こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

スイーツを愛する戦士「キラキラ☆プリキュアアラモード」

 

 先日、プリキュア最新作「HUGっと!プリキュア」の一話が放送された。学生なのに急に赤ちゃんの世話をすることになるのは「ママは小学4年生」を思いだすような設定だった。最新作ではついに声優小倉唯ちゃんが参戦するのでこれからも楽しみに見ていこうと思う。

 最新作の一話目を見終えたところで、一つ前の「キラキラ☆プリキュアアラモード」を振り返ることにした。時には人生の振り返りを行うことが大事である。

 

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 アラモードと言えば、放送前か放送直後くらいにヤフーニュースでプリキュア新作はシリーズ名物となる女子の肉弾戦を封印すると触れ回ったことが印象的であった。

 アラモードにおいて、戦士プリキュアは戦士であると同時にスイーツを生み出すパティシエという設定なので、手で殴るとかは控えたのかもしれない。アニメ「ワンピース」に登場するコックのサンジ君は、戦闘において手は封印して足のみで闘うスタイルを取っている。やはり調理人にとって手は汚してはいけない大切な仕事道具なのだとわかるね。パティシエを意識してプリキュア名物の肉弾戦を封じたその心がけは良いものだと思う。人を殴りまくった手で作ったスイーツってのも甘さ半減な気がするしね。

 伝説のパティシエプリキュアとか言われているので、変身ヒロインである前にまた別の肩書きがあり、なんか大変なことになっている。これの更に一作前でもプリキュアである前に魔法使いという二枚看板で売っていた。

 

 プリキュア五人でスイーツを作るお店を構えているのを見て、昔やってた「東京ミュウミュウ」もこんな設定だと思い出した。

 学年にバラつきがあるのも印象的であった。中二が三人と高二が二人の組み合わせであった。これは色々合わないだろうと思ったが、スイーツを通してジェネレーションギャップの溝を見事埋めることで五人が密な結びつきとなった。さすがはスイーツ、人と人を繋げるコミュニケーションツールでの一つであると言えよう。

 

 笑顔の源スイーツであるが、物語中盤ではひまりちゃんの口から栄養価的には食ってもほぼ無駄ということで「エンプティ・フード」とも呼ばれると説明される。確かにスイーツはあくまでおやつであって明日滅んでも米とか魚とかがあれば生きていく上では困らない。そんなエンプティなものに情熱を捧げるスイーツ大好きひまりちゃんから発せられるからこそ深いテーマ性を見出していると感じられた。思えば我々人類は栄養もない上に虫歯を引き起こす可能性もあるスイーツを何故にこうも毎日食っているのであろうか。スイーツの存在意義について考えてしまう作品であった。まぁ深く考えたところで美味ければ何でも良いのだけどね。

 ひまりちゃんの言う「スイーツは科学」は名言。

 

 変身時の掛け声「レッツ・ラ・まぜまぜ」ってなんか響きが良くて好き。そして変身が終わるとパティシエらしく「出来上がり」と言う流れが好きだった。これは子供受けのするセリフだと思う。

 キュアカスタードが変身後に前転してリスの尻尾をブルンブルンさせるのが個人的に萌えるツボ。

 ゆかりさんの変身するキュアマカロンについてだが、そういえばマカロンって食ったことないかも。 味がわからん。

 

 声優について言うと、美山加恋がキュアホイップを演じたことがやはり印象的。子役時代を終えてすっかり大人になり、ちょっと前に「エンドライド」というちょっとアレなアニメ(私は好きだがね)のヒロインで出ていて「あ、ドラマ出てた子だ」とビックリした。ちょっと前まで夜中にリコーダーを吹いて草彅君に「うるさいんだよ」と怒られる小学生の役(某ドラマでのこと)をやっていたのに今ではプリキュアだなんて実に立派になったものだ。

