こんなアニメ、私以外誰が見ているんだろう?
素直にそう思えるクソアニメのことを殊勝にも見ている他の人間がいる所にはいた。そういう人達がまぁそうだろうとは思った通りダメなアニメに対してクソミソに酷評しているのを動画で見たり、文章にしたのを読んだりするのが好きです。
何かのレビューを見るなら、めっちゃ褒めているよりもクソほど貶した意見の方が面白く感じる。そっちの方がより人の「マジ」が出るんだよな。人間は称賛する時より文句を言う方に力と魂を込める生き物だから(諸説ありまくります)。
今期作品の中にももちろんクソアニメは混ざっていたので、それをターゲットにクソほど酷評する人達の意見があちこちで得られたのはちょっとの楽しみとなりました。そういう私もちょっとくらいは辛口でクソアニメ評論をしちゃっている立場だけどね。
クソアニメって掛け値なしにホントにクソなんだけど、クソなものに向き合っている時こそがたっぷりの思考時でもある。そのことから、結果的に「生きている」を実感出来る充実時間にもなるんだよな。なんだって存在することに一定の価値があるってものだ。
そんなクソアニメも含めてアニメなら何でも広く愛す私が振り返る24年ファイナルクールアニメ感想をくらいたまえ!
アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season
このシリーズは2期があって待遇が良いみたい。そういればこれは1期放送前からも2期が決まりましたとかネット記事か何かで見たような。とにかくやる前から気合充分だったようです。
天下のアイドルコンテンツ アイマスのアイドルヒロインといえばそりゃ可愛いさ。可愛いから毎週目の保養にはなります。でも一番好きなのは、メインのアイドル達ではなく、アイドル事務所の事務員をやっている七草はづきお姉さん。はづき姉さんのレッスン着姿はナイス。事務員のお姉さんも目当てで見ています。
見た目として可愛いからとりあえずそれだけで及第点ではあるんだけど、内容としてはなんとも言えないというか、印象に残ることが少ないかも。
とりあえず今回からの目立つ要素は、新アイドルが追加されたこと。正直に言うと既存メンバーだって全然覚えていない。そんな中での追加なのでもう誰が誰なのさと頭がパニックやで。
ちょっと良かったのは、新アイドルユニットのメンバー間で異なるアイドル論をぶつけあってややバチっていたこと。このシリーズには足りない女子ズのギスり具合をちょっとだけ感じられるものだった。
自然派で行くのか、客に媚びてぶりっ子を作っていくのか、はたまた素にはない格好良い自分を構築してステージに臨むのかといった具合に、各員がステージでやって行く方針が異なるから、それについて各々が気になって意見を発することもあった。まぁステージ仕事は方針やキャラ付けとかも大事だからね。ここの都合はちょっとリアルで印象的でした。
尖ったアイドルムーブとして目立った展開といえば公開口パクステージをしたこと。仕事で楽曲披露する際、先方に口パクってと依頼があったのを蹴って、パクも歌唱もせずにダンスだけやったアイドルステージを描いた回があった。これは現実でやったら干されるかどうかの危ない会議にかけられるやつ。
その昔、Dragon Ashが「このステージは口パクでお願い」と音楽番組から依頼されたのをやんわり受け入れ拒否し、意外な方法でワンステージやりきったことがあったそうな。そのように我が家のお兄ちゃんから聞いたことがある。口パクであることを敢えてバラしたそのステージは逆にウケが良かったそうな。アイマスアニメの口パク暴露ステージを見てそんなお話を思い出した。
これは1期からも思っていたが、アイドルストーリーとしては熱のこもった盛り上がりがなく、全体的に静かでローテンション。これも1期から継続だが、BGMに静かな曲が多すぎる。なんというか、卒業式か葬式かってなくらい曲も静か。なんでこんな静かなアニメなんだ。もっと元気よく騒いでも良さそうなものだが。
静かな分にはお家で大人しく見るのに向きました。爆裂攻撃や電撃がバンバン出てくる異世界ファンタジーなんかを見ていたらたまに「うるさい!」と周囲から文句を言われることもあるからね。
というわけで静かなるアイドルアニメに乙!
