こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

セーラー戦士再び結集!「美少女戦士セーラームーンR」

美少女戦士セーラームーンR」は、1993年3月から1994年3月日まで放送された全43話のテレビアニメ。

 好評を博した無印セーラームーンに続いて展開したシリーズ第二作。タイトルに追加された「R」の字は直感から「リターン」の略字だと思われるが、本当のところは諸説ありということでそれだけの意味ではないのかもしれない。

 とりあえず言えることは、あの美しき5人のセーラー戦士がリターン、つまりは帰ってくることだけははっきりしているシリーズである。

 

 ダーク・キングダムとの戦いが終結した前作ラストでセーラー戦士達の記憶は一旦リセットされ、「R」の第一話ではそれぞれがただの女子中学生に戻った状態になっている。仲良しだった5人はまだ知り合う前の状態になっていて、視聴する側としてはあの日々が懐かしいとさえ思える。

 皆が共に戦った戦友であり、仲良しな友人だったと知っているからこそ、記憶リセット後のセーラー戦士達がそれぞれ自己紹介しあう気心しれない仲なことに傷ついた。あんなに仲良しだったのに今更そんな他人行儀な感じを見せられるとショックだ。

 

 記憶を失った後の二ヶ月間は何事もなかったので5人は気ままな学生ライフを楽しむが、また新たな化け物が街に現れると、ルナとアルテミスがまずはうさぎの能力を再び覚醒させる。久しぶりの変身後一発目の戦闘が終わった時、うさぎちゃんが涙を流して平和な普通の生活にさよならを言うシーンにキュンと来た。

 

 とりあえずうさぎ一人でやって行くことになるけど、やっぱりポンコツなので一人ではだめということになり、ルナが順に残り4人も戦士に戻す。こうしてセーラー戦士達が再結集する。普通の生活にさよならして再び戦場に戻る乙女達のガッツが頼もしい。

 

「R」の1クール目では「魔界樹編」が展開される。

 宇宙からやってきたエイリアンのエイルとアンの男女二人組が地上に化け物を放ち、人間からエナジーを吸い取る悪巧みを展開する。こいつら二人が基地として住み着くマンションの一室に魔界樹を飼っている部屋があり、最後にはこの魔界樹が大暴れして大変なことになる。

 

 二人は人間に化け、エイルが銀河星十郎、アンが銀河夏美と名乗ってうさぎ達と同じ学校に通う。エイルとアンは学校では兄妹という設定で別学年に所属しているが、本当は愛し合う恋人同士である。でも、エイルはうさぎに熱を上げ、アンは地場衛に熱を上げる。おかしな4角関係のようなラブコメ要素が入る楽しいエピソードが展開した。

 

 互いを愛しているけど、互いが他の異性に目を向けると嫉妬し合うというエイルとアンの結構勝手な都合が印象的だった。どちらも浮気心がある似た者カップルだった。人間状態のアンは可愛くて結構好きだった。

 アンとうさぎがマモちゃんを取り合って小競り合いする展開が楽しかった。

 

 前世のことをひっくるめた記憶を取り戻した後のうさぎとマモちゃんの関係が大分進んでいる。うさぎは衛を「マモちゃん」と呼び、マモちゃんのうさぎの呼び方は「お団子頭」→「うさこ」に変わっている。うさぎとは呼んであげないんだって思った。

 

 まこちゃんが星十郎のことを気にしてアプローチをかけてくる展開がある。スケバン的一面も持つまこちゃんが好きな人にはとことん尽くすという点が萌える。個人的にはセーラー戦士の中ではまこちゃん推しかもしれない。喧嘩が強く口が荒い面も目立ったが、料理や掃除が出来る点はポイントが高いので実は5人の中で一番まともなのかもしれない。しかし亜美ちゃんも捨てがたい。

 

 エイリアンの星十郎には「愛」というものがいまいち分からないということがまこちゃんとのやりとりで分かる。人ならざる者であるエイリアンのエイルとアンが愛について考えて最後にはそれが何か理解する心の成長が描かれるのが良かった。

 