 あとは、追加戦士のキュアパルフェについて。まさかの水瀬いのりが演じて私は歓喜。声可愛い。

 パルフェは好きだった。変身するシエルはパリで修行を積み、一般にも広く顔が知れたマジなパティシエで他の五人とは頭一つ抜けたの腕を持っているキャラであった。後半でプリキュアそれぞれのモチーフになっている動物を出して闘っているが、皆が犬とか猫とか出す中で最後のパルフェだけペガサスという空想の最強アニマル出してくるのでちょっとズルイ。完璧を意味する口癖「パルフェ」が好き。

 

 個人的にプリキュア五人、後の追加戦士も含め中々良いキャラに仕上げていると思った。皆個性的で一人だけ空気な者がいなかったのはさすが。

 日曜朝の爽やか番組に対してこう思うのはアレな感じがするのだが、本作中で女の子同士が仲良しなのを見てはユリ萌え的観点から和む。

 中盤くらいにはカップルにして活躍するエピソードが目を引いた。

 いちか×あきら あおい×ひまり あきら×ゆかり の組み合わせが良かった。基本的に皆仲良しだけどたまに二人だけの話があるのも良かった。あきらさん、ゆかりさんの二人が私的にベストカップル。どちらも系統こそ違えど学園のアイドルなのですごい二人で組んでいる。ゆかりさんは美人で男女共に受けそうな女性で、あきらさん変身後は長階段を下りてくる演出がなされる程の宝塚系のイケメン女子高生。あきらさんが優しすぎて心までイケメンだった。

 メイン五人それぞれになかなかおいしい要素を散りばめていた。

 

 アラモードはキャラが可愛いくて良かった。とにかく毎週日曜朝に目の保養となりました。次回作も楽しく拝見しようと思う。

 私はアニメもスイーツも大好き。

 

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スポ根じゃないけど心に太陽「おおきく振りかぶって 〜夏の大会編〜」

おおきく振りかぶって 〜夏の大会編〜」は2010年に放送した全13話の野球アニメである。更にTV未放送エピソードが1話ある。

 

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 一期ラストで結成一年目の西浦高校が去年の甲子園出場校に辛くも勝利し、二期はその続きから始まる。

 一期でもそうだったが、試合シーンで裏表含めた各回の打席をガンガン早送りで飛ばすことなくきっちり描いている点は作りが丁寧だなと思わせる。

 選手並びに関係者を含めるとキャラがすごく多いのだが、その割りに声優の兼ね役が目立たないという点が目立っていた。

 

 主人公三橋が相変わらず物言いのはっきりしないなよなよした奴なんだけど、一期で慣れてきたのか最初は正直ムカついたけど段々可愛く思えてきた。投球においては捕手の阿部君の采配におんぶに抱っこの激しい依存タイプの投手だったが、試合中の阿部君の怪我などがきっかけで投手としての自我が徐々に目覚め、人としても成長する姿が見られた。三橋のゆっくり着実に成長して行く姿を見ていると我が子のことのように嬉しくなる。

 

 二期から注目しだした人物が西浦高校野球部主将の花井君。丸刈りの良い男である。花井君を演じる谷山紀章さんの精悍な青年がはきはき喋っているような声がまた良い。

 花井君は三塁手田島の怪我から四番バッターを預かることになるが、その重責に悩んで苦しんでの末に人として、また野球マンとして一皮剥ける。花井君の田島への嫉妬や対抗心を上手いこと技術向上の糧に出来るようにと裏で色々と手配をしたモモカンの選手想いな所となにより強者を生み育てるその冴えたる辣腕を振るう様が見事であった。つくづくモモカンの策士ぶりには驚く。あれで二十三歳らしい。

 あと、オープニング動画で甘夏を握力のみで絞ってジュースにしているモモカンが可愛い。そしてモモカンの能力がまた一つ明らかになる。それというのが変化球スクリューを放ることが可能ということであった。普通にスゴイ。

 二期で花井君に妹が二人もいることが明らかになるが、これがとても可愛い。

 一期の時はモモカンと阿部君が好きだったが、二期では花井君もかなり好きな人物となった。

 

