こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

すき焼きを食いに田舎に行きましょう!

 何かのくじで何とかという立派なブランドの見たまんま立派な牛肉が手に入った。つうわけで食べに来てみて!とうちの母から連絡がありました。

 見事上等な肉を引き当てたのは、強運の持ち主である我がお兄ちゃん。このお兄ちゃんは、昔から泥臭い努力とか天性の才能とかよりも運を頼りに人生をサクセスしてきた。生え抜きのインテリ強化からの人生切り開き人の私とはそこが違うよね。ちなみに私は小学校の頃からビンゴとかくじとかその他それ系の催し物で何か良い物を引き当てた記憶がない。それでも生まれてから今日までとても幸せな人生でした。もしも明日死んだとしたら、この先への未練はまだ残れど、とりあえずここまでは楽しかったので満足だと笑って棺桶インすることだろう。

 という悟りを上等な肉をきっかけに開く私ってば、かなり宗教向けな人間なのかもしれない。でも基本的に冠婚葬祭はスルーか、参列したところで寝ているから無神論者の心なのかも。

 

 とかなんとか考えたところで話を肉に戻そう。

 すき焼きにするからおいでよ!なんてちょっとそこまでドライブ行かないの?感覚で言われましてもねぇ、こちとら常時忙しいし、その上今はもっと忙しい師走の時期だぜ。別に先生ではないその他のジョブ持ちからニートまで忙しいヤツは皆忙しいシーズンが今なんだよ。ならばそう簡単に時間を作り、肉を迎え入れる胃の準備をした上で遠くの空の下にあるお家まで行けますかっての。

 とまぁ私のような身分と立場にある普通の人ならそれは難しい話だろう。だがそこは普通とちょっと違う私だからってことで、本来難しい話をいくらか簡単に出来る。学校の先生も言っていた、難しいことを如何に簡単に伝えられるかが大事ってね。つうわけで難しい都合をちょっとだけ簡単にしましょう。人は思考の生き物だもの。しっかり考えた上でシャキシャキ行動すればそれも叶うってものだ。

 その脅威の課題難易度変換術が叶い、なんとか電車に乗って田舎に向かう段階に入ったぞ。まぁそりゃ上等な肉はね~それもすき焼きで行くとなるとね~腹ペコ星人としては頑張っちゃうよね。というわけで、食い物に釣られて年末帰省にはちょっと早いフライング帰省となった。で、またこっちに帰って来るから本番の年末帰省はもうちょっと先ね。

 

 その日の晩に肉を食うというが、体は昼間にも現地に到着。せっかくなので、ガキの頃にめっちゃ通った懐かしのラーメン屋に久しぶりに行って昼飯だ。晩飯まではさすがに時間が空きすぎる。ここで一旦腹を作っておきましょ。

 うわ~古い店だがまだあるぜ。電話を置いていないから事前に開店確認が出来ないんだよな。誰か現地の情報屋とでも知り合っていれば良かったのだけど、この地は昔いたというだけで現地の人間との交流はないんだよな。私が知る人、私を知る人、それぞれごく僅かだ。あと聞いたところによると、私は塀の向こう(刑務所)に捕まったという噂がこの地に流れているとかいないとか。あまりにも巷を歩かなくなるとこういう目にも合います。

 開いているか閉まっているか、賭けで突っ込んだらちゃんと開いていて良かった。あの頃はまだ若くて元気だったお店のおばちゃん。それも時代が深まることで若さの成分が弱るよな。動きがノッソノソとして昔よりもフットワークが落ちている。腰も曲がっちまってよぉ。こりゃ時計の針も何周と刻まれてますわ~と嫌でも分かる。だがそうして深まる時代の中で、店員の人生やここの味を深いものになっていくとなればそれも悪くはない。