 まこちゃん関係での気づきといえばもうひとつ。

 セーラー戦士5人と銀河夏美で演劇「白雪姫」を行うエピソードがあり、そこで誰が主役の白雪姫をするかで大変揉める。その時にまこちゃんが、ここは胸が一番大きい自分が白雪姫に適任だと主張する。ここで初めて分かる情報がコレ。タッパもそうだけど、バストもまこちゃんが一番大きかったんだという良い気づきが得られた。

 

 Rではレイちゃんの学校生活も映される。生徒会活動に参加して皆の指揮をとっているたくましいレイちゃんの姿が確認できた。女子生徒から「レイ様」と呼ばれてすごく慕われていた。うさぎちゃんと仲良く小競り合いするいつもの風景とギャップのあるレイちゃんの意外な学校生活が見れた。

 

 魔界樹編では、タキシード仮面の代わりに「月影の騎士(ナイト)」がセーラー戦士のお助けキャラとして登場する。正体はマモちゃんその人かと思いきや、マモちゃんと月影の騎士が同時に登場させることで視聴者の予想を揺るがした。

 月影の騎士がアラビアン風衣装で覆面をしていることから、特撮ヒーローの「月光仮面」、もっと近いところでは「アラーの使者」を思い出した。どちらのヒーローもクソ懐かしい。

 

 セーラームーンが戦闘前に真面目なテンションだけどコミカルな口上を行うのは前シリーズからの固定要素。今回では月影の騎士も登場時にどこかクスリと笑ってしまう妙な口上と共に登場するのが面白い。その後にはタキシード仮面も登場時に特徴的な口上を行う。セリフまわしが面白いシリーズである。

 

 2クール目以降は「ブラック・ムーン編」が展開する。

 小さなピンクのお団子頭のちびうさを新レギュラーキャラに迎えて異星人のブラック・ムーン一族との戦いが展開する。

 月野うさぎ役の三石琴乃が病気で降板した際に代役の任を果たした荒木香恵がここでちびうさ役として再び本編に登板する流れが熱い。「R」では序盤数話の月野うさぎ、ガキのちびうさ、後半で闇落ちして大人の姿になったちびうさと荒木香恵の3種類の声が楽しめる。

 

 うさぎとまもちゃんのデート中に急に空から降ってきたちびうさはその後うさぎと同居することになる。精神年齢の低いうさぎちゃんが、まだガキのちびうさとでもしょっちゅう小競り合いするのが面白い。

 

 両親を救うため、30世紀の未来から20世紀の世界に来てうさぎの銀水晶を奪取するのがちびうさのミッション。気が強いちびうさだが、時にはホームシックになってシクシクするのが萌える。通信機でちびうさをサポートする役としてここでセーラープルートが初登場する。後に冥王せつなという人間体で登場する前の出演だった。

 

 最初はルベウスとあやかしの四姉妹の5人がちびうさを狩るために地球に乗り込んで来る。こいつらを片付けると、次には女幹部のエスメロード、プリンス・デマンド、その弟のサフィールがやって来る。悪者がたくさんいたけど黒幕はワイズマンというジジイとして始めからいたデス・ファントム 。

 

 あやかしの四姉妹は姉妹ながらもクソ仲が悪い。隙きあらば全部が全部を出し抜き、蹴落として手柄を立てようとしている。でも、この間のやり取りがコミカルで落ち着くものでもあった。悪者にもコミカル要素があった。当時の若手で今では有名となった声優達が四姉妹を演じているので声優好きとしては嬉しいキャスティングだった。

 

 仲間のことを手駒だと言って切り捨てる悪いルベウスによって四姉妹も切り捨てられる。こいつはクソ野郎だった。四姉妹は後にセーラームーンの力によって浄化されて地球人になって暮らしている。

 

 次にやって来るエスメロードもキャラが立っていた。ボディコン姿でセンスを手にしているバブル女である。ブラック・ムーン一派にもこういうファッションのやつがいるんだって思った。「オーホッホ」の下卑た笑いがうるさいので上司や部下にも注意をうけるというコミカルなキャラ特性が面白かった。

