こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

今年も新年を彩るのはSixTONESで決まり!3rdアルバム「声」レビュー

 今日はSixTONESのデビュー日だ。あれから早いもので3年が経過した。めでたい!

 

 SnowManとセットでデビューが迫った前夜には、無性にワクワクして眠れなかったと記憶している。この快眠快便が売りの私の生活サイクルに異常をきたした衝撃のデビューからもう3年か。実に感慨深い。

 

 そんなデビューから3年目の記念すべき日に、ストの3枚目のアルバム「声」についてあれこれ書き殴っていこう。

 

 ストといえば3作連続でだいたい新年一発目にアルバムをドカンと出してくれる。なんとも嬉しいお年玉。お年玉の初めての使い道はストのアルバム、という人がここ3年は多くいたことだろう。

 

 今年も年明け早々の4日にすごいのをプレゼントしてくれた。1年前に出した「CITY」もかなりスゴイから未だに聴いていたのにもう次だ。これは嬉しい忙しさをくれてありがたい。

 

 まずはジャケットのジェスを見よ。超イイ!こいつは格好良いぜ。断然ジェス推しっす。この前髪のセットは良いな。

 

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 今回は奴らの武器でもある「声」がテーマ。

 声が届きにくいこんな時代だからこそ、ストは熱の籠もった声を発するのだ。良い心がけ。

 

 今回もざっくり見るだけで全体の構成がすごい。これで3年目戦士かってくらい曲も歌唱スキルも強い。

 これは本当にストだけが出せる声であり音である。そんなオリジナリティあるハイセンスな世界観が見えた。

 

 前情報無しになんとなく有線で聴いたとしたら、アイドルでなくこういう才能集団だと思ってしまうことだろう。それくらいアイドル感が薄く、マジでガチのアーティストって感じ。きょもジェスのコンビの奏でるボーカルは綺麗すぎる。

 

 これまでも嵐やSMAP、年が近い軍団でならSnowMan、キンプリが出したアルバムもしっかり聴いていた。それで思うけど、こういうセトリでこういうテーマの世界観を歌い上げるのが出来るのはストだけだな。

 メロウでジャジーでおしゃれで後はとにかくご機嫌過ぎる。

 

 全体の出来はそんな感じですごく良い。オフィスワーク時や特に何にもせずぼぅ~としたい時にもBGMとしてずっとかけていたい。それで心地よくなる。そんな耳に優しい仕上がりだった。

 

 では収録された物を個々に見ていこう。

 

 やっぱり1番のお気に入りは、先にテレビでも披露されたリード曲「Boom-Pow-Wow!」。

 とにかく「外れない」で実用性マックスなSONYイヤホンのCMソングとして起用されている。あのイヤホンもちょっと欲しい。

 この曲はストならではのご機嫌ハイカロリーナンバーで最高に楽しい。そして格好良い。

「右からShout 左もShout」の歌詞は、LRの2つの世界に分けて音楽を楽しませてくれるイヤホンのCMらしいものとして印象的。この歌詞が好き。

 

 タイトルからインパクトのある「人人人」も「ぶんぱうわぁ」に負けず耳残り感が半端ない一曲。

 これはなんというジャンルの曲なのか。初見だととにかく不思議、でも格好良くて面白いという感想が出た。

 微妙に気怠い感じのする曲調や歌い方も素敵。

 この曲でストの新しい一面が見えたような気がする。謎にハマるわぁ。

 マキシマムザホルモンの伝説の名曲「爪爪爪」を思い出すタイトル、というか字面なので、より記憶に残る。マジで内容は関係ないけどね。思い出したついでにそっちもセットで聴いている。

 

SUBWAY DREAMS」は、シティ感あふれる洋楽って感じがする。ポップでおしゃれ。

 これはライブの真ん中くらいでやれば、一旦肩の力を抜こうかって感じになって良いと思う。そんな感じで緊張感を和らげる良さがある。普通にリズムが好き。

 

 そしてやっと出た「PARTY PEOPLE」にも注目。

 去年のまだ暑かった時くらいにMVが解放されたが、CD化はずっと先送りになった。先に出たシングル「Good Luck! / ふたり」に入るかと思いきやそれもまだで、年越しまでリリースを待った。随分焦らしやがったな。

