こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

全国的にパン屋が減っているらしい そんな中未だに元気なパン屋さんに行ってみた

 ちょっと前にネットニュースで知った。ここ1年くらいでパン屋さんがバッタバタ潰れているとか。

 まぁそうしたくもなるわなぁ。なにせパンの値上げもえぐいと言って問題ない範疇に入りつつあるし。でもそのえぐさ到来については、業界も飛び出て日本全部の問題かもなんだけど。

 そうなったら安く売れない。安く売れないからこっちも買わない。そうして懐事情から店と顧客の関係に不和が生じ、没交渉となって商売の終わりを迎えるわけだ。

 

 パンなんて主食にする人が全部ではないし、多くの場合はおやつとして用意するものだろう。物価高騰なんて厄介な問題があれば、切り詰める部分はどんどん切る。懐がピンチならパンなんて買うよりも肉とか根菜とかもっと腹に溜まって栄養になる物が優先されるだろう。

 菓子はエンプティーフードなんて呼ばれることもある。そことはご近所さんの小麦粉が主役の菓子パンなんかは、生活に余裕がない者から率先して縁を切られる。

 

 こうして思い返せば、街のパン屋が流行ってあちこちにあれだけ出来たのって、広く皆の生活に余裕があってこそ叶ったムーブメントだったのだな。

 栄枯盛衰ってわけで、現在は栄えて隆盛を極めた後の枯れて衰える段階にあるのだな。悲しいけどこれが世の真実なのね。スレッガーさんも悲しむ現状だよ。

 

 今は皆苦しい思いをするから都合が変わったよな。金の事について割とのんびり思考で挑む私ですら、昨今の値上げに関する世界の変化はヤバいって思っているし。ていうかもう日本がヤバいって思っているから。

 

 私も長いこと同じ食パンを楽しんでいたのだが、去年末に店に行くと1割くらい値上がっていたので「うわぁ~」と一言呟いて買うのを止めたものなぁ。

 まぁパンが高いならもっと安いうどんにするかぁ。パンを齧るよりうどんに醤油をかけて齧る方が腹持ちが良いよな。まぁ同じ齧るでも気分的にうどんの方がなんか残念ていうか惨めな感じがするけども。ホントにうどんパックの上部分を開けて、醤油(必須)と鰹節(あれば)をかけて齧って乗り切る時期もありました。

 そういうことをしていたらしっかり食費も浮きます。

 

 私の人生から退場して久しいパンなのだが、よそ様の人生の中では未だに主役を張っている。そういうパターンもある。

 で、そういうパン好きにおつかいを頼まれて、普段はまず行かないパン屋に行くことになった。

 パン屋に行くなんて久しぶりだぜ。確かに近所のパン屋もここ数年でいくつか消えたものな。

 

 おつかい先のパン屋は私の家の近くにある。頼んできた相手は随分遠くに住んでいて、物が売り切れる前の早い時間に行くのが無理。というわけで私に依頼が来た。もちろん報酬もそれなりにあるわけだ。じゃあ行くか。

 

 思ったよりも開店が遅い。あれ?もっと早くからやると思ったら意外と遅い。やっていると思って入ったら「まだ開店前です」と言われ優しく追い返された。先走ってすまん。

 早く着いた暇潰しということで近くのデパートに入った。その中にもパン屋があるけどかなり高級志向。メロンパンが300円とかで転がっている。ちっこいのにたっけぇ!

 そりゃ立地的にショバ代自体が高くつくから元々高いとは予想していたが、物価高騰の波もあって想像以上にバカ高い。私の感覚だと完全にバカがつく高さ。誰が買うの?って素直に思った。売れ残らないのかな。100円買えるものなんてないぞ。

 これを見たらおやつのパンどころじゃない。だったら大根や人参を先に買って齧らないと!って納得(←個人の懐事情から勝手に)。

 

 そしてお目当ての店が開いたので行ってみる。

 びっくりだ。外観から大きな建物ではないことは分かっていたが、店の中がくそ狭い。

 奥にキッチンがあって、手前に売り場スペース、それでほぼフロア埋まってるやん。 客が一列になってせいぜい5、6人くらいしか入れない。一列に指定して入ってもらわないとデブった客なら擦れ違えない。

 いくつか小さな個人店も周ったことがあるが、この狭さは初だわ。

 

 透明の壁を挟んで囚人と家族がちょっとの時間面会出来る部屋をドラマで見たことがあるが、なぜかアレを思い出した。そのくらいミニマムにやることが限られるスペース。

 

 この狭さだから家賃は安そう。

 デパートの売り場なんかは、だだっ広いフロアにデカい机を置いて、並ぶことなく誰でもどこからでも好きにパンを取って行けるようになっている。でもここは1列じゃないと入れない。

 さっさと欲しいのを取って出ていかなきゃ!と謎にプレッシャーがかかる。でもそういうプレッシャーを感じても特に行動に反映させず自分ペースでやるのが私の良いところであり厄介なところにもなっている。プレッシャーに強いです。

 狭いくせに種類が多くて頼まれたのがどれか見つけられない。もう面倒くさいから店員にメモを見せて探してもらった。

 

 値段がデパートと比べて随分安い。だからなのか、クソ狭いのに人が結構集まってくる。

 この狭さに群がる人人人と見ればなんかオモロい。狭すぎて笑ったし。狭すぎることで笑いになるんだっていう新しい発見だった。

 それと狭くて空気循環も悪いのか、めちゃ暑い。真夏に来るなら要注意だな。

 

 なんか色んなことを思いながら買い物終了。

 世の中広くに見られるパン屋倒産問題がある中、未だ元気に生き残っているのはすごいことだなとも思った。

 そのパンを届け先に持っていけば信じられないくらい喜んでくれた。じゃあこちら嬉しいよな。

 

 パンとの縁が遠く感じる今日このごろだが、それでも生活の中にはいくらかの癒やしがあるものだ。

 パンなんて親しみのある主食やおやつが生活から遠のく現代のあり方よ、なんとかなれ。

 

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