 

 ブラック・ムーン編も後半にさしかかると、今度はセーラー戦士達5人が時を越えて30世紀の未来に殴り込む。東京は結晶化して人が無事に住めたものではないクリスタルトーキョーになっていた。時を越えてのSF展開となってワクワク。

 

 ブラック・ムーンの連中の策略により、街中でインフルエンザが流行る回がある。その回では美奈子ちゃんとちびうさだけは元気だった。

 無印セーラームーンではかなり遅れて登場したため、他のキャラと比べて美奈子のキャラクター性を掘り下げる個人エピソードが少なかった。「R」ではそんな美奈子ちゃんにお当番が周る回が結構あった。セーラーVとして皆よりも先に可動していた先輩戦士だけど、結構ポンコツで意外にもうさぎちゃんよりのキャラだったことが「R」を見れば分かる。

 うさぎちゃんみたいに朝寝坊して学校に行くことになったり、家事とかも出来ない。なにかにつけてことわざ格言を言いたい欲求があるようだが、言い間違えて亜美ちゃんにお利口につっこまれるのがいつしか定番化していくややボケキャラになっていった。

 まこちゃんと恋愛観の違いからぶつかり合って喧嘩する回がある。喧嘩して最後には仲直りしてもっと蜜になる二人を見ていると、「美奈×まこ」のカップリングもアリだなと思えた。何にせよ萌える金星のご加護を持つ戦士だった。

 

 デス・ファントムの精神攻撃でヤミ落ちしたちびうさが大人の姿となって敵に周る。大きくなったちびうさの方がうさぎちゃんよりもセクシーで良かった。悪者だけどこのちびうさもアリだった。

 

 ちびうさの正体は30世紀の未来からやってきたうさぎとマモちゃんの娘ということだった。

 あれだけ小競り合いして揉めたうさぎちゃんとちびうさだが最後には和解し、ちびうさが「ママ」と呼んでうさぎちゃんと抱き合うシーンではウルリと来た。このシーンを見て、私も母を大事にしようと思った。

 

 そんな感じで「R」の方も大変楽しめた。次回作の「S」 の方もゆっくりチェックしようと思う。

 

 

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セーラー服の美少女たち「美少女戦士セーラームーン」

美少女戦士セーラームーン」は、1992年3月から1993年2月まで放送された全46話のテレビアニメ。全5シリーズも続いた作品の伝説の始まりとなるシリーズ第一作目である。

 

 先日、令和時代に誕生した一発目のプリキュア「ヒーリングっど・プリキュア」の放送が無事スタートした。令和に入ってもまだプリキュアの新作が見れるとは嬉しい限りである。

 

 で、そんな変身ヒロインのプリキュアを新時代に入って見ていると、そういえばこういう戦隊を組む変身ヒロイン軍団って「セーラームーン」あたりが金字塔なのではないか?と思い返した。

 

 歴史の源流はあの時代にあったのか、よし!だったら振り返ろう。令和に入った今こそ、そこら変の歴史の重要なポイントとなったここを振り返らねば。

      ↑

 こういう思考の道筋を辿った私は、我がライブラリーを掘り起こして「美少女戦士セーラームーン」のパッケージを見つけたのである。

 長いシリーズとなったセーラームーンの記念すべき第一作の無印のやつ全46話を約一週間でサクッと見てみた。

 

 なんだろう、結構覚えていない。その昔にはビデオを借りて確かに見ていたのだが、ストーリーとかこんなのだっけって感じだった。ゆえにかなり新鮮な気持ちで見れた。 

 そして感想だが、これがかなり面白かった。なんだか分からないがワクワクする。結局私は可愛い女の子が出ていればそれで良いオタクだし、特撮みたいに戦隊を組んで敵に挑むというこの流れが安定してウケる。

 キャラ絵が「アイドル伝説えり子」みたいで古臭いけど可愛いやつだった。

 