オーイ!とんぼ 第2期
マジでまともな枠で今期の優良株です。こういう貴重な作品は大事にしていくべきだ。
1期の頃はチビだったとんぼちゃんもすっかり成長し、本当に素敵なレディになった。そのことを嬉しく思います。
絵柄に懐かしみがあり、内容も爽やかで清潔感がある。とんぼにみる清潔なヒロイン感が良し。
今回は地元の島を飛び出して修行し、大会にも挑戦してプレイヤーとしての経験値をバンバン上げていく。
怖い顔だけど優しいおじさんのイガイガの手も離れ、新しい場所で更に強くなるとんぼの物語に注目するしかない。
やはり世間を知らない田舎者の少女ということで、とんぼちゃんのゴルフスタイルは型破りだそうな。無茶な打ち方をしたり、人より少ないクラブ数で試合に挑んだりしていた。
ゴルフのことは全然知らないからクラブの数が少ないことでそうもツッコまれるのか~となった。あとは紳士淑女の現場ということで帽子を被ってくるのが一応のマナーらしい。それも知らんかった。とんぼも用意していなかった。
試合シーンを多く描くもので、今回は毎週ピリつく試合の緊張感を味わえた。
ひのき、つぶら、エマらやり手の女子プレイヤーとバトって行く。その中で各員の唸る精神も濃く描写していくのに注目。ここらのライバルキャラも良し。
自由に楽しくプレイするとんぼと違い、他のプレイヤーには色々とあるわけで。特にひのきちゃんがそう。彼女のパパがめっちゃうるさいから殴りたくなる。でもそのパパの想いも軽いものではないから複雑なところだな。
ひのきのパパが勝利者にこだわるのは、かつて貧しい思いをしたから。世間的には敗北者のその立場はそりゃ苦しいものだ。でもいくら貧しくても盗みだけはしなかったことを最後の誇りとしていたあのオヤジにはあまり酷いことは言えないかも。貧しい中にあって道徳を守り自制心を保っていくのも簡単なことではないからね。
そんなパパからのプレッシャーが喧しい中でプレイするひのきちゃんを苦しめたのは、プレイ中盤でやっちまった反則プレイ。意図的ではないが球をちょっと動かしてしまった。それを申告せず最後まで打ったことで強い罪悪感に精神が圧迫されてしまう。これはキツい。でも言い出す勇気を振り絞るのもまたキツいからあんまり悪くは言えない。
以前楽しんだ作品の「ヒカルの碁」でも、反則プレイをしたと自己申告出来ず罪悪感でめっちゃ苦しんだキャラが描かれてた。伊角さんのことね。
それまで真面目にやって来た者だからこそ、一回の反則がどこまでも尾を引いて苦しむことになるのだな。深いプレイヤー心理だぜ。
外国から来た挑戦者のエマさんの物語にも注目。この人、応援したくなる。
日本だとそんなことは絶対にないが、エマさんの地元にはワニが生息している。河の近くで打っていたら、そこから飛び出して来たワニに足をがぶりと行かれてしまう。怖い。そんな経緯があってエマは片足を患ったハンデ持ちのプレイヤー。
外国だとワニともやりあいながら打っていくことになるゴルフとは、なんて攻略の難しいスポーツなんだ。自然を相手に行うスポーツであるとは先に見た「ライジングインパクト」でも伝えていたが、それも風や雨とかだと思っていたから、まさか生物のワニまで攻略対象にしていかねばとは思わないじゃないか。
長期間のプレイとなれば足の古傷が痛みだして集中どころではない。体と時間に制限がある中で戦うハンデ持ちプレイヤーだが、心は健常者以上に強い。エマが強くて魅力的な女性に描かれていたのが良かった。
試合後半になると足が悲鳴を上げてミスショットも出してしまった。ああいうのを見ると涙が出そう。応援したくなります。痛みほど集中の邪魔をする物はないからな。
それを見たつぶらちゃんもエマには負けてほしくないが、自分だって負けたくないと闘士を燃やします。淑女たる者、肩を並べた相手をディスることなく称賛し合う。それも分かるものでした。
ここらを見るに、こいつらめっちゃスポ根しているぜぇ~と私の心も熱くなりました。
ゴルフは紳士淑女の競技である。それ以前に紳士淑女を育てるきっかけとなる場でもある。そんなゴルフは心の格闘技とも言われている。
本編が伝えたこういう清いスポーツ精神は心に残る学びとなった。私はゴルフをやらないが、ゴルフのことが好きになりました。今度お兄ちゃんから「みんゴル」のゲームを借りて遊んでみようかな。
大変面白いし心が熱くなる。とんぼは可愛いし作風には清潔感と教養がある。全体としてクソ要素ゼロの完全に良い作品でした。クソアニメばかり見ていると、その要素ゼロのものがすごくありがたい。とんぼは良いアニメです。
科学×冒険サバイバル!
