こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

スーパーな仕上がりが魅力的「美少女戦士セーラームーンS」

美少女戦士セーラームーンS」は、1994年3月から1995年2月まで放送した全38話のテレビアニメ。タイトル読みはセーラームーンスーパーである。

 

 ミラクルロマンス第三幕ということで、色々と装いも新たにスーパーな内容となった。

 

美少女戦士セーラームーンS

 

 今回シリーズで展開するのは「デス・バスターズ編」。

 別次元からやってきた謎の軍団デス・バスターズは、人の持つピュアな心を狙ってセーラー戦士と敵対する。ピュアな心を持つ者の体内から取り出した結晶の中には、三種の神器に変わるタリスマンと呼ばれる物がある。

 

 大きな見所となるポイントは、それまでの5人のセーラー戦士に追加してセーラーネプチューンセーラーウラヌスが登場すること。この二人も最初は敵か味方か分からない謎の第三勢力としてタリスマン奪取のために活動している。ここに遅れて「R」でもちょっとだけ登場したプゥことセーラープルートが再登場し、ちびうさも変身能力を得たセーラーちびムーンとして再び20世紀の日本にやって来る。そして後半には破滅の戦士セーラーサターンの存在も明らかになる。

 後半からは聖杯の力を得てセーラームーンがスーパーセーラームーンにパワーアップするのも熱い展開だった。コスチュームもスーパーなものにチェンジして可愛かった。 

 こんな感じで見所はたっぷりである。

 

 

 話のとっかかりは、セーラー戦士である前に霊能者であるレイちゃんが見た不吉な夢の内容にある。世界が破滅に向かうという謎の夢を見て、それが徐々に予知夢へと向かっていく。ここで改めて、そういえばレイちゃんはプロの巫女さんだったのだと実感する。 

 

「S」からはセーラー戦士5人も進級して中学3年生、イコールして受験生になっている。全編通して5人で集まって受験勉強するシーンがちらほら見られる。

 うさぎちゃんの成績がクソほど悪いので、コイツよく進級できたなと思った。それとも三年間は成績の是非を問わずエスカレーター式で、それ以降の四年目は容赦なく留年というタイプの学校だったのかな。ちなみに私の学校がそれだった。

 

 シリーズを追うごとにコミカル展開が増え、セーラー戦士5人も仲良く5人のお笑い戦士みたく見えることもある。そして敵のデス・バスターズの方もなかなかのお笑い要素をぶっ込んでくる。

 

 敵怪人もデザインから性格までコミカルなやつがいたりした。今回の敵怪人はダイモーンと呼ばれる科学が産んだ化け物たち。といっても、無印時代のセーラームーンと比べるとスタイルと良く、中にはちょっとエッチな敵もいた。デス・バスターズが所有する謎の電子レンジ(的なマシーン)に何かしらの日用品とぶっ込んでチンすると、その品をモチーフにしたユニークな怪人が生まれる。タイヤ、靴、バイオリンなどをモチーフにした怪人はユニークだった。敵怪人の生成法がいつぞやのスーパー戦隊シリーズのそれみたいだし、ユニークなデザインの者を見れば「秘密戦隊ゴレンジャー」の仮面怪人を思いだした。

 

 中盤から再登場するちびうさも今回はセーラーちびムーンに変身し、未来の月にかわって悪者達におしおきしてくれる。ちびうさが前作よりもっと可愛くて好きになる。ちびムーンのピンク色コスチュームが華やかで可愛い。相変わらずうさぎちゃんと喧しく小競り合いする画にはもはや安らぎを覚える。

 

 ちびうさが未来からやってきた時、クイーン・セレニティからの手紙をうさぎちゃんに託す。セレニティもうさぎちゃんと一緒でバカだから手紙の字を間違っていたり、ひらがなだらけだったりしたのが面白かった。追伸でやっぱり若い内には勉強をしておいた方が良いとうさぎに告げているのも笑えた。

 

 ちびうさのロットからハートのビームが出る技がある。まだ見習い戦士でパワー不足ということもあり、ビーム発射まで随分時間がかかる。そして射程がすごく短いというコミカル要素があったのが良かった。セーラームーンの技のように敵を浄化することは出来ないが、地味に敵を痛がらせてちょっとだけ弱らせることが可能になっていた。

 ちなみに、今回のセーラームーンが敵を浄化させる必殺技「ムーン・スパイラル・ハート・アタック」の発射までのアクションが面白い。アクションが多く、くるくる回ってから発射する過程が面白い。

 

