ジャパンミュージックの黄金期はどこですか?
そう問われたらこう返そう。8センチシングルをリリースしていたくらいの期間です。
というわけで8センチシングル全盛期の頃の日本の音楽が大好き。年代にすれば90年代丸々ってとこかな。早い物だと80年代後半からもレコードと一緒にシングルをリリースしていたと上の世代から聞いたこともある。
何故12センチ盤だって消えつつある今になって8センチが愛しくなったかというと、押入れの整理をしていて再会したから。急な再会で急に愛も再燃、同窓会とかでそういうことがあるみたい。押入れの中でも同窓会ラブである。ちなみに同窓会って行ったことがない。
こういった物は中のデータを抜いてパソコンで聴いているから、今更本物の再生は絶対にもうないだろう。今でも聞けるのかな。CDの寿命ってどのくらいだろうか。10年くらい前のなら普通に聴けたけどな。
我が家には困った数のCDがある。なんでこんなに集めたのだろうと気が遠くなる量が出て来た。
12センチ、8センチが多分同じ数くらいあるのだが、圧倒的に8センチが軽い。12センチは場所を取るしケースが重い。これはどこかに運び出すとなると骨が折れるだろう。
この軽さは良さだろう。8センチのままでも良かったじゃないかとちょっと思う。
しかし改めて思うけど、各種タイトルを見ていくと8センチ時代の曲達って元気だよなぁ~。曲自体も良いし売れたドラマやアニメの曲だったことから更に記憶に残るものがわんさか。
縦長短冊型のこの形状がいいよな。真四角よりも縦長の方にそそるものがある。これって変な性癖なのかな。いや、変ではないか。愛が産みだした正直な感想だものな。
にしても8センチシングルってマジで最近見なくなったなぁ。まあ中古屋でも取り扱いをしていないのかもしれないけど。中古のだってなかなか見なくなった。
よっぽど特殊な物でもない限りは後になって12センチ盤でも出ているし、現物をわざわざ取っておく実用性はないのかもしれない。売買を常とする人気商品の感じはないし、徐々に廃棄されて現物は段々減っているのかもしれない。
90年代真ん中くらいはミリオンヒットシングルが年に10以上出たりするくらい全体的にCDが売れたから、8センチの出荷数もバカみたくあったはず。それでも今では大分減ったんだろうな。そう思うと、現代からならいつの時代を振り返っても泡沫の時って感じで切ないなぁ。
しかしこのコンパクト感は良い。小さいからザッと物を確認しやすい。
6人いた頃のSMAPのCDとか、ミスチルとかサザン、GLAYにB'zにラルクなどなど、この時代にヒットを連発した色んなアーティストの名作が出てくる。
これには取っておいても仕方ないと思う一方で、取っておいたのを振り返って確実に面白いものだからどう処分しようか困る。売り捌くのも手だが、令和になって誰が欲しいのだろうか。12センチはマジで邪魔なので全消ししても良いかもだが、8センチは形状や内容も趣深いのでこのまま保管しても良いかな~。
こんな事を考えて結局部屋が片付かないと家族から文句を言われたりもする。困るなぁ。家族って素敵なものだと思うけど、正直な連中ゆえ邪魔ならはっきりそう言うからたまに毒なんだよな。
色々と8センチCDを見ているとジャニーズが多いと気づく。皆が若い時を見るのも楽しい。ジャニーズは今も昔も好きなんだよな。キラキラした格好良いお兄さん軍団って感じが魅力。
嵐の序盤の方がギリ8センチ時代だったな。デビューCDがあった。しかもダブって2枚。大野くんの髪がすごく長い。
ジャニーズだと嵐が最後の8センチ時代デビュー組かな。タキツバやNEWSくらいになるとデビュー作が12センチになっていた。
ちょっと面白い気付きが、8→12に変わって行く過渡期のリリース事情。
事務所の販売形態の意向が変わりつつある時期だったのか、嵐やキンキのCDにはケースが12センチサイズなのに中身は8センチCDが収まっているものがある。コレ、なんか間抜けで面白い。当時買った人は「何か間違ってない?」と疑問に思ったかもしれない。
過去を振り返って見ると、このような形で時代の移り変わりを確認出来る。この発見も面白い。だから何だって話だけど。
ゲームコレクターでもあるのでセットでこんな事も思い出す。
音楽CDの8センチ盤が死にかけてくらいにニンテンドーが放ったゲームキューブのソフトはまさかの8センチディスクだった。
この時代のぶり返しが何か嬉しい。ここから数年は、ゲームディスクなら8センチ盤と親しめたわけだ。キューブも00年代真ん中くらいまでは出していたはず。
先発のCDロムロム、3DO、プレステ、セガサターンなどが既に12センチ盤でソフトをリリースしていた中、任天堂の新型がちょっと懐かしの8センチで仕掛けて来たのは雄々しい歴史だな。
