「忍風戦隊ハリケンジャー」は、2002年2月から2003年2月まで放送された全51話の特撮テレビドラマ。
デンジマンと同じ週にハリケンジャーのYouTube配信も終わったな~。ハリケンジャー、とても楽しかったっす。
シュシュっと参上、シュシュっと忍者じゃん。OP歌詞にあるこの印象的ワードのごとく、シュシュっと格好良く面白い作品だった。
本作は自宅にて所有しているビデオで見たことがある。だがそれも真ん中くらいの話数までしかなく、本作については中盤以降見たことがなかった。それをこの度、東映特撮YouTubeにて全話配信してくれて良かった。懐かしの名作を丸っとしっかり楽しめました。
やっぱり日本人はコレが好きと言える要素の一つ「忍者」をテーマにした戦隊ということで、見る前からもワクワクすっぞ。私も忍者は好きだからその要素があればだいだいなんでも見る。
コレの放送と近い時期だと「NARUTO」「ニニンがシノブ伝」あたりの忍者コンテンツも流行っていたはず。どちらのアニメにも水樹奈々が出ていた。時代的に忍者熱が高まった時期だったのだな。アニメも特撮忍者が盛り上げます。
今回の戦隊はサンバルカンのように3人体制で始まるのか。サンバルカンの再来か、それとも前作のガオレンジャーで頑張りすぎたから予算削減なのか、とかなんとか当時の視聴者は思ったのかもしれない。
しかしコレも20年くらい前の作品なのか。古いなぁ。かなり愛されたシリーズだと分かる後の展開にも注目したい。10周年、20周年、それぞれを記念して新作も作られたというからすごい。役者が存命なのもそうだが、待っているファンがいるのも素晴らしいことだ。でないと20年も経って続編は無いからな。こちらの続編はどちらも見たことがないのでその内見てみたい。
思えばハリケンジャーは広くあちこちに顔出しをしているのだな。続編もあれば、他シリーズにも参戦している。現在配信しているニンニンジャー、ゴーカイジャーの2作にもにもコラボ参戦しているじゃないか。それと七海役の人は同時期配信の仮面ライダーWにもイケてるギャルマジシャンの役でゲスト出演していたし。そんなこんなこの夏から秋にかけては、東映特撮YouTube全体で見てハリケンジャー要素を豊富に堪能出来た。あっちこっちにシュシュっと参上しているフッ軽(フットワークが軽い)軍団でした。
耳馴染みが良くてすぐに覚えられるご機嫌なOP曲は最高。それをを聞きながら今日はハリケンジャーを見た感想を書いて行こう!
内容
一流忍者を放つ疾風流忍者学校が謎の集団から襲撃を受けた。奴らは宇宙忍群ジャカンジャを名乗り疾風流忍者を次々倒してしまう。
そんな中生き残ったのは落ちこぼれの若手忍者3人のみ。そんな彼らは、伝説の忍 ハリケンジャーの力を用いて宇宙忍者軍団に対抗するのだ。もうそれしかやっていく道はないのだから落ちこぼれだのなんだの言ってられない。えらいこっちゃ。
ライバル流派である迅雷流の忍者兄弟ゴウライジャーとも一悶着あった末に共闘し、謎の忍者 シュリケンジャーのサポートも受け、ハリケンジャーはジャカンジャ打倒&学校再建のため奔走する。
一方、悪者忍者ジャカンジャも世界をひっくり返す大いなる力、通称「アレ」を求めて暗躍したり表立って暴れたりと、とにかく厄介なのだ。
ジャカンジャの打倒と共に、謎の力「アレ」の究明にも闘志を燃やし、ハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャーは、それぞれ異なる3つの力を合わせ、信じた未来に向けて頑張るのだ。
そんな人も知らず世も知らず影となりて悪を討つ戦士達の熱き物語が楽しめる全51話の特撮ドラマです。
感想
面白いっす。格好良いっす。もうそれに尽きさせることが難しくはない秀逸作品でした。
これまで半分くらいしか見たことがなかったけど全話通して見れば熱い。こんなに熱かったのか。特に後半は熱くて面白い。
