こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

心に残るセリフ「チビ人間」

 

ローゼンメイデン 3 [2013年7月番組](初回特典:エンドカードピンナップ TALE2~5) [DVD]   翠星石(CV:桑谷夏子

 

 こないだちょっとした用事で保育園に行くことがあった。そこにはもちろん幼子がうんさかわんさかといる。とてもうるさい。私を見れば「誰?」と聞いてくる。「誰と聞く前に己の名を言うがいい」と言ってやるとクソウケして大笑いを取った。

 目の前のチビ共を見ると、こんなに小さくてもオツムの足りないのとお毛毛のまだ生えきらない体の部位を除けば他は大人と同じく中身が揃ったしっかりとした人間なのだとわかる。そう考える何か不思議な想いがした。チビでも部品の揃った人間ならば「チビ人間」だな。そう思った。あれ、チビ人間ってどこかで聞いたお耳に響きの良い言葉だなと思い一体どこで聞いた言葉なのか脳内に検索をかけた。

 検索結果によるとアニメ「ローゼンメイデン」に登場する翠星石の口癖だとわかった。ちょっと忘れかけていたが当時はハマって日常でも使っていた。心の奥底に残っている言葉だ。

 本作はゴスロリファッションのアンティークドールが活躍するアニメで私は本作を見てヒラヒラしたゴスロリファッション萌えに目覚めた。しかし日本人にこういう衣装は似合わないとも思う。日本の政治家の麻生太郎とも縁のある作品である。

 翠星石ツンデレさんで可愛い見た目に反して基本は口も態度も悪い。居候させてやってるのに部屋の主ジュン君に対して毒づきそしてチビ人間呼ばわりをする愛すべきキャラクターだ。話し言葉の語尾は「~ですぅ」である。

 他にもジュン君の部屋で居候するドール達がいるがそいつらの起こす騒ぎによってジュン君の部屋の窓が放送期間内でかなりの回数割られているのが印象的な作品であった。

 「チビ人間」は差別表現とされるかもしれないのでお外で多用しないでください。

 

こしのり漫遊記 その13「和尚と私の夏休み(下)」

 

f:id:koshinori:20170607173257p:plain

 寺での生活は半月以上続いた。他所から預けられたガキが住んでいるなんてのは地元の民の間では珍しい話題となり用も無いのに私を見に来る人もいたくらいだ。それも年寄りばかりである。ここの年寄りは決まって私に昔話をして、そして何か食べ物をくれる。餌付けされているようであるがおいしいものが食えるなら悪くはない。私は好きだけど子供のおやつには珍しい竹輪とか蒲鉾を持ってきた爺さんがいたのはよく覚えている。芋羊羹を持ってきた婆さんもいた。私は幼い頃からスイーツ魔人であって和洋問わず甘いものはなんでもウェルカムなのだ。

 ある爺さんは和尚の母親がまだ生きていた頃の昔話をしてくれた。その爺さんがまだ子供の頃に寺の近くで遊んでいたら和尚の母親が缶コーヒーをくれたという。いまでこそ缶コーヒーなんてのは、一日の内に世界中で何人もの人間が飲み干している一般的飲み物だが、その当時はそんな物は珍しくその爺さんは初めて缶コーヒーを目にして味を知ったという。初の缶コーヒーはとても美味しくて「こんなうまいものが日本にあるんやな」と言ったらしい。そういった大昔ならではの話をたくさん聞かされた。年寄りの話は子供からすると想像もできない異世界のお話のように思えることもあり聞いていておもしろかった。

 寺のすごいと思ったところはお客さんがお供えに持ってくる品が結構高そうな良い物ばかりということだ。高級な菓子や果物がたくさん寺に届くのだ。古い見た目の寺だが飯には一つも困らない。饅頭をたくさんもらうので私は食いまくっていた。和尚は糖尿病を気にしているし女将さんは小食であったのでこういった物はほとんど私の胃に入っていった。餡子がうまいとつくづく感じた夏であった。

