こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2021年のアニメ感想(4月~6月)その8

 

シャドーハウス

シャドーハウス 4(完全生産限定版) [Blu-ray]

 シャドウバースが終わった入れ替わりのタイミングで春からスタート。名前がかなり似た全く知らない作品なので「は?」と思いつつ視聴。これが意外と面白かった。

 

 謎のお屋敷には、黒い煤で顔が見えない主様がいて、その見えない顔の代わりになるお仕えがいる。このバディが復数登場する。

 不穏、謎、不気味、エミリコ可愛い、第一印象としてこういったものが挙げられる。不思議にしてなかなか思いつかない設定と世界観が見える興味深い作品だった。どことなく「ローゼンメイデン」の雰囲気が見える点からも興味が持てた。

 

 今期のロリ枠の星となったエミリコの魅力がとにかく光っていた。週末放送の本作でエミリコの笑顔を見て一週間の疲れが癒やされたという視聴者は多くいたはず。タフで回復力逞しい私は、そもそも宵越しの疲れを持たない体質なのだが、それでもエミリコには十分な癒やしをもらった。めっちゃ可愛い。

 

 シャドーと生き人形はシルエットこそ同じだが、中身はかなり違う。それを同じ声優が演じ分ける点は一つの見所。

 メインのエミリコとケイトのバディのみは、それぞれ声優が異なる。この点になにからしの重要性があるのかと深読みしてみたけどよく分からん。ケイトをクールに演じた鬼頭明里、天真爛漫で萌えるエミリコを演じた篠原侑、客員の芝居がとても素敵だった。

 エミリコやケイトを試験する大人の外野キャラを務めた声優陣が豪華。

 

 

幼なじみが絶対に負けないラブコメ

幼なじみが絶対に負けないラブコメ 第2巻 [Blu-ray]

 全方位幼馴染ヒロインに囲まれて展開するラブコメ。やはり幼馴染ヒロインは強し。あっちもこっちも幼馴染なのは楽しい。 

 

 空から急に降ってきた謎の押しかけ女に男が取られて幼馴染ヒロインが負けヒロインになる展開ってよくあるけど、それって幼馴染ヒロインの気持ちを考えるとちょっと許せない!そんなことを想う私としては、どいつもこいつも幼馴染ヒロインの今作の設定に安心出来た。

 

 主人公の男は松岡くん、黒ちゃん白ちゃんそれぞれのヒロインをあやねる、いのりんが演じたことから、巷では「二等分の花嫁」などとネタにされていた。五等分の内、嫁二人が揃っているからである。これに加えて本作では年下幼馴染ヒロインの真理愛ちゃん役で大西沙織が参戦。この3人の女優でメインヒロインを張るのはかなりお耳に心地良い。というわけで役者は大変良かった。

 大西沙織が高音でブリブリしたロリキャラを演じるのも珍しい気がした。彼女の演技にも注目。

 

  下馬評としてはなかなか強い今期の期待作だったようだが、蓋を開けるとちょっと都合が違う。どうしてこうなった?と思った者も少なくない数いたことだろう。

 中を開けて見ると、ちょっと予想と違う。可愛いし、それなりに楽しめたけど、やはりちょっと想っていたのと違う。

 恋する若者心理が織りなす群像劇テイストで攻めたい感じだったのだろうけど、ちょっと見せ方のパンチが弱い気もする。

 私が数多のラブコメを見てきたオタクだから余計なフィルターを通すことになったのか、それというのが、見ていると要所要所で「俺がいる」「政宗くんのリベンジ」「冴えカノ」ぽい要素がチラつく。新作を見る時には心と記憶をまっさらにした方がきっと楽しめると反省もする。

 

 メインで出てくる男女達についてだが、こいつらがとにかく七面倒臭いラブな関係を展開している。見ていて面倒臭い奴らだなと強く想い、ちょい恥ずかしくもなる。

 可愛いのだけど、黒ちゃん、白ちゃん、真理愛ちゃんの3人のヒロインは、揃いも揃って癖が強く、腹黒い一面もあるので、付き合ったら絶対面倒臭そう。個性的ではあったが、そんな理由からいまいち萌え切らない。なんだかんだで丸くんの後輩女子のポニテ巨乳の子あたりが一番良かったかもしれない。

 あと群青同盟はちょっとハズい。

 

 なんだかんだと感想を並べることは出来るが、一番ズドンと衝撃を貰った要素は、例の文化祭ダンスシーンにある。はっきり言おう、作画がかなり暴れている。躍動感があるっぽいのに、やっぱり動いていない。巧妙な騙しになり切っていないので、簡単にバレるヘタったダンス動画になっている。これは酷い。けどちょっと面白い。

 アニメを愛する私としては、キャベツ、ヤシガニ、ムサシのように、向こう10年以上余裕で笑いネタにされる事件が起きるのは悲しい、虚しい、ムカツク、でもちょっと面白い。日本の持つ高度文化として押し上げて行きたいコンテンツなのだが、その品位を貶める黒くくすんだ暦として今作は残ることになるのだろう。安定、安心の評価をそれまで取っていた「動画工房」にあるまじき失態であった。残念だ。でも、どこまで行ってもちょっと面白いのだけど。これはこれで修正せずBDに残していくのもアリかもしれない。後の世の職人達への戒めとして残すには良い教材になるだろう。

 

 おさまけを見てたくさんのことを思ったな。諸々を回顧するターニングポイントは必要である。必要悪としてこの作品は、こんな環境でテレビの世界に降臨したのもかもしれない。原作者には不運な話だが、何か後の世に良いものも残せたはず。

 

 白ちゃん、黒ちゃんの二人で歌うED曲は可愛くて耳が幸せになるものだった。

 