 というわけでノスタルジックに心地よい感じになりつつもしっかり美味しいラーメンとチャーハンを味わった。

 このケチな私が高いセットメニューを行くのは極めてレア。ここにはガキの頃から世話になったし、たまにしか来れない。寂しいことを言うようだが、私の都合やお店と人間の加齢を考えれば、これが生涯最後の来店になるかもしれない。いずれにせよ次に来るまでは長い期間が空く。そういうことなら、こちらからせめてもの感謝の思いということで、一番高いのを食ってやることにしたわけだ。つっても1000円でお釣りが来るけどね。田舎のリーズナブルなメニュー内容でした。ここの大将や女将さんには、青春の愚痴とかを聞いてもらったこともあった。よく話してくれる人達で楽しかったっす。 

 懐かしい景色と味わいによって心が暖かくなりました。

 

 その後はせっかくなので、昔通っていた小学校を目指すことに。せっかくなので覗いてみようとなったのだが、今思えばなにが「せっかく」なんだろう?まるで次がないみたいだが、望めば次もまだあるのだと思う。

 うちの身内のチビも遂にココに入ったんだよな。それきっかけでまだあの学校あったのかよと思い出した。

 母校といえどあんまり近づくものではない。校門近くをぶらついていると学生狩りの不良か不審者かと思われる。なので遠目に覗いてみました。相変わらず古い学校だな。あの頃から数えたらもっと古いわな。

 そこからこれまたせっかくなので、学校から実家までいくつかあるルートの内、当時の学校の通学路をまんま辿ってみた。

 峠が複数あり、足に負担の来る上り下りの道が続く。当時からも思っていたが、改めて学校遠っ!この距離を毎日歩かされる子供が可哀想だぜ。

 昔「河童の三平」を読んだ時に、三平の家から学校までが山を挟んだクソ遠いところにあることで可哀想だと思ったものだ。さすがにあれ程ではないが、私の家と学校の距離もなかなかに極悪な距離だな。あと厄介なのは道の上り下りね。平坦じゃないのがキツいわ。まるで人生のようだ。

 短く貴重な若き時間の多くを、このようなダルい移動時間に持っていかれると思うと嘆かわしい。と今なら思うが、若さの貴重さなど微塵も知らないガキの時分にはただダルいを思うのみで、他のことは何も考えていなかった。人生の中でもかなり頭の中が空っぽだったあの日々が懐かしい。戻りたいとは思わないが、あの頃はあの頃で愛しき日々だった。小学校には二度と再び通いたいとは思わない。

 

 で、飯を食って懐かしくも疲れる帰路を辿った先でこんにちは我が家。

 まだ遠くに見える庭で何かが動くのが見える。いや~目が良いもので。

 庭を大型犬か大型タヌキでも横切ったのかと思って駆け寄って見ると我が母だった。大型犬とはサイズ的に一緒かな。おもろかった。

 母はこれから車で移動して一仕事して来ると言う。元気な母ちゃんだ。肉を食うのはその後だ。

 昼を食って1時間くらい歩いてここまで来たのだが、もう腹が減ったわい。消化が早い。

 駅から家までは普通にタクシーを使うような距離なのだが、まぁそこはケチなんで使うわけがないよね。つうわけでタクシー会社の売上がなくなります。それにまだこのくらいは歩ける元気がある。足腰が元気な内は歩こう。あとタクシーも初乗り段階から結構高いよな。

 うちのお兄ちゃんが駅まで車で迎えに行ってやっても良いと言ってきたが、この私は自由な個人行動スキスキ人間なものだから、そんなちょっとのことであっても人と時間を合わせて動くターンをなるたけ削りたい。なので勝手な時間に勝手に歩くことを優先して迎えはいらんと返しておいた。結構厄介な距離ゆえ、ガソリンも勿体ないしね。ケチと元気とガッツが叶える省エネ活動となりました。

 あとなんだかんだ田舎歩きが好きなんだよね。季節ごとに違う顔を見せる山川を見て歩くのもリラックス効果があって良いものだ。まぁ田舎も都会も関係なく、どこにいても毎日リラックスしているんだけどね。

 

 玄関に向かって家の中に入ろうと思ったら、次はクマでもいるのかと思った。デカくて丸い影あり。それは外の風を浴びながら電話をしているうちのお兄ちゃんだった。

 角を曲がってこんなのがいると、小さい婆さんや子供だったらそのデカさにびっくりするだろうが。これもおもろかった。

 