 和尚は土日にはだいたい葬式や法事に出かける。その時に持って帰ってくる折に入った弁当がとても豪華である。刺身がありエビフライや天ぷらに寿司が入り他にもおかずがたくさん入っている。これには大食らいの私はテンションがあがる。量が多くて和尚だけで食えないので私も一緒になって食う。和尚は子供にしては何でも好き嫌いなく食うから偉いなと褒めてくれた。こんなうまい弁当を毎週のようにくえるなら坊主も悪くない仕事だと思った。

 夏休みの時期なので桃、マスカット、スイカなど普段は食えない果物が寺に届くこともあった。こういった物は高価で一般家庭で簡単に登場することは無い。私がもっと大きくなってからの話であるが新鮮な果物を売る市にいったら高い桃は一玉1000円くらいの物もあった。マスカットだって一房で3000円や5000円のもあってマジで驚いた。寺はすごい、どこもかしこもがこうではないのかもしれないがここの和尚の下にはこうして美味い物ばかりが集まりそのおこぼれは私の胃の中に入る。寺でひもじい思いをすることは一切無かった。

 ある時、寺の本堂の掃除をしているとお供えにあの「赤福」が添えられていた。「赤福」、それは確か近畿地方の方で作られている小餅に餡子を塗りたくった高級感溢れる和製スイーツである。当時の私は目の前に輝くコレといつしかチェーンを広げて街のあちこちで目にするようになったオシャレなアイス屋の「31アイスクリーム」を死ぬまでに一度でいいから食いたかった。私の生の目的であり、死に行くときには後悔となる一つのアイテムがいまここにある。私は心をデビルに乗っ取られて「赤福」の包装を引き裂いて食らいついた。木ベラが入っていてそれで餡子餅をすくうようになっているが店の方で客のために考えたこのサービスを無視して手掴みで食った。手をべたべたにして食った。あれは本当に美味かった。途中で和尚に大目玉を食らうだろうという未来予想図が読めたが「まぁいいだろう。美味ければもういいだろう」と開き直って食らい尽くした。わずかな背徳感を欲望が押し潰した結果、私は邪に落ちた。本堂のお供えを勝手に食うなど罰あたりもいい所だ。せめてしっかりここを綺麗に掃除して償いにしようと決めて掃除の続きをした。

 特に白状するでもなく私の罪はバレた。和尚は食い意地が張った欲まみれの愚か者は許さないと言い私の性根を叩きなおすプログラムを組んだ。多くの皆さんは恐らくテレビでしか見たことがないであろう寺の修行の一つで、座禅を組んだ坊主の後ろを監督者が棒を持って歩き、姿勢が崩れたり居眠りなんかをしたら肩を棒で打たれるという例のやつを私は体験するはめになった。これを一時間やったはずが無限の苦痛に感じた。何もせず座っておくということがこんなにつらいとは思わなかった。その間に腹も鳴る。和尚は私の腹が鳴っても打ってきた。赤福ひとつでこうもつらい目にあうとは運命は残酷、そして人は禁断を破って痛い目に会うのを回避できない愚かな生き物だと思った。それはアダムとイブが禁断の果実を齧りエデンの園を追放された時からどうゆうわけかフニフニフニ後を絶たない愚かなるリレーなのである。(名曲 林檎殺人事件の一部歌詞を借りて書する感想でした)。

 このことがあって私は後に無事実家に戻ることが出来た後も「禁断」の概念が頭に強く残り、家でおいしいものをみつけても親に食っていいかちゃんと聞いてから頂くようにした。私の代からは人間の愚かさは無くしていこうと思ったのである。これは仏教でいうところの悟りになるのではないかと思う。寺だけにこういう悟りも開けたわけである。私は案外僧侶に向いているのかもしれない。

 あと、これの約10年後になってやっと「31アイスクリーム」を食えたのだ。ミントのやつが美味しかったな。こちらは生涯で2回しか食ったことが無い。従姉妹が遊びに来た時に持ち帰りのパックを土産にくれたのだ。私は素直にこいつを生きている内に食いたかったと言うと叔父と叔母はかなり笑っていた。今はジャニーズWESTがCMをしているよね。私はメンバーの中でも桐山君推しである。