修行をマスターした免許皆伝忍者でなく、学校の授業をサボるような落ちこぼれ3人衆が主役なのね。近い時期に流行った忍者アニメの「NARUTO」や「ニニンがシノブ伝」でも主人公はポンコツ忍者としてスタートしているからな。まずはポンコツから始まって後に成り上がりサクセスを見せてくれるのがオタク的に刺さる!といった狙いでお話を練ったのだろう。という深読みと呼ぶには浅い考察。
初回の忍者学校襲撃の末に館長がハムスターになる展開はファンタジック&可愛らしいもので覚えていた。この当時だと「ハム太郎」とか「ハムスター倶楽部」も流行ったことだろうから、例えおっさんの声がするとしてもハムちゃんを出しておけばキッズからウケが取れると思ったのだろう。実際のところキッズ時に見た私にもハマる要素でした。
館長が渋くて男前なボスの割には微妙におっちょこちょい。そのため忍術をミスってハムスターになっちゃう展開は良しだった。
関西弁とメカ技術を扱うおぼろさんのこともしっかり覚えていた。その昔コレを一緒に見ていたウチのお兄ちゃんが、パソコン操作をするおぼろさんについて「最後のエンターキーを押す所以外は絶対テキトーに打ち込んでいる」と言っていたのが忘れられない。どこを見てツッコんでんねんと笑ったわ。おぼろさんはそんなテキトーなどせず、ちゃんと意味のある文字列を打ち込んでいると私は信じています。
この作品といえばシールの貼られたエンターキーを打ち込むおぼろさん。というのも一つの象徴的要素だな。エンターキーを押す時って、なぜか他のキーを押す時よりもちょっとだけ気持ち良い。なぜだろうか。
ハリケンジャー3人のキャラ性バランスも良いな。
鷹介くんのアホっぽいけど熱血漢で良いやつなところは好感が持てる。イケメンだよね。
七海ちゃんもイカす。当時は格好良いお姉さんだな~と思って見ていました。笑顔がナイス。
吼太くんは水分が少なそうな頭してんなぁ~と思って見ていた。髪の毛パサってないか?変わった髪型だな。
忍者なんてのも給与があるのかないのか謎のジョブだからってことで、3人も普段はそれぞれの特技を活かし一般人同様に働いている。ここにも好感度が持てるぜ。
ハリケンジャーをやる時には人も知れず世も知れずの秘密のお仕事時間だけど、それ以外ではちゃんと会社に登録して行う誰にとっても知られるお仕事をしているんだな。
ゴウライジャーのお兄さん達二人が工事現場で働く姿は男らしくて格好良い。チビの時にはゴウライジャーの二人がイカつく見えてちょっと怖いかもと思っていたが、今見ると男前のイケてる兄さんに見える。
シュリケンジャーは毎度ジョブも姿形も変えて世間様に浸透しているから偉い。シュリケンジャーに変身するのが歴代の戦隊OB達なのがマニア心に刺さる。大葉健二氏が変身した時には大変ギャバンぽいから嬉しくなった。
シュリケンジャーを演じた松野太紀氏は今年お亡くなりになってしまった。素敵な芝居をこうして後の世にも残してくれてありがとう。この場を借りて御冥福を祈りたい。彼の子役時代の主演作「星の王子さま」のアニメは、私がガキだった頃に再放送でしっかり見ました。
ヒーローはシンプルかつ磨かれたデザインで格好良い。そしてこちらはロボやメカ周りも秀逸。
旋風神に合体する3体のロボが、忍者のお供らしく街中に潜んでいるのがナイスな演出。普段は船、飛行機、観覧車にカメレオンのごとく擬態している。そうしてデカい体を世間様に馴染ませて収納スペースの問題を消している。
カラクリボールから出てくる武器も遊び心があってナイス。ボールにはガシャポン感があって良し。けん玉やコマ回しのようなギミックで技発動なのも良い。ゴートハンマーが好きだったな。
ゴツすぎて運動性に欠けるだろうにという旋風神に寄せる不安要素も直ちに排除にかかり、スマート化して高速性がアップするハリアーモードも用意されている。このハリアー作動時にワクワクした。良いアイデアだな。
やっぱり戦隊はロボもマジだからな。忍者にもロボにも燃える良い時間となった。
あとリボルバーマンモスのゴツさと格好良さも好みだった。チビの頃、リボルバーマンモスのおもちゃの中古がお店に並んでいたのを見つけたことがある。その時は親に買ってもらおうと思ったが駄目だった。それもまた良き思い出。なんでもかんでもゲッツとは行かないのが人の世の定めである。