テーマの一つは科学、二つはそれを盛り込んでのサバイバル。これは良き見世物でした。面白かったっす。
無人島で生き残る知恵、感染病が蔓延した地域での望ましい言動、小さくなって虫視点でスリルある世界を見ていく、ロボが統括するサイバーシティに見る人のあり方、とまぁ考えてみると深くて面白い世界が色々見れました。
人が小さくなって虫に食われそうになるあの危ない展開については博士が悪いと思う。
特に感染病の話は、最近だとコロナのやつのせいで身近に感じるしかないことだったので、嫌でも集中して見ることになった。怖いけど勉強になる。
ロボ技術が発達する程に危険視される人とロボの共存問題。こういうのは多くの作品でネタとして扱われるが、こちらの作品でもその要素があった。人がロボを管理、支配するSF性には面白みもあれば怖さもある。
こういうちょっとした知恵の元になり、未来を考えさせる内容もぶっこむあたり、教育チャンネルNHKの役割を果たす良い番組になったのではなかろうか。私としは楽しめました。
サバイバルをやるアニメだった関係からか、ED曲は懐かしの名曲「survival dAnce」を登場キャラクターがカバーしたものになっている。コレも楽しい歌で好きです。
チ。―地球の運動について―
こぇえよ!なんで地動だ天動だの問答をちょっとしたくらいで爪を剥がれたり殺されたりするんだよ。というわけで思った以上に怖さたっぷりなサイエンスなヒューマンドラマだった。
何が怖いって、思考することは休みなくやっているんだけど、時代柄その範囲が狭いこと。狭い世界しか知らない人間は心にも余裕なく狭い心で動く。それは愚かで恐ろしいことだ。
まず広く「世界」が、そして「地球」がという理屈が知れ渡っていない世界が描かれている。だから地球って何?どうして動いているの?という部分が皆分かっていない。
そうして理屈が分からないものに関しては、それが絡まないもの、または越えてしまったものである神の世界を見て信じる。そう、つまり宗教である。
宗教で世界を見て支配しての心も決して悪いものではない。だがその外にある考え、理屈を異端として廃するその行為は、当然の防御策である一方で思考の放棄だとも取れる。
理屈に立ち向かわずに宗教漬けになるのは心の逃げにも取れる。だから本作で戦う異端者が勇敢なる戦士に見えもするのだ。
地球を暴きたい。そのための衝動を抑えられない学者諸君は漏れなく異端として始末される。なんて時代だ。
そういう時代だったからと割り切ってしまえばそれまでのことだが、そんな学説のことで命を取って奪ってをするまでの騒ぎにするのは今考えれば非常にしょうもない。
だが、そうして続けてしまえば命を奪われる危険なことになるとしても、知りたいという人の欲は留まることを知らない。そこもまた本当の話。
タイトルの「チ」は物語の鍵となる地球の「地」、知りたい者達の知力の暴走から来る「知」、そして危険と隣合わせでもそれを止められない学者の「血」、ここら辺りが当てはまるのかな。私としてはこういった種類の「チ」を感じた。いずれもそれがなきゃ時代が切り開けないものであり、人によっては人生が切り開けないものにもなってくる。つまりそれぞれ大事なこと。
この地球を知りたい者達が過激な宗教から逃げ隠れし、時には刃を向けて戦いもする人間ドラマが面白い。でも怖いけどね。特にノヴァクのおっさん。
ノヴァクさんの仕事場となる拷問執行場でのシーンがとにかく薄暗い。そこに迫る展開では暗い作風となるし、部屋も暗いからアニメを見るこっちも画面の暗さを感じてなんか変な感じ。「いや暗いよ!もっと明るみを!」とツッコむ時間が長くなるものだった。まぁ恐ろしいことをやっちゃっているシーンだからあまりはっきりと映すものでもなかったのかも。
ノヴァクを演じた津田健次郎は良い味を出していた。家庭では優しいパパをやっているが、拷問官のお仕事時には心を殺して拷問に徹する。その不自然なまでに徹底した冷静さが時に狂人めいた言動に見えるのが不思議な魅力となっている人物だった。津田健次郎は本作と近い時間に放送していたクソアニメ「魔王様、リトライ!」の2期にもメインキャラで出ていた。あっちのアニメはダメだったなぁ……。