 これも「ぶんぱうわぁ」くらいテンションが上がって良い。格好良いな。ご機嫌ナンバーすぎる。

 正月に聴く分には季節外れなナンバーで、完全に夏曲だな。次の夏になったら再び鬼リピしたいと思う。

 

 ロック感の強い曲が目立つ中でしっとり爽やかに聴かせる「Always」も名曲になってしまった。

 ストメンバーそれぞれの伸びやかなボーカルが聞こえ、改めて声が綺麗なグループだと分かる。

 これは新たなる希望をイメージする景気の良い曲。もう終わった話だけど、初日の出を見ながら聴きたいナンバーだと思った。来年挑戦しよう。

 

 そしてここからは以前のアルバムの時も思った形態によって収録曲が違う問題に突っ込んでいくことになる。

 今回は3形態で発売されている。おまけが違うとかならまだしも、CDすらそれぞれ別物になっているのだ。せめてCDの内容は全部共通にしてくれよな。まぁそうなったら売上が落ちると思うけど。

 CDの内容自体を変えたら、狭義の話をすればもはや別物の作品なんだよな。だって3つ集めないと全部聴けないし。

 今回のアルバムでは、全部で21曲が楽しめる。3つを集めれば21曲をいつでも聴けるが、出費の額が結構痛いぜ。

 

 その内、通常盤のみで聴ける「オンガク -声ver.-」が改めて良い。

 こちらの楽曲はシングル「わたし」のカップリング曲をパワーアップさせたものだ。そのパワーアップ内容だが、アレンジが違うどころの話ではない。まず楽曲の時間が全然違う。長いのだ。

 それもそのはずで歌詞が追加されている。こうなると別物くらい新鮮に楽しめる。

 シングルには無かった素晴らしき樹ラップが追加されている。これが格好良い。ラップ付きのこっちの方が良い。

 メンバー数である「6」を超大事にした事が伝わる「五線じゃ足りない 六線のスコア」のラップ歌詞は最高にエモい。

 これは「声」を届けたい今のストの想いにマッチした良い曲。このタイミングでパワーアップしたニューバージョンをリリースしたのはベストな巡り合わせだった。

 

 同じく通常盤のみに収録されている「Cat Call」も妙に良い。

 これをライブでやるなら、とりあえず慎太郎には猫耳をつけて歌って欲しい。聴いた人の多くが賛同してくれることだろう。

 ジャニーズの猫ソングとしては大先輩のテゴマスの「猫中毒」の事も思い出した。あれも久しぶりに聴いてみよう。ちなみに私は完全に犬派だし、もっと広い話をすればアリクイ派です。

 

 いや~素晴らしい。

 今回もおしゃれ格好良すぎた。間違いなく2023年最初の名盤。

 年明け4日しか経過していない段階での発売だから、多分コレを追い抜いて世に出た今年の名盤は無かったはず。

 

 正月は去年の終盤も終盤に発売した結束バンドのアルバムとセットでストの3rdアルバム「声」を楽しんだ。

 6人の最高の声が我が心を熱くする。そんな中で過ごしたこの1月は大変楽しかった。

 

 

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WUGにハマる新年

 WUG(ワグ)とは、スーパーアイドル「Wake Up, Girls!」を全部打ち込むと面倒だから省略形にした表記である。あと呼ぶ時もフルだと面倒だからワグって言ってる。

 

 そのWUGにまさかここまで時代を待ってハマるなんて、あの日おギャアと産まれてから今日まで全く予想の着かないことだった。

 

 ぼざろのアルバムがすごい良かったので、年始にはそれ関連の動画をYou Tubeで見ていた。青山吉能が参戦した番組だった関連でそうなったのか、彼女がかつて在籍していたWUGの動画も行ってみる?的に賢いシステムがWUGの動画も推して来た。

 推されたらまぁ仕方ないか~と思って「極上スマイル」を歌っているライブ動画を見たら超良い!となった。以降、他の動画も見て曲もあさる日々が半月続いている。まさかの1月の過ごし方になった。これがとっても楽しい。

 

 ブログにあれこれ書くのも楽しいので、WUGに感動した的な事をあれこれ書こうとは思いつつも、書く間があればコンテンツを楽しみたいのもまた本音。そんな感じで書くより見るを楽しむここ数日の生活が過ぎていった。

 

