おとぎ話大戦は、1995年に発売されたゲームボーイソフト。
先日、我が兄より受け継いだ遺品(←多分22世紀間近くらいにそうなる予定でまだ生きてます)の中にあった気になる一本がコイツだった。じゃあやるしかない。
おとぎ話、それは保育園の昼寝前に先生に読んでもらったもの。また、自宅で夜に寝る前にも親に読んでもらったものである。
我々のキッズ時分には、眠りを促進させる子守唄のようなものだった。同時に夢にときめくわくわくもあることから、選ぶ話によっては逆に眠れない物もあったりなかったり。まぁとにかく楽しくも心地良い内容が我々の耳を楽しませてくれたのだ。だからおとぎ話は人生のお供なのさ。
そんなおとぎ話をテーマにしたRPGが本作「おとぎ話大戦 」っす。今年に入るまでマジで知らんタイトルだった。
レトロゲーハンターとしてそれなりに長い間活動してきたが、なにせこの分野は歴史が長く、ゆえに範囲も広い。まだまだ若年の私ごときではカバーしきれないってものだ。だから知らんかったことにはすまん!
ゲームボーイはまだまだ手つかずの域が広い。ゴミから名作までなんでもござれなカオスフィールドが広がるのがGB世界の真実なのだという。て我が家のお兄ちゃんが言ってました。
だったらこの先も楽しめそうな分野だ。思わずジュルリと天然汁が口から零れそうになるぜ。←汚いからしまっておけ。
ちなみに元持ち主のお兄ちゃんにこのゲームについて話を聞いたところ、「俺はおとぎ話とか好きくないから、ピッピが主役で汚いことばかりするポケモンのマンガをずっと読んでいた」というトンチンカンな事を言ってました。
でも確かにあったなそんなポケモンのマンガ。主人公のトレーナーがオーキド御三家でもピカチュウでもなく、下品でバカなピッピを連れて冒険するギャグ漫画があったんだよね。多分まだ20世紀の頃に。
ピカチュウはピッピの親戚か何かの設定で後から合流するはずだったような~。あのマンガも倉庫のどこかにあるはずだから、死ぬまでにもう一回くらいは読んでおこう。私はピッピのことも好きです。
てなわけで、初代ポケモンともたいだい同期くらいのおとぎ話RPGをだいたい5日くらいかけたクリアしたぞ。
楽しかったので感想とかを殴り書いて今日という幸福な一日を締めくくろうと思う。それが私の清らかな願いだ(←相変わらず無駄と隙だらけでリード文が下手くそ仕上がり)。
↑
なんだかやってくれそうな雰囲気がある(←何を?)スタート画面。
内容
ある日、主人公少年はおとぎ話の本を読んでいた。
するとなんかおかしい。おかしいおかしいと思う内に、本の中の世界に引っ張り込まれてしまった。さぁ大変だ。
本の中の話は、本来の作風から大改変が成されていて、桃太郎も金太郎も一寸法師も全部ござれなカオス展開になっていた。
それぞれのキャラ配置がおかしい事になっているのでこれは正さねば!
悪い鬼が不思議な力を用いて本の内容をおかしくしてしまったと判明する。ではそいつをとっちめて本来の物語に戻し、自分は元いた世界に帰るしかない。
主人公は本の中の登場人物と協力し、世界をあるべき姿に戻すため大冒険に出るだった。
以上、とっても楽しいゲームの内容っす!
感想
おとぎ話が舞台のほんわか可愛い感じのRPGだった。クリアして振り返ってみると結構楽しかったっす。
桃太郎、金太郎、一寸法師にかぐや姫など、おとぎ話界の有名人がコラボしていることからハドソンの桃太郎伝説を思い出す。あっちも懐かしいからその内遊びたいよね。
桃太郎が調子こきで女好きっぽい、一寸法師がアメリカンなノリなど、やっぱり我々の知る世界とちょっと違う。それもユニークに違うので良し。
あそこへ行ってコレをやれの流れに従ってぐんぐん進める一本道シナリオのオーソドックスなRPG仕様を取っている。
マップがちょっと広めだから序盤はココどこだっけ?と迷うことがあった。でも地図があるのでそいつを見れば大丈夫だ。
次はどこに行って何をやるんだっけ?となれば、メニューでこれまでのあらすじが出るので、それを読んで目的を思い出せる。そんなヒント機能があるのは子ども向けには親切設計で良し。
やることは単純なので、何をすれば良いか分からないことはなかった。攻略サイトを見るまでもない。
ていうか自分以外に遊んだ人の記録や記憶があればちょっと見てみたいと思ってネットで引いてみたら、古いしマイナーだからってことで攻略や感想を書いたサイトがわずかしか出てこない。人気ないのかなコレ。結構好きな感じだったけど。
分からない事、不可解な事といえば、シナリオ進行以外でいくつか見られた。
まずはアイテム。何か色々あるけど、装備品以外のアイテムの使い道、使用効果がまるで分からない。使った所で何だったんだコレは?という物もあり。戦闘で使用出来るアイテムについては全く説明がないので使って覚えるしかない。
薬草、傷薬といったものなら名前で回復アイテムだと分かるけど、後のいかにもおとぎ話風なオリジナルネームアイテムは名前から効果が予想できなくて困った。ゲットしたけど最後まで使わないアイテムもありだった。
他の謎は、戦闘シーンにおけるこちら側の攻撃について。
敵へのヒットダメージがなんだか横着で、一番攻撃力が高い主人公の攻撃が1桁台しか入らないのに、次に攻撃力の劣る仲間が攻撃した分が50入るなんてことがある。
主人公が同じ敵に攻撃をした場合、共に防御されていない状態なのに、1ターン目は3だけ、2ターン目は50でも100でもダメージが通ることがある。どうなってんだコレ?