 そこへ来て作品雰囲気をきっりし締めてくれるのが、セーラーネプチューンこと海王みちるセーラーウラヌスこと天王はるかの二人である。この二人がとにかく美しい名物キャラとなった。うさぎちゃん達よりも一つ年上の高校生の割には随分落ち着いている。 

 ユリに造詣の深い私としてはやはりみちる×はるかカップルの存在は無視して通れない。この二人が醸すカップルを越えての夫婦感には、美しい、良いものを見たという感想しか出てこない。序盤での敵か味方かよく分からないという謎要素もキャラ性を際立たせるものだった。 

 

 私はまこちゃんこと木野まこと推しだが、海王みちるの持つ優雅さと気品、そして上品なエロスが黄金比となった魅力にはさすがにやられた。ここで新たにみちる推しにもなったかもしれない。勝生真沙子の声もめちゃめちゃ良かった。

 

 女子でもクラッといっちゃう男前な魅力を持つ天王はるかも美しいヒロインだった。運動神経抜群の天才レーサーというキャラ設定がある。高校生だけど大きめのバイクに乗り、車も運転している。バイクは何とか免許が取れるらしいが、車はまだ駄目だろうとツッコミを入れてしまう。まこちゃんにもそこはツッコミを入れられているシーンがあった。

 最初には美奈子ちゃんとうさぎちゃんがはるかを男と勘違いしてクラッといってしまい、次いで女だと知った後にも憧れの女性像を持っているからということでまこちゃんがクラッといってしまう。女をも惚れさす真の女ということで個性を発揮した名物ヒロインだった。あのウジウジしまくりの碇シンジ少年と同じ女優(緒方恵美)が声をあてているとは思えない華やかさがあった。

 

 まこちゃんがはるかにときめく回では、まこちゃんが己の女子の部分を見つめてうさぎちゃんに語るシーンがあった。自分が料理を学ぶのは、デカくて女らしくない自分が少しでも女らしく見えるための努力であると語るまこちゃんには萌えた。この繊細さこそ女子たる感覚。やはりまこちゃんが推しだなと思える萌えなワンシーンだった。

 

 ここに遅れて登場するプルート、または冥王せつなも好きだった。一番大人のお姉さんって感じの落ち着きがあるのが良い。プルートのセーラー服が袖なしなのもポイント。「プゥ」と言って甘えてくるちびうさとの絡みも尊い

 

 そんなちびうさと友人関係にありながらも実はラスボスだった土萠ほたる、またはセーラーサターンもすごかった。まじ可愛かった。皆口裕子のお耳がとろける気持ち良いボイスも素晴らしすぎる。「可憐」という言葉がぴったりはまる美しきヒロイン性と病弱設定も萌えるものがあった。

 

 既存の5人戦士、外部太陽系戦士達3人、ちびムーン、そして最後にはサターンの合わせて10人のヒロインが登場するので、どこを見ても目の保養となる。さすがタイトルに「美少女戦士」を冠する作品だけにブスが全くいない美しい世界が広がっていた。

 スーパー戦隊とかの特撮好き的視点から言っても「なんかいっぱい戦士が集まっている」という状況にただわくわくした。

 

 デス・バスターズの面々にもコミカルで愛らしいキャラクターがいた。

 まずは仕事とプライベートでテンションのオンオフが激しい土萠教授の存在がそうでだった。いつもテンションが高くて笑いがうるさい。彼の下につく幹部達で構成された「ウィッチャーズ5」に電話発注をかける時には、間違えて中華料理屋にかけて恥ずかしい思いをしたこともあった。時折くすりと笑える小ボケをところどころに仕掛けてくるのがセーラームーンの良いところだった。デス・バスターズの作戦指揮を取っている敵の彼がまさか土萠ほたるの父親だとは思わなかった。ここは意外な繋がりだった。

 

 今回は敵幹部に萌えな美女が多い。教授の美人秘書的ポジションのカオリナイトがかなりエッチだった。仕事の出来る勝ち組のバブル女という見た目でかなりセクシー。好きな悪のヒロインだった。

 

 カオリナイトが消えた後にやって来るウィッチーズ5のユージアルもなかなか良かった。デス・バスターズは、パソコンなどの情報技術を使ってタリスマンの位置を特定する科学系集団である。というわけでいわゆるリケジョ的な女がいる。ウィッチーズ5の面々は普段は白衣、戦闘時には別の結構セクシーな衣装になるのが良い。ユージアルの白衣姿と戦闘での露出度多めのコスチュームの両方に萌える。お嬢様などの高慢な女の芝居に定評がある川村万梨阿が愉快に演じていた。声も良い。

