こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

2024年のアニメ感想(10月~12月)その12

 こないだ父が「これなんだと思う?」と言って畑に実った奇跡を見せて来た。

 それに見えたものだから私は「ピーマン」と答えたのだが、答えはパプリカだった。

 パッと見て違いが分からぬ。

 

 そいつを焼いて食ってみたら美味い。美味いのだが、ピーマンとパプリカで味の違いも分からない。えっ、一緒じゃね?となったのが正直なところ。

 というかそもそもピーマンの味をしっかりコレだと舌が記憶しているのかどうかも怪しくなってきた。形がピーマンだから食ったからにはこれがピーマン味で良いか~と舌と脳が結構横着に記憶しているのかもしれない。

 このように食い物の形を見て味をある程度想像したらあとは割とテキトーに味わいを理解しているのが人間の本質なのかもしれない。

 というピーマンとパプリカからちょっと考察してしまった謎の話が一つ。

 

 ではそんな謎な話の映像化に当てはまる作品もちらほら出てきた24年ラストクールアニメの振り返りと行こうか。

 こうして振り返ると去年は長かった。だって新年が明けてもまだ振り返り終わらないからね。

 

 

ありふれた職業で世界最強 season 3

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 キッツ!視聴がとてもキツいありふれたクソアニメの第3弾シリーズでした。  

 これはよくある出落ちものの仲間だから、1期の3話切りポイント以降別に映像化を進めることはないものだけど、なぜか3まで来たから不思議。この点を言えばありふれた不思議の範疇を越えている。そんなにファンがつくものだとは思えないし、特定の一人が高額出資でもしているのだろうか。石油王がファンについているとか。

 2期をやった時にも同じことを思ったが、制作陣、役者陣共に、最初の解散後以降再招集があるものだとは思わなかったのではなかろうか。私も絶対に2はないと思ったのに3まで来たからなぁ。そうしてアリの要素を推さずないない言ってるくせして全シリーズ全話見ているこの付き合いの良さよ。

 なんだかんだこのノリの痛さ、南雲くんの痛ファッションにも愛着が湧いている模様。人は慣れるものだからね。

 

 まずは主人公の南雲くんの出で立ち、そして謎に続くシナリオ展開、まぁどこを見ても痛くてキツい。

 生きているからこそ実感できる感覚の一つが「痛み」である。それを味わって生を実感したい人は寄っといでな枠。←なんつう紹介?

 私も本作を通して痛さを感じたことで「あぁ~生きているんだなぁ~。南雲くん以上に私、生きているんだなぁ~」となんか爽やかに悟れました。ありがとう。 

 

 南雲くんの出で立ちが中2過ぎるだろう。これは痛い。今回シリーズでは、一緒に異世界転移してきた同級生からも痛いルックスについてツッコまれているシーンがあった。あと鏡を見て今一度自分でも痛いと理解し、こんな中2の居場所など日本にはないかもしれないとまで言っていた。己を知る事とは大事なことだと学べます。

 今更だけど、やっぱりそこは自虐ネタとしてやっておくのね。とりあえず作り手にその自覚があるだけで謎に安心。

 

 話の冒頭でクソほど酷い目にあったことを免罪符に、その後は南雲くんがやりたい放題のザ・クソなろう主人公ムーブを決め込みすぎていて草。ここまでだといっそ清々しい。

 この手の作品にはあるあるの可愛い子ちゃんしかパーティーメンバーに加えず、主人公モテモテハーレム展開が以前からも清々しく見られるものだった。

 これについて野暮ったくもリアル思考でツッコむと、女子は実際にこういう男には行かないから。本作の一番ファンタジーなところは、南雲くんに突っ込んでいく女が偶数に達するだけいること。南雲くんはリアルだとモテません。女子をおバカに描かないで。

 それでも本作の唯一の良さはヒロインが可愛いことかな。ポニテの雫ちゃんが可愛いっす。香織はなんかファンタジーな姿に変身してしまったけど、以前の普通モードの方が良かったっす。

 

