こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

10年ぶりくらいに入った懐かしいラーメン屋の話

 少し前に、個人でやっている飲食店が結構無くなってきているなぁとここに書いたことがある。

 あれから数日経過して、今にも無くなってしまいそうな(←失礼だけどスマン)懐かしい古い店に行ってみた。

 時間がある内に行っとかないとな。こっちの時間はまだまだ残っていても、向こうはこっちよりずっと年上で先に逝ってしまうからな。そして継ぎ手がいなかったらマジでそれっきりだからな。そういう事を考えて行ける時にササッと行くことにしたぞ。

 

 最近だと珍しいかもだけど、その店は電話を置いていない。今営業しているのかどうかも分からない。誰か知り合いが近くに住んでいれば「暖簾が出ているかどうかちょっと見てきて」くらい頼めるんだけどね。

 ネットで調べると、とりあえず潰れてはいないようだ。平日の昼くらいはやっているはず。そのくらいの時間を狙って行ってみることにした。

 

 その日は色々あって微妙に出遅れた。で、行って見るとなんかボロボロだけどやっているっぽい。ゆっくり入ってみると先客ゼロ。ガラガラやんけ。

 時刻は13時が過ぎていた。そろそろ片付けの準備に入る段階だったけど、注文は受け付けてくれた。危ねぇ、もうちょっと遅かったらアウトだった。家から割と遠いのにここまで来て食わせてくれなかったらショックだった。

 

 10年以上ぶりに来た。マジで何も変わっていないなぁ。店は改装も何もしていない。長く愛されてまだやっていたのか。

 最後に来た時には夫婦でやっていたが、旦那さんの方は亡くなってお母さんが一人でやっている。このお母さんは愛想が良い優しいお母さんだから久しぶりに行っても覚えていた。向こうはこちらがデカくなりすぎているから覚えていないようだったけど。

 やっぱり2桁年を越えてってことで、お母さんもしっかりと老け込んでいるなぁ。元気に仕事が出来る状態とはいえ、以前よりも足元がかなり悪くなっているようだ。昔程スピーディーには動けない。えっちらおっちら歩いて準備をしていた。

 

 なんかこう染みるなぁ。確実に心に染みるものがある。

 私が店に来ない間も日々ここで仕事をして人生の色を濃くして行ったのか。久しぶりに来て数十分いただけでも職業人の矜持ってのが見えて来る。旦那さんがいなくなっても一人で切り盛りしてしっかり人生しているお母さんの姿は格好良いっす。

 

 客ゼロだから10年以上ぶりに来て懐かしいわ~と談笑していた。向こうも愛想が良いし、もう忙しい時間帯は越したのでリラックスして話してくれた。お母さんの喋り、癒やされる~。

 

 人間の事は顔や名前よりも声と各員のストーリーで記憶する人間なんだよな。なので私は久しぶりに聴く声で相手を思い出してこういうことがあったというストーリーも思い出す。お母さんの声もちゃんと覚えていた。だから初めて見るアニメでも演じているのはこの声優だと当てれるし、イントロクイズもさっと思い出して当てれるのかな。そういうのが得意な人間です。

 

 時の流れを感じるといえば値段設定もね。

 この店、田舎の良い店ってことで元々すごく安かった。それでもこういう時代だから値上げはやっぱりしている。昔と比べて高くなったなぁ。消費税も以前より上がったし物価高騰の波も来ているからな。困ったもんだぜ。

 

 ラーメンの替え玉なんて10年前だと確か90円くらいで100円まで行かなかった。今は150円になっている。各メニューも上がっているなぁ。こういうの見て安かった昔を思い出すと嫌だよなぁ~。

 こうなると「昔は良かった」という昔の人がよく言う文言が飛び出す。まぁ昔の人も元々は今の人間だったわけで。今日が現役バリバリマックスの私だってもう少し待てばすっかり昔の人になるのだな。そういう気づきの中でちょっぴりセンチメンタルモードになって己の成長も感じたりするのだった。

 

 以前は5杯でも6杯でも替え玉していたが、今回は最初から大盛りを頼んでそれで終わりにした。昔ながらのさっぱりな味わいで良い。 

 最近たまに見る昔ながらを思いっきり改造した新時代ラーメンだと汁が濃くて全部飲むときつい、ていうか辛いっていうパターンもありがちなんだけど、ここの汁はあっさり系でゴクゴク行ける。丼が空になるまで食って満足だ。ネギとかチャーシューの木端になったやつとかが浮いているから、それも全部食うなら汁全飲みコースしかない。料金の内だから何でも残すと勿体ないじゃないか。昔からコレを言うからずっとケチな庶民思考で生きているのだな。

 

 とにかく胸がキュンとなったりシュンとなったりと、感情的に盛り上がって良い体験となった。普通に懐かしい顔と味が楽しめて嬉しかったし。

 ノスタルジックに浸れまくる店って良いものだな。こういうのは長く残って欲しいが、人間の命が終わったらもう全部終わりだからな。長い地球の歴史でも楽しめるのはほんのうたかたの時。振り返るとそういう感覚のお楽しみスポットになるのかもしれない。

 良い店もいつまでもあるわけではない。食える内に食っておかないとね。

 

 またこんな感じで懐かしの店をぶらつくのも良いだろう。コロナだから家にいろっていう状態も今となっては終わったことだしね。外に出るのも良いもんだ。でも出たら金を使うからな。そこはケチなんだよな。

 自炊と外食の割合は、財布の中身や稼ぎの能力と照らし合わせて間違いのないよう調整して行こう。

 

 今ある素晴らしき老舗は、これからも出来る限り頑張ってくれ。地球の端っこから応援しています。

 今日も夕陽がとても綺麗でいい感じ。よく眠れそうです。

 

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