私を産んだことでたっぷりどっぷり一仕事を終えた母。だがそれ以前にも同じ内容の仕事をしていた。それが先に生まれた兄弟の出産。この私が腹から出てきた最初の子ではなく、実はその前がいたのだ。私がそれを自覚したのは、腹から出て来て一体どれくらい経ってのことだったのだろう。今となっては本人も周りも誰も覚えていない。ていうかどうでもいいっす。
で、私の上にいるお兄ちゃんなのだが、結構仲が良いんだなコレが。良い分には良いことだよね。
拳の使用については、割と早期段階で禁を解きがちな私にしては珍しく、彼に対して「よし、殴ろう!」と思ったことが特にない。これといって嫌悪感や反発する魂を持つことなく上手く付き合っています。ていうかこっちがやりたい放題しているのを向こうもやりたいままに全部看過している状態ね。別に無関心とか諸々を諦めているといった冷めきった関係ではない。
私の同級生の中には「兄弟なんてマジに嫌」「洗濯機や風呂を共にするのも嫌だし一緒に飯も食いたくない」「究極を言えば視界に入れるのも嫌だからもうさっさと地球から出ていって欲しい」くらいに無茶苦茶を言って嫌っている者もいた。そこまでの嫌悪感がどうやって育つねん?と笑って聞いていたのが学生時代のちょっとした思い出。
そのお兄ちゃんとの昨今の関係性にちょっと新しいものを見るようになった。それまで通常運転だった日々の中にちょっとでも新しい変化があれば敏感に気づく私という人間がそれを見逃すはずがない。といういちいち手前味噌を言う喋りがウザいと言われることが少なくない割合であるが、あるからといって特に喋りを改める心は持たない。そんな私は真の気ままにゴーイングマイウェイ人間。
お兄ちゃんだってだらだらと人生街道を徘徊しているわけではない。希望に向かって前進しているわけだ。その過程でまずは女を見つけます。そいつと契を結んで夫婦となります。そこからもうワンステップ上げてボディとボディとで聖なる密約を交わします。その結果生まれのが子供です。今そこらへんを歩いているガキからジジイまで、皆がこの過程を経て今日を迎えているのです。無論この私もそうです。
こんな感じで物事を説明する口調が宗教的かつ胡散臭いとツッコミを受けることもそんなに少なくない今日このごろです。
で、お兄ちゃんにも赤ちゃんがいるわけ。それが大きくなるに連れて育児教育に役立つアイテムが、諸々の教養あるビデオです。我々も幼い頃には親から何でも名作を与えられては真空管なりブラウン管にしゃぶりつく毎日を送ったものだ。その日々の思い出こそまさにプライスレス。
そんなこんなあってお兄ちゃんから子供向けのあれこれの映像資料提供を頼まれる。オタクのコレクションがガキの教育に役立つようになるとはな。これも良き運命の歯車の噛み合わせってやつ。つうわけで提供は惜しまない方向で行こう。
まぁいつまでも倉庫にあるだけでもう見ないしね。最近は接続の面倒さゆえプレーヤーをわざわざ起動させて見ることもない。もうネットサービスで何でも見れるからそっち見ている。
VHSテープ、DVDなどのディスクタイプ、どれを取っても再生までの過程がメンドイ。こうして人類は文明に溺れてサボり癖マックスになっていくのだろうな。進み出した文明はもう後戻りできないのである。
で、倉庫から取り出すのは、戦隊モノに仮面ライダー、ガンダムにしんちゃん、その他マジで何でも。
いや~しかしこうして振り返ればどんだけ見てんだ私?これはお兄ちゃんにも同じことをツッコまれた。古今東西のメジャーどころはもちろん、誰も知らないようなマイナー作品までなんでもあるものだ。
今から全ての労働をシャットダウンして向こう5年、10年ニートになってもこれでずっと暇なく楽しめそう。あっ、でも教養のコンテンツでもあるから、そんなものを見てしまえばニートの条件の一つ ノット・イン・エデュケーションをクリア出来ていないのかも。教育を受けたその瞬間、ニートはニートとして失格なのよ(特撮史に残る有名な弁護士風な口調で言ってみる)。
というアホいことも一人想像する私。もうニートになりてぇよ。なっても暇をしない自信しかない。
ここでお兄ちゃんの態度に変化があったんだよな。あくまで子供が主役で楽しむビデオなんだけど、傍で一緒に見ている大人としてもハマるものがあるそうな。
改めて見ると、特撮やアニメも面白いと気づいたそうです。今では子供が見ているライダービデオのとある回の前後の話がどうなってんの?と私に聞いてくることも。
コレ、結構嬉しいっす。まず親戚のガキに昭和や平成のオールドな作品がめっちゃ受けていることが嬉しいし、その保護者も巻き込んでいる。これは作品を勧めたこちら側としても嬉しい。この感じがあるから、私の親も私にジャンジャンと勧めてきたのかな。親が勧めてきたものはスポンジのごとく何でもハマって吸収して来て今があるからな。
このガンダムの設定は?このライダーの能力は?しんちゃんに出てくるこのキャラの声優って他になんのアニメに出ていたっけ?このアニソン結構良くない?などなど、もうこっちの専門分野のことをかなり多く聞いてくるのだ。まさか兄弟がそうなるとは思わないじゃないか。
まぁ知っていることは何でも知っている羽川さんばりの生き字引をやっている私に問えばだいたいのことは答えが出てくるわけよ。お兄ちゃんもそれを聞いて満足そう。その回答率の高さ、あとは速さから何年も前の作品なのによく覚えているな~と褒められるような呆れられるようなコメントもあり。
そんだけ覚えているのに昔の同級生や先生のことは何も覚えていないんだよなとも言われた。まぁ記憶に残したいものにも優先順位があるからね。
最近は彼も少しばかり時間的に楽が出来るようになったので、今からガンダムを見るならどれから?とかライダーもどれから?と聞いてくるようになった。
やっぱりウチの血にはマニア魂が宿っているんだろうな。親だってとある分野にハマればとことん行くからな。そういう家系にありながらも不思議とお兄ちゃんはそういうのにあまりハマっていなかった。
これは良い変化なのだと思います。日本文化の誇れるところだからね。最近だとゲームでもなんか面白いのない?と聞いてくることも。まぁ遊ぶならレトロゲームオンリーの私の知識では、新しいところでもPSPまでしか紹介出来ないんだけどね。
なんかこれまでいっぱいオタク的作品をあさっていて良かったなぁ。個人で楽しんで幸福度が高まるならそれだけで儲けものだが、知っていることで上の世代、下の世代含めた無知な連中にもそれを勧めることが出来るならもうひとつプラスして良きことだ。
こんな感じなので今日もこの国は平和だな~と思う。やっぱり日本のオタク的コンテンツは良いんだわ。
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