 セーラームーンのアニメの方は忘れていたっぽいけど、ゲームはたくさん出ているからかなりやっていた。そちらの方では覚えている。スーファミゲームボーイセガサターンでもソフトが出ていた。スーファミでは5、6本かそれ以上くらい出ていて我が家にもなんかたくさんあった。セーラームーンキャラの格ゲー、パズルゲーム、ファイナルファイトみたいな横スクロールアクションもあって、ゲーム好きな私をかなり楽しませてくれたコンテンツだった。

 

 そんなセーラームーンのアニメシリーズ第1作の感想をつらつら書いていこう。

 

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 悪の親玉クイーンベリアが人間世界に送り込んでくる妖魔軍団をセーラー戦士達が撃退して世界平和を守る物語が展開する。

 

 三日月ハゲのある可愛いネコのルナによって、セーラー戦士に選ばれた月野うさぎセーラームーンに変身する。

 うさぎちゃんがだいぶおバカな天然さんで、すぐ泣く泣き虫なところは面白い。

 初期のセーラームーンは特に頼りない。初戦闘では滑って転んで敵前でビービー泣いていた。

 当時としては女子が特撮ヒーローみたく変身して戦闘を繰り広げるのは珍しく、それだけに子供たち(の中でも特に女児)は女子でも格好よく戦えるところを期待したはず。それが飛んだ間抜けなので(そこが愛しいところだが)面白かった。

 

 初期では水野亜美が変身するセーラーマーキュリー火野レイが変身するセーラーマーズで活動するサンバルカン体制が取られるが、2クール目からは木野まことが変身するセーラージュピター愛野美奈子が変身するセーラーヴィーナスを加えた従来の戦隊シリーズらしい5人体制でミッションに当たる。

 

 ストーリー云々よりもやはり一番光る部分がヒロインの可愛さ。セーラー戦士達はひとり残らず可愛い。変身後のコスチュームも最高に萌える。

 

 セーラームーンの中で推しを決める際、うさぎちゃんが一位はまず無い。彼女は作品を牽引するシルエットでも分かるマスコットというか、まぁそんな感じの存在。だいぶ面白くて愉快なヒロインだったけど萌えるのは他の4人だよな。うさぎちゃんを置いてけぼりにするくらい次から次へと可愛いのが出てくるから困る。

 これまではセーラームーンなら亜美ちゃん推しだったけど、改めて視聴するとやっぱりまこちゃんも良い。もしかしたらこっちかもしれない。

 

 うさぎちゃんやレイちゃんがぎゃんぎゃんうるさくて落ち着きがないのに対して、IQ300で学校の成績がクソ良い落ち着いたお姉さん感のある亜美ちゃんの方がお兄さんになってからは胸に響くものがある。久川綾のビューティフルボイスにも癒やされる。マーキュリーのみ戦闘時にゴーグルをはめてくるのもザ・インテリ感がにじみ出ていて良い。コンピューターを使って敵の出現ポイントを割り出すなど、脳での戦闘が行えるただ一人の人物なので5人チームのブレインである。

 

 遅れて登場する4人目の戦士のまこちゃんだが、まぁデカい。タッパがある格好良い女子は、これまたお兄さんになってから需要が分かってくるジャンルだった。ポニテで来るとか絶対可愛い。まこちゃんだけは変身しなくても戦闘力が高いのは特筆できるポイント。街のチンピラくらいなら簡単にのしてしまう。転校生として登場するけどいつまでも前の学校の服を着てくるのも萌え。こっちの制服も可愛い。クールと思いきや意外にもコロっといっちゃう惚れっぽさが危うい少女でもある。過去に失恋した先輩に似ている何かしらの要素がある男にならくらっと行ってしまうのが面白い。たくさんヒントが出てきたけど結局一番最初の失恋に終わった男は誰なのよって感じだった。演じた篠原恵美の美声がかなり良かった。

 

 一話の段階から実はセーラーVとして活躍していたセーラーヴィーナスのポジがおいしい。初期には一般人がセーラームーンのことをセーラーVと間違うことがあり、ゲーセンや家庭用カセットゲームでもセーラーVのゲームが出ているくらいなので、セーラーVは作中で一番の有名人。最初からずっと存在を匂わせていて、まさかの伏線回収のようにして最後にセーラーV改めセーラーヴィーナスとして仲間に加わる流れはにくい。ここの設定は上手いと思った。美奈子ちゃんもだいぶ可愛い。