 盆の時期にはいつも寺での生活を思い出すのだ。ちなみにこの異なる一夏の体験を記録した物を夏休みの課題として提出したら大変ウケが良くてちょっとした賞ももらった。無理やりに女将さんの指導の下で全宿題を片付けさせられて賞ももらってまあ良い結果となった夏であった。

こしのり漫遊記 その12「和尚と私の夏休み(上)」

 

f:id:koshinori:20170607173257p:plain

私は多くの子供達がそうであるように学校という名の子供を一杯詰め込む檻が嫌いであった。こんな表現をすると学校が大好きなお友達、そしてそこで楽しく教える先生達には申し訳ないが私の記憶の中の学校のイメージがコレなのである。

 そんな檻から開放されてしばらく戻ってこなくても大人に叱られない夏の或る時期、と回りくどい言い方をしておいて簡単に言うと皆大好き夏休みのことである。自由を満喫できるこの長いお休みは私も大好きであった。しかし、この夏休みに苦いとは一言で言えないちょっと変わった体験を私はしていたのだ。

 私が小学校高学年の頃のことだ。今でこそ社内で「君子」の名で通っている私だがガキの時分には少々やんちゃが過ぎる子供であった。私の実家は一族で商売人であり、とある商売でなかなかの儲けをあげていたのだ。商売の都合上夏は書き入れ時でとても忙しかった。そこへインドア少年の私が学校へ行かず一日家にいると大人たちからすると正直言って邪魔なのである。私は先にも言ったとおりインドアな少年であったが内気で大人しいことの無いやんちゃな大人を困らせるガキであった。やんちゃなエネルギーで家業を手伝うことは出来ない。仕事も勉強もしないのに一族で一番大食いで実の親からも「極潰し」呼ばれる酷い扱いを受けた。

 忙しい身で子供の世話もできない、置いていても悪さをして食費代を持っていくだけの邪魔者の私をなんとかしようと私の両親はとんでもないことを考えた。狡猾な私の両親はまずは仕事の邪魔者を他所へやる目的、ついでに私の素行の悪さの改善の目的で私一人を知り合いの寺へ預けることへしたのだ。マジで嫌だった。ちなみに悪知恵がたっぷり詰まった頭を持つ私のお兄ちゃんは夏期講習に行くとか法螺を吹いて私のお供となる被害から上手いこと逃げた。私には可愛い妹もいるのだがこちらは父が離したがらなかった。私としても可愛い妹をあんなところにやりたくは無かったので父の気持ちはわかる。

 必死に逆らったが強制送還されて私は某県某町のお寺に預けられた。そういえば「キテレツ大百科」でブタゴリラが寺に預けられる話があったなと思い出した。一般家庭から寺へ移住すると寺が人の住む家としていかに異質かがわかる。でかい鐘があるし、燈篭があるし、普通の家にはない広い庭がある。ここの寺だけかもしれないが日当たりが悪くて昼でも薄暗かった。

 ここでの生活はそれは厳しいものであった。まず朝が早い。ラジオ体操よりもまだ早い5時半に起こされて身支度をして鐘を打つ仕事を言い渡される。しっかり腰を入れて打たないとジジイの和尚に叱られる。私は仮にも学生の立場なので勉強の時間を決められてその間は和尚よりも学のある女将さんが私の先生をしてくれた。こうしてやらずにおこうと決めていた夏休みの宿題が寺側でスケジュールを組んだ通りに消化されていった。宿題をテンポ良く潰したいのにペースが上がらずお困りのお友達はこの寺に住むのをおすすめする。

 私の寺での主な仕事はほとんどが掃除である。和尚は長々とした説教の中で要するに「掃除が全ての基本」的な内容を喋っていた。長いので具体的に何を言ったかはよく覚えていない。