 この作品で印象的なのが、試合中の応援の模様や、試合中のベンチでの選手の待機の仕方であった。打者の順が回る間、緊張を飛ばすために脇をくすぐるのを選手同士でやりあってるのが可愛い。私は脇が超弱いので見ているだけで恐ろしい。応援団が客に呼びかけて掛け声決をめているとか、そういうやり取りがあるんだと始めて知った。応援団長のハマちゃんが紙に曲名を書いて演奏部に次の曲を伝えているところとか普通の作品では描かないなと気づいた。

 演奏部の応援曲に爆風スランプやXの曲、コンバットマーチ、アニソンなどがあり、私とは遠い世界であると思っていたスポーツマンの応援曲が意外にもこっち側(私個人の全く勝手な趣味だが)な選曲だったのが何か嬉しい。そういえば、高校の野球大会なんか実際は見たことがない。選手も現代っ子だし、割りとポップな曲が演奏されちゃうんだなとわかった。しかし、演奏曲にアッコちゃんの「すきすきソング」があるなんて意外であった。アッコちゃんやコンバットについては現代っ子は出典元が何か多分知らないであろう。

 他に印象的なことは、メインじゃないはずの選手のママたちの存在感の強さ。結構ギャルギャルしいはしゃぎようが何か可愛い。可愛いものには素直に可愛いと言う素直なおば様方であった。ママ同士の横の繋がりが円滑にして円満。

 

 大会五回戦で西浦高校は負けてしまうが、ラストバッターは阿部君の負傷により戦場に駆り出された十名しかいないチームの唯一の補欠西広君だった。初めて試合で彼にスポットがあたり、それが全ての決着のつく場面で西広君同様に見ているこっちも緊張した。ここで負けて挨拶の時に泣き崩れる選手の姿も見られたが、これにはもらい泣きした。物語を楽しむ上では憑依型でのスタイルで臨む私としてはここには悔しい気持ちになった。

 この五回戦では敵チーム選手が観客席にいる人物からサインを受けていたことが明らかになるが、観客席からサインを出すのは反則行為であると後で説明される。これは知らなかったので一つ賢くなった。

 五回戦ではモモカンのサインが敵ベンチ選手に覚えられ、サインを読まれるということがあった。野球なのにバットやボールを触らないところでもレベルの高い情報合戦、心理合戦がバチバチ行われているのですごいなと思った。

 

 五回戦で負けたところで話は終わりなので次の大会の模様も是非第三期としてテレビ放送して欲しい。

 三橋・阿部バッテリーの噛み合わない会話をする仲でありながらも何とか形になっているあのデコボココンビトーク劇がまた見たい。そしてモモカンの怪しからんおっぱいもね。

 

 

 爽やかな青春ものであった。野球って楽しそうって思えた。

 

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スポ根じゃなくてもいいじゃない「おおきく振りかぶって」

 「おおきく振りかぶって」は2007年に放送された全25話のテレビアニメである。更にテレビ未放送エピソードが1話存在する。

 

 先日アニメ放送開始10周年を記念して発売したBD-BOXを一気見した。これはマジに面白い。野球を題材にした漫画やアニメはだいたい面白いのだが、本作は私が今までに楽しんできた野球ものとは作風が異なる変わり種野球アニメであった。

 

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 軟式野球部から公式野球部になって一年目で、部員も一年生が10名のみの西浦高校野球部が野球でテッペンを目指すという内容の野球アニメである。

 

 アストロ球団とか侍ジャイアンツのようなただただ暑苦しい所謂スポ根モノで育って来た私からすると、この作品のスポーツものというジャンルを主に置きながらも、選手達のまったりとした日常や試合以外での会話シーンなどが目立つ作品は何だか新しいと思えた。野球をする西浦高校の皆を見ては、ただ楽しそうと思うだけである。

 

