こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

令和時代になった今こそとくと見よ!「電子戦隊デンジマン」

電子戦隊デンジマン」は、1980年2月から1981年1月まで放送された全51話の特撮テレビドラマ。

 

 デンジマンYouTube配信、無事完走しました~。こんなに綺麗な画質で名作を見せてくれた東映特撮YouTubeさんにありがとう。

 もう最高っす。戦隊のベースが整ったシリーズ初期作品だけど、この昔の時代からだって既に完成された美とエンタメ性がある。今やっているブンブンジャーも楽しいけど、めっちゃ古いこっちだって十分に面白い。

 それから同時期に「電磁戦隊メガレンジャー」の配信もしていた事が思い出深い。デンジマンだから電磁戦隊と覚えちゃいそうなところだけど、そこはスーパー戦隊検定的に引っ掛け(どこかにある検定)。電磁戦隊はメガレンジャーで、デンジマンは電子戦隊。ここの覚え分けはしっかりしておこう。という特撮マニアとインテリを同時進行でやっている人間ならではのお話でした。

 

 デンジマン、好きなんだよな~。まだ年齢が1桁の頃からも親父の秘蔵ビデオの中に含まれていた本作を見ていた。ゴツいメタリックグローブから繰り出す破壊力抜群のデンジパンチ、その場で腿上げ駆け足をしたらめっちゃ高い所まで瞬間移動しているデンジジャンプ、これら超人技を真似して遊んでいました。当時はとっくに21世紀だったので、同級生達は誰も元ネタを分かっていなかった。そんな娯楽における孤独も今振り返れば楽しく気持ち良い素敵な思い出。

 

 デンジマン視聴は今回で3周目だ。VHS、DVD、今回の高画質配信でそれぞれ視聴している。見る度に画質が上がっていくのが嬉しい。技術革新ってものが目に見えて分かってくるぜ。

 

 YouTubeで約半年かけて配信したのがあっという間だったな。本当に半年が早いって。この半年間を大変楽しいものにしてくれたデンジマンに感謝しつつ、全話見た感想を書いて行こう!

「振り向くな!君は狙われている!」というED曲のフレーズが大変印象的だが、それでも私は今一度振り向いて作品の素晴らしさをしっかり確認したいと思います。ED曲の「デンジマンにまかせろ!」は超格好良い名曲。それを聞きながら呑気に書かせてもらいます。

 

〈ANIMEX 1200シリーズ〉 (40) 電子戦隊デンジマン テーマ音楽集 (限定盤)

 

内容

 3000年前、デンジ星は悪者宇宙人のベーダー一族によって侵略されてしまった(当時だとウミツラーを筆頭に)。

 その迷惑な連中は、後に地球にもターゲットを合わることになる。

 

 滅ぼされたデンジ星人の生き残りは地球に逃げ込んでいた。彼らは、ベーダーに対抗すべく策を地球に残してくれていた。

 ベーダーが地球侵略に出た時、デンジ犬アイシーは地球に暮らすデンジ星の末裔5人を召喚した。デンジ星の科学の力を与えられた彼ら5人は、アイシーのもと電子戦隊を結成した。

 かくして電子戦隊デンジマンヘドリアン女王(中の人は皆大好き 曽我町子)率いるベーダー一族との死闘がここに始まったのである。

 地球存亡をかけた全51話の物語を目ん玉かっ開いて見るべし!

 

感想

 OP曲から既にご機嫌で格好良い。この時代の特撮ソングの暑苦しさとクールさは、お耳にも胸にもしっかりと刺さるものがある。

 

 前作シリーズのバトルフィバーJでは、将軍というちょっと時代錯誤な役職のボスのもとでのチーム結成だったが、今回も意外性は抜群で喋る犬が指揮を取っている。このアイシーの存在は良い。ガキの頃にデンジマンを見た時には「アイシーが可愛い!欲しい!アイボよりもアイシーが欲しい!」と思ったものだ。アイボ登場後に視聴したキッズは皆同じことを思うはず。アイシーはめっちゃ生の犬感があるからね。

 

 あんパン大好きデンジブルーこと青梅大五郎は大葉健二が演じている。バトルフィバーから連投でヒーロー役おつかれさまです。大葉健二の特撮に救われたオタクはたくさんいますから。

