こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

セーラー服の美少女たち「美少女戦士セーラームーン」

美少女戦士セーラームーン」は、1992年3月から1993年2月まで放送された全46話のテレビアニメ。全5シリーズも続いた作品の伝説の始まりとなるシリーズ第一作目である。

 

 先日、令和時代に誕生した一発目のプリキュア「ヒーリングっど・プリキュア」の放送が無事スタートした。令和に入ってもまだプリキュアの新作が見れるとは嬉しい限りである。

 

 で、そんな変身ヒロインのプリキュアを新時代に入って見ていると、そういえばこういう戦隊を組む変身ヒロイン軍団って「セーラームーン」あたりが金字塔なのではないか?と思い返した。

 

 歴史の源流はあの時代にあったのか、よし!だったら振り返ろう。令和に入った今こそ、そこら変の歴史の重要なポイントとなったここを振り返らねば。

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 こういう思考の道筋を辿った私は、我がライブラリーを掘り起こして「美少女戦士セーラームーン」のパッケージを見つけたのである。

 長いシリーズとなったセーラームーンの記念すべき第一作の無印のやつ全46話を約一週間でサクッと見てみた。

 

 なんだろう、結構覚えていない。その昔にはビデオを借りて確かに見ていたのだが、ストーリーとかこんなのだっけって感じだった。ゆえにかなり新鮮な気持ちで見れた。 

 そして感想だが、これがかなり面白かった。なんだか分からないがワクワクする。結局私は可愛い女の子が出ていればそれで良いオタクだし、特撮みたいに戦隊を組んで敵に挑むというこの流れが安定してウケる。

 キャラ絵が「アイドル伝説えり子」みたいで古臭いけど可愛いやつだった。

 

 セーラームーンのアニメの方は忘れていたっぽいけど、ゲームはたくさん出ているからかなりやっていた。そちらの方では覚えている。スーファミゲームボーイセガサターンでもソフトが出ていた。スーファミでは5、6本かそれ以上くらい出ていて我が家にもなんかたくさんあった。セーラームーンキャラの格ゲー、パズルゲーム、ファイナルファイトみたいな横スクロールアクションもあって、ゲーム好きな私をかなり楽しませてくれたコンテンツだった。

 

 そんなセーラームーンのアニメシリーズ第1作の感想をつらつら書いていこう。

 

美少女戦士セーラームーン Blu-ray COLLECTION VOL.2<完>

 

 悪の親玉クイーンベリアが人間世界に送り込んでくる妖魔軍団をセーラー戦士達が撃退して世界平和を守る物語が展開する。

 

 三日月ハゲのある可愛いネコのルナによって、セーラー戦士に選ばれた月野うさぎセーラームーンに変身する。

 うさぎちゃんがだいぶおバカな天然さんで、すぐ泣く泣き虫なところは面白い。

 初期のセーラームーンは特に頼りない。初戦闘では滑って転んで敵前でビービー泣いていた。

 当時としては女子が特撮ヒーローみたく変身して戦闘を繰り広げるのは珍しく、それだけに子供たち(の中でも特に女児)は女子でも格好よく戦えるところを期待したはず。それが飛んだ間抜けなので(そこが愛しいところだが)面白かった。

 

 初期では水野亜美が変身するセーラーマーキュリー火野レイが変身するセーラーマーズで活動するサンバルカン体制が取られるが、2クール目からは木野まことが変身するセーラージュピター愛野美奈子が変身するセーラーヴィーナスを加えた従来の戦隊シリーズらしい5人体制でミッションに当たる。

 

 ストーリー云々よりもやはり一番光る部分がヒロインの可愛さ。セーラー戦士達はひとり残らず可愛い。変身後のコスチュームも最高に萌える。

 

 セーラームーンの中で推しを決める際、うさぎちゃんが一位はまず無い。彼女は作品を牽引するシルエットでも分かるマスコットというか、まぁそんな感じの存在。だいぶ面白くて愉快なヒロインだったけど萌えるのは他の4人だよな。うさぎちゃんを置いてけぼりにするくらい次から次へと可愛いのが出てくるから困る。

 これまではセーラームーンなら亜美ちゃん推しだったけど、改めて視聴するとやっぱりまこちゃんも良い。もしかしたらこっちかもしれない。

 

 うさぎちゃんやレイちゃんがぎゃんぎゃんうるさくて落ち着きがないのに対して、IQ300で学校の成績がクソ良い落ち着いたお姉さん感のある亜美ちゃんの方がお兄さんになってからは胸に響くものがある。久川綾のビューティフルボイスにも癒やされる。マーキュリーのみ戦闘時にゴーグルをはめてくるのもザ・インテリ感がにじみ出ていて良い。コンピューターを使って敵の出現ポイントを割り出すなど、脳での戦闘が行えるただ一人の人物なので5人チームのブレインである。