 

 うさぎちゃん、レイちゃんが「トムとジェリー」のごとく仲良く喧嘩する定番の流れが落ち着く。ここのカップリングには萌える。今では中の人が共にしんちゃんの保育園の先生を演じていて、こちらでも愉快な関係の同僚を演じていて名コンビだと思う。

 

 敵の妖魔のデザインには、最初こそ妖魔の名にふさわしい恐ろしくてグロテスクなものが多かった。妖怪人間や「デビルマン」に出てくるシレーヌのようなとりあえずメスの怖い怪人がいた。しかし途中からは敵のデザインもマイルドになり、歪なものから美形なものへとだんだん変わっていった。

 

 中盤からは、元最強妖魔七人衆だった転生者たちの中にある虹水晶を巡ってセーラー戦士と妖魔軍団の虹水晶争奪戦が開始する。そこに第三勢力としてタキシード仮面も個人勢で突っ込んでくることで三つ巴合戦となる。7つの水晶を集めると強い力を持つ銀水晶が完成するという。この流れがドラゴンボール集めみたいでちょっとワクワクした。

 

 この妖魔七人衆あたりから敵もどこかしらコミカルな感じに路線を変えてくる。7人の内の一人は現世では牧師をしていて、後に敵の力で能力を解放されて牧師にかけたボクシングをやるボクサー怪人に変身する。しかもGガンダムガンダムマックスターの豪熱マシンガンパンチのような技をぶっ放してくるので、パンチと言ってもかなりの射程技を決めてくるものだった。

 他にも七人衆には理科系の大学のお姉さんがいて、そいつはリコウケイダーというダジャレみたいな名前の化け物に変身する。

 

 子供達が見る健全な番組ということで、初期のグロい路線のデザインは無しにして、怪人にもちょっと楽しい要素を入れてくる転換が見られた。

 

 敵のボスのクイン・ベリル傘下には、ジェダイトネフライトゾイサイトクンツァイトの4人の四天王がいる。いずれも有名な声優を起用したイケメンボスだった。タキシード仮面とかここら辺はお母様方にもウケたのでは?と思える。

 

 うさぎの親友の大阪なるちゃんがネフライトに恋して悲恋に終わるエピソードが色っぽく切なくもあって良かった。ママレード・ボーイとかでも主人公をそっちのけにしてもっと大恋愛をする親友ヒロインが登場したが、こちらもそんな感じでうさぎちゃんと衛さんの恋よりも先になるちゃんの濃い恋愛物語が描かれた。

 悪者のネフライトがなるちゃんの真心に触れて最後には良いヤツになるのが良かった。今度のお休みにネフライトとパフェを食べに行きたいというなるちゃんの健気な願いにキュンと来る。この時に、「悪の組織でも日曜日はお休みになるのかな」となるちゃんが問うと思わず吹き出すネフライトが描かれたのも意外性があって良かった。

 しかし、だいたい裏切り者は殺されるというがこの手のシリーズのお決まり。特撮もので言うとモグラ獣人しかり、クジラ怪人しかり、トップガンダーしかりというわけでやはりネフライトも処刑されてしまう。

 

 悲恋を嘆いて一時はヒッキーになったなるちゃんを、うさぎと愉快な同級生男子の海野くんが慰めて元気付けるまでのエピソードも良かった。

 

 ダーク・キングダム四天王の内、ゾイサイトクンツァイトは男性同士ながらもカップル仲となっている。ちょっと戸惑う関係性である。

  ゾイサイトが死んだ後の回で、クンツァイトの部屋に二人で撮った写真が飾られていたのもちょっと戸惑うワンシーンだった。

 こんな感じでセーラームーンでは、人間とダーク・キングダムの住人、同性同士など、既存の枠にとらわれない自由な恋愛観によるカップリンが生まれた。良い心がけ。

 