 ライブBDとCDを楽しみ、もちろんアニメも見る。そしてまだあったバラエティ番組の「わぐばん!」まで楽しむことになった。

 このコンテンツにハマって行ったきっかけは、私としては珍しいことにアニメではなく中の人の情熱的なライブだった。これが意外。

 

 You Tubeに加え、去年になって存在を知ったbilibiliとかいうヤツでも関連動画を漁る。マジで資料動画がいっぱいある。これは助かる。

 楽しくて可愛いお姉さん達の物語が色々知りたい。もう解散して久しい軍団に対して馳せる思いがあっても、これら資料動画の海達を泳げば大丈夫。時代に乗り遅れた者達の救済となるだけ、時間を巻き戻って見れる色んな映像がそこらにわんさかある。

 ほんとスゴイな。この人達がアニメ以外にもバラドルにステージパフォーマーとしてたくさん仕事をしていたのだなと分かる。たくさん動画がある。WUGってこんなに仕事をしていたのか。

 

 申し訳ないけど、今年がスタートした段階でフルを聴いたことがある楽曲は、May'nとコラボして歌った「異世界食堂」のOP曲だけだった。あれもMay'n目的で楽曲をチェックしただけだし。フルで一曲聴いたのもMay'nのおまけとして楽しんだものだった。今ならゴメンを言える。

 辛うじて覚えていた本人達の持ち曲もアニメOPの「7 Girls War」のサビらへんのみだった。これも「TM NETWORK」の「SEVEN DAYS WAR」に名前が似ているからって事で何とか記憶していただけだし。

 

 それくらいしか記憶していなかったのに、解散して大体4年が経つ今になって真の良さに気づいた。

 

 いや~それにしてもライブパフォーマンスが素晴らしい。皆格好良い。

 皆ステージに立てば魅力的に輝く華がある。それでいてステージを降りると気の良いギャルって感じで親しみが湧く。

 最初にファイナルライブを見て、そこから巻き戻って全部見ていった。人の成長をまさかのカウントダウン形式で見ていった。普通はカウントアップなんだけどね。

 皆回数を重ねる程上手くなっている。初期の曲だとファイナル時には歌唱力や声自体も変わってきている。そして皆やっぱり綺麗になって行くんだな。初期ライブやデビュー時のMVを見るとめっちゃガキじゃん。

 

 WUGのファイナルライブの完成度はすごいもので、皆超格好良かった。それに諸々泣ける。そこまでの物語を知らず、この日初めてオタクの付き添いで行って見たという者でも泣けると思う。

 素晴らしき花道を歩いての最高の大団円を迎えたのではなかろうか。この終わり方は綺麗すぎた。泣ける。

 

 ワグナーの仕上がりも素晴らしかった。フィナーレは2019年だったので、コロナもなく、しっかり声出しが出来る中で開催された。なんだか今見るとオタクの野太い声が普通に聞こえるこの空間が異次元。うるさいけど活気があってステージが盛り上がって良いな。オタクの応援もステージを彩る要素なのだなと再認識出来た。

 

 なんで現役時にワグナーになっていなかったのだろう。その時間なら私も生きていたのに、ちょっと畑違いのラブライブとかを楽しんでいた。まぁあっちも楽しかったけど。

 

 これは私のレーダーの感度が甘いというのもあるけど、このアニメも多分いけなかったのではなかろうか。

 私の感想では、アニメよりも中の人の方がすごい、強い、可愛い、格好良いくらいに思える。

 珍しく普通に3次元の戦士が二次元を蹴散らしている感じなのではなかろうか。そのくらい、アニメのWUGが諸々異質というか、鋭利に尖りすぎた感じもあるし、とにかくアイドルものにしてはポップさが無かった。それが良さでもあったから私はアニメも好きなのだが。

 なんというか、アニメきっかけで中の人のライブも見たいなぁ~に繋がりにくい作りだったのではなかろうか。もうはっきり言ってしまえば、アイドルの割には絵が可愛くなかったし萌えない。中の人の方が可愛いと思う。

 

 まぁこんな事も関係して、テレビアニメは見ていたものの、リアルライブも見たことがないし、楽曲もフルで視聴しようとは思わなかった。

 しかし改めて全曲チェックしてけば、曲が良い。メンバーも美味いし声が綺麗。よっぴーってこんなに声が太かったのかと発見もあった。

 

