こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

驚異の分身合体を見よ!「闘士ゴーディアン」

闘士ゴーディアン」は、1979年10月から1981年2月まで放送された全73話のテレビアニメ。

 

 まずめちゃくちゃ古い。そして半年や1年放送が定番のところを1年半くらい放送していて意外にも長丁場。

 

 最近は大昔の作品を綺麗なBDで出してくれて助かる。古くて全然知らない世界を知ろうとする分にはかなり楽な時代になった。

 そこでたまたま見つけた知らんけど気になる作品がゴーディアンだった。この守護神の感じ(めっちゃ漠然)がするネーミングがいいよな。

 

 ちょっと前に見て面白かったマシンブラスター味のあるロボがいるなぁと思って見てみるとこちらはタツノコ作品だった。どちらも根っこはタツノコ魂で生まれている事で共通する。

 マシンブラスターより更に前に見たゴワッパー5もタツノコ制作だった。最近はそれと知らずに手に取った作品がタツノコ関連のパターンが多い。縁があるんだな~。

 

 見て聴けば気づくけど、先に上げた3作どれにも安原義人がメインキャラで出演している。この人はタツノコ俳優だったんだな。いずれの作品でも心優しき荒くれ者の男前役で出てくる。

 この人の声が最近は好きになったなぁ。イケメンの声だわ。

 

 とりあえず視聴してすぐの段階でそんな事に気づいて、その後も最後まで楽しく見ていく。

 では、ビッグカタストロフで地上が沈まぬ内にゴーディアンの感想を書き殴っていくぜ。

 

闘士ゴーディアン Vol.2 【想い出のアニメライブラリー 第116集】 [Blu-ray]

 

内容

 恐怖の軍団「マドクター軍団」が地上侵略のために動き出した。

 

 人々は地上に複数のタウンを設け、それぞれが機能して日々の生活回っていた。となれば、タウンには武力を持つ正義の組織もあり。

 皆の街ヴィクトールタウンには、正義の組織「メカニカル・コンバット部隊(通称メカコン)」が設置されている。

 

 主人公青年 ダイゴ大滝は、田舎から上京してメカコン隊員となり悪のマドクター軍団と戦う。

 

 戦いの中、ダイゴは科学者の父が遺したスーパーロボットゴーディアンと出会う。

 以降ダイゴは、ゴーディアンを駆使しマドクターの悪の手から人類を守るため奔走するのだ。

 

感想

 まずは主人公ロボのゴーディアンがイカす。

 緑の巨人というのは何か珍しいかも。これを赤色に塗りたくったらガリアンぽくなるかもしれない。

 

 この作品ならではの目立つ点は、ゴーディアンの合体システムにある。これが変わっていて面白い。開発した博士の発想はかなりユニークでセンスがある。

 

 ゴーディアンはメカ郡の総称であり、その内容はまずダイゴが身にまとうロボスーツのプロテッサー、そのプロテッサーが入る一回りデカいロボのデリンガー、そしてデリンガーが入る巨大ロボのガービン。ガービンが1番外見になる。これら全部でゴーディアン。

 まるでマトリョーシカのごとく小さい物がもうちょっと大きいものに入ってを繰り返す合体システムが面白い。そんで何か可愛い。

 

 普通のロボ合体なら、それぞれが手足、頭、胴体ポジを担当して全てが外見になって中身の概念がないのだが、ゴーディアンは小さいのがどんどんデカいのに入っていく形とるので、他に類を見ないレアさがある。他にもあったかもしれないがパッと思い出せない。

 

 発想としてはちょっとダイアポロンぽいシステムなのかも。ダイアポロンは、デカいロボの中に入った人間が巨大化して中と外が良い感じにサイズマッチするという、あれはあれでよそにない特殊システムだった。面白いことを考えつくものだな。

 

 プロテッサーはダイゴが直に動かせるのだろうけど、中が空の状態のデリンガー、ガービンも実は単機で動ける。

 自動式を用いて一度に3機で突撃するならマトリョーシカ合わせをすることなくない?とロボへの理解が浅い私のお兄ちゃんがツッコんでいた。それは言わんでいいこと。

 

 ダイゴとは1話開始以前からもずっと相棒の豹型ロボ クリントもメカ要素として印象深い。主人公を守護する四肢の獣ということで、バビル二世やキャシャーンを思い出す要素。