 セーラー戦士同士の会話劇のやり取りも段々コミカルになってきて楽しかった。

 ルナはうさぎをチームのリーダーに置きたいと考えているが、ご存知の通りうさぎちゃんはポンコツなので仲間からはまぁまぁ信用がない。

 妖魔化した人間を浄化して元の姿に戻すただ一個のアイテムであるムーンステッキをうさぎに持たせておくのは如何なものか?というミーティングがうさぎ以外のセーラー戦士達とルナとの間で行われる回がある。そこでは結構ひどいことを言われている(主にレイちゃんに)。

 うさぎのことだからきっとトンカチ代わりにあのステッキを使っているのだろうとレイちゃんが噂すると、本当にうさぎがトンカチ代わりにステッキを使って豚の貯金箱を割るシーンが流れた。ここは笑った。

 

 中華街で飯を食うからと言ってミーティングをサボったり、亜美ちゃん達が作戦を練っている間に後ろでテレビゲームをしていたりするのでかなり戦いに対して緊張感のない抜けたヤツだと思えるが、そこがどういうわけか愛しいヒロインなのがうさぎちゃんの特性であった。

 なんだかんだで仲間たちからの最低限の信用をキープすることに成功している。

 

 後半では5人のセーラー戦士達が前世からの仲間であると判明する。前世からの転生者が戦士として選ばれていた。「ぼくの地球を守って」のような前世仲間設定もこの時代の流行りだったのだろうか。プリンセスの力でセーラー服から白いドレスのコスチュームにチェンジするセーラームーンは美しい。

 

 それまではギャグ要素で進んでいたのに、最終決戦では強敵にセーラー戦士達が次々殺される急なシリアス展開になる。セーラームーンを残して他のメンバーは強敵と相打ちになって倒れる。4人の戦士は死に際まで美しかった。

 精神的に追い込まれた状況でもタキシード仮面を敵の洗脳から救い、クイン・ベリルを討ったうさぎちゃんが最後に普通の生活に戻りたいと強く願ったことで、最終回ラストでは全てがなかったことになり、皆生き返って戦いの記憶を無くした普通の女の子に戻って終わる。「仮面ライダー龍騎」のオチと一緒だった。

 

 急病で降板した三石琴乃に代わり、最終決戦に入った後半回から次作「美少女戦士セーラームーンR」の頭まで月野うさぎを演じた荒木香恵の活躍を忘れてはいけない。偉大なる代役だったと思う。相当なプレッシャーがあっただろうけど、声も似せて作って来ているので結構気づかなかった。パッケージ化しても三石バージョンで再録せず、荒木バージョンのまま収録しているのはあえてこれで良かったと思う。後にちびうさ役で再度彼女が登板する流れには胸が熱くものがある。

 

 前作「きんぎょ注意報」のスタッフの多くがセーラームーンにも携わったということで、きんぎょ注意報のキャラがおまけで出ていることがあった。ゲーセンの景品の中にギョピちゃんのぬいぐるみとかがあった。こちらの作品もなかなか懐かしい。

 

 そんなわけで大変楽しかったのがセーラームーンだった。続きの「R」も含めて今後もシリーズを順に見ていこうと思う。

 

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 とんだミラクルロマンスを令和時代にも味わえて幸せである。

 

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日輪の輝きを恐れぬのなら、かかってこい「無敵鋼人ダイターン3」

無敵鋼人ダイターン3」は、 1978年6月から1979年3月まで放送された全40話のテレビアニメ。

 

 ダイターンといえば、スパロボシリーズでは外せない強力ユニットとして重宝していたことを思い出す。額の日輪から放たれる必殺のサンアタック→敵の腹を丸く切り抜くダイターンクラッシュまでの流れは爽快で楽しかった。

 私が遊んでいたスーファミゲームボーイアドバンスの古いスパロボならサンアタックはパーティで一位くらいの破壊力があった。イベン上HPを削ると撤退してしまう敵ユニットがいた場合には、逃さず経験値を得るためにサンアタックで一撃必殺で撃ち抜くこともあった。そんなわけでダイターン3には大変お世話になっていた。