 逆にこんなに良いのに何でもっと跳ねなかったの?と不思議に思う。ついでにメンバーが被っていたハッカドールの方も。

 アニメが持つ宣伝力は強くなかったと思うけど、他方面での売り方もちょっと弱かったのかな。

 

 田中美海山下七海のことは他のコンテンツでも古くから知っていたけど、歌って踊っているのをしっかり見たのは今回が初だった。普通に格好良いんだけど。田中美海って微妙に堀江由衣っぽい顔つきかもしれない。そんなわけで愛着も湧くってもの。

 こんな感じで中の人も良いし、もっと知りたくなった。

 

 分からないものだな。グループ立ち上げから大体10年、解散から大体4年。

 サイクルの速いアイドル業界の感覚で物を言えば、すっかり一昔前のコンテンツだ。でも今見ても良いんだよな。

 ファイナルライブを見ると、メンバーの永野愛理の言葉が激しく胸に刺さった。その内容は、今でなくとも5年、10年経った時にでも、こういうすごい人達がいたと知ってもらえればと良いというものだった。めっちゃ良い事を言っている。胸が熱くなった。

 彼女がSSAでその言葉を発した約4年後、私に見つかる事になるのだ。これも運命。さすがシャーク林田の中の人。ていうか、絶対に「ながの」かと思ったら「えいの」だった。初見では皆間違う名前読み。

 

 アニメをBDで追いかけると、特典映像で実写バラエティやリアルライブの映像も入っている。バラドルとしても皆かなり楽しい女達だった。

 アニメのWUG企画としてのライブでは、ライバルチームのI-1club、ネクストストームの中の人も全員集合の映像が収録されていた。全部で18人のアイドルが勢揃い。

 すげぇ、こっちの軍団もリアルライブをやっていたのか。当時を知らなかったことで何だか激しく後悔。

 

 2016年の3組全員集合ライブがかなり楽しかった。アイワンメンバーも一箇所に集めて拝むのがなかなか困難な猛者が揃っていてレア。こっちも普通に歌が上手いのな。

 他の軍団を見て感激する要素は、大坪由佳と入れ替わりでアイワンメンバーになった上田麗奈の姿があること。当時はマークしてなかったけど今は好きな1人。今ほど知名度が無かったこんな時からここに出ていたのか。これはレアだわ。

 ネクストストームのライブも見れるとは思わなかった。メインボーカルのつぼんぬの後ろで盛り上げるメンバーには、まだまだ売れていない時期の安済知佳高野麻里佳の姿がある。おぉ、これはいてくれて嬉しい人材。

 この時の安済知佳ならチャイカの人というイメージしかなかったはず。去年は当たりアニメのリコリコで知名度を一気に上げたな。

 単純に声優好きとして、有名な人がたくさんいる状態が楽しかった。

 

 この軍団は志保がやり手すぎて後はザコってことになっているから、大坪由佳の後ろで他メンバーは盛り上げ役みたくなっている。それでもちょこっと映る他メンバーも格好良い。安済知佳もまりんかも格好良いよな。イケメンだった。

 大坪由佳も歌が美味い。ネクストストームとアイワンを掛け持ちでたくさん歌っていた。今回WUGのアニメとライブを見たことで、志保役の大坪由佳も好きになった。キャラも歌声も良かった。

 WUGのライバルチームも意外に良い。こっちのCDもチェックしている。ネクストストームの「レザレクション」とか面白い曲だと思う。

 

 最近はアイドルなら虹ヶ咲とかLiella!を楽しんでいたが、新しく知った古いヤツを見ても楽しい。やっぱりアイドルって時を越えるんだなぁ。現役をまるで知らないピンクレディーとか百恵ちゃんとかを大人から聴かされても普通に楽しかったし。

 

 アイドルって男女問わず「格好良さ」を見るものなんだよな。

 女子アイドルといっても、可愛いより格好良いを探して見ることに集中してしまう。WUGも格好良い女達だった。

 

 そんなわけで、すっかり遅れて魅力に気づいたが、タイミングはともかく知れたことにありがとう。解散しても全員元気であれ。

 

 それでは元気にこんばんわぐぅ~~! おやすみ。

 

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アイドルで繋がれ世界の輪「Wake Up, Girls! 新章」