 そんなハーレムパーティー展開を破る新要素として、今回は男子を含むクラスメイトの勇者パーティー御一行と旅もをご一緒した。

 これを見てまずはゴメンを言おう。可愛い子ちゃんばかり加えて、モテない&冴えない男子の欲望丸出し展開なのはキツいと前々から言っていたことについてのゴメンだ。

 それを破って男子を加えた今回を見れば、それはそれでやっぱりいらないともなっちまうわけで。ホント、これぞ人っていう要素で「ああ言えばこう言う」が出るよね。私がああ言った内容を変えてこうしてくれたのを受けたまた文句を言っちゃってるから、そこは申し訳ないと思う。でも生き方を改める気はもちろんゼロ。

 

 南雲くんは元からキモい男子だったけど、にしてもこんなに鼻につく感じだったっけか?今回悪目立ちするのは、旅に同行した勇者くんを蔑ろにしていること。勇者くんが不憫だ。

 勇者が敵への攻撃をするのを止めさせる時に、ちょっと声をかけてくれたら良いものを、しっかりぶっ飛ばして静止させた南雲くんが悪いしムカついた。中盤でそんなシーンがありました。

 それまでクラスの中心にいた人物に対して強気に出て蔑ろにしたいという心理は、クラスの端っこに座する人間ならちょっとくらい持っているのだろうなぁ。という陽キャが考察にするにはここらが限界の根暗人間心理がある。

 

 ちょっと意外なのが、南雲くんがというか、この作品が現実世界を忘れていなかったこと。

 南雲くんが痛いイメチェンをする前の現実世界が描かれることがあったし、南雲くんも過去世界を忘れておらず、帰れるかもという事に対して反応を示している。

 帰ったら全てにおいてもっとありふれた世界が待っているので、よろしければ神の力をもってして返送しといて下さい。

 

 物語やキャラクターに感じる面白みや好感はまるでないが、痛さとキツさに心が動いたのは確かな話。見た後に感じさせることがゼロの虚無コンテンツではなかっただけ見た価値がちょっとはあった(のかも)。まぁ痛くあることってのは、若さの特権でもあるから。今の内にキツめの痛さを感じておこう。

 

 12月末になってもなんかまだやっているし、新章に入ってやる気が余っている。おかしいと思って調べると1クールプラスアルファの予定でやる特別待遇枠だった。元々1クール分以上あり、15話くらいまでやるらしい。

 これについてはマジかよと思うばかり。3期自体がありえないと思っていたのに、その上2クール目もちょっとだけあるのか。なんというか、肝が太い作品なんだな。まぁ残り話数で評価が変わるはずもないのだが、とりあえずラストまで静観します。

 

精霊幻想記2

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 いや~面白く無いっすよ。これもよくありがちななろうのノリで、わざわざ時間を使うには値しないが、そういう所に突っ込んで行くのが好きなヤツもいる。それが私だ。だから全部見た。

 しかし21世紀も4分の1が終わろうという時にまだこんな感じなのか~という持ち出す尺度が大規模ながらもめっちゃテキトーな思いがまず最初に来るヤツ。

 そもそも1期を全話完走した者も少ないはずの作品に2期があるなんて、それこそ幻想だったのでは?とウィットに富んだことを言って感想を終えても良いのだが、さすがにそれは酷いのでちょっと長めに語って行こう。

 最近は良いものについてはもちろんだが、別段良さがないしょうもないものについてダラダラ語るのもなんか好きなんです。

 

 やっぱりSAOを思い出す。そのSAOもコンテンツとしてまだ続いているから主演の松岡禎丞は未だにどちらも演じているわけで。彼も「俺はSAOをやりながらまた一方ではそれっぽいけど違うのをやってあぁ~混乱する~」とかなっていないのかな。そんなおバカな妄想が捗る。

 

 こうなるから駄目な見世物になるの法則通り、どうでもいい人達がどうでもいい事をやっているのままに進行にしていきます。

 不要なコピペ女が次々出てきてどれが誰で何の意志によってそこにいるのか?という私の小学校の同級生に向けて思ったのと全く同じツッコミが出てきちまうから困っちまう。とにかく脳みそが活性化されて元気元気!

