゃだめよと注意書きが出ます。
コレを見て「ウォーターボーイズ」でも風呂でシンクロの特訓をするシーンがあったなぁと思い出したわ。
第7話の野球応援団の回でタイトル回収していたのも印象的だった。
野菜でも頑張れば花を咲かせるとか、メインキャラではないゲストキャラの応援団女子が良い心がけのことを言っていた。そういや大根やキャベツでも放っておけば花が咲くとばあちゃんから聞いたことがある。だいたいの野菜は花を咲かすらしい。それを聞いた時には驚いたものだ。なるほどな、菜にも花にもなれるってお得で素晴らしい良き心得なんだな。良いこと言ってます。
後半では、チア部の先輩がネットにかなたちゃんのチア活動の誹謗中傷を書き込むという現代人がやりがちな揉め事が発覚。もうやめなー。そこの要素には今時なリアル性がありました。
最後は色々あった皆さんもすっきり和解してチアをやって爽やかに終わり。チア女子たる者、体の健康はもちろん、心も清らかであれ。ありがとうチア女子達。
VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた
開幕早々にタイトル回収して1話の半分も行かないところで「切り」のタイミングを設けていた。今期作品の中でも最速の1話切りが叶う作品。タイトルを読み上げた段階で切り時が見えちゃう0話切り作品も多かったが、それを除けば最速切り作品だったと思う。なんにせよある分野で一等賞を持って行ったのは一つの評価ポイント。
酒で失敗してキャラ崩壊する模様を誤って配信したらバズり散らかして有名になる。そんなVあるあるの配信切り忘れ事故をネタとして扱い冒頭にぶっ込み、ホントタイトルそのまんまやん!の綺麗なネタ回収をしてピークポイントが終わる。
で、残った後の流れがキツかったぁ。こいつは今期の問題児枠でした。
Vチューバーが好きだし主演のあやねるも好きなので期待していたのだが、期待とは全く異なる路線を行くがっかり作品だった。最近の異世界ものでよくある1話目が最終回の流れをこういうのにも持って来やがったか。まぁ気になって見た人向けには、今後特に何もないよと教える丁寧な1話切りスタイルだったので、そこは親切設計で良いかなと思う。伝説になるには程遠いアニメだった。
とにかく毎話しょうもない。こんな質の悪いギャグアニメのノリだとは思わなかった。キャラもオール面白くなく、主人公なんてガチゼロガチゼロうるさい。酒まみれ女で清潔感もない。
Vチューバーキャラの絵だけは可愛く綺麗に描いていたのでそこだけは評価出来る。女子が可愛いだけのネタアニメだったな。
話、キャラ、ノリ、全てにおいて及第点突破がムズい状態。絵柄は綺麗で好きだったんだけど。
寒い内輪ネタ、特に下ネタが目立って家族の前で見るのに向かない。毎度薄ら寒いことをやっているのでこちらも段々恥ずかしくなってくる。
声優だけは無駄に良かったので、無駄打ったなぁというのが素直な感想。
「道産子ギャル」「愚かな天使は~」に次いであやねるが今年主演した作品は連続で滑ってんなぁ。あやねるの芝居は好きです。
出てくるVチューバーキャラは、ホロライブやにじさんじで見たことがある誰かみたいな感じなのが多くいる。個人勢のしぐれうい大先生みたいなキャラもいたし。そんな感じで既視感強め。
Vのガワとリアルにいる本人が同じ見た目なのはツッコミ要素。でもこれは、Vにはガワもなければ中の人もいない、そこにいるべくしていると言っているのだと予想する。であれば、その要素だけは清いと思う。そうでないなら「それならニコ生主じゃん」というネットで見た他人のツッコミに納得しちゃう。
作品自体に馬力がないけど周囲の助けの恩恵があった。声優に助けられたのはもちろんだが、Vらしくよその2次元コンテンツとコラボしている。しかし今振り返ればよくぞ他の企業さんは名前や作品を貸してくれたものだな。
ホロの柱のときのそらちゃんが映り込んだり、みんな大好きゆずソフト作品やサガプラネッツの「金色ラブリッチェ」が出たこともあった。バンドリともコラボしてあやねる演じる美竹蘭ちゃんもめっちゃ映っていた。去年やっていた「16bitセンセーション」ばりに色んなオタクコンテンツとコラボっている。こんな所に名前を出すのが失礼だろってくらいまともなコンテンツもバンバン出てくるから、大元にとって汚れとならないことを祈る。
最終回終盤シーンでは、Vの歴史としてキズナアイから始まって色んなVチューバーの実際の映像を映す演出が見られた。シロちゃん、周防パトラちゃんにアキロゼら青春の中で世話になった方々が順に出てきた。あそこの演出だけはしんみりさとエモさがあって良かった。
こんな内容の作品に実際のゲーム、実際のVチューバーが多く関わってくれたことについて、制作サイドはしっかりと感謝した方が良い。
Vチューバーのことは好きだけど、このVアニメは全然面白くなかった。確実に言えることは、コレを見るくらいならホロライブやにじさんじやしぐれうい大先生らマジのVを見る方が面白い。やっぱり本物のVチューバーってエンタメを生む才能を持つすごい人だったのだな。ネタアニメとリアルを見比べて、改めて「面白い」を生むのって簡単ではないのだなって思った。