大きな学説なんてのは一人の人間の一生だけでは解き明かせないこともある。先人の知恵を受け継いだ次の命によって全てが完成することだってある。本作もその形を取っていて、まさかの主人公の退場劇を見ることになった。最初の主人公の彼が残した思いを受けて、後続の学者達が全てを暴く。そういった魂のリレーはまるで大河ロマン。これは大河ドラマでした。
でっかい地球を分かろうっていうなら、ちっこい人間が何人がかりとなって取り組まねば。それが分かるものでした。
サイエンスとヒューマンドラマの合わせ技ということで、お利口な教育チャンネルのNHKでやるにはテーマ性とマッチしたものだった。ちょっと心配なのが拷問官の怖いシーンがあることね。
本作はコアな漫画オタクから定評があるとアニメ化の前からも騒がれていた。私もタイトルだけは知っていた。だがアニオタに敬遠されがちなインテリ要素たる学説がテーマとなったヒューマンドラマは、実際に流したら受けるのかと心配に思っていた。まぁ私が心配したところでなに?な話ではあるが。そんなことを思いながらも私は楽しいものとして見ることが出来ました。これは良いです。熱のこもった人の生き方を描くものとして好きです。
まだ後半戦を残した2クールものだとのことなので、この先も心を熱くして見ていこう。地球は今日も回っている。
君は冥土様。
これはまたダメなメイド萌えラブコメになったな。先発のメイドアニメの「まほろまてぃっく」「アキバ冥途戦争」らがいかに優秀だったかがよく分かりますなぁ。
内容はコッテコテに古典的なもの。都合よく一人住まいの男子の家にメイドさんが上がり込んで同居してラブドキな青春が開幕するというもうしっかり擦ったオールドなネタ。
この設定だけが分かった段階で、こんな新時代になってもそんな前時代的な設定で会議に通るんだ~とめっちゃ冷めたことを思った。アニメ、ラブコメ、メイド、全部好きな私だが、いつだって頭の冷静さが死なないので、楽しそうと思いながらもそうしてクソ寒いことを考えてしまった。それに気づいたことで、己の純粋さは死んだのかとなりちょっと傷つきました。そんなお年頃。
メイドヒロインの雪さんを演じたのは私が贔屓にしているうえしゃまこと上田麗奈。うえしゃまのメイド役は良きです。うえしゃまは今期だと「アオのハコ」の千夏ちゃんに続いて二つ目の主人公んち押しかけ同居系ヒロイン役ですね。同クールに要素被りがダブルで来るなんてアニバーサリーな24年秋枠。
この雪さんがなんというか、そりゃブスではないが萌えない。そんなに可愛くない。なんか変な髪型をしていたな。男子よりも身長が高いお姉さんなのは格好良くてイカすけどね。
雪さんの特性がソースを直飲みしちゃうくらい愛していること、終盤だと泣き虫になることという長く擦るには微妙なものだったのが思い出。終盤のすぐ泣くやつは早く止めさせた方が良い。
元殺し屋でめっちゃ強いメイドというのが既にどこかで聞いたやつなのも気になる。
ヒロインが微妙な所でこちらは決定打となったのが主人公のキャラ性。彼の方はダメだな。
真面目で悪い子ではないのだが、思考パターンが間抜けでお前なにやってんねんなことが結構ある。パパにビビってハキハキ話せないアレは焦れたな~。早く言え!
最後のラブの一人相撲も可哀想なんだけど、彼の間抜けさのせいでもあるようで心がゾワる。なんか雪さんにふられたみたいになって一人で泣いている。そこはちゃんと決めろよ。で、そんな恋のバッドエンドでなんか急に終わったし。
主人公くんは髪型も変だし、ゲジマユなのもなぁ~。懐かしみがある形の眉毛だが、こういうアニメの主人公であのゲジゲジ感は違ったかも。すぐに剃れ。
他のキャラも面白くなく終始間延び感があったなぁ。メインの男女がグズグズしてラブコメ展開が起きない所をスムーズにする潤滑油の役目として妹ちゃんがいたんだけど、この妹ちゃんは可愛いけどちょっとウザいな。妹大好きな私にしては珍しくそんなことを思ってしまった。まぁトータルで可愛いからアリだけどね。
2期は別になくてもいいかな。
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