こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

遥かなる金星での闘い「ヴイナス戦記」

 1989年、つまり花の平成元年公開のアニメ映画作品である。

 アニメ・漫画好きの間では伝説的な有名人である安彦良和が原作者にして監督も手がけた作品である。ビデオとレーザーは出ていたが長らくDVD、BDにならない困った作品であったが2016年にやっとDVD、BDが出てファン達が感激したことであろう。

 主人公のヒロを少年隊のかっちゃん(植草克秀)が演じたことでも話題だった。そういえば同じくグループメンバーのニッキ(錦織一清)はアニメの「餓狼伝説」に出ていたな。

 有名な声優方がたくさん出ているのが嬉しい。もう随分前の作品なので既にお亡くなりになられた名役者の方々の声も久しぶりに聴いて楽しめた。

 

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 作品中での設定では、惑星衝突によって偶然にも金星は人が住める環境が整ってしまい、もう来年に迫った2018年から人間の移住が始まりヴイナス世紀がスタートする。それから72年後の金星がお話の舞台となる。2018年に金星での生活は早すぎる設定だったなと今は思う。だって人は自分が生まれた地球ですら上手いこと生きていけてないではないか。

 金星に行っても人間の愚かさは変わらずでココへ来てもまた金星の二大勢力に分かれての戦争を始めている。

 今後、この作品のように文明や生きる世界の幅が広がっても生物の根っこにある争うことの本能は改善されずどこかで戦争が起きるのは無くならないのかと遥か未来に対しても平和主義の私は厭世観を覚えてしまう。

 本作は興行成績でいうとはそこまでのヒット作でなかったらしいのだが、やはり気合の入った長編劇場映画であるから絵が綺麗だ。

 戦闘用バイクのデザインが格好良いし敵のでかい戦車もすごい迫力があった。アクションのシーンは中々だ。

 バイクでの戦闘シーンで実写の映像を背景にした斬新な演出が印象的である。やはりアニメと実写ってどこまでも混ざらないモノなのにあえてそれをやっちゃうというのにチャレンジ精神を感じた。

 お話の内容よりも描写の細かさ、これが目立つし記憶に残る。プロの良い仕事を見させてもらったと満足である。20年以上前の作品なので今と比べて画面の古臭さは感じるがこの時代の全体的に淡い感じの色使いが心地よい。

 

 まぁ結果として地球での暮らしが一番だな。金星になんて行く前に僕の地球を守ってよ。

 

 

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こういう未来へのルートも存在する「東京喰種トーキョーグール√A」

 2015年1月~3月放送のダーク(すぎる)・アドベンチャー作品。

 前作「東京喰種トーキョーグール」最終話からストーリーが連続しているがタイトル変更しての第2期からは、原作とストーリー展開が異なる。

 でも安心してください。アニメオリジナルの展開は原作者が原案を手がけているので製作陣が所謂「原作レイパー」集団ではないちゃんとパンツを穿いた人達だと保証できます。私はアニメしか知らないので原作と比べてどこがどう変わったか詳しくわからなかったがどちらにせよ1期同様に楽しんで最終回まで視聴しました。

 それにしてもタイトルが「東京~」となる作品ってたくさんあるね。東京ミュウミュウとか・・・

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 前作の最終話でジェイソンに拷問を受けながら心の内面世界では利世と難しい問答をして心身ともに披露状態であった主人公の金木であったが自分のグールの部分である利世を受け入れて力として取り込み強者として覚醒して白髪になった。覚醒後の白髪金木が力の強さから性格まで変わり2期では1期とまるで別人だった。 そして白髪になってからは無口になる。

 1期で金木視点での物語の進行が目立ったがこちらの2期では武装警察集団のCCG視点で物語が展開するのが印象的であった。前作でも活躍した亜門捜査官が2期では主役級キャラになっているように思う。CCGの人達ってちょっと武器を持っただけで根本から完全に化け物のグールと互角かそれ以上に渡り合うので人間の中でもめちゃめちゃ戦闘力が高いのだなとわかる。

 亜門のかつての先輩だった真戸さんの娘の暁が今回のメインヒロインみたいに思えた。それにしてもあんな死神みたいなオジさんにこんなまともな娘がいるとは思えなかった。亜門と暁との絡みは見ていて楽しかった。かなりイカれていたが真戸さん好きだったな。