 ダイゴと仲良しだったクリントを最終回で殺した意味はよく分からん。可哀想だろうが。クリントも生還させてやりたかった。そして同じくラストで散っていったアニタの事も可哀想。

 

 お話の内容は侵略者との戦いということで、そこは他のロボものとも共通する。しかしゴーディアンでは他にも注視する点が多い。

 

 二つの勢力がぶつかりあって大きな戦いが起きている一方で、誰にもどうしようもない自然の猛威が世界を覆う。よそサイドではそんな大事も動いている。ここに緊張感があった。

 地上がひっくり返るような天変地異のビッグカタストロフが到来する。これによって地上は地震、洪水、嵐に襲われ、終いにはシャレにならん地球規模の寒冷化を迎えるようになる。

 これらの現象は回を追うごとに酷く、やばくなっていく。

 ぶっちゃけ地上で争い事なんてしている場合ではない。そもそも地球が死ぬという段に来ている中で物語は進むのだ。怖い。

 現在はリアルだと地球温暖化が問題視されているが、こちらでは全球凍結に近づいている。世も末すぎる。

 

 3クール目くらいから最後までは益々世紀末感がすごい。

 いくらゴーディアンをもってしたところで、敵側の勢力がデカく強大なことに変わりはない。

 メカコンの基地でありダイゴ達の生活の場だったヴィクトールタウンは、放送2クール目くらいの段階で敵軍の侵略を許して占領されてしまう。

 主人公サイドの組織が実質壊滅状態で攻め負けてしまう意外な展開となった。

 

 シンプルに向こうの数が多くて強いのもあるが、加えてやり方も汚い。

 ヴィクトールタウン内部の人間に対して心理作戦を展開し、その結果内部分裂を誘発させることまでしてくる。人間同士の間に不信感が生まれるよう働きかけ、やがては同士討ちをさせるよう狙って来るのだ。なんて悪い奴ら。

 大いなる敵を前に内部でドンパチしている隙を突かれ、ダイゴ達サイドは落ちぶれていくのだ。

 

 内部分裂ならマドクター側でも起きていて、マドクター上層部は末端兵士に対してものすごく厳しい。カス同然に上から見限られて生き場所のなくなった一部マドクター勢力はこちら側に流れていく。

 あっちもこっちも結束がいまいち。そこが戦況を変える要素になっていた。

 

 ヴィクトール基地陥落後は、ゴーディアンの基地であるサントーレが、皆のシェルターかつ逆転を決めるための拠点となる。行き場のなくなった人々にそこを開放してあげたサオリ姉さんの関大な心意気は良し。

 

 タツノコといえば、とかくモブに厳しいというのが割りと定番要素。

 今回でもその点が濃く見られた。常駐キャラの死亡は抑えた方だが、ゲストキャラ、モブの多くが殺されている。マドクターは容赦ないから、自軍兵士も含めてめっちゃ殺してくる。怖い。

 ダイゴ達が助けられずに死んでしまう者の存在はかなり印象に残る。目の前で仲間や罪なき人々が殺されてしまう悲哀の場面が結構多い。 

 

 捕虜になった仲間を助けるため、ダイゴがマドクター基地に潜入した回では、自分だけ生き残って結局仲間を1人も助け出せずに悔しい思いをして終わった。主人公サイドに結構厳しいことをやってくる作品だった。

 

 坂本龍馬の親戚にあたるらしい軍師 オカモト竜馬は、基本ふざけているけど人類存続のために奔走した愛せるキャラだった。彼が敵の銃弾に倒れて退場する流れはきつかった。

 

 頼れる優男のダルフの家族が皆殺しにされる展開もキツい。ダルフ自身も数回死にかけた。生き残った中だと1番死んでもおかしくない危機に追い込まれた1人かもしれない。

 メカコンでダルフと同室の相棒になった者は早死するジンクスがあるが、それを吹き飛ばして最後まで生き残ったのがダイゴだった。この設定ちょっと好き。

 そんな苦労したダルフだからこそがたどり着いた幸福が彼女との結婚だった。たとえ戦争をしていても人の愛に待ったはかけられない。サントーレで生活するようになってから恋人のキャシーと結婚式をあげている。主人公のダイゴを差し置いて本編で結ばれたカップルはここだけだった。おめでとう。