 掃除は寺の中、そして庭まで広い範囲でやらされた。毎日やっても夏休み内でやりきれない程に掃除箇所がある。私はこの一夏で小学校6年間分掃除をしたと思う。庭は木や草など植物が多い。裏山も寺の持ち物でこちらにも登って掃除をすることがあった。寺の裏が森みたく植物が多いので夏ならば虫が多く出る。カブトムシ、クワガタ、蝉、蜂、バッタ、カマキリ、ムカデ、ゴキブリ、蛇、蛙、トカゲ、ヤモリ、イモリ、トンボ、蝶、蛾、蚊、ハエ、ミミズ、ダンゴムシ、ナメクジ、カタツムリ、カミキリムシ、蜘蛛、カナブン、他にも名前もわからない謎の虫まで自由研究に使えそうなくらいに種類が揃っていた。一夏にこんなにたくさんの種類の虫共をみることもないだろう。私は虫が嫌いだし蛇なんかは怖くて仕方無い。和尚は「虫程度にビビッていては情けない。嫁と虫と同居していると思っていないと寺ではやっていけない。」と言っていた。当時も今も寺でやっていく気は無い。

 ここでもいい事は少しあり、早起きして見る朝の太陽というのは真昼や夕方に見るそれとはまた雰囲気が違い変わった趣があるとも思えた。早起きはつらい時もあるが基本的には気持ちが良かった。寺では就寝時にはオレンジの豆電球をつけることは一切せず全て消して真っ暗闇にして寝る。最初は怖かったがいつしかこれの方が良く眠れるようになった。私は実家で豆電球だけはつけて寝ていたのだが、寺から帰ってからはもはや眩しくて眠れなくなったため、真っ暗にして寝る習慣に変わり現在に至る。

 ここの飯は結構うまかった。質素な精進料理ではなく普通に魚や肉も食卓に並んだ。和尚はプリンが好物だったし風呂上りにはパピコを食っていた。寺といってもそこまで厳しく古臭い習慣ではないようだ。たまに地元のなんとかという洋食屋へ連れて行ってもらったこともある。仕事をせず一日部屋に篭っていても腹が減りたくさん食う私がしっかり仕事をした後ならば更にたくさん飯を食わないといけなかった。おかわりOKでたくさん食わせてくれた和尚と女将さんには今でも感謝している。

 私の尊敬する祖父のありがたい教えの一つにこういうのがある。「人から恩を受けたら同じ分返したいところだが、お前みたいな者が恩を返す力も足りないだろうからせめていつまでも感謝の念と共に受けた恩を覚えておけ」。この教えの通りわたしはうまい飯を食わせてくれた恩はいつまでも覚えている。たまに女将さんの焼いた卵焼きや和尚と行った洋食屋のオムライスが懐かしくなる。

 

不思議でユーモラスな短編集「檸檬」

 

f:id:koshinori:20170703084918p:plain

 

 檸檬(れもん)、私の大好きな黄金の果実だ。何の話か全く知らない作品だったが「ただ檸檬が好きなので」という理由で手に取った。しかし、これは軽い気持ちで読める簡単な本ではなかった。難解な文体、独特な心理描写、不思議でオカルティックな要素も含む一筋縄でいかない一冊だった。

 表題の「檸檬」の他に以下の短編が修められている。

 「城のある街にて」「雪後」「Kの昇天」「冬の日」「桜の樹の下には」「冬の蠅」「ある崖上の感情」「闇の絵巻」「交尾」「のんきな患者」「瀬山の話」「海」「温泉」 

檸檬 (角川文庫)

檸檬 (角川文庫)

 

 表題の「檸檬」がどんな話かというと主人公が散歩がてら立ち寄った八百屋で檸檬を買ってその後丸善の本売り場へ行き、そこへ檸檬を置いて帰ってくるというお話である。人に説明したら「なにソレ!本にする話か?」と突っ込まれそうだ。

 はっきり言って全編に渡って難解な文体が用いられてぼぅ~として読んでいると分けが分からなくなってすぐに文章の迷子になってしまう。

 「檸檬」を含め他の短編でも外面的に起こった出来事はこれっぽっちで、後の多くは主人公の内面世界を描写するのがほとんである。人の内側の心理の世界となると風景などのように映像的に想像できないので集中して読まないと理解に苦しむ。