 青梅さんの職場ロッカーを開けたらバカなのか?ってレベルの大量のあんパンが飛び出すのは初視聴の時からも笑った。美味そうだな。今となってはあんパンだって結構厄介な支払額で、100円で買えない場合もあるからな。コレと「CLANNAD」と「アンパンマン」は、私の心の中に輝く視聴したらあんパンが食いたくなるコンテンツだぜ。

 

 バトルフィバーにもゲスト出演していた内田直哉が今回はレギュラー出演でデンジグリーンに変身している。今では声優としても売れている彼の若かりし日々の芝居が見れるのはありがたい。しかし彼は顔が良いなあ~。男前だわ~。 

 

 美形ならデンジピンクの桃井あきらもお忘れなく。彼女に見る気品と健全な色気は良し。目の保養となります。一昔前のイケてるギャルを眺めることが出来るのも作品の良さ。

 時代的に近かったこともあってか、初期のあきらさんの設定には「エースをねらえ!」の要素を見た。岡ひろみばりにコーチの下で熱血指導を受けて頑張るテニス娘だった。最初はテニスを極めたいからってことで電子戦隊加入を拒否していたんだな。ここは覚えていなかったわ。

 かなり後半回に来たあきらのお当番回で、あきらが七変化して色んなコスを披露してくれるのは楽しかった。あれは良く覚えていた。あの回は良いよね。

 

 俳優の良さなら敵さんサイドを見ても言えることがある。普段は奇抜な被り物をしているが皆さん美形なのね。

 ヘドリアン女王役の曽我町子はご存知の元気で色気もあるお姉様。女王の傍に控えるミラー、ケラーのダブル女幹部も格好良いお姉さんで良し。

 敵さんも人間社会に出てミッションを行う時には全部顔出しの普通の姿で出てくる。その時のミラー、ケラー、それにヘドラー将軍がそれぞれ思ったよりも美形でイカす。

 今回視聴するまで気づかなかったが、ヘドラー将軍の中の人は東映スパイダーマンの人だったのか。先にヒーローをしてこっちでは悪者とは意外な転身。ヒゲが似合う良い男だな。

 

 侵略者とそれを跳ね除ける戦隊の話ということで展開は分かりやすい。毎度繰り出される怪人達のアイデアとストーリーも秀逸で普通に楽しかった。

 印象的な内容といえばやはりウミツラー回。こいつが一番罪が重いんじゃないかな。微妙に間抜けな見た目なのに、大公害を呼び起こしてデンジ星を終わらせた恐怖の戦績を持っている。

 ヘドロ大発生の公害を描くシーンは結構な迫力があり、子どもの頃に見たらキモさと怖さを強めに感じたものだ。ゆえに記憶に残ります。

 こいつのせいで故郷を追われたデンジ姫一行が小さい船で旅に出る画がなんともシュール且つ淋しげな物に見えた。コレをビデオで私に見せてくれたうちの父が「あんなちっこい船で逃げるのか~」と半笑いで感想を言っていたのが懐かしい。

 ウミツラーの声がやっぱり東映の悪役はこの人の飯塚昭三ボイスなのも懐かしい。ていうか飯塚昭三が怪人の役を兼ねすぎていて、これ以外にも色んな怪人で出ている。今週死んだと思ったら来週には別の怪人の声で登場するので、あっちこっちから彼の声がする番組だったな。コンテンツの立役者ですから、彼にも拍手です。

 

 10円バーカーの事件の回もすごく印象に残っている。この時代ですら10円で食えるものは少ない。登場人物達がそう語っていた。そんな中、移動車が10円でハンバーガーらしき食い物を売るのだ。もちろんベーダーの罠であり、食った者は酷い目にあう。

 この価格設定での販売戦略に関して、青梅さんが物価高への挑戦なのか~と独りごちているのも印象的。その青梅さんも腹ペコ野郎だからバーカーを食ってしまって酷い目に合っている。

 にしてもこの時代から今になってもまだ物価高うんぬん言ってるのか。いつだって物は決して安くはないのだな。悪の組織とやりあうのと同じく、物価高との戦いもまた人類史が続く以上終わり無きことなのかもしれない。スーパー戦隊のシリーズも物価高もよく続いておるわい。