Wake Up, Girls! 新章」は、2017年10月から2018年1月にかけて放送された全12話のアニメ。

 途中で一回中の人の特番を挟んでいる。

 微妙に放送が伸びて最終回は新年一発目まで持ち越しとなった。

 

 割りと長かったWUGアニメの最後のやつである。

 ここまで来るとギリ最近の事としてなんとか記憶に残っている。それでも2017という数字が昨日のようで6年も前なのかと思ってしまう。歴史が進むのも早い。放送から本日を迎える間にWUGは解散してしまったものな。まだあれば良かったのに。

 

 新年に入ってから謎にWUGにハマり、ここ2週間は過去作を聴きあさっている。これまでフルでしっかり聴く機会がなかったが、聴けば楽曲は抜群に良いと分かる。

 中の人のライブ映像も見る。CDよりも迫力があってライブもかなり楽しい。これはリアタイしたかった。リアタイ勢が羨ましい。

 

 今年に入って知ったけど、アニメがとっくに終わった時期にWUGのパチスロが出たらしい。こちらで楽曲も楽しめるので、解散自体も知らなかった遅れ新規がパチスロ経由で良さを知る機会になっているとか。

 私は遊技場に出入りしない人間なので、パチスロの事は知らなかった。店に入ったこともないし。

 なんだろうが、今になってWUGの良さを知る遅れワグナーが誕生するのは良い事だ。

 まぁアニメのことはともかく、中の人のライブについてはもっと高い点が出るよう再評価しても良い時期だろう。ホント、WUGのライブはすごい。そもそも曲が良い。

 

 そんな感じでWUGにたっぷりハマった状態で、WUGアニメの最終章を見る。

 

Wake Up, Girls! 新章 vol.7 [Blu-ray]

 

内容

 時は巡り巡って2017年。

 かつてアイドルの祭典の覇者になったWUGだが、それだけではアイドルとして栄華を極めるには至らなかった。

 次年度大会ではアイワンに優勝を奪い返され、現在は微妙な立ち位置にいた。ちょっとは名前も売れて来たが、いまいち勢いとして行き切らないフラストレーションの中にあった。

  

 世の動向を見れば、アイドル稼業自体が下火になっている。

 天下のアイワンも劇場を減らして市場を狭め、ライバルチームのいくつかも廃業したりと、業界の世知辛さが濃く見えてくる。

 そんな中、アイドルのニューウェーブとしてVドルのマキナXが台頭し、時代は混迷と大揺れの中にあった。

 

 そんな中、WUGは地道にピン仕事を組んでメンバーの顔を世に売って行く。ファーストアルバムを完成させ、それを引っ提げたツアーも行い、着実に前進していくのだった。

 

 事務所に後輩アイドルも配属され、WUGもアイドルとして新人の枠を出て邁進する。 

 ライブツアーファイナルの会場が決まらないなど、いつものトラブルが健在の中、WUGが目指す明日はどっちだ?と注目して見て楽しむ事が出来る新章が展開する。

 

感想

 2013年から始まった作品時間も2017年まで進んだ。思えばこれってサザエさん時空でなく着実に時制が前へと動く物語なのだな。

 かつては学生だったキャラも卒業して心身共に成長しているのが見える。

 

 ロコドルがローカルを抜け出で全国に浸透するまでの道は実に長く険しい。その都合が分かる。それだけにWUGの歩みが遅いとは言わないがあまりスピーディーではない。

 新章に入っても相変わらずギリギリのラインでやっている。コレが本当にアイドルの事務所かってくらいしょぼい事務所でつましくやっているよな。

 

 社長のディレクションで個々を覚えてもらうよう単品売りを大事にしたアニメ新章となっていた。

 この点はテレビ1期とちょっと違いがあったかも。これまでだと全員での仕事を描いて全員でちょっと前進のターンが多かったような気がする。

 今回はキャラものとして単品のターンでも売り出す方針を大事にしている。今回はピンの活動が印象的。

 

 夏夜さんがグルメ番組で食いすぎて太ったのを気にしてダイエットしたり、出川みたいに動物と戦ったりするのを描いたのは意外。そして楽しい要素だった。

「アイドルのカロリー消費量を舐めんな!」と豪語して太っちょな大食い芸人に負けじと飯をかっ込む夏夜姉さんは格好良かった。

 