 男子、女子含めて美形な絵じゃないし、なんかのっぺり感がある。

 そういや前作は先生ヒロインの結婚話をぶっ壊して奪ってきてで終わったんだよな。あの先生はちょっと萌えました。

 そういえば出演者の桑原由気はこれと近い時間帯にやっていた「ありふれ3期」にも出ていたんだな。我が家の録画環境の都合的に、これら微妙なクオリティのなろう系2作を連続で見ることになる。それはちょっとの精神修行になる時間にもなりました。迫りくる無の恐怖を越えて行く。それが底辺なろうと付き合うことで得られる生きるのにお役立ちスキル。

 

 これも主人公のニセキリトくんにコピペガールズが次々惚れていくやっすいハーレム展開でした。

 近い時間にやっていたありふれ3期の南雲くんは、図太くハーレム主人公をしているのが鼻につくしキモさもあった。対してこちらのキリトくん似の主人公くんはそこの所はふらふらしていて女にガッツリ行かない。優男ムーブでよろしいが、それはそれでモヤる。こう比較すると、言動が清々しい南雲くんの方が見ていてモヤモヤがなくて良いかも。

 

 今回ちょっと気になったのは、主人公の彼以外にも転生勇者くんがいたこと。そっちの彼はリゼロのスバルくんみたいな見た目だった。

 そのニセスバルくんが転生したことについて「ラノベであるあるのテンプレ展開ね!」とメタい真実をツッコんでいたのは思い出。

 作り手サイドがそれを分かってキャラに自虐ツッコミをさせているのね。視聴者の声が聞こえているかのような設定展開で印象的でした。

 

 日本と異世界とでは言葉が違う都合を演出で表していたのも特徴的。

 我々が使う言葉と誰も知らない異世界の言葉の2つが聞こえるノイジーな二重音声放送を目立った武器にしていました。まぁノイジーだから無くても良かった要素。

 

 幻想に浸って溺れるのもそりゃ気持ち良くて素敵な時間だから悪くないさ。だが、現実もしっかり見ろ!そっちの方が大事だ。そう己に言い聞かせることが叶うことで、見る者にとって戒めとなる時間でした。良い心得が学べました。

 もしも3期が来たらいよいよ脳みそが幻想に食われたのかと心配になっちゃいそうなので、もうここらで幻想物語は打ち止めにしておこう。私の中のイマジンブレイカー発動!

 

夏目友人帳

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 今回で第7期です。6期がもっと最近かと思ったらなんと2017年放送だったというじゃないか。え~7年前!びっくりです。このアニメの歴史も余裕で10年を越えている。すごいなぁ。

 それだけ時間をかけて友人帳のあれこれの問題がまだ解決していないって……大変だなぁ。友人帳の名前返しを全部やろうっていうならやっぱりそれくらいの長丁場になるわけで。ちなみに今回でもまだ終わっていません。夏目くんがおっさんになるまで続くのかもしれない。

 

 内容はもうマジで安心安全。安定してそれだと言える。土台から揺らぎまくりのクソアニメが多くある中、こうも老舗の貫禄を持って涼しい顔でやりきってくれるものがあると大変落ち着きます。

 そんな感じなので大きく印象的な変化もなしで楽しいのは楽しいが、そんなに言いたいことは無しって感じかな。そのくらい平和でまったりなのも良し。ニャンコ先生は可愛いので癒やされた。

 先生が可愛いし、話に教養と癒やしがあることで我が家の母親も楽しく見れる稀有な枠となっております。毒になって薬にならずのアニメも多く見るものだから、こうして薬にだけなるアニメがあることに一種の感動を覚えますなぁ。

 

 本屋に可愛い子ちゃんの霊が出てくるのは良かったし、妖怪からミニチュアの家を掃除しろというミッションを受けた夏目くんが渋々それをやっていく回とかも面白かった。あのミニチュアの手入れは面倒くさそうだけど、ちょっと面白そうではある。

 

 この作品は癒やしと清潔感があって良いです。夏目くんがお世話になっている先の夫婦、学校の同級生含めて良いヤツがたくさん。クソキャラゼロで皆さん気持ち良い人間なので良い。こういう安心して見れる枠があると助かるっす。