 敵のコロスとドン・ザウサーの大ボス二体は大変強くて撃退に苦労した。

 

 こんな感じでスパロボでしか知らなかったダイターン3を縁あって全話視聴することになった。

 

 ザンボット3に次ぐアニメ作品で、なんと40年も前の作品である。ガンダムよりも前の富野作品ということで一見の価値ありと判断した。

 

 富野監督としては本作の仕上げは忙しいお仕事となり、万全の状態で事にあたれなかったという。作画やキャラ設定などを含めたダイターンの仕上がりに対しては厳しい自己採点を下している。

 そんなダイターンだが、日本からイタリアに流れ、イタリアで大変人気になったという。もしかしたら日本よりもそっちでウケたのかもしれない。いずれにせよ彼ら職人の仕事が国を問わず今日にも生きているのは事実。私も楽しんで見たのでサンライズの皆さんにありがとうと言いたい。

 

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 噂の男 破嵐万丈(はらんばんじょう)が駆るダイターン3が、地球侵略のため火星からやって来るメガノイド軍団をやっつける物語が展開する。一話の段階から何かと噂の男となっている万丈は、敵からその他の人間にまで知られるちょっとした有名人。初回の段階ではどういう噂なのかと思ってしまう。ちょっとした噂になるくらいのナイスガイ、それが破嵐万丈である。

 

 多種多様の武器を用いて戦うダイターンのアクションシーンが特徴的。次々と武器が出てくる。

 スパロボでも強かったダイターンザンバー、足から出るダイターンキャノン、困った時のサンアタック乱れ打ちなどの武器は印象的。ザンバーを出す時のセリフ「出ろ、ザンバー」は、スパロボで知ってから真似していたお気にいりのセリフ。

 毎回の戦闘時に万丈が言う「この日輪の輝きを恐れぬのなら、かかってこい」は名セリフ。前作ザンボット3が月を冠するロボならこちらは日輪と来ている。どちらもおしゃれ。全然関係ないけど二機のロボの関係性から「太陽とシスコムーン」を思い出した。

 

 万丈達チームのコミカルなやり取りが楽しいアニメで、前作ザンボット3の重苦しくシリアスな感じはないライトな仕上がりになっていた。

 富野監督は前作の影響を受けない作りに尽力していると語っている。確かに月と太陽の関係性を除けば影響は受けていないと思う。

 

 万丈のサポートをするビューティフル・タチバナ、三条レイカのツインヒロイン。家事から戦闘まで何でも出来る万丈家の謎の執事ギャリソン時田。途中で仲間になるガキのトッポ。大きな組織ではなく万丈ファミリーのみで巨大なメガノイド軍団に立ち向かう。

 

 前作ザンボット3では、パイロットが全部ガキ、サポート役はパイロット達の両親や祖父母らといった地味なメンツで事に当たった。そこへ来くると万丈はユーモアとニヒルを併せ持つ都会風の男前、ビューティとレイカはスタイルの良いシティギャルにしてお色気要員でもあった。ギャリソンもおっさんとはいえおしゃれでハンサムで面白い。ダイターンのメンバーの方がずっと華がある。

 

 火星からえぐい額の金塊を奪取したため万丈には金がたっぷりある。良い屋敷の坊っちゃん状態で、完全にブルジョア。そんなわけで正義のヒーローをやっている万丈ファミリーの戦闘以外の暮らぶりはかなり余裕があるように見える。ビューティも社長令嬢なので完全にお嬢様と来ている。

 

 万丈大好きなビューティとレイカが小競り合いを繰り広げる展開が楽しい。どちらも大変可愛いヒロインだが、私はツインヒロインならレイカ派である。それから敵のコロスも良い。

 ウィットに富むイケてるジジイのギャリソン時田のポジションも見ていて面白い。

 キャラクター同士のコミカルな関係性や会話劇も面白い。

 

 万丈役の鈴置洋孝はじめ、キャストには既に亡くなった者が多い。今ではもう見れない名優達の芝居が見れる資料的価値がある作品でもある。 

 