 家の中に入ったらすっかり冬モードだ。居間の敷物が冬用のモコモコになっている。現在の私の住処には無いエアコンで部屋が温々だ。いや~落ち着かんわ~文明の利器。この温い風はそりゃ自然のものではない。

 その内ガキが学校から帰ってきます。そうなったら一緒に遊びますかな。

 私を見るなり甥っ子1号が突っ込んでくる。こいつは物心ついた時から私推しなんだよな。とりあえず抱っこしてあげます。

 次いで2号も姿を現す。こっちは生活態度から学業成績までがなっておらず、私と同じ血が流れているのが信じられんくらい出来が悪い。悪いのだが、そういうヤツのことが嫌いではないのでしっかり可愛がります。根は良い子で楽しい坊主です。

 考えてみると出来の悪い甥っ子程可愛いヤツもいないもので。つうわけでどうせ出来ないだろうと思った勉強を見る流れに。算数と国語の宿題がダブルで出ている。私も計算は遅い方だったが、こいつはもっと遅い。国語の読む書く、なんか喋るは得意でしたわ。

 いや~子供の勉強への取り組みを見たり、それを教えることで気づくことも色々ありますわ。結構面白い体験でした。

 

 甥っ子ズに今のガキの間で流行っていることは何だ?と話を聞いて見る。

 まずはマイクラがキているらしい。これはうちの子も皆大好き。NintendoSwitchで遊んでいて、皆順番待ちからの揉め事を経て日々クラフトライフを送っているとのこと。

 私がガキの頃だったら、父から与えられた神ゲーレッキングクルー」でステージクリエイトして好き勝手に建物をぶっ壊していたな。マイクラはあれの現代版みたいなものか。

 次に上がったのは「最強王図鑑」。これは私もアニメで楽しんでいる。確かにちょっと面白い。深夜枠のクソアニメよりずっと夢と興奮と教養がある。

 学校の図書館にも最強王図鑑が置いてある。それを子供が借りて帰っているのを一緒に読んで楽しんだ。絵が上手いし最強生物達が格好良いな。こいつは眺めるだけでも楽しいわ。

 

 保育園に通うチビッ子も帰って来る。

 やっと歩くようになってちょっとだけ話すようになった姪っ子ちゃんと再会。やっぱり鳥頭だからこないだ会った後に私のことを忘れているようだ。普通に不審者カウントされて大泣きされた。

 ちょっと前にこいつの親が不在の間預かって世話したことがあったのに。あの時の優しい時間と恩を忘れたのか。ていうかそもそも覚えていなかったのか。

 会う度に忘れられて警戒される。ここのところはこの連続となるので「一週間フレンズ。」の彼の気持ちがちょっと分かってきますわ。

 それでもちょっと時間を置けば馴染んで来て仲良く遊べるようになります。抱っこ出来た。モッチモチなんだけど。肉まんに手足が生えてノソノソ歩いてるようにも見える。つまり美味そう。

 チビの姪っ子が可愛いわ~。マジでどの角度から見えてもバカ面でホント面白い顔してんのな。最高に顔が面白い。←全部褒めています。

 

 父がせっかくなのでなんか美味いお土産を買ってやろうと言う。そういうことならせっせとついて行くのが私のやり方。まぁ美味いものには動物も魚も皆釣られますわな。

 田舎のスーパーに到着。ここ、すげぇ安いんだけど。街の売り場と違って野菜が安い。惣菜も安いし素材と油が良いので胃に優しく楽しめる。

 向こう3日は行けるってくらい食い物を買ってもらった。ありがたい。今度庭の木を切るとか、庭から野良猫を追っ払う薬を撒くとかしてやろう。野良猫を追っかけ回すのも趣味だったな~。前世が小型の肉食動物を食うもっとデカい肉食動物だったのかもしれない。

 

 お兄ちゃんのお嫁さんが美味しいたい焼きを買って来てくれた。尾っぽまでアンコが詰まっていて食ったことで得られる幸福感がすごい。めっちゃ美味かった。あとお兄ちゃんから「お嫁さん」と「尾っぽ」言うなって言われた。えっ、なんで?