これを初めて見た時には、敵サイドのギャルのフラビージョ、ウェンディーヌがそれぞれ斬新なギャル性に思えて衝撃を受けた。タイプは違えどそれぞれ印象に残るイカすギャルだった。
フラビージョはシノラー風味のある脱力系ギャルで面白い。ウェンディーヌ姉さんは目に見えてセクシー感を出してくるから良きお色気枠でした。
夏場の放送回で蚊の怪人が登場した際には、ウェンディーヌ姉さんの素敵なおっぱいの上に止まっていたのをアップで見せてくれるシーンがあった。あれは目に良きものでした。悪いことは全くない。
展開として楽しかったのは、ゴウライジャーと揉めること。最初は敵対していたんだな。
ゴウライジャーが飛んで跳ねてをする時に聞こえるSEは「仮面ライダーブラックRX」のヤツじゃないかな。なんか似た音がする。
ゴウライジャーが最初はジャカンジャと手を組んでいて、向こうさんの基地にも出入りしていたのが印象的。ここからこっち側につく展開は戦隊的に見る光堕ちとでも言うのだろうか。このワードはプリキュア専売のイメージが強いよね。
ゴウライジャーの武器が南京玉すだれのように変形するのは面白い。随分可変型なんだな。
ゴウライジャーがハリケンジャーのカラクリボールの所有権を奪い取って攻撃してくるダークでピンチな展開も良かったな。あそこに感じたバトルの危機感は悪くない。
最初の方はハリケンジャーが素人戦士でゴウライジャーの方が諸々達者だったから、3人に対して1人少ない2人体制でかかってもハリケンジャーがボコボコにやられていた。あの強者感、そしてそれが後にはこっちについてくれる安心感、共に良し。
ゴウライジャーといえば兄者の方が死の呪いをくらい、それもかなり長らく解除出来なかったのがヒヤヒヤとした思い出。
当初はチビのザコだと思っていたマンマルバが厄介な呪いをくれたものだから、もう早くぶっ飛ばしたくて仕方なかった。兄者頑張って!の応援が止まらぬ。
兄者の苦しんでいるシーンを見て胸痛むものがあった。そこは兄者を応援しつつ楽しく視聴しました。
あのように兄貴の命が徐々に蝕まれていく不安と恐怖渦巻く展開といえば、ジュウレンジャーのブライの物語を思い出す。ハリケンジャーから約10年前くらいの話だね。我が家にも兄者がいるものだから、思わず集中して見てしまう展開だった。
ハリケンジャーを余裕で圧倒してしまう強キャラとして登場したゴウライジャーにも、中盤では結構な試練を与えたのがドラマ性として良かった。
敵の幹部集団「暗黒七本槍」が最初は全員集合しておらず、途中から猛者が追加されるのにもワクワクした。
まだ解放されていない椅子に誰が来るのかと待っていた時にサタラクラが来たのは印象深い。うるさいしうざいしコミカルで陽気。敵キャラにしては愛嬌があって好きだったが、しっかりムカつくターンもあり。
サタラクラを演じた島田敏の陽気でウザいノリの芝居はナイスだった。この人もすごい歴が長いよな。
そこより更に遅れて合流したサンダールがめちゃヒールしていて良いキャラを出していた。こいつがビジュは格好良いが中身は狡猾で悪い悪い。
サンダールが組織を裏切って厄介な展開を呼び込んでくれたことで、後半展開にはヒリリとした盛り上がりを迎えることになった。
サンダールの声がシャア(池田秀一)ということで、絶対に狙ったとした思えないシャア語録をサンダールが言うシーンがあったのが面白かった。ガンダム&シャアマニアには嬉しいネタ要素。あれはさすがに気づく。
後半は戦隊モノにたまにある敵サイドの内部分裂も描かれていた。それもまた面白みとの一つとしてアリ。
先日配信したゴーカイジャーには、サンダールとサタラクラのJr.が出てきた。その2人が手を組んで面倒事を起こしていたのも印象的。ここより約10年後にまた戦隊シリーズに帰還していたのか。
お話の肝たる謎に迫る展開にもワクワク。
アメリカンなノリの神出鬼没の忍者 シュリケンジャーとは何者なのか。序盤から名前だけはよく聞く御前様の正体は?そしてジャカンジャの追い求める「アレ」とはマジで何なのだ。正式名称を教えてくれ!