後のwiiのヒットに比べると存在感に影かもしれないが、キューブだって私は好きだ。個性的な、または変なゲームもそこそこの数があり、通電しない内は鈍器としても使えた。そんな事から日常において最も実用性の高いハードだったと振り返ることが出来るだろう。任天堂の社員が聴いたら泣くか怒るかしそうな感想になったな。
ちょっと話変わって00年代の前半の方には、懐かしい響きのコピーコントロールCD、通称CCCDなるものがあった。これも押入れからわんさか出てくる。
業者的にはメリットがある規格だったのかもしれないが、こちら側としては面倒で厄介な規格だった。あったなこんなの~と笑いながら思い出す。
こうして振り返ると日本の音楽ソフトの歴史にも波あり谷あり、その中で進化もありで面白い。
とりあえず8センチものの中でお宝だったかなってやつは、世にたくさん出ていないであろうアニメ、特撮関係のCD。こういうのは音楽マニアだけでなく作品自体のマニアにも価値がある。
それから個人的にお宝が感強いなぁと思ったのは、せがた三四郎のCDと湯川専務が出したCD。それぞれセガサターン、ドリームキャストを売り出すために生まれた迷作と名作を兼ねるとにかく素敵ソング。
セガ人間だから未だにこういう微妙にフザケた企画商品が光って見える。何気にレアじゃないのかな。とりあえす欲しいと思ってもそこらに無いのは確かな話。
サターンもドリキャスもソフトを買えばクソゲーヒット打率が高い代物だったわけだが、それに勝る得も言われぬ魅力があったことからなんだかんだでとても好き。
セガに青春を燃やした。それを思い出すことが出来るせがた三四郎と湯川専務のCDは捨てずに取っておこう。
これらについてはマジで生涯一度切りしかショップで見たことがない。その一度切りを購入して永遠にしたことで今がある。レトロゲーム愛好家として、これらは8センチ用の縦長OPP袋に入れて残しておこう。
湯川専務の歌ってフザケている感じもあるけど微妙にハマる良い曲だし、意外と歌唱力もあるよな。ここら辺も我が葬式で流して欲しい曲候補として遺書に記入しておこう。まだ何も書いたことないけど。
8センチシングルにまつわる最新の想い出といえば知人の結婚式での話。
幸福にも結婚する者がいた。式ではお気に入りの曲を流したい。それが門出を迎えた人間の素直な意見。
そこで彼は、地域だとブックオフの次かそれと並ぶくらいCDがたくさん置いてある施設、つまりは我が家を訪ねてきたのだ。
式場で流す曲については微妙に細かいルールがあり、コピー品を使用すると後で何か面倒があったらやっぱり面倒ということで、ちゃんと購入したセルのCDしか持ち込めないことになっていた。我が家にはコピーでなくマジものがたくさんある。
スピッツとかミスチルとかの古い曲が欲しいというので、レンタル賃は取らない、タダで持っていけ。そして綺麗に返せと言ってCDを貸した。
すると後日。式場では8センチを再生する環境がないからダメっすと言って持って帰ってきた。
何やってんだよ。そりゃ古い規格だから対応していないならまぁ不自然ではないが、かけたいものをかけられないオーディオ環境は甘いぞ。ここはオーディオショップではないが、オーディオだって売りにした幸福の施設、それでこそ結婚式場だろうが。8→12に変換するアダプターとか常備しとけよ。あれも結構売れてただろうが。
と、8センチ受け入れ拒否の式場に多めに文句を言ったものだ。まぁ自宅の畳の上で叫んでも会場まで文句は届かないのだけども。多分このネタでの苦情は長くやっていて一件も入ってこないと思う。
まぁミスチルもスピッツもベスト盤があったから後でそっちを貸して問題は解消されたのだが。
我が家のお兄ちゃんからは「じゃあ最初からそっち出せや」って言われた。でも格好つけてオリジナル盤の8センチが良いもんって思っちゃったから仕方ないじゃないか。
それからCDをたくさん持っていると、モンスターファームをプレイ中の同級生にたかられるというのも多く持つ者のあるあるである。
というわけで、8センチCDが業界を席巻した時代があったことを忘れていけない。いけないことはないかもしれないが私は覚えておきたい。覚えておくためにも晩飯後のゆるりとした時間を使って書き殴ったぜ。
以上、せがた三四郎と湯川専務の歌を聞きながら長々と綴った8センチシングル談義でした。
いつだって今光っていると思った音楽と出逢えば、その瞬間があなたの音楽黄金時代である。
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