 作者の独特な言い回し、例え表現が私には難しくて「何を言っているんだ」と思ってしまう箇所にしばしばぶつかる。かなりつっこんだ心理描写をするのを読んで作者は表現力があり、とにかく感受性が豊かなのだとわかる。

 レモンという果実を見たことがない奴に説明するごとくに、ただ黄色の丸い果物をなんとも細やかに描写し形質が想像できる程であった。レモンの説明箇所が一番好きだった。私はレモンが大好きなだけにレモンをこうまで詳しく鮮やかに表現されると嬉しい。

 風景の表現も活き活きと書き込んである。特に「城のある町にて」では主人公が感じ取った自然が鮮明に描かれていると感じる。

 収録作品の主人公は病気持ちの奴ばかりである。何かの話できいたが自然の美しさを真に理解できるのは死に瀕した者であるとのことなので病にかかった主人公にこそ自然が美しく感じられるのかもしれないと勝手に想像している。

 「瀬山の話」の後半部分では文章が暴走していて特に難解だった。文字を読んでいてこんな不思議な気持ちになったのは久しぶりで、夢野久作を読んだ時を思い出した。

 桜の樹の下には」ではよく聞くフレーズの「桜の樹の下には屍体が埋まっている」が冒頭に表記されている。これが元ネタか。最近では「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」なんていう似たようなタイトルのアニメがあったし実写もやったね。

 結果としてこれが「おもしろい」のか「おもしろくない」のかというとそういう次元の話では無いということ。正直にいうと全体的に「良くわからん」。しかし不思議なことに最後まで読み進めてしまった。

 話の筋を楽しむでなく「何か不思議なユーモアを感じ取ることができればそれで良い」という抽象も甚だしい感想が浮かんだ本だった。

 読み終わった今はレモンをたっぷり絞ったコーラが飲みたい。

変態美食家の高校時代「東京喰種トーキョーグール PINTO」

 東京喰種のスピンオフとなるOVAアニメ。

 アニメ本編でも大活躍の変態美食家 月山習の高校生時代を描いた物語である。

 本編では主人公でないにしろ存在を絶対に無視できない「東京喰種」きってのヤバイキャラで私も大好きなキャラである。とにかくその変態的な言動が忘れられないクセの強いキャラなのである。

 イケメンキャラを多く担当する宮野守が見事に変態を演じている。  

OVA 東京喰種トーキョーグール[PINTO] [Blu-ray]

OVA 東京喰種トーキョーグール[PINTO] [Blu-ray]

 

 開始1分半の段階で月山の変態っぷりが露になっていた。真夜中の公園でランナーを

おいしく頂くのだが、気持ち悪いグルメリポートをしている。相当愉快な奴だといえる。

 月山は同じ学校の写真狂の少女 掘ちえに食事シーンを見られてあっさり正体がばれてしまう。そんな出会いからの始まる二人の妙な関係を描いた作品であった。

 変態でも月山が学校で女子にモテモテなのが意外だった。車通学する超金持ちの息子と判明した。

 本編では何かと周りを退かして手の付けられないキャラだが、こちらの作品ではヒロインの掘ちえもかなり変人で月山が圧倒されることもある。月山が相手にペースを崩されるという珍しいシーンが見られる。

 月山が掘ちえに最高の写真ネタを提供しようと真夜中の病院に招待する。そこで看護師の高齢者虐待を見ることになるのだが、このシーンが怖い。美人の看護師だけど豹変してバナナを老人の口に押し込むなどして酷いことばかりする衝撃シーンだった。狂気に満ちた看護師を演じた佐藤利奈の演技がすごかったな。

 OVA「JACK」の方では人間に憧れて人間のフリをしても根っこには狂気性を隠し持っているグールを描いたが、こちらでも人間に置き換えて普段は隠れた狂気性が現れる瞬間を描いている。作品の世界観でどうしてもグールが恐ろしい化け物だということに一番意識がいくのだが、我々人間も同じく狂気性、残虐性をいくつかは持っている生き物なのだと認識させる作りであった。人間だって十分に危ない生き物なんだな。