 

 敵のメガノイドは人間を機械化したもので、ゆえに機械ながらどこか人間味のある者もいた。基本的にはドン・ザウサーの意志を代弁するコロスの指示に皆が従っているが、結構な数の者がコロスに反逆したり陰口を言ったりしているので統率はいまいちな感じもする。ドンの横に居座るコロスに嫉妬している者、ドンを討って軍団を乗っ取ろうと考える者もあった。プログラムで命令を聞く完全なるロボでないので、忠誠心の方が安定していなかった。

 また、メガノイドは恋愛が禁止されているが、掟に背いて恋をして駆け落ちして軍団を抜けた者もいた。禁止行為とされる恋愛を取り締まるための風紀委員がメガノイド内にある設定は意外だった。

 

 機械化したメガノイドは生殖して自分たちで仲間の数を増やすが出来ない。地球侵略を考えてはいるが、一気に人間を捕まえてメガノイド化せず、ちょっとずつ行う点は生々しく考えられた設定だった。

 一話では人間の中でも美女軍団を一気に捕まえてメガノイド化する作戦が展開される。万丈と敵との会話に「美女」のワードがちらほら出る点がちょっと面白かった。

 

 ザンボット3のメガブーストがグロテスクかつファンタスティックなデザインだったのに対し、こちらでは巨大化しても人型の敵なので見た目が安心。

 

 毎度の展開はギャグ要素などのコミカルでライトなものがほとんどだが、たまには悲劇を扱ったエピソードもある。万丈らメインの登場人達のかつての知人がメガノイドとなって敵に周ることもあった。

 

 そもそも敵のメガノイドの生みの親となったのは万丈の父親である。父の手によって万丈の兄と母もメガノイドの実験体にされた。基本はお気楽な青年の万丈だが、身内の研究のせいで地球がピンチになったという責任を背負いながらも戦う葛藤が濃く描かれることもあった。

 

 体を機械化して宇宙進出することで、人類は愚かな同族同士の争いをやめて平和な世界を目指せるというのがコロスの意志であることが後半で分かる。全くの敵意で動いているわけではないと分かるあたり、敵側にも少なからず感情移入してしまった。しかし、なんだかんだ言ってもそれは強者のエゴなのだろう。

 

 ゲームでも強敵として登場するドン・ザウサーとコロスの二人の敵キャラはやはり印象的だった。

 ロボット刑事の頭をふっとばして脳みそを丸見えにしたような歪なデザインのドン・ザウサーの存在感はやはり強い。意識を失っている状態で喋らないが、コロスのみは意思を汲み取ることが可能となっている。がしかし、これも本当かどうか、もしかすると全部コロスの独断なのでは?という路線もあるのかもしれないが詳しいことは分からない。

 ドン・ザウサーの心をコロスが喋って部下に命令を伝えるという妙な連絡手段が組織内で取られている。

 沈黙状態の大きなドン・ザウサーの横に妖艶な美女のコロスが控えるというミスマッチな取り合わせもまた異質にして印象的な画だった。美女と野獣のような敵のコンビが特徴的な作品でもあった。

 

 最終回には遂にドン・ザウサーが覚醒してダイターンと対決する。そしてしっかり喋る。激闘の果に万丈は行方不明となってしまう。 

 最終回ラストは印象的なもので、ます戦いが終わった万丈チームの皆は解散して万丈の屋敷を出ていく。次に無人となった屋敷の一室に明かりが灯って終わる。万丈の行方についてはっきりと分かる描写はないが、最後に見たあの明かりは生還した万丈が灯したものであって欲しい。この前、我が家のリモコン式の電灯が誤作動して勝手についたことがあったのだが、あの現象ではないと信じたい。

 

 日輪を味方にして正義のために戦い抜いた噂の男 破嵐万丈はきっと生きている。例え死んでもいつまでも私達の心に生きている。結果、彼は生きている。ありがとう破嵐万丈、ありがとうダイターン3、それからギャリソン時田。

 

 

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 OP曲は格好良いのでお気に入り。

 

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