 お天気アイドルのシャーク林田が爆誕したのはシュールな笑い要素となっていた。藍里の中にある真面目さとちょっと変な所が産んだベストな新キャラとなった。サメの被り物が無駄にリアルな点も面白い。

 番組視聴者の学生達が「真面目だけど変」と評しているのがまさにそう。藍里の面白い所が見えるのは良かった。

 

 バラエティ、モデル業、情報番組、俳優、グルメ番組など、各員がベストな配置で戦っていた。

 

 各種メディアで爪痕を残す難しさを知る洗礼を各員が受けることになる。この点は結構リアル。

 グルメ番組だからって食っては「うんめぇにゃ~」を言えば済むわけではない。バラエティだって座っているだけでなく気の利いた事を言って会場を温めなければならない。そんな都合から芸能人は難しいと分かる。

 

 菜々美と未夕が挑戦したバラエティ番組の「いわし御殿」って、芸人のさんまのパロディだよな。ここで菜々美が言った「ポニーテールは本体です」は良き概念だった。確かにポニテの事は女子の頭についたおまけだと軽視することは出来ない。重視すべき武器である。

 

 グルメ番組には「まいうー」の石ちゃんと彦麻呂のパロディみたいなのがいた。他にも笑ったのは、WUGが出るフェスの出演者一覧に富沢梅男の名前があり、持ち曲は紙芝居だった事。これは梅沢富美男の夢芝居から来ているやつだろう。紙芝居ってしょぼいな。

 こんな感じで微妙にパロっている点は面白い。

 

 チームワークのことも考え、皆一緒に寮暮らしさせた方が良いという社長の方針により、全員が同じ家で住むようになるのも新要素。

 これによって互いがいつも一緒にいる日常スポットを描きやすくなった。良き工夫だと思う。

 日常の中で協力して仲良くするシーンには和む。たまに喧嘩もありなので、女子達のワクドキな日々が見れる。実波と菜々美がぷち喧嘩するシーンは可愛かった。

 

 アイドルのシェアハウスともなれば、なんともファンタジックな御殿を想像しがち。でもここの事務所には金がないので、そんな立派な物は用意できない。めっちゃ普通の日本家屋に住んでいる。これも意外なようでリアル。ウチのじいさんの家みたいな所でギャル7人が仲良く暮らしている。

 

 共同生活によって一層絆を深める7人の物語が美しい。

 7人の絆を見るアイテムといえば、よっぴーが手作りした愛情たっぷりのシュシュ。古くなった昔の衣装を解体して再生産した思い出たっぷりの新シュシュが登場する。よっぴーのこういう所、好きやな。最初はもうちょっとドライな女かと思ったが、実は愛がある。

 それからよっぴーの髪が前作の劇場版の時よりも伸びている点にも注目。前のは短すぎだった。ちょっと伸びたこの時が完成形かも。とても可愛らしい。

 

 共同生活の中で、皆が一緒に食事を用意するシーンもほっこりする。

 ここでまゆしぃが料理音痴だと発覚。たまにいるジャガイモってどこまで皮を剥くのが正解が分からないで、どこまでも小さくして何も残らないというアレをやっていた。マジか、まゆしぃがここまで出来ないとは意外。

 

 共同生活の中で、ブログやネット動画投稿を始めるメンバーも出てくる。各員が時間を有効に使って自身の売り込み方を研究する芸能人ならではの大変さが見えてくる。

 去年やっていた新人アイドル声優育成アニメの「CUE!」でもこんな感じの事をやっていたな。共同生活して、時間がある人間は個人の魅力を発信するためにあれこれやっていた。どこの芸能人も覚えてもらうために色んな活動をして大変な想いをするのだなと分かった。

 

 ピンで各員が徐々に売れてきたことで、7人仕事に全員が揃わないということも起きるようになってきた。売れて来たグループではあるあるのことなので、こうなっていくのは好ましい。

 ファンと一緒に回るバスツアー企画が組まれる。ここでは実波だけ他の仕事で合流が遅れる。こういうこともありがちだよなと納得。その遅れて来た実波の前の仕事が、2時間マグロとにらめっこしてなかなか飯を作らない職人を起用したグルメ番組だったのはふざけている。早く飯を作って食わせろやと突っ込んでしまう。

 