 珍しく思う点はまず月山が入院患者のお爺さんを食べるということ。こんなに弱りきった老人の皮を剥いて食べるところを描くとはテレビ版以上に背徳的感情を催す。そしてそのお爺さんは結果として看護師が殺してしまう。化け物に人が殺されるアニメで人間が人間を殺すという展開には、非現実世界にギリギリ現実たる世界の要素が組み込まれて現実世界だって十分に危険が溢れるではないかとはっと目が覚める思いがした。

 月山が意外にもすぐれた人間観察能力を持つことがわかる作品だった。おもしろった。変態美食家バンザイ。 

バック・トゥ・ザ・12年前「東京喰種トーキョーグール JACK」

 テレビアニメ版で盛り上がった大規模な捕り物のフクロウ討伐作戦から12年前のお話だということです。

 アニメ2期最終回でオシャレな黒いアタッシェケースを持って登場したヤバ強いCCGの捜査官 有馬貴将と同じく捜査官の富良太志の出会いを描く番外編エピソード。

 ジャケット絵を見て、どれもこれも一体誰なんだよと思ったらまさかの有馬だった。顔が違うだろうがと思った。

OVA 東京喰種トーキョーグール [JACK] [Blu-ray]

OVA 東京喰種トーキョーグール [JACK] [Blu-ray]

 

 本編の12年前ということで有馬も高校生である。若々しい。

 テレビ版で御馴染みの丸手さんやジェイソンの若かりし姿も拝める。二人はこの段階でおっさんだけどね。

 テレビ版の方では有馬は白髪になっているのに12前は 髪が青いぞ。12年で何があったんだと思わせる。若いうちの苦労で白くなったのかなとか考えてしまう。

 学生にしてすでにクインケを携帯する捜査官の立場に就いている有馬と当時は一般人にして不良学生の富良がクラスメイトの女子 三波さんの手を借りて謎のカボチャ頭グール(通称ランタン)の討伐を行うストーリー。有馬がクインケをギターケースに収容しているのがオシャレさんであり、アイディアマンだなと評価できる。

 ランタンのおぞましさといったらなかったな。動きが気持ち悪いし、おいしそうに血を啜るのはヤバイ。

 美容師のグールが女子校生の三波さんの頭髪を拾って食うのが変態全開で退いた。

 メッセージ性があったと捕らえられるシーンは、実はグールだった三波さんが普通の女子校生に憧れて人間のように生きたいという切実な願いを吐露するシーンである。しかし、社会のごみである不良なら躊躇なく掃除の名目の元に殺してしまうという常人の向こう側にある独特の道徳を持つためにやっぱり根っこは化け物のそれである。

 三波さんが死ぬ前に定期考査のために一生懸命勉強したのが無駄になってしまったなと呟くところが切ない。東京グールは人間側とグール側のそれぞれのキャラの心理描写をしっかりするから感情移入できて更に物語が楽しめる。

 東京グールに登場する女子キャラは魅力的で可愛い。本作の三波さんも美少女だがまさかの凶悪グール側だったのでショックだった。早見沙織のイカれた女の演技にはゾクゾクきたな。怖い女を演じるのが上手いと思った。

 テレビ版同様にバトルシーンが文句なしにカッコイイ。有馬がこの時点でもめちゃめちゃ強かった。短いけどおもしろいストーリーだった。原作を全く知らないのでアニメのみユーザーには作品世界観を広く知れる良いOVAだった。

女子二人だけの秘密の関係「桜Trick」

 最近は女子しか出てこない日常系アニメが増えてきた。本作も女子達のゆるい日常を描くアニメだけれど、それに加えて友達の関係を一歩抜けての女子同士のLOVEをも描く所謂百合アニメである。百合アニメって国内で結構な本数作られているよな。

 毎話女子同士の濃厚キッスが拝めるありがたい作品に仕上がっている。キッスまで行く濃い百合ラブと思いきや、それ以外のパートは高校生活でのゆるい日常をギャグを交えたりしてコミカルに描いているので「こうゆうの無理~」とかいう奴でも普通に見れちゃう比較的ライトな百合アニメである。入門編にいかが?

