こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

バビルの塔に住んでいる超能力少年「バビル2世」

「バビル2世」は1973年1月~9月まで放送された全39話のテレビアニメ。

 

 父が原作漫画を持っていたのでこっそり読んでいたのだが、内容は結構忘れていた。今回、高画質なBDをチェックしたところ、さすが横山光輝作品ということで私の中の不滅の少年心がくすぐられた。

 超能力バトル、超科学の結晶バビルの塔、強力な三つのシモベ、毎週規模のデカい悪さを行う悪の帝王ヨミ、どれもが心わくわくする要素だった。

 

 かなり昔のアニメだが、その割りにはよく絵が動きアニメアニメしている。また、この時代の濃い色、濃い線、そして4:3の画角は懐古主義者の私を落ち着かせるものだった。現在放送中のアニメも綺麗で良いけど、色の多さと発色の良さが目を刺激して長時間見ると疲れるんだよな。 

 

 主人公バビル2世を若き日の神谷明が演じているのが印象的。こんなに前から活躍していたのか。ゲストキャラ、モブなどの雑魚キャラも懐かしの声優が声を当てていた。

 

 OP曲はやはり名曲。OPアニメを見てもワクワクする。

 

バビル2世 Blu-ray BOX

 

・バビル2世について

 初代バビルは物語スタートの5千年前に宇宙船で地球に不時着した異星人。そのまま地球に居残ってバビルの塔を建設し、地球の女と結婚して子も育んだ。バビルは、何代と血が受け継がれて行く中で、自分と同じ強い超能力を持つ者が誕生した時、その者に自分の遺産であるバビルの塔と三つのシモベを遺産相続することにした。

 アニメ版の主人公少年古見浩一は、夢の中でバビルの後継者当選を知らされ、バビル2世となる。主人公の名前は原作漫画と違うらしい。

 これにて5千年越しの遺産相続が完了する。バビル2世とは言うが、実際には何百代目か分からない。5千年もあってやっと適合者が現れるとか遅っ!

 バビル2世は先代から受け継いだ力を使い、悪の帝王ヨミの世界征服作戦を阻止するために戦う。

 

 古見浩一は幼い頃に親を亡くし、叔父夫婦に引き取られて生活している。古見家の娘の由美子とは大変仲良くしていて、バビル2世となって浩一が家を出た後も由美子はずっと浩一を想っている。ヒロインが幼馴染でずっと同居しているとか男心をくすぐる最高の設定ではないか。

 健気にもバビル2世に想いを寄せる可憐なヒロインの由美子が良かった。バビル2世を探してあちこちの地に飛ぶのだが、バビル2世と由美子はいつもすれ違いになる。本当はバビル2世も由美子に会いたいけど、関係者だとヨミに知られると命を狙われる危険があるので他人のふりをしている。二人がやっと会えた時もバビル2世は「僕は古見浩一でなくバビル2世」だと言って他人で通している。この設定も泣かせるぜ。

 

 26話で一旦ヨミを倒したと思った後、バビル2世は古見病院に帰ろうとするが、途中で訪れた北海道の地でヨミが生きていることを知り、その地の牧場に居候する。最終回までそこを拠点にヨミと戦う。こちらの牧場では新たに可愛い新ヒロインユキちゃんが登場する。由美ちゃんがいるのにユキと楽しくやってるバビル2世を見て何やってんだかと思った。ユキは馬を乗り回すちゃきちゃきガールで男受けするヒロインだと思う。

 結果、最終回もまだ牧場にいて古見病院の由美子と再会するシーンは描かれなかった。そこを描いて欲しかったのに。とりあえず二人のヒロインも良かった。

 

・三つのシモベ

 やはり作品の看板にして最大の魅力は黒豹のロデム、怪鳥ロプロス、巨大ロボのポセイドンの三つのシモベ。バビル2世単体でも強いが、そこに最強のサポート集団を添えることで物語は俄然魅力的なものになる。

 同じく横山光輝作品の「ジャイアントロボ」でも三体のジャイアントロボが勢力争いをした。手塚治虫の「マグマ大使」でも呼び出せるロケット人間は三人ということで、三種の神器的な強い三つの力の要素は少年の熱き心を掻き立てる設定だと思う。

 

 ロデムは基本黒豹の姿をしているが、人間から怪物まで変幻自在に姿を変えられる。最初はおっぱいデカめのお姉さんの姿で出てきた。ロデムのあの姿は好きだった。

 古見家を後にして寂しがっているバビル2世を慰めるため、ロデムは由美ちゃんの姿で主人を喜ばせようとするが、声真似は難しくて男の声だった。バビル2世に「悪い冗談だぜ」的なことを言われていた。あのシーンではロデムの優しさとちょっぴりお茶目な部分が見れて萌えた。いいヤツ。

 

 しばしばオタク談義で話題に上がるのがロプロスの色は赤色派か金色派かということ。アニメ本編ではかなり早い段階でロプロスの表皮が剥がれ、中のメカ剥き出しスタイルになる。でも最終回までOP映像は赤いロプロスのままなので、こっちのイメージも強く残る。我が家にあるロプロスのフィギュアは赤色のやつなので、どっちのバージョンも良いけど個人的にはロプロスと言えば赤色のイメージが強い。てか、ヨミとの戦いで表皮が剥げた後にまたつけるとか考えなかったんだ。

 

 結局ポセイドンが一番使えると思う。「ポセイドンは海を行け」とOP歌詞にあるけど、別に海に限らず地上でも強いし地下を掘って潜ることも出来る。ロデム、ロプロスは海中戦に出られないので海はポセイドンの独壇場。

 腕の関節がパカっと開いてミサイルをぶっ放すのが好きだった。そんな所から出る?と意外に思った。

 

・強敵ヨミについて

 死角なし、どの角度から見ても悪そうな面をしているおっさん超能力者がヨミ。今は亡き名優大塚周夫の悪者声がハマっていた。

 最初は同じ超能力者同士わかり会えると思ってバビル2世の方から話しに行くが結果的に敵対する。

 ヨミがバビル2世を仲間に誘う文句が「二人で手を組めば世界征服なんてすぐに出来る」というもの。まるでドラクエ竜王のような誘い方だった。

 このヨミだが、毎週毎週規模のデカい悪さをやらかす。組織戦力はすごいもので、部下は腐る程いるし戦闘機、メカ、巨大ロボと何でも出してくる。

 ヨミの作戦はなにも日本だけを対象としたケチなものに留まらず、地球上のあちこちを襲撃する。これに付き合って世界中飛び回るバビル2世も大変。しかしバビル2世との最終決戦時には東京の地下鉄を乗っ取って乗客を人質に取るというアナクロでケチな作戦を展開した。

 

 26話でバビル2世と直接対決した時には力のペース配分を誤って随分あっけなく死んでしまったと思ったが、どっこい生き延びていて27話から最終回となる39話までずっと悪さをしていた。

 

バビル2世 Blu-ray BOX

バビル2世 Blu-ray BOX

 

  

 ザ・少年漫画という感じで古いながらも趣ある作品だった。

 

 スポンサードリンク