「あやかしの城」は、1990年5月25日に発売されたゲームボーイ用ソフト。セタより発売されたゲームである。
お兄ちゃんの借りパクGBソフトコレクションの中にあった一本です。パクった元を取るためにも私がやってみよう!
こいつが気になったのは、やはりイカすパケがきっかけ。カッチョ良くて強そうな忍者がいるじゃないか。こいつは「忍者龍剣伝」的なアレなのか。楽しみだぜ。
と思ったら内容は「ウィザードリィ」とか「ザ・ブラックオニキス」みたいな3DダンジョンRPGだった~。そうなれば終始一人称視点でダンジョンをズイズイ進むだけのものだから、イメージ画像にある格好良い忍者のビジュは本編に出てこない。
プレイヤーキャラが忍者である意味は?と思ったが、そんなことに意味を見出そうなんてレトロゲーハンターとして3流。レトロゲーの中身に大きな意味なんて求めるな。それがお兄ちゃんからの言葉です。
気になるのは、将棋ゲームをよく出しているイメージが強いセタから出ていること。セタ将棋のところやんけ。
「セタが出した忍者ゲーとかどうなのさ?」とお兄ちゃんに尋ねれば「セタって誰やねん?」と会社の存在を知らなかった。情弱ボーイ。
せっかくなので、この忍者ゲーについて元持ち主にコメントを求めてみた。すると「俺はこういうダンジョンのやつは酔うから嫌い。道も覚えれんしメンドイ」と言っていた。3Dダンジョンマニアに謝れ。所持していただけでロクにやったこともないらしい。
それからもうひとつ「俺はどっちかっていうと忍者よりも海賊になりたい」と「?」が増殖する謎なことも言っていた。
どっちかというとじゃねぇよ。アスカ派と綾波派みたいな定番の二者択一みたくなっているけど、忍者と海賊ってそもそも類似ジョブじゃねえだろ。何も指定しないのに、忍者か海賊かで考えているこいつの人生の選択肢はどうなってんねん!
とツッコミを入れて頭も冴えたところで、めちゃ怪しい城攻略に挑戦だ!
楽しい青春がしたけりゃダンジョンに潜ってなんぼってね!←多分誰かがどこかで言ったであろう格言。
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めちゃ良さげな雰囲気ムンムンのタイトル画面っすね! ←何が?
内容
時は戦国時代。時代的に織田信長の勢力が隆盛を極める段にあった。
このままではヤバい、信長に全部持って行かれる。そう思った室町幕府最後の将軍 足利義昭は、最強陰陽師 蘆屋道満を現代に(つっても大昔)復活させた。
道満の力を借りて戦国時代の天下を目指そうとした足利義昭の企みは、意外な方向に進むことになる。なんと復活した蘆屋道満自らが「俺が天下を取る!」の勢いで暴走を始めたのだ。ヤバい!
信長、足利氏、そして蘆屋道満が加わったことで勢力図は三つ巴となり、余計に戦国時代が極まってマジで面倒臭いことになった。えらいこっちゃ!
義昭何やっとんねん!ていうか何をどうやって復活させたんだ。
戦国の世に進軍する道満の勢いはすごいもので、ヤバい化け物を召喚しては信長軍の兵隊を亡き者にしてしまう。
「これはヤバい!」そう思った信長は、闇夜に紛れてヤバヤバ案件を処理するプロ、つまりは最強忍者「はやぶさ」を道満討伐最後の切り札として放ったのだ。
我らが主人公忍者はやぶさのミッションは、道満が築きし難攻不落の城「あやかしの城」の攻略、そしてその最奥にいる道満を討つこと。
あやかしの城は、朱雀殿、玄武殿、白虎殿、青龍殿、魔王殿の5つの城からなる厄介極まりないダンジョンになっている。
我々プレイヤーは、主人公忍者を操ってこれら5つの難所を踏破するのだ。ゲキムズの一歩手間くらいキツイ道のりが今始まる!