 ちなみに「神無月の巫女」(この手のヘビーなやつ)で百合入門を果たした私にはこの程度の百合なんてものともしないぜ。 

 

 

 3年後に廃校が決まった高校に入学した高山春香、園田優の二人は友達以上の関係。他の子たちは絶対しないことをしようと提案し二人はキッスをして秘密の関係を構築しする。実は二人のクラスメイトのコトネ、しずくも従姉妹同士にしてキッスまでする仲のカップルである。とにかく優ちゃんのどうしようもなく可愛い小動物っぷりが最高である。

 春香、優の二人をメインにして他の女子達とのワイワイとしたハイスクールライフを描くハイスクール百合コメディである。第一話にして春香と優は教室ベランダから落ちそうになって死にかけるが、サーカスみたいな空中大回転技を使って危機を脱する所が一番笑えた。

 二人は桜舞散る4月に空き教室 で秘密の関係を持つことになる。春ってのは恋を誘う季節なんだな。桜が舞う描写が綺麗でタイトルにもある桜を象徴しているようだ。アニメでは一年間を描き最終回は三年生の卒業式を描いている。ここでも桜が舞うのが綺麗。

 思いつきのようにしてキッスをした二人だが、それ以降仲良しの友達から少しずつだが確実に恋人の関係に進んでいる。お互い愛する想いが膨れてくるあまりに普通に話すの気恥ずかしくなり顔を合わせずらくなるなど男女にも見られる友情から愛情への発展を描くのは萌えポイントであった。

 舌がはいってのキッスに発展したり、大晦日の回では電話越しにキッスをするという恋人達のニュープレイを見ることが出来た。実にアイデアものである。

 途中から優の姉の美月も春香が好きになり女子だけの三角関係図が描かれる。姉妹で同じ女の子を好きになるという珍しい展開がも面白い。春香と美月の関係もわくわくして見れて面白かった。同級生、先輩からも春香がモテモテだった。

 もうひとつのカップルのコトネ、しずくの二人の関係はお家事情が絡んだりして結構複雑めいている。コトネは金持ち令嬢で婚約者までいるのにしずくちゃんが大好きで高校生活中はしずくの家で同居している。婚約しているので限られた時間は愛する人と過ごしたいと自分に素直に真っ直ぐ生きるコトネの純愛ぷりがすばらしい。

 学校の仲良しメンバー6人には他にゆず、楓の二人がいる。レギュラーで二組のカップルが出るが、この二人はカップル関係ではなく幼馴染の仲良し関係である。6人いて3カップルでいくでしょと思うところをここだけは普通の関係のために緊張感なく安心して見れる。良い配慮といえる。でも、ここ二人もちょっとのきっかけがあればその先の関係になりうるかもしれないと可能性を感じさせる二人である。三月がゆずのことを「蜜柑さん」とか柑橘系の何かと間違えて呼ぶのが面白い。

 今までにあった「シムーン」とか「ストロベリー・パニック」などの少々ヘビーな百合アニメと違い極めてライトなものでとても楽しいアニメでした。 

 百合はアニメ好きが越えていかなければならない一つの壁である。さあ、越えましょう。そして萌えましょう。

 

良作なOP曲

アニメ「桜Trick」OPテーマ『Won(*3*)Chu KissMe!』/EDテーマ『Kiss(and)Love』

アニメ「桜Trick」OPテーマ『Won(*3*)Chu KissMe!』/EDテーマ『Kiss(and)Love』

 

  出演声優達による歌唱。物語内の女子同士のLOVEについて歌っているラブソングである。「誰にもまねできないことがしたいの」の歌詞はドキッと来た。アニソンだけど普通に真面目な良い歌である。

 主演の戸松遥井口裕香はソロで歌手でビューもしているので安定の歌唱力である。

OPアニメでのかなり動くダンスシーンは必見だ。苦手分野なのかしずくちゃんのみ振り付けがちょっとだけ遅れている気がする。