 たくさんある派手な野球作品と比べるとキャラの見た目は皆爽やかで野球アニメにしてはキャラ絵が地味というか濃くはない感じである。イメージとして近しい作品なら「キャプテン」を思い浮かべる。

 しかし、この作品、女子キャラが可愛い。巨乳の溌剌とした女監督の百枝まりあとかすごく好き。甘夏柑を強靭な握力で絞って果汁100パーセントジュースをその場で手作りするシーンが印象的。この通称モモカンという監督は一番好きなキャラである。監督をするだけあって、野球のルールから戦術まで豊富な知識を有しているし、多感で調子こきがちな高校生男子相手にきっちりした指導ぶりを発揮して選手をまとめている。人身掌握術に長ける凄腕の監督振りには感心した。

 純とした感じのマネージャー篠岡も可愛い。マネージャー役の福圓美里の声が可愛い

 男ばかりの暑苦しいスポーツものでも、こうして脇に女子キャラを置いておけば清涼剤の役割りを果たしてくれるので、やはりスポーツものにヒロインを置くってことは大事。

 

 ド派手な演出もなく、かなりリアル路線なのが印象的な作品である。昭和作品に良く見られたイカれたハードトレーニングなんかは一切ない。中でも印象的なのは西浦高校のトレーニングに心理学を取り入れたメニューがあること。パブロフの犬よろしく条件付けをすることで人は欠点の緩和あるいは克服が出来るという、理論に基づいた特殊なトレーニングをしている。他に紙にランダムで並べられた数字を1から順に見つけて数得ることで動体視力を鍛えるなど野球作品はしゃぶり尽くせど、実際の野球の練習も試合も知らない私には目から鱗な知識がばんばん飛び出した。

 ハリスタ、ファミスタパワプロなどの野球ゲームで特にコマンド入力なしでピッチャーに投げさせたら球種がストレートになるので、ただ投げれば全部ストレートなのだと思っていたら、キャッチャーの阿部君の説明によるとストレートとはバックスピンをかけて投げる立派な変化球とのことである。ストレートって変化球なんだ、という今まで知らなかったことがわかった。結構勉強になるアニメであった。

 

 どうしても暑苦しいが付きまとう野球漫画の主人公にしては珍しいキャラ設定なのが主人公の投手三橋である。コイツがまじでなよなよしたコミュ症モヤシ野郎で、もし私と同級生だったらきっとぶっ飛ばしている。阿部君がよくぶん殴らずに耐えていると感心した。三橋が泣き虫のくせにマウンドで投げるということへの執着が人一倍強いのはピッチャーならではの性なのかもしれない。ハキハキとした喋りをするイメージのある代永翼がどもったり、はっきりした物言いをしないキャラを演じたのも印象的であった。

 作戦指揮を行う百枝監督やゲームメイクを行う阿部君が、試合相手の心理を読み取った上でのものすごく理論づけされた作戦を頭で考えているのがすごいと思った。これは野球プレイヤーに失礼かもしれないが、私は学校の授業でくらいしか野球をやったことがないが、打つも投げるもただ何となくで行っていた。結局は力任せな競技なのかな、とくらいしか考えてなかったが、本作では野球の試合においての各々の人物の心理描写が細かく行われている。野球で心理合戦が展開されるとは意外であった。

 阿部君がプレイしながらめちゃめちゃ頭で作戦を練っているのですごい。阿部君を演じる中村悠一のセリフがすごく多いと感じた。ノリと勢い、後は熱で全て押し切る熱血漫画とは一線を画す、グラウンド上でのかなり緻密に練られた熱い駆け引きのストーリーを楽しめた。

 野球を行う上での心理描写に長ける作品だけあって、相手チーム、敗北を喫した側にも寄り添った描写が印象的であった。熱いドラマにヒューマンストーリー要素も感じるので、たかがスポーツとか言ってられないくらいにはまった作品であった。

 

 

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 いつも思うが、実際の野球は興味ないのにどうしてこうも野球アニメというのは面白いのだろうか。