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みたいな感じのしっかり作り込まれた大日本裏歴史が説明書に記載されていました。それを私風に味付けしてくどくした説明がご覧のごとく上記の全部っす。←人の文を読んでの要約がそんなに得意ではない。
感想
うむ良い。こんなゲームがあったんだ。マジで知らんかったけど、マジで出会えて良かった。これは好きです。面白い!ハマる!
まず電源をつけてすぐにも思うのがBGMの存在感。これはなんとも怪しげなるメロディーで印象的。
これは耳に馴染まない。こういう作風は他のゲームで聞かないから馴染みが薄い。でも嫌いではない。私の肌に、耳にマッチする。体が喜んでいるようだ。←ややキモい音楽の感じ方。
あやかしだらけの怪しい城に潜り込むゲームの音楽としては大変マッチしている。タイトル画面、ダンジョン内、戦闘シーン、それぞれで流れるBGMは、いずれも和風ながらも怪しげで~、なんていうかお経やお墓がイメージ出来るような~。そんなざっくりお寺系な作風かも。←すごく直感的で抽象的な感想。
内容は地味でシンプル、そしてたっぷり怪しげ。
「ウィザードリィ」や「女神転生」でお馴染みの無機質な感じのする線で描きこまれた3Dダンジョンをぐんぐん潜っていく。で、やっぱりそうだと思ったけど難易度が厄介。
これはムズいっすわ。さっそく死んだし。油断したらすぐにも死ねるゲームです。まぁ天下統一が絡んだ一級ミッションだから死と隣り合わせっていうか、半分死んだようなものだと思って行かないとな。マジに危険な城だから忍者に転職したとして絶対に入りたくないと心から思いました。
主人公は「はやぶさ」。忍者龍剣伝っぽいと思ったら全然違ったけど、こちらも忍者の名前ははやぶさなんだ。我々にとってお馴染みのあっちのはやぶさは邪気王とやり合っている。
姿は見えないがたまに助言をくれる仲間に「かげろう」というヤツがいる。多分むっつりスケベなんじゃないかな。そのような予想が出来る情報は本編に皆無なのだが、勝手に予想してみる。こうして余計なことばかり考えてゲームをプレイしているからうっかりザコに殺されちゃうわけだな。反省。
ザコもボスもあやかし軍団。結構ホラータッチな絵柄の敵で夜にちびっ子がやる分には怖いかも。私は怖いのが好きです。
スタートしてすぐのところで亡者の声が聞こえる。地図が無いと詰むからまずは地図をゲッツしろといきなり言ってくるのだ。良きアドバイス。なので地図ゲッツは絶対。でないと迷子になってどっちから来たかすぐにも分からなくなる。
ザコがザコザコしていなくて強い。5つの城に挑戦するが、都度レベルアップ作業がいる。次の城に進む度にザコがありえんくらい強くなっているから、新しい城に行ったらレベル上げの繰り返しだ。
RPGにたまにある仕様で、レベルアップしたら全回復してくれるのは助かる。
後半のザコは全回復状態でも一回のエンカウントで殺られるくらい強い。参っちゃう。
こちらの忍術の中に、敵の通常攻撃を100%回避できるもの、逃走成功の効果があるものがある。これらがあることでマジ助かる。普通に逃走すると失敗率が高いと思う。後半は忍術無しの物理オンリーでやり合えばまず打ち負ける。
コストのためもあってか、はたまた隠密忍者のポリシーがそうさせるのか、冒険のメンバーは終始主人公一人だけだった。初代ドラクエのような男一人旅だからキツイ。でも敵は群れて4人も5人も一度に出てくる。1ターンで5人から袋叩きにされたらキツすぎる。
あとムカつくのは毒攻撃。たまに毒を食らわせてくるものがいる。毒になれば毎ターン体力を削られる。あと多分こちらが弱体化しているようで、毒だともっと簡単にボコボコに殺られる。毒を受けたら即回復しないときつい。