こんなアニメを見終わったところで、今日もホロライブの誰かのチャンネルにアクセスしようか。
神之塔 -Tower of God- 王子の帰還
韓国か中国だかの海外のご近所さん産の作品。
もはや記憶の彼方に行きつつある一期のことについては、全話見たと記憶していても内容はほとんど覚えていない。なんか結構バトルとかして楽しかった感じはするのだが、にしては具体性を欠く記憶の残りよう。
なんというか無味って感じで、全話みた割には特にいうことがない。なんかただ通り過ぎた風って感じかな。風だって自然を回す必要な現象だから軽視はしないが、たっぷり重視することもしないので、たくさん思うことも無し。
それでは皆さん、頑張って塔を目指してね。
異世界失格
「人間失格」を書いた太宰治の異世界ものなのか。この「人間失格」の物語については、太宰にハマった時期があったので履修済みでした。クソアニメハンターの前には文学青年をやっていました。
まずこの元ネタに対する感想だが、現実に絶望しての出立の面もあれば、次の希望を目指しての前向きな旅立ちの面も見えたことで不気味に思いました。ゆえに興味深く面白みもあった。失格者をやってこなった身からすれば「マジで見たことがない世界」ということで興味を持つ内容だったと記憶している。
あれについては、なんであろうが次の行動に出た行動力があったのがすごいと思えた。ミスチルの歌のように、生きている理由もない、だけど死にたくもない、だから今日もダラダラ生きている。そんな人間と違い、どういう方向であろうが行動に出る気力と体力があるだけ、太宰が描く失格者は案外人間をしていると思えたものだ。
というわけで、陽気な私が見ても太宰ワールドにおける陰気さに限ってはそんなに嫌いじゃない。共感がほぼない小説だったが、人間の人間している所が見えた点で面白みがある内容だった。
そんな太宰な感じがありつつも独自の展開で行くこちらのアニメも見ていくしかない。
最初から悪魔のトラックくんが出てきた。その後も複数回に渡って人の命を吸うトラックくんの登場シーンがあった。トラック無しにはなんにも始まらない話だったなと分かる。ある意味トラックくんがMVP。だがここまで命を吸い込む描写が続けば、そろそろトラック業界から文句の50や60くらい出てもおかしくないと思える。
こんなアニメなんて見ている暇がないくらい忙しくしているはずだから、こっち分野におけるトラックの扱いについて知る由もないないのかもしれない。だったら幸い。そんな全国のトラックドライバーの皆さんのことは応援しています。事故なく頑張って!
文ストでは江戸川乱歩を演じた神谷浩史が今度は太宰枠で出ている。あとちょっと絶望先生ぽい芝居でもあるな。そこも注目ポイント。
絵がちょっと独特でキャラデザは華やかではないかな。下手な絵ではないがヒロインがそこまで可愛くない。
先生が棺桶に入って旅する絵面はシュール。ドラクエなら死んだ人が入る場所だから先生もそこに入りたいのだな。
割と序盤でタイトル回収していた。あそこで最終回でも良かったかな。
現代における「異世界」なんてジャンルはとっくに失格コンテンツだと思っているが、こちらの作品はスマートに「失格」の評価ではなく、良い点も上げることが出来る。
本作最大の功績は、意外性ある先生の働きにある。先生以外にも日本からこっちに来た異世界にとっての異物がいる。先生の能力でそいつらを世界から追い出して日本に帰すことが出来る。これが良かった。
常々思っていた。転生や転移していくる奴らはその世界の邪魔をしている。元の世界から弾き出されたり、逃げて来た連中だから、現実から逃げずに戦え!と言い聞かせたところで奴らは異世界に居座る。だいたいの異世界ものでは日本に帰ることはない。帰っても居場所がないからだ。それでもこのアニメでは、どうしようもない異物を強制送還させる展開が取られた。これは偉業かもしれない。ていうかなんでこれまでやってこなかったんだろう。私はずっとアイデアとしてそれを言っていたのに。
異世界でイキっていたクソ野郎が日本に戻って現実の中で生きていくしかなくなった展開には胸がスッとしたぜ。
これは異世界に行く物語でありながらも、ジャンルに対してアンチテーゼを謳っているのだろうな。良い要素です。
もっと究極なところを攻めれば、転生してくる前の神様や女神様がうだうだうやっているあそこの段階からガードして異世界に来れないようにする門番の話みたいなのがあれば良いかも。
それと「人間失格」の要素はただのパロでタイトルに使っただけではなく、本編でも活かされていた。人間としてしっかり失格した駄目なキャラが出てくることで、人間失格の要素はちゃんと回収していた。まぁ異世界ものなんて失格者の宴の場みたいなもんすからね。とか酷いことを言いながらも決して失格者が嫌いじゃないから見に来ちゃう私。
失踪した心中フレンズのさっちゃんを巡る旅だったのだが、最終回で先生がそのさっちゃんと再会する。でも心中を拒否られる。ここからどうなるのかってところで終わりだった。
続編はあってもなくても好きにして。やれば見てあげるから。
エグミレガシー
なにこれ?と思って1話目を見たら衝撃。なにがってキャラデザ!