 コレを初めて見た時には、10円バーカーが食いたいと強く思ったものだ。移動販売車が来るということ自体が日常的に無いことだったので珍しいものに見えた。それと同時に、キレイな薔薇にはトゲがあるよろしく、安い食い物には何か裏があるという世間の真実についても学べました。

 

 初期怪人のシャボンラーの進撃も記憶に残る。爆発させるとか滅多打ちにするなどの分かりやすい暴力ではなく、体から石鹸の泡が出て止まらないという呪いみたいな攻撃をしてくるのがしっかり考えると怖いと思えた。

 泡だらけになるとか困る。学校や会社に行けなくなるやつやんけ。嫌がらせとしてはかなりハイレベルな部類になるのでこいつの能力は怖かった。

 

 作中ヒット曲「銀河ハニー」もしっかり覚えていた。めっちゃフリーザ様の声がすると思ったら、中尾隆聖その人が冴えないシンガー役で顔出し出演していた。

 あの曲はポップでキャッチーで普通に良曲だと思う。DVDを10年くらい前に見たのだ けど、この回とあの歌は覚えていた。

 この回では、楽曲制作における盗作行為は駄目!とも言っているので、そこの所を気をつけて今後も創作活動をしていこう。とは言ったものの、創作活動をしていないんだよな。

 しかしフリーザ様の芝居はマジでムカついたよな。中尾隆聖は高い演技力を持つ俳優です。

 

 チカゲリラー、ジシンラーの地盤に悪影響を与える連中の能力も最悪だった。やっていることが見て、文字にしてシンプルに害悪だから困った。こういうシンプルにヤバいヤツがいるから怪人社会には困る。コイツラの能力も怖いと思って見ていたわ~。

 

 これら化け物共をぶっ飛ばしてくれるデンジマンが格好良いし、その守護神のダイデンジンのアクションもナイス。ダイデンジンイカすなぁ。前作よりも一気にガンダム感があるんだよな。

 ガンダムみたいなトゲトゲつきハンマーをぶん投げるアレはいいなぁ。オタクはトゲトゲした武器が好きだから。

 デンジ剣のぶっとい刀身も良し。あれは痛そう。そのデンジ剣から繰り出される必殺剣技「電子満月斬り」は最強。あのデカい剣で勢いをつけてのぶった斬りともなれば、スペースコロニーだって割れそう。

 ダイデンジンはお顔もイケメンなんすよlデカい男前をご堪能あれ。

 

 メカが変形して人型ロボになる要素は今回から初出しアイデアだった。バトルフィバーロボはそのまんまの形で飛んでくるからな。

 このメカの変形や空中戦なんて当時にしては結構凝った作りだよな。今見ても普通に格好良いし面白い。

 

 デンジマンといえばの一番印象強い要素は、後半パートのバンリキ魔王襲来の件。ベーダーに襲撃を受ける人間社会もだが、敵内部の勢力図もまた荒れるわ揺れるわで大変だ。その様を見るのが面白い。

 この怖いおっさん魔王がそれまでの展開を大きく変える暴風雨の役割となっていた。

 バンリキのおっさんが本当に悪い悪い。それまでいた悪者のヘドリアン女王ヘドラー将軍を越えて悪さが際立っている。

 こいつの悪事を振り返れば許せん!となること必至。逆にどうして簡単に許せようかって話。

 後半は第3勢力のバンリキ魔王がベーダー一族の基地の乗っ取りを遂行しちまう。確かに力に物を言わせてのパワー系男だとは思ったが、ベーターを乗っ取るまでに精力的に計略を進めるような感じだとは思わなかった。

 敵サイドでシャレにならん揉め事が勃発で、ややもすればデンジマンを放っておいてこっちの事件が面白いくらいだった。

 

 魔王の起こした騒ぎの影響もあってヘドラー将軍が死に追いやられるのも印象的。

 もちろんヘドラーは地球を終わらせようとした悪者なのだが、それならそれで自分のルールを重んじる高潔な武人でもあった。そのことから彼のことは格好良い戦士だと推せる。

 デンジマン打倒のため単身出撃するヘドラー将軍に対して「行ってはなりません」と言って止めるヘドリアン女王。この画に見る良き上司と部下感、または親子感にグッと来る。女王も普段は厄介な悪者おばさんだが、ここ一番では部下思い。良い上司であり母の顔も見せていた。