 お兄ちゃんのお嫁さんは遠くの郷から来た女なのだが、まるでずっと昔からここにいたかのように場に馴染んでめっちゃ普通に接することが出来る。すぐに馴染むことでカメレオンみたいな女だな。あと私がとにかく他人と距離感の近い気安さマックス人間だからそうなっているのかもしれない。

 

 で、やっと来ました飯時間。 

 すげ~綺麗な肉だ~。こいつを母と二人厨房に立って調理します。

 すき焼きには肉とセットでマストな顔ぶれがいくらかいるじゃないか。白菜、ネギ、糸こんあたりがそうかな。私は肉の脂が馴染んだ甘めのタレに浸かった糸こんがとても好き。糸こんにゃくはよく考えられた秀逸な食材だ。

 で、めっちゃ食ってめっちゃ美味かった。いや~最高だわ。すき焼きって胃に入れて幸福度の高い食い物だな。

 やっぱり牛肉だな。こんな上等な肉は下等な暮らしには流れてこんぜよ。私の暮らしがクソ下流にあるとは言わないが、かといって上流なのかといえば全然違うからね。なのでありがたいものだよ。

 柔らかくて口に入れれば早々に溶けちまいそう。これをさっき生まれたようなガキにもいくらか食わすのだから、それを思えば勿体ないよな。正直言えば、こいつらは皮無しウインナーでも良いだろと思った私のケチさを許してくれ。

 あんまり贅沢を覚えるとロクなガキに育たないからな。ここのお母ちゃんはガキに甘いから、甘くしすぎないようしてくれとこちらも甘めに注意しといた。まぁ私もなんだかんだ他人に甘い。自分に対してはケースバイケースで心変わりあり。

 

 大変満足っす。これをゲッツしてきたお兄ちゃんに感謝。

「ていうかお前、肉に引かれてノコノコ帰って来るあたりやっぱ暇なんじゃね?」とお兄ちゃんから疑いの一声があったが、そんなことはない。私はただ時間を作るのが人より上手いだけで、決して暇ではないのだ。

 食ったら風呂に入って寝たいところだが、そうも行かない。待っていれば日付変更がやって来るが、それをここで迎えるわけにはいかない都合がある。その前に帰還せねば。

 平日の夜の電車はそんなに混むこともない。12月の夜ともなればさすがに風が冷たくはあるが、そんなのに負ける私ではない。力強く踏み出して帰りました。

 帰る前に風呂に入ったのだが、そこで子供を2人だけ洗ってやるという話になっていたのに、ノリで追加されて結果一度に4人も入れた。これが疲れる。疲れを流す場所が風呂なのに、そこで余計に疲れたわ。向こうの大人は、ガキの2人も3人も変わらんだろと思っているみたいだな。

 男子ズが連続で突っ込んで来るから、一体何本ちんちん洗わせんのよ、もう止めてよねつ!ともなりますわな。そこを洗ってやるとくすぐったいからと腰をもじもじする反応がキモ可愛い。

 一族最若手の1歳の姪っ子も洗った。マジでモッチモチのブニャブニャなんだけど。面白いわ~。人間を洗っている感じが薄い。なんか別の動物を風呂に入れている感じ。ていうかゴムかな。

 この姪っ子なんだけど、風呂まではテチテチ歩いて来るのだが、入った瞬間なんか泣く。それでも風呂好きではあるからシャワーをかけてやるとすぐにご機嫌になる。いつもコレの繰り返しなんだけど。最初にひと泣きするアレ何なん?風呂場だから声が響いて耳に入ってくるダメージが超音波のそれなんだけど。うるせぇわ。マジで可愛いのだけどね。

 

 とまぁ風呂に入ってもロクに疲れが取れんかったので、帰ったらめっちゃ眠れました。

 すき焼きは美味い。他の食い物のお土産も色々もらった。ガキと遊んで母とちょっと喋っても心が癒えました。結果とても良い田舎旅でしたわ。

 今後はこういう体験による満足度と幸福度を高めて行こうと思います。家にこもってオタッキーな活動も良いが、お外での体験もね。とにかく人生を有意義に、これは死ぬまで続く我が人生の鉄則。

 

スポンサードリンク