次々出てくるキショいキャラ達のインパクトがやばい。近年だと「ポプテピピック」の作中コーナー「ボブネミミッミ」のキャラデザ以来の夢にも出てきそうなインパクト強めのキショさがある。一緒に見ていた子供が泣いちゃったというご家庭もありそう。
最初に出てくる「招かれざる客」という名前のキャラなんてマジで招く方がどうかしているレベルでキショい。「うっかりハチベー」なんてどこかで聞いたことがあるような名前のキャラは、顔がどこについてんだっていうアンバランス配置なキショさがあってヤバい。あいつの顔の位置は狂っている。後半で顔の位置が移動する設定も暴れ狂っていた。
このように、第一印象としてとにかく絵面の衝撃がヤバい。キショい。これら諸々イってるキャラクターのデザインを担当したのは、あの江口拓也氏である。自身で生んだキショいデザインのキャラに声も当てていて、まさかお前が主役だったのかと意外に思ったちぎりデビルことレジェンダリー・ファイナル・クライマックス・ボム役で主演も決め込んだ。今期は江口拓也に功労賞をあげちゃいます。
キャラデザ担当だから一瞬江口寿史かと思ったわ。したら声優の江口拓也だからびっくり。彼はこんなイってる絵を書く鬼才だったのか。素直にキショいけど嫌いじゃない絵柄。ていう段々ハマって好きになってくる。
最初こそ出てくるヤツがキショいし、シナリオ的にもカオスで意味不明だし、もうひとつ重ねてやっぱりキショいからどうしたものかと困っていたが、回が進むごとになんか全てがクセになって来るから最後まで楽しく見ちゃった。こんな私ももしかすると頭がカオスな変態なのかもしれない。
特に内容が無い異世界クソアニメと違い、なんだかんだこの作品にはエンドちゃんの特殊能力を巡って展開する本筋があり、それも結構楽しめた。
一見してキショいキャラのこともだんだん馴染んで今では可愛く思える。ボムの顔なんて今見れば愛嬌しかない。
WUGデビュー10周年の年に、青山吉能が歌姫ヒロインで登壇なのは何だか感慨深い。あんな意味分からん幻覚作用を持つソフトクリームの役をしたのは初めての体験だろうけど。
エンドちゃん周りの話でキャラが幻覚に取り込まれるところには、ダークさも含むカオスさを感じた。ちょっとだけ怖いかも。
ギターの擬人化ではなく、ギターケースがキャラ化してライブしているという幻覚展開は笑った。
皆から化け物のように恐れられていたボムが実は良いやつだと分かり、段々と皆に受け入れられるようになる展開には「泣いた赤鬼」的要素を感じた。
全てをちぎる恐ろしい能力を持つ彼の本当の優しさに触れた時、人はちょっとだけキュンと来るのです。私もキュンと来ました。
終盤では結局何が現実で幻覚だったのか、もしかしてこれまでのストーリーだって全てがボムの願望から出来た幻覚だったのではなかろうかといった具合に、真実の定義付けが怪しくなってくる。ここら辺りには、ダークでカオスでファンタジックなエグみを感じた。
ちぎりデビルことボムの心の中に確かにあった願望の「次には空をちぎってみたい」が最後には実現され、エンドちゃんと再会もしてえぐ味がすごいレガシーと成った。
何が現実で幻覚かの境はよく分からんが、確かな幸福があったということで満足なボムの青春物語の決着となって良かった。
こういうカオスだったりキモ可愛い感じのキャラが暴れるようなノリはオタク的にありでした。今期の異質な変わり種として推せます。こいつは掛け値なしのザ・ネタ枠です。
人生なんて適度にえぐ味が効いたくらいが丁度よい。最終的気づきがそれね。
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