 ここの二人の芝居が良い。被り物をしてもマスクオフの顔出しをしているだけに、顔でしっかり芝居をしている。女王が良い女に見えたし、ヘドラー将軍もイケメンだわ。

 

 ヘドラーの散り方も印象的。巨大化してダイデンジンに突撃をかける。

 ダイデンジン必殺の電子満月斬りが炸裂するのを大剣で受け止めようとするヘドラー将軍。あの顔は必殺の一撃を受け切り、その後に反撃を出せると信じてやまないものだったように思える。しかし現実は残酷でダイデンジンはくそ強い。ヘドラー将軍の剣を突き抜けて体ごと真っ二つの爆破エンドだった。

 引くことなく攻める想いオンリーで強敵に立ち向かい散って行った将軍の最後は敵ながらあっぱれだった。私も感動した。

 地球の敵である男に対しても敬礼して最後を見送ったデンジマン諸君の戦士の心にも感服。敵だったけど死闘の熱を分かち合った相手なら終戦時にはノーサイドの心得で健闘を称えるべしだな。

 ヒーローが悪に対して敬礼したことついては色々想うこともあるが、この演出は総合的に言ってアリだな。ベーダー星の武人の最後に強めにウルリでした。私もまだまだ水分豊富なお年頃。

 

 デンジマンに対する最後の脅威となったのがバンリキ魔王最強の手駒のバンリキモンス。ちょっと前にYouTube配信が終わった「てれもんじゃ」をもっとブスにして悪くしたみたいな見た目。間抜けな見た目のこいつがかつてない厄介な攻撃能力でデンジマンダイデンジン、そしてアイシーを苦しめることに。こいつ、こんな見た目でなんで強敵やねんと思って見ていた。

 魔王が憎いことからデンジマンが勝つ方がましと思い、こともあろうかデンジマンの戦いを応援するヘドリアン女王の姿が見れたのは珍しい。敵の敵は全部敵なのでどれかが倒れてくれるならどこでも応援した方が良い。そんなややこしい考えが浮かんできた。

 

 ヘドラー将軍に次いでミラー、ケラーも女王を守って倒れてしまう。この展開を見るとベーダー城の中がすごい事になっていてどうなるのさ?と気になって集中して見てしまう。デンジマンが主役なんだけど、後半は女王達にも感情移入しますなぁ。曽我町子の芝居が本当に良すぎる。良い俳優だなぁ~。

 一方城がやばいその時、デンジマンもバンリキモンスからもらった傷がヤバい。頼みの綱のダイデンジンが故障しちまった。だが異星の発明ゆえ、地球の物資では修理部品が間に合わない。あっ、これ詰んだな。当時のキッズ達はそう思ったことだろう。

 ここでボス犬のアイシーが動き出すのだが、その内容がなんとも悲しい。ダイデンジンの大事な部品の代わりになるものといえば、己の内部に組み込まれたシステムしかない。アイシーは自らロボの修理パーツになったのだ。

 それを最後まで言わないからデンジマンもアイシーが旅立ったことを知らずに終戦後基地に戻るのである。最終戦を前にアイシーとちょっと揉めたデンジブルーが、最後は謝罪と共に基地に戻ってくるもその言葉は届かない。ここで泣いちまった。

 英雄アイシーを忘れてはならない。栄誉を風化させないため、スポーツクラブで開催する大会名にアイシーの名が刻まれるようになった。アイシー、マジでありがとう。お前がいないと我々地球の後輩達は生まれる世界を持たなかったわけだ。最終回のアイシー賞記念サッカー大会のシーンで泣いちゃったよ。愛しい名物犬はロボになり星にもなりました。アイシー大好きだぜ!

 

 とまぁ熱くなれる最高の見世物でした。ゴミみたいなアニメばかり見ている合間にこういうまともな娯楽作品を見ていると心が乾く前の水分補給となって良い。心には潤いと熱を。

 デンジマンありがとう。未来はお前達に任せた!

 

 

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