攻撃能力数値が相手へのダメージにしっかり反映されていないのか。ターン毎にあまりにも攻撃ダメージに上下があるのが気になった。
そしてこちら側の通常攻撃が外れすぎ。よく外すなぁ~とストレスを感じるターンが多かった。攻撃が外れる要素は要らんって。
敵味方それぞれのキャラに特殊攻撃があるが、これは大ダメージが入る分通常攻撃よりも外れやすい。そして失敗した時には反撃を受けてちょっと体力も削れる。印象的な要素。
この特殊攻撃が入った時は双方とてもラッキー&危ない。通常攻撃だと1桁くらいしか貰わない敵でも、特殊攻撃が入った場合ならこっちの体力が一気に削られる。レベル差を埋める駆け引きだな。
結局理不尽で、全回復していても向こうの特殊攻撃一発で殺されることもある。
特殊攻撃が当たるか、またはもらうか、それに加えて常によく分からない通常攻撃ダメージの入り方によって、戦闘が割と運ゲーになるかも。
ボス戦なんかは結構運かも。こっちの特殊が先に入るか、向こうのが先かで勝敗の未来が変わる。
そして「とくしゅ」に加えてもうひとつある攻撃コマンドが「だんたいせん」だった。これはもうそのまんま団体戦ってことで、全員で突撃をかける内容。でもコレ、謎なんです。
ネット上で少数だけ拾えた本作の感想コメの中にも「団体戦の意味は?」という物があった。全員で突撃することでザコをさっさと始末出来てエンカウントが短縮されるのかと期待したがなんか違うっぽい。むしろ長引かせる邪魔要素だったかも。
団体戦を仕掛けるとこっちも攻撃を食らうし、思った程向こうを痛めつけれてもない。普通に単体で通常攻撃をかける方が話が早い。
変わり種として用意したのは良いが、練り込みが甘い、というか謎な攻撃コマンドだった。団体戦に向かないゲームです。戦士なら単機撃破可能なだけ己を鍛えておけ。
そんな感じでエンカウントに微妙なストレスがあった。
これよりもっと昔のファミコンゲームほどバカみたいに高いエンカウント率ではないことにとりあえず安心。一定数歩くと敵が出てくる仕様みたい。出過ぎなこともないが、出なさ過ぎでもないため、割りと戦ってばっかりのゲームだったかも。
フィールドの端っこには、別に寄らなくても良い短めのおまけ洞窟ダンジョンがある。余裕があれば突っ込んで経験値稼ぎをしてアイテム回収をすればもっと楽しい。
おまけ要素といえば、マップのあちこちにある泉と鳥居。それぞれランダムで何かイベントが発生するが、いずれもクリアに必要ないものだった。別になくても良い要素だったかも。
泉に突っ込むと良い時には金を拾えたり、体力が回復出来る。悪い時には金を落とす、水の中に足を突っ込んでなんか臭くなったというがっかり気分を味わえる。遊び心だな。
鳥居のイベントもお遊び要素でいらんかったな。鎧武者や鬼が喧嘩を売ってきて戦闘に入るパターンもありで、その時に殺られたらマジで面倒。
多分泉と鳥居に関わる場合にはリスクの方が押し勝っていると思う。
ネットでわずかばかり拾えた他の人の感想にも強調して書かれていたのがラストダンジョンのきつさ。
ラストダンジョンは長い。とにかく長いから疲れる。ここは子どもにはきついかも。
まず広いしめちゃ分かれ道があってどこに行けばいいのさ?と迷子になる。エンカウントは定期的に来るので体力もやばくなる。
このゲームの悪いところだが、いくらレベルが上がっても「逃げる」が運ゲーらしく、遥か昔にやりあったザコからも逃げられないことがある。逃走の成功率が低い中で迷子になったら結構ムカつく。
ラストダンジョンでもエンカウントすれば、逃げの失敗が怖いことから戦うしかない。それで狩りまくっていたら、レベル21で突っ込んだのに、ラスボス撃破の時には29になっていた。
このレベルアップもちゃんと段階を踏んでいるのか?ここからここのレベルアップはたくさん戦って時間がかかったのに、次のレベルアップはえらくすぐだったようなという感じもした。これは戦いまくって感覚がバグったこちらの錯覚かもしれない。
黒幕は性格が天邪鬼な天邪鬼そのものだった。いつも通り平凡な流れのおとぎ話に退屈を感じたから、ちょっと変えてやるかの割りと軽いノリでやってくれていた。こいつはごめんなさいしたをところで逃れられないクロスチョップ案件。
くそ長いダンジョンの終点でボスをぶちのめした後には本の世界から出られて、主人王は元の暮らしに戻れましたとさ。そんな平和な締めでした。
ゲームは「四次元」というマジで知らん会社から出たもので、情報はそれだけ。シナリオを終えたらすぐにもエンドでスタッフクレジットも出なかった。社員の情報すら謎やんけ。
コレはワイが作ったやつ、または関わったんやで!とかいうおっさんがどこかに生き残ってはいないものか。
古いものだからちょっと作りが雑でそこにまあまあイラつきはしたものの、まるっと振り返ってみると結構良い感じのゲームだった。私は好きです。ただ子どもにはちょっと難しいかも。敵が強めっす。
おとぎ話は聞かせてもらえる内に大人からたくさん聞いとけ。後になればきっと素敵な思い出と高い教養になるはず。おとぎ話を永遠に。
スポンサードリンク