 CCGのおじさん達がこぞって活躍をするのでおじさんがカッコイイアニメだったな。篠原さんのバトルスーツのように身に纏うクインケは「テラーフォーマーズ」みたいになっていた。篠原さんがすごく活躍していたな。篠原さんと破天荒な部下のジューゾーとの信頼関係が成り立つ間ドラマも見ものだった。篠原さんがいいお父さんをしている。なんかおもしろい警察ドラマみたいに思えた。

 2期から追加キャラの活躍が多くて常に見所たくさんの状態であった。キャラが増えすぎて名前を覚えるのが大変だった。イカれたキャラが目立つ作品でナキなどのおかしいキャラの追加もあったが、やはりこちらでも月山さんの安定の変態ぶりは健在である。月山役の宮野守の快演に脱帽モノだ。幼女のひなみちゃんを連れてお茶をしに行くシーンではこの変態が幼女に悪さをしないかとビクビクしながら見てしまった。それにしても当時まだ中学生だったひなみ役の諸星すみれがこんな危険なグロアニメに出演するなんて大丈夫かなと心配でした。

 喫茶店マスターの芳村さんの正体ががまさかあんな大物とは思わなかった。フクロウ討伐の大規模作戦がえらいことになっていて後半は毎話緊張状態で見ていた。1期からことあるごとに「魔猿」の二つ名を持ち出して先輩風を吹かすが、皆に軽くあしらわれるおもしろお兄さんの正体もわかった。まさか本当にすごい人だとは思わなかった。

 芳村さんがCCGに倒される時に見る走馬灯に泣かされた。不良だったグール共を一つにまとめて面倒を見た皆のお父さん的存在だった。

 やはりバトルパートは文句なしの大迫力で、後半の人間とグールによる苛烈極まる大合戦はマジに凄かった。「ワンピース」の海軍本部の頂上決戦を思い出した。人もグールも守るべき生活があって何かを賭けての人生を送っているとわかるのが、決戦前にCCGに所属する者は遺書を書くことで終活をし、グール側の芳村さんたちも覚悟を決めて死んだ後のことを考えた準備をすることだ。決戦前の各人物の行動にスポットが当てられ、それをゆっくり見せることで次にどんな激しい闘いが訪れるかを予感させる演出は良かった。篠原と芳村、亜門と金木のように敵同士にしてどこか心が通い、出会い方が違えば仲間になれたはずのキャラクター同士の関係を描いていくのも人間ドラマが深まって良かった。

 ヒデが実は金木の正体にとっくに気づいていたのに親友を続けてくれたそのやさしさに泣けた。2期は泣けるとこ多いな。

 最終回でヒデを抱きかかえて金木が雪の中を歩くシーンを長く描いていたのは印象的であった。歩く金木をバックに破壊された街、人間とグールの死体の山、多くの負傷者を描いて激しい闘いの跡をリアルに伝える良い演出であった。

 見ごたえタップリの2期だった。

 この作品を見て思うのが食物連鎖の下の地位の者の思いについである。幸せな事に我々人間は、わざわざ南海を身一つで漂って人食い鮫にでも狙われない限りは普段の生活で別の生き物の餌にされることはまず無い。人間は他の野生生物と比べると命を奪われる危険性を感じず平和に生きていける生物だ。この作品では食物連鎖をピラミッドにすると人間より上にグールというヤバイのが君臨している。そうなればグールは生きるために必死にピラミッド下位の生物を食いにかかり、食われる方はやっぱり嫌なのであらゆることをして抵抗する。

 人間と人間に似た化け物との食物連鎖話として見たが、こういうことは山の中や海の中で多くの生物間で当たり前に行われているのだと思うとゾッとするね。考えるとグールと同じことを我々人間もしているのだと思った。作品中でも変態美食家の月山がそれとなくグールの残虐行為に対して「人間も同じことをしている」と指摘しているのが痛いところだな。

 生きていくことは残酷な行為の繰り返しであり、そして何よりも大変なことだとわかった。これからは食卓に並ぶ牛さんや豚さんなどの命を奪った末においしく出来上がったご馳走をありがたく頂くように心がけよう。

 色々と考えさすアニメだなと思った。

 

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