 

 遅れて登場する4人目の戦士のまこちゃんだが、まぁデカい。タッパがある格好良い女子は、これまたお兄さんになってから需要が分かってくるジャンルだった。ポニテで来るとか絶対可愛い。まこちゃんだけは変身しなくても戦闘力が高いのは特筆できるポイント。街のチンピラくらいなら簡単にのしてしまう。転校生として登場するけどいつまでも前の学校の服を着てくるのも萌え。こっちの制服も可愛い。クールと思いきや意外にもコロっといっちゃう惚れっぽさが危うい少女でもある。過去に失恋した先輩に似ている何かしらの要素がある男にならくらっと行ってしまうのが面白い。たくさんヒントが出てきたけど結局一番最初の失恋に終わった男は誰なのよって感じだった。演じた篠原恵美の美声がかなり良かった。

 

 一話の段階から実はセーラーVとして活躍していたセーラーヴィーナスのポジがおいしい。初期には一般人がセーラームーンのことをセーラーVと間違うことがあり、ゲーセンや家庭用カセットゲームでもセーラーVのゲームが出ているくらいなので、セーラーVは作中で一番の有名人。最初からずっと存在を匂わせていて、まさかの伏線回収のようにして最後にセーラーV改めセーラーヴィーナスとして仲間に加わる流れはにくい。ここの設定は上手いと思った。美奈子ちゃんもだいぶ可愛い。

 

 うさぎちゃん、レイちゃんが「トムとジェリー」のごとく仲良く喧嘩する定番の流れが落ち着く。ここのカップリングには萌える。今では中の人が共にしんちゃんの保育園の先生を演じていて、こちらでも愉快な関係の同僚を演じていて名コンビだと思う。

 

 敵の妖魔のデザインには、最初こそ妖魔の名にふさわしい恐ろしくてグロテスクなものが多かった。妖怪人間や「デビルマン」に出てくるシレーヌのようなとりあえずメスの怖い怪人がいた。しかし途中からは敵のデザインもマイルドになり、歪なものから美形なものへとだんだん変わっていった。

 

 中盤からは、元最強妖魔七人衆だった転生者たちの中にある虹水晶を巡ってセーラー戦士と妖魔軍団の虹水晶争奪戦が開始する。そこに第三勢力としてタキシード仮面も個人勢で突っ込んでくることで三つ巴合戦となる。7つの水晶を集めると強い力を持つ銀水晶が完成するという。この流れがドラゴンボール集めみたいでちょっとワクワクした。

 

 この妖魔七人衆あたりから敵もどこかしらコミカルな感じに路線を変えてくる。7人の内の一人は現世では牧師をしていて、後に敵の力で能力を解放されて牧師にかけたボクシングをやるボクサー怪人に変身する。しかもGガンダムガンダムマックスターの豪熱マシンガンパンチのような技をぶっ放してくるので、パンチと言ってもかなりの射程技を決めてくるものだった。

 他にも七人衆には理科系の大学のお姉さんがいて、そいつはリコウケイダーというダジャレみたいな名前の化け物に変身する。

 

 子供達が見る健全な番組ということで、初期のグロい路線のデザインは無しにして、怪人にもちょっと楽しい要素を入れてくる転換が見られた。

 

 敵のボスのクイン・ベリル傘下には、ジェダイトネフライトゾイサイトクンツァイトの4人の四天王がいる。いずれも有名な声優を起用したイケメンボスだった。タキシード仮面とかここら辺はお母様方にもウケたのでは?と思える。

 

 うさぎの親友の大阪なるちゃんがネフライトに恋して悲恋に終わるエピソードが色っぽく切なくもあって良かった。ママレード・ボーイとかでも主人公をそっちのけにしてもっと大恋愛をする親友ヒロインが登場したが、こちらもそんな感じでうさぎちゃんと衛さんの恋よりも先になるちゃんの濃い恋愛物語が描かれた。

 悪者のネフライトがなるちゃんの真心に触れて最後には良いヤツになるのが良かった。今度のお休みにネフライトとパフェを食べに行きたいというなるちゃんの健気な願いにキュンと来る。この時に、「悪の組織でも日曜日はお休みになるのかな」となるちゃんが問うと思わず吹き出すネフライトが描かれたのも意外性があって良かった。