 8期も来るならどうぞ来い。私は待っている。

 

来世は他人がいい

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 うん、そうした方が良いと思う。

 現世では面白い奇縁としてアリでも来世まで一緒になることはない。霧島くんは運命のいたずらで一度巡り合う分には良いが、来世までご一緒するにはデンジャラス過ぎる。ていうか深山霧島ってどちらも名字みたい。二人別々の名前みたいだし、そういう二人組漫才ユニット名みたいだなとも思った。

 

 で、そんなヤクザな王子様の深山霧島くんと結婚することになったヒロインの染井吉乃ちゃん。ご愁傷さまです。まるで桜の品種みたいな名前で綺麗ですね。

 ウマ娘のゴルシちゃん役で有名な上田瞳がヤクザな主人公女の染井吉乃を演じているのは注目ポイント。彼女の事は応援したいっす。ウマ娘はある種ゴルシが支えて押し上げたコンテンツだとも言えよう。そのキャラの中に入っている彼女の功績も少ないわけがないので両手をあわせて感謝っすね。

 吉乃の頭がプッチンと行った時に堂々と啖呵を切る演技は爽快感があって好ましいものでした。

 

 あっちのヤクザとこっちのヤクザの若い者同士をくっつけてラブる異色な恋愛ものになっていた。ヤクザな兄貴が絡むと丁度一年くらい前にやっていた「お嬢と番犬くん」を思いだすなぁ。あのアニメは色々問題でしたね。主に作画とか。

 でもこっちの方がさらにピリリと来る。暴力がコミュニケーション手段として上位に来る刺激的世界で生きる人々のお話である。であれば主人公たちが危ない目に合うことがないわけがない。

 霧島くんは喧嘩慣れしている怖いヤツ。だがヒロインの吉乃も守られてばかりのお姫様ではなく、ガンガン敵にぶっこんで戦うし、戦ったからには屈強な男からパンチをもらうこともある。ヒロインなのに顔をやられて歯も折っていたし。ギャグ漫画でやるそれでなく、マジにその道の戦いで女子が負傷するから怖い。

 この過激性は怖いが、それはそれでアリ。女子だってお姫様をやっているばかりではない。時代はそんな感じではないから吉乃ちゃんだってガンガン攻め込んで行くのだ。アグレッシブな今時の女子のガッツが見えて良しだった。

 吉乃のすごいところは、男に舐められてばかりで終われないからってことで、己の腎臓を売って来るなんて豪気な事までしでかしたこと。豪気な女は悪くない。いつだってそういう女は男にモテてましたから。

 

 霧島くんはサイコなデンジャラスボーイに描かれており、かなり怖いっす。吉乃ちゃんの前では可愛い猫ちゃんみたいに大人しいが、その外にいる者にはガンガン暴力で攻めて行く。彼がただの王子様キャラでなくめっちゃヤバいのがピリリと刺激的で良し。演じた石田彰のダークな芝居も良し。

 

 従来性の王子様キャラ、お姫様キャラに飽きた人には良い刺激になるかも。 

 メインの男女共に肝が据わっていて、いざとなれば暴れた言動に出る点が面白かった。 

 他のキャラも表向きは大人しそうでも裏には怖い顔を持っていることで刺激的だった。吉乃の従姉妹の明石潟椿も刺激的なヒロインで面白かった。こちらはうえしゃまこと上田麗奈が演じている。うえしゃまが演じるちょっと闇っている女は良し。吉乃と椿が一緒に出てくる回では声優のダブル上田が揃ったことでちょっと嬉しかった。

 

 絵柄に相当クセがあり、決して絵が上手なわけではないが、お話は刺激的で毎度楽しかった。あとEDで吉乃ちゃんが無表情でノリ良く踊っているアニメもクセになるもので面白かった。

 

 来世は皆バラバラの縁で良いから、現世においては今生きている中で関係する人達にだけ全集中で向き合っていこう。来世のことなんて考えるな。今に燃えろ。そういう悟りを行ったところでこのアニメの振り返りを締めよう。悟れるヤクザラブものでした。

 

koshinori.hatenablog.com

 

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