こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ハムレットを時代劇でやってみた「炎の城」

 「炎の城」は1960年に公開された日本映画。

 

 私が映画を視聴する時は8:2の割合で洋画をしっかり見て、邦画はそんなに見ない。

 「炎の城」は時代劇なのでこってこての邦画。

 

 何でコレに興味が湧いたかと言うと、私が趣味で良く読むシェイクスピア作品の名作である「ハムレット」を翻訳して時代劇に落とし込んだという意欲的取り組みを行っていたから。時代劇でハムレットをやろうなんて考えた人が結構奇抜な発想持ちだなと思う。

 

 

炎の城 [VHS]

 

 

 

 話は原作のままだ。

 

 主人公がしばらく城を留守にして帰って来ると、留守の間に父親が急死して叔父が城主となって母と結婚している

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 叔父が父を殺ったのでは?と怪しんだ主人公が旅先で狂人になったフリをしてことの真相を探る。

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 婚約者であるヒロインが主人公の変貌ぶりにショックを受けて死ぬ。

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 叔父が犯人と判明して仇討ちが完了。そして最後には皆死んで終わり。

 

 炎の城もこの手順を追って落ちまで進んでゆく。

 バッドエンド不可避だぜ!

 

 

 炎の城では王見城という城の若君王見正人がハムレットのポジション、つまりは主人公である。

 

 正人が留学先の明から帰って来ると、叔父が父親の地位に成り代わって偉そうにしている。城主が叔父に代わってから、エグい年貢の巻き上げ方を行うようになり、民達からクレームが出ている。

 ラストはこの民達の暴動で締めることになる。正人単体では叔父への復讐を果たせず、民が城に火を放っての大騒ぎの中で仕留めるんだな。

 やっぱり圧政を敷くようなクソ統治では痛い目にあうというワケだな。

 

 ラストの城が大火事になるのは迫力がすごかった。タイトル通りのまさに「炎の城」が出来上がる。

 コンピュータのファイアじゃないマジな火だからな。今では簡単には出来ないんだろうけど、昔みたいに特撮でバンバン車を燃やしてガチの火を上げるヤツとかやっぱりテンションが上がる。本物の火に勝る迫力は偽物じゃ作れない。

 音楽担当が伊福部昭だからどこかゴジラっぽいっていうか、ゴジラも流れていた。

 

 

 どうせコイツが親父を殺ったと目星を付けた正人は、狂人のフリをして叔父の証拠を漁る。正人役の人が、ほとんど一人二役の芝居をするのが印象的。

 原作同様に父親の亡霊が姿を見せて息子にヒントを与えるシーンがある。

 

 原作でも主人公たちが戯れに観劇するシーンがあったが、ここは古き日本なので、そのシーンは能と見せた。このシーンは印象的だった。

 

 一度城から逃亡した正人は倭寇と合流したりもする。当時の日本ならではだ。

 

 原作ヒロインであるオフィーリアのポジションを三田佳子が演じている。日本の役者のことは詳しくない上に古い作品なのでもっと誰が誰だか分からない状態だが、三田佳子は分かった。すごい若い。なんたって58年も前の映画だから。かなりキレイな顔していて可愛い。

 三田佳子って相当歳が行ってるんだな。だったら今でもかなりキープしているってことになるな。

 

 古い作品なので仕方ないが、ところどころセリフが何て言ってるのか分からない。字幕があれば良かったな。

 

 結果的に主要キャラは皆死ぬ。 

 最後の方のチャンバラをしたり、城が火事になったりの所は目が離せない展開だった。滅多に時代劇は見ないが、結構楽しめた。

 

炎の城 [VHS]

炎の城 [VHS]

 

 

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