こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

マッドサイエンティストのイカれた青春「みすて♡ないでデイジー」

 「みすて♡ないでデイジー」は1997年7月~9月にかけて放送された全12話のテレビアニメ。

 VHSとLDのみ販売されている。国内版DVDは発売していないらしい。外国ではDVD化しているとか。

 

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 イカれた主人公歩野零二郎(てくの れいじろう)とデイジーちゃんこと松沢ひとみによる変化球なラブコメ作品であった。

 

 物語の設定が振り切って滅茶苦茶なのが面白い。そこが好きになったポイントである。

 

 主人公は中学校入学まで家の地下シェルターに引きこもって生活していた筋金入りのヒッキーであったが、デイジーちゃんに一目惚れしたことで地上に出てきて学生生活をスタートさせる。

 物語冒頭で歩野君は、人類は軍縮を掲げながらも戦争の規模を広げるばかりで、このままではきっと自ら破滅を招いて滅びるだろうという自説を唱え、自分は地下で人類破滅の時を見物しようと考えていた。世を儚む厭世家の演説のような重くて深い冒頭ナレーションから、まさかこんなドタバタコメディアニメになるとは想わなかった。

 

 歩野君はずっとヒッキーだったためにコミュ症であるが、普通のそれとは違う。大好きなデイジーちゃんにあくまで明るく接するが、その内容は人の気持ちを考えない迷惑極まりないものである。マッドサイエンティストの彼は、最初はデイジーちゃんをホルマリン漬けにしようとする。その後も色んな発明品を用いてはデイジーちゃんをものにしようと迫る。あくまで明るく爽やかに喋るが中身は変態、変人、独占欲強め、結構べたべたしてくる、ストーカー気質あり、ヤンデレ要素も含むというイカれた男である。

 

 ヒロインの本名がひとみなのに、どういうわけか本人の了承もなくデイジーちゃん呼ばわりしてくるので、良く考えると歩野君やばすぎる。挙句の果てにはデイジーちゃんを宇宙人と想っている痛い勘違野郎である。でも、面白い設定だと想う。

 バッタなどの虫を捕まえて自分のものとして所要するがごとく、人間のデイジーちゃんも捕まえて自分のものにするということに何か問題があるかと問う歩野君のサイコな発言にはちょっと引いた。

 

 ヒロインのデイジーちゃんは可愛い。おかっぱのようなあの髪型は好きであった。

 

 歩野の同級生で、いつも破綻した形(なり)で登場する山川 X(やまかわ エックス)、学校のことを何も知らないで先生をしているらら子先生、歩野君のペットであり移動に用いる道具でもある核ミサイルのみぃちゃんなどのキャラクターも楽しいギャグ要員であった。

 

 あれだけ散らかったストーリーだが、最終回はマルッとすっきり納めていたと想う。

 

 最終回を見て、タイトルの「みすてないで」と英題の「Don't Leave Me Alone, Daisy」の意味がわかった。

 

 SIDE-ONEが担当したOP曲「ガールフレンド〜僕の共犯者〜」が格好良い。この曲からこのアニメのイメージが出来ない。実写映像を取り入れたOPアニメもオシャレな作りで良かった。

 ED曲「ONE MORE CHANCE」は仲間由紀恵が歌っている。「ごくせん」「TRICK」などで有名になる前の彼女はアニメやゲームの歌をちょくちょく担当していることがあって、オタクの間では早い段階から有名人であった。プレイステーションソフトのCMに出たり、「ガメラ3」でイリスに食われたりなど私の好きな分野での彼女の活躍は今でも覚えている。

 アニメのOP曲とED曲はどっちも良かった。

 

 

 しかし、俗世を脱して地下暮らしとは、ちょっといいかもと想ってしまう。

 

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