 しかし、だいたい裏切り者は殺されるというがこの手のシリーズのお決まり。特撮もので言うとモグラ獣人しかり、クジラ怪人しかり、トップガンダーしかりというわけでやはりネフライトも処刑されてしまう。

 

 悲恋を嘆いて一時はヒッキーになったなるちゃんを、うさぎと愉快な同級生男子の海野くんが慰めて元気付けるまでのエピソードも良かった。

 

 ダーク・キングダム四天王の内、ゾイサイトクンツァイトは男性同士ながらもカップル仲となっている。ちょっと戸惑う関係性である。

  ゾイサイトが死んだ後の回で、クンツァイトの部屋に二人で撮った写真が飾られていたのもちょっと戸惑うワンシーンだった。

 こんな感じでセーラームーンでは、人間とダーク・キングダムの住人、同性同士など、既存の枠にとらわれない自由な恋愛観によるカップリンが生まれた。良い心がけ。

 

 セーラー戦士同士の会話劇のやり取りも段々コミカルになってきて楽しかった。

 ルナはうさぎをチームのリーダーに置きたいと考えているが、ご存知の通りうさぎちゃんはポンコツなので仲間からはまぁまぁ信用がない。

 妖魔化した人間を浄化して元の姿に戻すただ一個のアイテムであるムーンステッキをうさぎに持たせておくのは如何なものか?というミーティングがうさぎ以外のセーラー戦士達とルナとの間で行われる回がある。そこでは結構ひどいことを言われている(主にレイちゃんに)。

 うさぎのことだからきっとトンカチ代わりにあのステッキを使っているのだろうとレイちゃんが噂すると、本当にうさぎがトンカチ代わりにステッキを使って豚の貯金箱を割るシーンが流れた。ここは笑った。

 

 中華街で飯を食うからと言ってミーティングをサボったり、亜美ちゃん達が作戦を練っている間に後ろでテレビゲームをしていたりするのでかなり戦いに対して緊張感のない抜けたヤツだと思えるが、そこがどういうわけか愛しいヒロインなのがうさぎちゃんの特性であった。

 なんだかんだで仲間たちからの最低限の信用をキープすることに成功している。

 

 後半では5人のセーラー戦士達が前世からの仲間であると判明する。前世からの転生者が戦士として選ばれていた。「ぼくの地球を守って」のような前世仲間設定もこの時代の流行りだったのだろうか。プリンセスの力でセーラー服から白いドレスのコスチュームにチェンジするセーラームーンは美しい。

 

 それまではギャグ要素で進んでいたのに、最終決戦では強敵にセーラー戦士達が次々殺される急なシリアス展開になる。セーラームーンを残して他のメンバーは強敵と相打ちになって倒れる。4人の戦士は死に際まで美しかった。

 精神的に追い込まれた状況でもタキシード仮面を敵の洗脳から救い、クイン・ベリルを討ったうさぎちゃんが最後に普通の生活に戻りたいと強く願ったことで、最終回ラストでは全てがなかったことになり、皆生き返って戦いの記憶を無くした普通の女の子に戻って終わる。「仮面ライダー龍騎」のオチと一緒だった。

 

 急病で降板した三石琴乃に代わり、最終決戦に入った後半回から次作「美少女戦士セーラームーンR」の頭まで月野うさぎを演じた荒木香恵の活躍を忘れてはいけない。偉大なる代役だったと思う。相当なプレッシャーがあっただろうけど、声も似せて作って来ているので結構気づかなかった。パッケージ化しても三石バージョンで再録せず、荒木バージョンのまま収録しているのはあえてこれで良かったと思う。後にちびうさ役で再度彼女が登板する流れには胸が熱くものがある。

 

 前作「きんぎょ注意報」のスタッフの多くがセーラームーンにも携わったということで、きんぎょ注意報のキャラがおまけで出ていることがあった。ゲーセンの景品の中にギョピちゃんのぬいぐるみとかがあった。こちらの作品もなかなか懐かしい。

 

 そんなわけで大変楽しかったのがセーラームーンだった。続きの「R」も含めて今後もシリーズを順に見ていこうと思う。

 

美少女戦士セーラームーン Blu-ray COLLECTION VOL.1

美少女戦士セーラームーン Blu-ray COLLECTION VOL.1

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2017/06/14
  • メディア: Blu-ray
 
美少女戦士セーラームーン Blu-ray COLLECTION VOL.2<完>

美少女戦士セーラームーン Blu-ray COLLECTION VOL.2<完>

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2017/08/09
  • メディア: Blu-ray
 

 

 とんだミラクルロマンスを令和時代にも味わえて幸せである。

 

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