こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

こしのり漫遊記 その29「券売機の定食屋とかマジ焦る」

 

f:id:koshinori:20170607205753p:plain

 諸国漫遊を行う流れで一旦故郷に帰還した少し前のことである。

 

 私が旅立ってしばらくの間に街に新しい定食屋が出来たという。

 

 割引券があるから連れて行ってやると母に言われ、飯が食いたい私は即連れていってもらうことにした。

 

 で、お店にに入ると、まずは券売機が私を出迎えてくれる。

 

「何、コレ?」

 

 これで欲しいメニューの食券を発行するのだということは分かる。しかし扱いが分からん。昔から店の人に注文すると食券が出てくる店はあった。しかしこんな無人で、駅の券売機みたいなシステムのはなかった。

 

 母に聞くと、最近ではこのようにして券売機で買う飲食チェーン店が結構増えているとのこと。

 

 私は節約を強いられる人生の旅を行っているため、外食はほぼしない。加えて、これは良い心がけではないと思うがどうしても頭を離れない考えがある。それというのがチェーン店を下に見るクセがあるということで、個人経営の老舗大衆食堂くらいしか利用しない。外食自体がレア、そしてチェーン店に自分で稼いだ金を落とすことは100%ない。なので久しぶりに飲食チェーン店に入った。

 

 この入口券売機システムの困るところは、この場ですぐに食いたいメニューを決めてしまわないと店の奥にも入れないこと。私はメニュー選びではかなりの優柔不断ぶりを発揮する。テーブルに座ってあれこれ考えるのが常で、それが楽しかったりもする。初めて入る店でメニューに何があるかも知らないから事前に決めることはできない。そして来てみれば色々なメニューがあって、どれもこれも食いたくなる。

 

「これは悩む……」

 

 しかし駐車場を見れば、次の客がドアに向かってきている。これは早く決めばければならない。そんなわけで母が決めたものと同じものを頼んだ。

 

 ビックリなのだが、店内には銀行の待合みたいに電光掲示板があり、自分の食券番号が表示されたら商品を受け取り口まで取りに行くというスタイルが取られていた。

 なるほど、これをやればウエイターがいらない。人間を減らせてよいかもしれない。飯の上げ下げは自分でやるのだ。

 

 久しぶりに俗世間の習わしに合わせての食事を行うと、すっかり過去のものとは様代わりしていて焦った。日本の飲食店がこんなことになっているとは思わなかったな。飯はそりゃ美味い。だが、やはり元気なおばあちゃんが頑張っているような大衆食堂で食う方がありがたみがあるなとも想った。

 

スポンサードリンク