 リケジョというインテリな一面も見られるユージアルだが、現場にやってくる時には進んだ科学系集団の感じはゼロの地味なワゴン車でやって来るのが印象的。しかも、ものすごく荒い運転で駆けつけかるら面白い。人の家の壁までぶち抜いてやって来る荒いドライバーだった。

 

 そのユージアルを出し抜いて上がってきた次なるウィッチーズ5のメンバーがミメット。かないみかの声がとっても合うキャピキャピギャル系のヒロインだった。カオリナイトやユージアルと比べるとガキだが、色っぽさもちゃんとあって可愛い。

 こいつが仕事にかなりの邪念を持ち込む曲者で大分面白かった。デス・バスターズも一つの会社のようになっていて、ちゃんと仕事すれば出世出来るシステムになっている。ミメットはイケメン男性アイドル好きで、自身もアイドルオーディションを受けに行くくらいのミーハー女である。ミーハーだから、人間のピュアな心を探す際には基本的にイケメンしか襲わない。土萠教授からは公私混同する者は社会出世出来ないという真面目な注意を受けている。その展開も面白かった。

 かなり面白いキャラクターだが、先輩のユージアルのロッカーにカタツムリを仕込むという陰湿極まりない嫌がらせ行為を行う闇の一面も持っている。というか、ここに限らずウィッチーズ5は皆仲が悪い。

 

 ウィッチーズ5だから悪の美女幹部が5人(二人で一つの双子がいたから実質6人)いたのだが、出てくるテンポがおかしい。ユージアル、ミメット以降のメンバーはケツの方の回で詰めてポンポン出てきて1、2話で退場となっていた。可愛いのがいたのだけど、すぐ消えるから他のメンバーの名前を覚える暇がなかった。最初の二人が頑張りすぎて残りメンバーの出番が減ったのは残念である。

 

 終盤では世界の破滅を防ぐ聖戦が展開する。

 うさぎやちびうさは友達のほたると戦いたくないと言うが、破滅の戦士が内に巣食うほたるを殺さないと地球の未来はないと言って外部太陽系戦士達はうさぎを責める。うさぎ達セーラー戦士が葛藤の中で活路を見出すシリアスパートが後半に待っている。

 あんなに可憐で可愛いセーラーサターンの使用武器が薙刀という一番殺人向けなものだったのは、際立ったミスマッチ感を呼ぶ印象深い要素だった。

 

 土萠ほたるは、一連の騒動の果に転生し、赤ちゃんとして再びこの地に降臨する。後半はラスボスともなった土萠ほたるちびうさの幼い友情が育つ展開が尊かった。

 

 そんなわけで、スーパーな仕上がりとなったシリーズ第3作目も楽しく視聴した。ヒロインのセーラー戦士が追加し、既存のヒロインも個々のエピソードを掘り下げて更に魅力的に表現していた点が良かった。

 次作もゆっくり視聴しようと思う。

 

 

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この世の神秘を知るひと夏「海獣の子供」

海獣の子供」は、2019年6月7日に公開したアニメ映画である。

 

海獣の子供 (1) (IKKI COMIX)

 

 

内容(とっても簡単に)

 

 喧嘩騒ぎでハンドボール部の夏休み練習出禁を食らった主人公少女 琉花(るか)は、水族館で謎の少年 海に出会う。海の兄である空とも知り合いになった琉花は、彼らと関わりあうことで海の神秘に始まり、果にはこの世全ての神秘にも触れる。不思議なひと夏の経験を終えた琉花は、最後には元いた日常に戻って行く。

 

 

感想

 

 キャラクター画が独特で漫画チックだった。時折目が死んだようになるキャラクターの表情がちょっと怖くてドキリとした。

 

 物語のとっかかりとなる事件が琉花の部活での喧嘩騒動である。真面目に頑張って好プレイを見せる琉花のことを「チビのくせに生意気」と思った長身のチームメイトが、故意に足を引っ掛けて琉花を転倒させる。もう少し大人しい子なのかと思った琉花が意外にも強気にやり返しに出る。琉花の方でもプレイ中のチームメイトを攻撃して怪我をさせる。これによって琉花は顧問に説経される。お返しにしてもやり過ぎたので謝らないと部活に復帰させないということになるが、自分は悪くないからということで琉花は謝らない。

 

 この冒頭シーンがなんだかんだで一番印象的だったかもしれない。確かに仕掛けた側が事件の元凶だから一番注意しないといけないのだが、琉花の相手へのリターンもデカすぎて危険なものだった。復讐の一個の定義として「目には目を歯には歯を」というものがある。目をやられたらあくまでも目にやり返すのだ。きっちり均等なリターンとなるのがミソ。