 実波推しには気の毒なことになったので、菜々美が実波のトラのキグルミでライブに登壇するけど、失敗してすぐにバレる所は可愛かった。

 実波、菜々美のカップリングが結構推されていたような。ライブで中の人を見ても、ここ2人のシンメは確かに華があって見栄えも良い。

 

 ファンとアイドルが間近に接近するこの手のファンイベントについて、プロオタクの大田さんが興味深い意見を発していた。

 アイドルとオタクはそれぞれがステージの上と下に存在するものであり、二者の好ましい距離感がコレだとされている。この境界を越えてアイドルとお近づきになろうとするのは真のオタク魂に反する的な事を言っていた。

 でも、大田軍団の他3名はちゃっかりバスツアーに参加してWUGと写真を撮っていたと後でバレる。それを知った大田さんが怒っているところが面白い。大田の語るアイドルヲタ論も面白い。そしてやっぱりガストで騒いでうるさい。

 

 アイドル業界にも波が来て一部は落ちぶれ、また一部は隆盛を極めていく。いつの世も流行の動きとしてコレは絶対に見えるものなんだよな。芸能界の残酷な真実でもある。

 天下のアイワンも勢いを落とし、大規模な体制のアップデートを行うしかなくなった。

 WUGの後輩として新しく「Run Girls, Run!」、縮めてランガが結成され、新時代アイドルとしてヴァーチャルアイドルのマキナXも爆誕する。

 こんな感じで作中のアイドル事情も激しく変わって来る。この点も見どころ。

 

 そういえばランガが学校にいるシーンって、外で走ったり歩いたりの多分体育?の時間が多かったような気がする。こいつら、何でいつも運動させられてるんだ。仙台の学校は体育が多いのかな。

 

 現代なら「腐る」の概念無きヴァーチャル世界出身のアイドルも「腐るほどいる」の例えを使っても良いくらいマジでたくさん出て来た。

 作品が放送されたこのくらいの時代からヴァーチャルアイドルも新進気鋭の物として注目されるようになったのだろう。Vチューバーの始祖たるキズナアイの誕生が2016年だったというから、これの放送時期とも近い。流行りを取り込んで新章を展開させた工夫が見えた。

 ヴァーチャルがリアルにも進出してくるというオタク世界の大きな変革についても取り上げた点も印象的だった。VドルがWUG達リアルアイドルの仕事を取る内容も見られた。これも時代だなぁ~。

 

 VドルのマキナXの声がスーパーアイドルみもりんこと三森すずこだった事には助かった。

 

 アイワン内部の物語も濃く描かれて面白い。

 白木さんが発令した革命的作戦により、既存のグループが解体され、真に強いグループを作るための再構成が行われた。リーダー、センターも一旦は役職を降ろされ、全て新たに決め直す。大胆な事をしやがる。

 それまで地方を強くするため各地に派遣していた猛者も全部本部に呼び戻し、ガチで最強集団を作る段に入った。ここら辺の展開にはなんかワクワクすっぞ。

 

 博多に流された志保にも東京集合の声がかかる。ここで揺れる志保の心にも注目。

 アイワンで一流アイドルをやることに拘っていた志保も、博多でネクストストームをやる内にすっかり里心を抱くようになった。その結果、博多に残って活動することを決意する。この心の変化は意外。

 主役はもちろんWUGだけど、志保も主役級に美味しいボジションに据えられていた。

 

 ネクストストームを解体したくないけど、本部に戻ってまた活躍できるチャンスも大事。2つの想いで志保の心が揺れる。

 これは同じような立場を経験したまゆしぃに相談するしかない。ドラマでダブル主役共演した2人は、密会して相談するのである。ここのシーンも良い。

 

 志保と会っていることは、志保のプライバシーのためにも他言出来ない。そんなわけで、まゆしぃはメンバーに密会を黙っている。その事が後によっぴーにバレてしまい、よっぴーは激しくオコ状態になる。また2人の間に一悶着勃発する。よっぴーがヤキモチを焼いているようにも見える三角関係ぽい感じがちょっと楽しい。 

 でもそれくらいに、今回シリーズでまゆしぃと志保がかなり接近している。まゆしぃ、志保のカップリングはとても推せる。

 

