こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

美しき悪魔「デビルマンレディー」

デビルマンレディー」は1998年10月~1999年5月まで放送した全26話のテレビアニメ。

 

デビルマン」は漫画もアニメもチェックしたけど、レディーの方は存在を知っているだけで中身に触れたことがなかった。ただ、何か知らんけどデビルマンレディーの大きめのフィギュアが我が家にあった。

 

デビルマンレディー」も「デビルマン」と同じく漫画版とアニメ版で中身が全然違っているらしい。とりあえず、今回視聴したアニメ版のデビルマンレディーは大変面白かった。漫画の方も死ぬまでにはチェックしようと思う。永井豪の漫画はいつだって面白い。

 

 それなりに古い作品なので作画が怪しい回があったりもしたが、一貫して主人公の不動ジュンは美しかった。放送した時期がそうだっただけに、作品も何やら世紀末感漂う異様な雰囲気となっていた。かなり大人向けアニメだった。

 

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内容

 ある日、一流モデルの不動ジュンは、謎の女アスカ蘭に誘われて暗い倉庫に立ち寄る。そこにはビーストという人から化物になった男がいて、ジュンはビーストに襲われる。人の心を失ったビーストに襲われる中、ジュンの中にも宿るビーストの力が覚醒し、ジュンはデビルマンに変身する。人の心とビーストの体を持つ間の存在として、アスカの管理の下、ジュンはビーストハンターとして平和のために戦う。

 

感想

 予想以上に面白い名作だった。

 

  荘厳で不気味な感じもするOP映像から始まり、物語はずっとシリアスで暗い。常に暗雲立ち込める感じだった。昨今ではあまり見ないバイオレンス、グロ、ハード目なユリなどのアダルティな要素が詰まっていた。

 全話のサブタイトルが漢字一文字なのもスマートで良かった。

 

 デビルマンの主要人物である不動明が不動ジュンに、飛鳥了がアスカ蘭にと、男女が逆転したバージョンのデビルマンになっていた。話が進む中で二人が敵同士か味方同士か分からなくなりながらも、最後には二人が対峙して聖戦を繰り広げる。この展開はデビルマンと一緒だった。 

 

 なんと言ってもメインのジュンとアスカが美しくて良きヒロインだった。

 ジュンはスタートから最終回まで一貫して憂いを帯びた美女として描かれている。元々体が弱く、明るい子でなかったけど一皮剥くために思い切ってモデルになった過去を明かし、その上デビルマンとなって社会の裏で化物退治をするはめになるのでますます屈託ある美女になってしまう。ジュンからから漂う憂いや疲れが色っぽさに繋がっていた。

 人の心を失うことを恐れる一方で、性を貪ることや化物を惨殺することで得られる危ない快楽衝動がジュンの中で育ち、それにまた悩む日々を送っている。美しいヒロインジュンが悩み苦しむ描写がしっかりなされいる点は良かった。ギリギリの精神状態でもなお、カメラを向けられればしっかり表情を作るプロモデルの矜持を見せた。そこら辺の読モはジュンを見習った方が良い。暗いけど好きになるヒロインだった。

 

 人間模様も面白かった。ジュンがとにかくモテる魔性の一面を持ち、彼女の周りの人たちは次々と魅了されていく。アスカと同じ組織の前田、ジュンのマネージャーの湯浅、デビルマンの能力を持つジェイソン・ベイツら男連中のみならず、高校時代からの同級生女子やモデル仲間、同居している滝浦和美などの同性からも愛されている。特にジュンと和美との性を越えた強い結びつきは尊かった。ユリ好きなもので、ジュンとアスカ、ジュンと和美のカップリングにはドキドキしてしまった。

 

 変身してデビルマンになってもなおジュンは美しい。変身すると服が破けるのは不動明デビルマンとも一緒。初めて変身した時にはおっぱいがもろ出ているのを手で隠す仕草を見せる。恥じている様を見せるのにちょっと萌えだった。学習してたまには先に服を脱いで変身する回もあった。ギガイフェクトという巨大化能力を持ち、デビルマンが巨人になって戦うのが印象的だった。

 

 怪しげな魅力のアスカも最後まで何を考えているのか読めない謎の美女で好きだった。反発しあうようで、惹かれ合ってもいるジュンとアスカの危ない関係性が良かった。

 アスカは好きだけど、かなりエゴイスティックな性格でやばい女でもあった。そして最後あたりには実は男で、女でもあり男でもあるみたいなことが分かった。結局どっちなのよとなるあたりは飛鳥了と同じだった。

 

 最後まで見て思うのがジュンが報われなくて可哀想なこと。

 デビルマンとなったジュンは、アスカの命令で自衛隊の兵器として化物退治を行うことになる。組織は「ビースト退治は国家を越えた人類の義務」みたいなことを言ってジュンを無理に働かせ、後半では人類にとって強大すぎる力だという恐れから自衛隊はジュンを始末しようとする。これまではいいように化物退治に使っておきながら都合が悪くなったら始末する。まるでえげつないリストラみたいで酷い。人間って勝手で汚いといとも言ってる作品だと思う。

 人が進化した姿がデビルマンで、そんなデビルマンを化物と言う一方で自分達はもっと汚いことだってやってのける。人と化物の境目はどこで、人って何だと自問してしまうような内容なのはデビルマンと同じだった。

 

 後半には「デビルマン」の主人公の不動明と似ている猛という青年が登場する。皆大好き胸に「A」の字の入ったあのシャツを着ていた。 

 

 ゲスト声優が結構豪華だった。エンディングを田村ゆかりが歌っているが印象的。20年以上前の世紀末の頃から歌っていたのだなと思った。

 

 同じ年にスタートしたアニメ「カードキャプターさくら」の知世ちゃんと不動ジュンを同じ人が演じているとはとても思えない。岩男潤子の演じ分けもなかなかだと思えた。それにしても、CCさくらと比べると暗すぎるアニメだったな。

 

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