 

 ダイゴはピーチィと良い仲だったっぽい。

 ピーチィは優秀なメカコン隊員だが結構じゃじゃ馬。一話目でダイゴがピーチィの水浴びシーンを目撃してしまった時の反応がうるさすぎた。うるせぇ女だなぁの印象がずっとついて回る。

 ヒロインズ評価なら、サオリ姉さん > ロゼ > ピーチィ の順番かな。

 

 サオリ姉さんはゴーディアンに乗り込むくらい勇敢だし落ち着きがあって美しい。ダイゴと全然似ていない。演じた役者の声も綺麗で良かった。

 ロゼは野性味がすごいけど、なんといっても金髪ポニテなので華がある。おっぱいのところがゆるゆるの服を着てくるセクシー要員でもあったのでこれも良し。絵が古いけど、ロゼのキャラデザは現代向けに書き起こしても受けが良いと思う。

 ロゼがジェロニモに着いていく事を選択したのは意外だった。ロゼとダイゴがくっつくのかと思って見ていたのに。

 

 メカコン、マドクターのどちらにも正式所属しないトロスクルスらプロの殺し屋達も中盤では光っていた。後半では出てこなくなる。

 ダイゴがプロの殺し屋らと行動を共にする回はかなり良かった。プロハンターの社会科見学みたいな回でもあった。

 ダイゴとは深い縁で繋がっていたトロスクルスも渋くて良いキャラをしていた。途中で出てこなくなるのは惜しい。

 

 ビッグカタストロフの他にも、伝説の「太陽のすかし」、大滝博士が持つゴーディアンの秘密、地球存続をかけた「プロジェクトX」、謎のエネルギー「イクストロン」、そのイクストロンを燃料にする宇宙船アノー号などなど、作品全体を覆う規模デカき要素、各々のワードが宿す中2感にどうしても注目が行く。

 これら大いなる謎設定は、最後まで視聴意欲を継続させる要素として上手いこと働いていた。

 

 終盤ではアノー号を手にした人類が宇宙を目指し、戦いの舞台もそちらにシフトする。

 宇宙編に入る前には、寒冷化が進んで滅びを待つ状態であっても故郷の地球を選んで残る者、人類が住める第2の居住地を求めて宇宙を目指す者、二つの進路決定がサントーレの人々に待っていた。

 何があっても地球人。ゆえに何があっても運命に逆らわず地球と命を共にするという意見も尊重される。ジェロニモ16世、そこに惚れたロゼがそっちの道を選ぶのも分かる。

 

 キャラクター達がこんなにキツい二択を迫られることになるなんて1話の段階では想像もつかなかった。

 実際に私達の地球がこうなったら逃げるか残るか、私はどちらを取るのだろう。そう思うと、なんて重いアニメだ。でもそこが面白いと思えた。

 

 生き残った人類それぞれが、この二つの分かれ道を選択したところで終わるのも悪くはない選択肢だったかもしれない。でもラスト1クールくらいは宇宙編を展開させて全てに決着をつける。

 そこには宇宙人も出てくるし、見つけた宇宙人同士でも核戦争をしていたりと、考えさせられたり教訓になる要素もしばしば見られた。

 

 地上にいた段階でかなり規模がデカかった話が宇宙まで来たとなると、広げた風呂敷の畳み方が簡単ではなくなるはず。

 そこをこのアニメはなんかすごいやり方で畳み掛けて来やがった。

 最後の落とし方はなんかすごい。そう言うならそうなのかぁ~と納得するしかないツッコむ隙があるようで、あってもしたくないゴーディアンならではの落ちだった。とにかく何かすごいからもうコレでいいやっていう畳み方だった。まぁそこは各々の目で見ればぁ?(しんちゃん風)。

 

 

 いや~そんなこんなで長い割にはダラダラとダレる要素少なく楽しく見れた。良いよ、こういうの。私は好きだな。ゴーディアンのデザインも好きだし。

 

 作中でいうところのビッグカタストロフが、今の世にもいつ来るか分からない。自然災害ってのは周期的に来るもので、回避出来ないものだからな。

 そんな中で何があっても悔いのないよう生きねば。主にはアニメをしっかり見ねば。視聴後にはそういう学びを得られる良きアニメでした。

 ゴーディアンのおもちゃが欲しい。

 

 

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