SHAMAN KING

TVアニメ「SHAMAN KING」Blu-ray BOX 3(初回生産限定版)

 すげぇな。新世紀が明けて秒くらいにやってたアニメが今更リブート。OP曲で「よみがえ~れ~」って言ってたのから20年経ってマジで蘇りやがった。そんな訳でおかえりマンキン

 

 主人公の麻倉葉を新しく日笠陽子が演じた点は最初の注目ポイント。可愛い女子やエロ女を演じるのに定評がある日笠陽子が、脱力系の男子を演じるのは新しい。彼女の新しい一面が見れて良かった。

 葉がホロホロの妹に「まくら は」って呼ばれてた事を思い出して笑える。

 

 大方のキャラは声優の変更なしで一作目から続投となっている。20年も経って皆元気で業界に残ってくれていることに感謝。

 

 怖いけどなんだかんだで萌えなアンナ、パンダのチャイナ服がセクシーで可愛い道潤は昔から好きだったので、令和になって再会出来て嬉しい。

 一作目の時にはまだまだ役者経験の浅かった奈々様(水樹奈々)が、たまお役でまた登場。あの時と比べたら売れたよなと想う。そんな訳で作品を懐かしみ、声優の成長も感じられて良かった。

 

 アニメ一作目と比べると随分と早足展開になっている。飛ばしすぎにならないか、その点はやや不安。

 

アイカツプラネット!

 一年で行くと思ったら半年で終わったのか。そんなわけで、プリチャンに次いで女児枠の星だったアイカツもこの春でおしまい。

 

 後半クールからは、先代のハナの中の人が、別アバターをまとった新アイドルとして参戦。先代の中の人が意外にもサバサバ系でボーイッシュだった。この感じでハナをやっていたのだとすると、マオちゃんと入れ替わったらファンにすぐにバレそう。

 

 実写ばかりでなく「アニメやれや」と思って違和感ありまくりな新シリーズを歓迎しない感じも最初はあった。しかし、段々と愛着が湧いてきて結構好きなシリーズになってきた。そこで終わると聞けば、普通に寂しくもなる。

 ラスト二話では、これまでの名場面集、メイキングを放送した。この手の作品のメイキングをテレビで見れるのって珍しい。皆頑張っていてええやんと今更思えた。これまでとテイストを変えた異色作ではあったが、なんだかんだで日朝を盛り上げた決して悪くないシリーズだった。

 何気にOP曲とED曲はノリが良くて覚えやすく、たまに鼻歌が出るくらいに日常生活に浸透している。

 

Yasuke -ヤスケ-

 ネトフリオリジナルアニメ。

 織田信長切腹シーンから始まる熱い戦国ものかと思ったら、普通のものとはちょっと違う。まず気になるのは、信長軍に黒人の侍がいること。これが異質な点として目立つ。本作の目玉は、黒人の侍の生き様を描く点にある。

 日本の歴史にはあまり詳しくないのだけど、どうやらこのヤスケという人物、ネタ元となる人物がマジで信長軍にいたっぽい。マジか、いたのかよヤスケ。

 

 黒人の侍、神秘な力を持った少女、獣人化する大女の戦士、めっちゃ戦闘ロボ、クレイジーな神父などなど、普通の戦国もののイメージをぶっ壊しにかかる要素が次々出てくる。意外な要素と展開が楽しめた。

 

 今日日の日本人がすっかり忘れつつある侍としての「誉れ」が作品テーマになっている。黒人の侍のヤスケが「誉れ」という言葉を復数回口にする点は印象的。

 そんなわけで、令和になった今日でも誉れの精神を忘れずに生きようという気づきが得られる悪くない作品だった。 

 

ワンダーエッグ・プライオリティ特別編

 今年1月から3月まで放送した話題作のオチとなる特別編。

 1クールではオチまで入り切らず、少し待った三ヶ月後にきっちりオチをつける。その約束で6月の最後まで待った。そこで食らった衝撃はなかなかのものだった。

 結果から言うと、このオチでは良く分からない。 

 

 元々不穏にして謎な展開をお届けする作品だった。しかし、オチはすっきりはっきりつけて欲しいというもの。そこにプライオリティを合わして欲しかった。

 60分枠で放送した特別編だったが、半分は総集編で、新録は後半30分のみ。多大な謎を30分で片付けるのには無理があったのかもしれない。後半へ来てパラレルワールドがどうとかいう小難しいSF要素もぶっ込んできて混乱する。ちゃんと見たつもりだが、理解が追っつかない。もう一度見て確認しようとは思ったが、どうせ確認したところでよく分からないだろう。ならばもうコレはよく分からんオチの産物だったと受け入れて記憶の奥にしまおうと思った。

 

 三ヶ月も待たせた割には、万人が納得のオチではなかったと思う。締め方が残念。

 ただし、あいちゃん復活のダブルピースと満面の笑みで締めたラストシーンは可愛かった。とりあえずあいちゃんが酷い目にあって精神がボコボコになる未来ではなく、笑顔で終われたことだけは良かった。それから大谷育江が演じたグロ強いキャラが怖かった。このくらいしか記憶にない。

 

 オチに辿り着くまではずっと面白かったドラマ「高校教師」を手掛けた野島ワールドならではの謎エンドだった。しっかりはっきりとした答えを視聴者に与えない突っぱねるようなオチは共通している。この気持ちを人は消化不良と呼ぶのだろう。

 

 春クールラストに迫って生まれた問題作だったな。これは良くも悪くも後々記憶に残るだろう。

 もしかすると、本作が納得のオチを迎えて全てのオタクに賞賛されたという世界線もどこかにあったのかもしれない。しかし、そうではない世界線に生きる私には一生見ることが出来ない想像オンリーの話である。

 

 スポンサードリンク