 色々あった2人が同じドラマに出る事で世の注目は当然集まる。このドラマ撮影を通して2人が仲良くなる物語は好きになる。

 撮影中の志保は、役者に馴れ合いはいらないということで控え時間も無口。まゆしぃとしては、これが2人の正しき距離感であり、これで上手くやっている状態なのだと言っている。

 なんだろうか、まゆしぃが語る志保との関係性には、熟年夫婦のごとき互いを分かり合っている感が出ていた。これはこれで萌える。てか志保は絶対にまゆしいが好き。

 くっつかないけど絶対に離れてはいない。そんな一流アイドル2人の距離感が愛しい。これがプロのアイドルであり、真の友のあり方でもある。2人の関係性にラブと熱が見えるのが嬉しい。

 

 美術部の役なのに絵が下手なことから、志保のスケブの画像は別人が書いた物と差し替えになっている。初期からそうなっていたが、がんばり屋で凝り性でもある志保の腕前は撮影中にもどんどんブラッシュアップされて行く。後半では志保本人の絵が撮影に使われるまでになる。こういう志保の進化と真面目な所が見えるのも良かった。

 ネクストストームメンバーはじめ博多の人間達にも大変モテていることから、志保の良きアイドル性もしっかり実感出来た。彼女もしっかリ成長している。

 WUG面じゃないけど、彼女の事も大変推せる。大坪由佳の声も良い。

 

 WUGのツアーチケットの売れ行きがいまいちだったり、楽曲とステージの準備が間に合わないという先行きが不安ないつものハラハラも待っている。

 早坂さんがなかなか曲を作ってくれないし、今回はまさかの歌詞はそっちで作れというオーダーも出してきた。良い歌詞を上げてこないと曲をやらないという課題が出た。アイドル達はレッスンしながら7人で知恵を絞って作詞にも挑戦する。これは新しい挑戦。

 

 作詞ってどうやるの?とあれこれ調べる姿も印象的だった。確かに普通に生きていてそんなポエミーな活動はやらないものな。私も作詞経験はないし。作詞って大変なんだなとちょっとだけ分かる。

 

 今回の味噌の一つがその新曲になっている。

 アイドルについて、自己のあり方についてもそれなりに考えた末の難産となった早坂さんの最後の神曲、そこにWUGの想いを言葉にして載せた作品が「Polaris」である。これはガチ神曲だった。先にファイナルライブで歌った映像を見て来たが諸々最高すぎる。

 

 早坂さんの実写版が田中秀和だったのだな。どちらもすごい音楽家だな。

 早坂さんが売れすぎて情熱大陸みたいな密着ドキュメントに出ていたのも印象的。最初は嫌なヤツに思えたけど、全部見ると好きになるし、イケメンで良かったな。早坂さんもイチオシキャラ。

 

 最終回のツアーファイナルでは、日本中のアイドルの想いを込めて「Polaris」を披露した。

 大雪でマイクの電源が落ちても、魂から絞り出した声を皆に届けてステージを成功させたWUGちゃんに感動。この曲はマジで染みる。WUG大団円には持って来いの曲だ。 

  

 最終回では、同じ日に各地でライブを行うアイドル達が心を一つにする美しい展開が見える。

 アイドルをきっかけに、世界が一つの輪で繋がって超ピースフルって感じで締める。ここにくればVドルだってその輪の中にあった。アイドル魂が極まった良き時代が見えて良かったっす。

 

 WUGアニメを全部見たが、しっかり面白かった。

 放送中には作画が間に合っていない事でちょっと話題になっていたが、BDではリテイクしているので安全に見れる。

 話は良いんだよな。仕組み上絵に萌え切らない点は、萌えオタにとって加点要素が低いとは思う。でも私は好きなコンテンツだった。

 曲が良いし、新章のアニメではライブシーンが進化しまくりで、CGでしっかり踊っていた。ダイナミックなカメラワークも良きポイント。

 

 本作で誕生した後にもアニメを飛び出て走り続けたランガも今年で終わると聞いた。ランガが出演して盛り上がったプリチャンも楽しかったな。あれも終わって久しい。 

 こうしてWUG系譜も終幕を迎えるのか。終わった後になってハマったコンテンツだが、良い物があったのだなと教養になって良かった。

 

 というわけで、仙台から日本全部に向けて愛を送り届けたWUGの物語を端から端まで見れて楽しかった。

 アイドルよ永遠なれ。そしてワグナーもね。

 

 

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