「スペース☆ダンディ」は2014年に放送された全26話のテレビアニメである。
13話ごとに分割2クールで放送され1~3月に第1シーズン、7月~9月にかけて第2シーズンが放送された。
日本を飛び出て海外でも同時配信されたかなりグローバルな作品となった。ド派手でハチャメチャな本作のテンションは世界の広い地域のアニメファンにも受けたことであろう。
本作は世界的に有名なあの名作「カウボーイビバップ」を手掛けたスタッフが再集結して制作された力の入った一作である。
宇宙を股にかけるバカな宇宙人ハンターのダンディ、特に役に立たないボンクラ猫型宇宙人のミャウ、ポンコツな旧式掃除ロボットのQTの三人まとめて通称BBP(バカ・ボンクラ・ポンコツ)のドタバタ珍道中を描く。
まとめ役無しのバランスのとれていないメイン三人の緩い掛け合いが面白い。
頭緩い感じのハニー、逆にお堅い感じのスカーレットの二人のヒロインも魅力的である。
ダンディの言動がとにかくテキトーで愉快。女は胸でなく尻派と豪語しているが巨乳ウェイトレスだらけのレストラン「ブービーズ」に入り浸っては鼻を伸ばしている。元カノがとりあえずメスらしいけど、どこからどう見てタダの四角い箱にしか見えない四次元人であるなど結局のところ女性の趣味が謎。そして銃の腕がゴミで全然当たらない。このダンディのキャラ設定が最高に好きである。
イケメンやクールボーイや好青年などを演じるイメージの強いイケボの諏訪部順一が、スカジャンを羽織るおバカなリーゼント男であるダンディというイメージに無い役を演じた。しかしコレが意外にもはまっていた。
ダンディ一行にはまだ未登録の宇宙人を捕まえて登録センターに持ち込んで賞金を稼ぐという一応の旅の目的があるが、その仕事っぷりはポンコツ過ぎて全然お金が入らない。これについては登録センターの受付嬢のスカーレットに向いてないから転職すればとまで言われている。
本作は基本的に一話完結のストーリー構成である。宇宙人ハンティングをするというとりあえずの筋を置きつつも毎度非常にバカバカしい話が続く。たま~に考えさせられる深い話やちょっぴりホッコリする話もある。
毎話で異なる脚本、演出、音楽が特徴的となったバラエティに富んだ作品であった。とにかく多くのスタッフが関わっている規模のでかい作品となった。
ほとんどの回が宇宙を舞台にした緩いコメディものなのだが、内容の緩さに反して作画がかなり気合が入っている。アクションシーンなどはヌルヌル動いて完成度が高い物となっている。第1話だけ見てもそこら辺のことは確認できる。制作を担当したボンズはスピード感あるアクション制作に強い。
色使いが鮮やかな作品で毎話画面が実にビビットなものとなっている。アニメ「鉄腕アトム」の時代から考えると2014年でここまでのことが出来るようになったのかと感慨に耽ってしまう。
レギュラーのBBPの三人に加えて毎回登場するゲストキャラには豪華なゲスト声優が声を当てるのがお楽しみ要素となった。ゲスト声優陣が無駄に豪華だった。
個人的には3話で登場した竹達彩奈が演じるマミタスが可愛かったこと、8話で登場した小山力也演じる蚤(のみ)の宇宙人がダンディのリーゼントの中で断末魔の声と共に絶命するシーンが笑えたことが印象的。あと、6話でチョッキ派とパンツ派の2つの派閥に分かれて宇宙人同士でマジバトルするバカみたいな話が面白かった。
20話で神谷浩史演じるジョニーとダンディ一行が組んでバンドをする回も面白かった。
ミャウの実家に帰る10話は、日めくりカレンダーがめくれなくなって同じ一日を何度も繰り返すという「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンドレスエイトの悪夢を彷彿とさせるストーリーであった。
作中の音楽作りに多くのアーティストが関わったこの作品だが、音楽において一番評価したいのはやはり岡村靖幸の歌うOP曲「ビバナミダ」についてである。曲中に聞こえるテケテケ言っているお耳に心地よいデジタル音、そしてそれと相性抜群の岡村靖幸のネットリボーカルがこれでもかと言う程の中毒性を引き出す。この曲はハマる。岡村靖幸の一聴しただけでは何を言っているか分からないあのネットリとした歌い方がとにかく好き。
岡村靖幸とスペダンでコラボしたミュージックビデオもナイスな出来であった。
最後にスペースダンディとは宇宙のダンディであると言ってこう。
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