これはレベル上げ必須ゲームだろ。マックスレベルは32で普通にカンストした。RPGでカンストしたことなんて久しぶりだぞ。
上げなきゃザコにも圧倒されるから、必要な作業として各城ではレベル上げが忙しかった。
でもサクサクストレス無く進む戦闘シーンだったので、レベル上げもそこまで難儀しなかった。「れんぞく」のコマンドを設定すれば、オートモードで打ち合ってくれるからレベル上げ作業が楽だった。
レベルカンストしてもなおラストダンジョンのザコはこちらをぶちのめしに来る凶悪さだし、ラスボスの道満にもギリギリ勝てるくらい。
ラスボス戦にはふざけた仕様が見られた。道満はピンチになると全回復する。ずるい。だから半端に体力を残すことなく切りの良いダメージをぶち込むことが必須となる。
ここで問題なのが、最強装備でレベルカンストしていると、どうしてもあと一撃残した状態で道満に回復されてしまうこと。それを続けてもずっと勝てないぞ。どうなってんねん!
ここで計算がいる。通常攻撃ではダメージが入り過ぎるので、敵にダメージを入れるお札の攻撃アイテムを最初に使用するのだ。それでちょびっと削ったら、後は普通にぶち込めば道満の回復が発動する前に撃破出来る。これに気づかないとキツイ。
最後の最後で、カンスト数値と道満の回復オプションの相性が悪いと分かる。ここはテストプレイして理不尽設計だと思わなかったのか。
戦闘は普通にキツイ。そして醍醐味の3Dダンジョンも一筋縄では行かないぞ。
地図では不可視の隠し通路があり、それを見破らないとずっとループする廊下なんかもある。
道満を倒す最後の鍵となる水晶玉を探すターンもめんどかった。道満を倒すためのアイテムを揃えた状態でないと、戦っても1ターン目で即死エンドになる。ゴリ押しじゃどうにもならない結構シビアな設定だった。
それとこれも初見では見抜けないのだが、とあるダンジョンには落とし穴がある。これを越えるには浮遊術を事前に使っておく必要があるだが、覚えた術の効果も何なのか確認し辛いので、最初はどうやって落とし穴を越えるのか分からなかった。事前に説明がないから使うまで何の術なのか不明なのもこの手の古いゲームにはあること。
渋くて和風でどこか寂しげな雰囲気が漂うこのゲームらしい落ちも印象的。
信長の天下統一の妨げとなる勢力の道満を討った後、仲間のかげろうが主人公にショッキングな報せを運んでくる。
なんと信長は道満の妖術によって操られた明智光秀に討たれたというのだ。これが本能寺の変の真実だった。そうか道満が悪いのかぁ……。
ミッションを与えた主を失った忍者はやぶさは、その後世から姿を消した。以降彼の行方を知る者は誰もいなかったのだという……。で、今日の令和へと歴史は続く。そんな物悲しい感じのするエンドとなった。
どこまでもこの作品らしい歩み方だったな。なんだかんだあって我々が生きる正史に合流するわけだ。
というわけで闇夜に紛れて悪を討つ忍者諸君にありがとう。あやかしの城も怖いけど楽しいダンジョンだったのでありがとう。用事が済んだらすっかり崩してくれて構わな い。
手軽に遊ぶ楽しいGBソフトにしてはムズい。でも硬派な難易度と世界観は結構ハマるもので最後まで楽しめたぞ。溢れ返るザコにはムカついたけど、それも含めてこの城の魅力。
とても良いゲームでした。3Dダンジョン入門としてもいけます。
ダンジョンなんて潜れる内に潜れるだけ潜っとけ。それが間違ってはいない出会いに繋がるかもよ?←そんな感じのアニメがありましたね~。
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