 暴力によるお返しを、例の有名なセリフ「倍返しだ!」のように過剰なものにすると、やり返した方がもっとお叱りを受けることになる。 これは私にも経験がある。同級生に小石を投げられたので、お返しに頬にグーパンを食らわして口内を出血させたら先生にめちゃくちゃ怒られた。「小石 < グーパン」となるから小石には対等なリターンである小石で返すくらいが丁度良いのである。

 

 序盤の何でもないシーンのようだが、喧嘩で力加減を覚えるという子供社会あるあるが映されていたと思う。「向こうが悪い」「自分は悪くない」と言って謝らない琉花を見れば、あの日のガキの頃の気持ちに戻って共感するものがあった。先に仕掛けたの向こうよりもこちらがたくさんお叱りを受けるのは理不尽かもしれないが、こういうこともあるから「まぁ仕方ない」と思うしかない。

 

 部活の活動停止を受けての琉花の言葉が「夏が終わってしまった」なのがなんだか切ない。そして琉花がたどり着くのが水族館。ここで終わってしまったと思っていた夏第二章が始まる。謎の少年海くんの登場である。

 

 海のキャラ設定が一気にファンタジーなもので、幼い頃にはジュゴンに育てられ、共に海で暮らしていたという。とんでもない過去を持っている。そんなわけで体質がそっちに慣れてしまい、彼は水の中で生きている。皮膚の乾きを避けるため、定期的に肌を濡らさないといけない。海が学校の水洗い場で横になって水浴びしているシーンはシュールでちょっと笑えた。

 

 ここに同じ体質の少年空くんも加わることになる。ひと夏の間、三人はつるんで遊ぶことになる。

 

 巷では海岸に深海魚が打ち上げられる怪事件が起き、あとは隕石がどうのこうのという話題も持ち上がる。レアものとされるメガマウスの仲間が浜に上がり、リュウグウノツカイもバンバン上がってくる。リュウグウノツカイは高値で売れると聞くので拾って売りたいと思った。

 

 皆でエビを料理して食うシーンは美味そうだった。

 

 口移しで隕石を琉花に飲ませると消えてしまう空が描かれる中盤から終わりまでの流れは色々ととんでも展開で、はっきり言うと「よくわからない」の感想になる。

 

 登場人物たちが意味深なよく分からないことをベラベラと喋る。とりあえず海や宇宙の神秘について語っているようだ。

 海や宇宙のことを色々調べたところで人類が知っている世界はまだまだ狭い。そう告げることで世界の広さを示していたのは印象的だった。

 途中で登場する肌が黒くて歯が少ない婆さんが不気味だった。

 

 琉花がクジラに飲みこまれた後には、体内の隕石が反応してか、ものすごく不思議なニーュタイプ的世界を見る。これが不思議でよく分からない。クジラに飲み込まれるヤツとかピノキオ以来だな。

 

 とにかくクジラが泳ぐ姿などの海のシーンはすごい迫力で描かれていた。これは職人の大変な仕事だったと思う。後半の幻想的な世界もとても綺麗に描かれていた。令和のアニメならここまで来るのかというすごさを見せつけられた感じがある。シナリオ的に万人に受けるものではないだろうが、これらの美麗な作画は一見の価値があると思う。ただただ美しいと思えた。

 

 世界の神秘を知るかのような精神世界に入った後、琉花は部活で怪我させたチームメイトに遭遇する。このシーンを見ることで琉花がも元いた日常に帰っていくのだと分かる安心のエンドだった。

 

 中盤からは難しくて良く分からなかったが、とりあえず海や宇宙は広大にして偉大な神秘あふれるスゴイものだと言ってるのではないだろうか。そんな世界を見た琉花がまた日常に帰っていくのを見ると、普段気づかないだけで琉花が見たスゴイ世界も私達人間の生活に当たり前に付随しているものだと分かる。

 こんな感じで個人的な考察をしたところで、色々考えさせられる不思議な作品「海獣の子供」の感想を終えることにする。

 

 最後に、琉花のお母さんが若くてちょっとエッチな感じで良かった。

 

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フェチの境地「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい2」

「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい2」は、2019年12月31日に発売されたOVA作品。好評につきシリーズ化された第二作目である。

 人前でフルタイトルを言うのは色々と憚れるのと、単に長いからということで縮めて「嫌パン」で通っている。

 

 くしくも2010年代最後の日に発売されたことで、輝かしき2010年代最後の名作(と迷作も兼ねる)となった。輝かしき2010年代10年の歴史にピリオドを打ち込んだ想い出の一作である。

 

嫌パン OVA 2 予告 特典 クリアファイル アニマルマシーン 嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい

  

 もはや説明不要の本作だが、改めて内容を振り返ろう。

 本作は男性主人公の一人称視点で女の子との関係が展開していくものである。主人公にセリフはなく、かわいいヒロインの一人喋りとなるので、ヒロインの美しい顔面と女性声優の美声がずっと楽しめる。

 

 そんなわけで本来ならなかなかの没入感があるはずなのだが、内容は主人公が女子に「パンツを見せて」と交渉を持ちかけては、侮蔑の目を向けられながら面罵されるという振り切った変態展開なので話が変わってくる。

 

 いずれのヒロインも最初は好感を持ってこちらに接してくれるので、主人公のコイツが出方を間違わなければ絶対に良い方向に持っていけるはずなのだが、「パンツを見せて」の交渉を持ちかけると一気に虫けらを見る目になってキモがられる。でも、結局見せてくれるからまぁいいかって感じ。

 

 思うのだが、例え好きな相手であっても、パンツを見せろと迫られると一気に虫けら同然の扱いになるものだろうか。そこのところの乙女心はラビリンスである。

 

 パンツが見れるという点では大方の男子がハッピーになると考えられる。ただ、このアニメはそれだけではなく、もうひとつのキーワードとして「嫌な顔されながら」が追加される。

 それまではニコニコして可愛いかっただけのヒロインが、一気にゴミを見るような目になって言葉も荒くなるのが見どころ。合わせて女性声優のお声も様子が違ってくるところもポイント。

 パンツが好きなのとややマゾっ気があるという愉快な変態性を持つのが主人公の特性である。主人公の性癖に共感できればきっと楽しめるシチュエーション特化型フェチズムアニメだった。

 

 約30分間の内にとっかえひっかえ6パターンのパンチラと嫌な顔が楽しめる。

 前回から固定のメイドとシスターのヒロインに加え、今回は新たに双子、本屋さん、歯科助手、女子中学生のヒロインが登場する。いずれかが変態紳士共にきっと引っかかるであろう充実のラインナップだった。

 ヒロインはいずれも可愛く、十人十色のパンチラも当然美しい。前半後半で声色を変えてくる声優の演技も素晴らしい。

 

 竹達彩奈演じる双子ヒロイン回を見れば、巽悠衣子氏と双子ヒロイン役で共演した竹達彩奈魂のデビュー作「kiss×sis」を思い出す。ドSの芝居に定評がある竹達彩奈ボイスで面罵されるのは、まぁ悪くないといった感じだった。

 

 地味な子の地味なパンチラを拝むのがやや罪悪感だが、結局そこがツボるという本屋の店員回も印象的だった。

 個人的にここ最近赤丸急上昇中声優の上田麗奈が演じているのが良かった。高い声でキャピキャピ言ったり、ぼそぼそ言って病んでる感を出したり、低い声で罵声を浴びせるのも行けるということで、上田麗奈がオールラウンダーだということが分かる。

 最初は本好き仲間として気さくに主人公に接してくる可愛い同級生感を出しているが、パンツ交渉が始まると罵倒してくる。どちらの感じも良いと思えた。

 

 すみぺこと上坂すみれ演じる歯科助手が、施術中にわざと胸を当てて主人公にアピールしてくる。ここでは完全にこちらに恋愛感情を持ってもらえているのに、やはりパンツ交渉に入ると千年の恋も冷めるらしく、定番のゴミ虫扱いを受ける。

 やはり可愛い歯医者さんに見てもらって胸があたるというのが遥か昔から続く男子の産んだファンタジーなのだろう。そこを見事映像化していた。すみぺの罵倒も決して悪いものではなかった。

 

 新キャラには、主人公を兄のように慕う女子中学生キャラも登場する。デートで喫茶店に入ったところでパンツ交渉が始まる。それまでは憧れのお兄さんだったのに、次の瞬間にはゴミ虫扱いに変わる。高森奈津美のいかにもチビヒロインて感じの声が可愛かった。

 JCにパンツ交渉は犯罪チック過ぎていかんだろうと思ったが、考えると主人公のお願いはあくまでも合意の下、そっちからスカートめくってということなので、まぁセーフなお付き合いなのかもしれない。

 よくよく考えると、自分に向く好意がゼロになった状態で嫌な顔とパンツを求めるコイツも変態で愉快な上になかなか図太い。このお願いが出来る状況まで持っていけるのはある意味才能なのかもしれない。

 

 そんなわけでなかなか楽しい変態アニメだった。突き詰めた変態性はもはや美学とも言えるので、結果この作品は良いものだと感想を言って終わろう。

 

 

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