といった感じで、長期に渡って色々な謎に迫っていくドラマ性も楽しい。
御前様ってガキの頃には「午前」だと思っていたから、じゃあ午後様は?とかおバカをなことを思って見ていたな~。なんとなくヒゲの似合う爺さんのイメージが固まっていたが、正体はか弱そうなギャルだった。これは意外。
七海がせっかく飯を作ったのに御前様が食ってくれないと戦闘中にもずっと悩んでいた回はなんか可愛かった。
やはり作品においてかなり気になる要素であり、印象に残るのは「アレ」を追い求める過程。これには敵味方問わず皆絡んで行くことになるから、作中における大いなる謎として要注目なのである。
あまりにもアレアレ言ってるからいい加減名前を明かせ!と思わずにはいられない。結果最後まで正式名称は伏せた状態で行く方針が取られた。
このアレについてはジャカンジャの方が詳しく、奴らは通称として用いる「アレ」の本当のところを知っている。名前もきっと知っているはず。でもハリケンジャー諸君や我々視聴者はアレとしか知らないので、いつまでもアレ以外に名を知ることが出来なかった。
身内ネタをずっと言ってる連中がいて自分は外部だからその内容が分からない。そのことにモヤる。アレについてはそんな感じの想いを抱いていました。微妙に感じるこの疎外感もまた青春の味。
関係ない話だけど、あんなにアレアレ聞くとMOTHER2に出てくる「あれ」を思い出した。あちらのゲーム世界における「あれ」が示すのは、ゴキブリのことだからな。ゴキブリのデザインのザコキャラで名前が「あれ」っていうのがいたのさ。しかもザコにしては結構厄介な部類だった。
終盤は怒涛の死闘ラッシュで視聴カロリーの消費がすごい。
御前様、シュリケンジャーが倒れ、ゴウライジャーに館長、おぼろさんとも連絡がつかなくなる。そんな孤独の中、ハリケンジャー3人がめっちゃ頑張る。この危機感、ゆえに応援したくなる熱い心、それぞれを感じるのが結構気持ち良い。
最終回のマスクオフで戦いに挑む展開が良い。ハリケンジャーはマスク中央がオープンになるし、マスク全体ごと普通に着脱も出来る。たまに俳優の顔が出るのも良いね。
他のシリーズでもたまにあった変身後の名乗りポーズを、敢えて変身前に取る最終回オンリーの戦闘シーンイベントも良し。ここは中の人が普段はしない動きをすることになってちょっと大変そう。
最終回で暗黒七本槍が全員揃って復活して再度バトる展開も熱い。7人揃って出てくると迫力がすごい。
最終回は派手に戦闘をブチかまし、その後に訪れた平和な世界で生きる一行の日常も描いて終わる。この最終回の熱と後味の良い平和さが最高だと思う。
最後にいつも言う決めセリフの「せい、バイバイ!」を英語の「Say bye bye」と表記して言うのなんてマジで爽やかラストで最高じゃんか。なんか胸がキュンとしたわ。
晴天の下で迎える卒業式の寂しさ&それを凌ぐ心地よさを感じるようなナイスな締め方だった。
ハリケンジャー最高っす。マジで感動をありがとう。
あとOP曲のインパクトが強いからそっちばかり覚えていたけど、今回久しぶりに見て聴くとED曲の「いま 風のなかで」もめちゃ良いな。影山ヒロノブのボーカルが格好良すぎる。曲が流れるバックでその回のハイライトシーンが流れる毎度の変更ポイントも良いね。芸が細かい。
どちらの曲もご機嫌で格好良いので、この夏と秋にはよく聞きました。しかし配信期間の半年がマジでシュシュっと秒で過ぎたような。毎週楽しかったっす。30周年も皆で祝えると良いっすね。
次に配信するアバレンジャーもしっかり見ます。もちろん暴れることなく静かに落ちてね。
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