「恋と嘘」は、2017年7月から9月まで放送されたテレビアニメ。
先日は同年放送の「アホガール」をYouTubeで見た。で、お次はこっちも無料開放分を見ることが出来た。じゃあ見るっきゃない!
最近のYouTubeは景気よく何でも無料解放しすぎだな。アニメのみならず古い映画も色んなのが無料で見れるようになっている。これはかなり楽しい。お陰で見る方が忙しい。これはもうレンタルビデオ屋なんて要らんじゃないか。というわけで最近のYouTube活動が楽しく捗り過ぎている。金を使わずそうならそれはとても良いことだ。
このアニメもそろそろ10年前の作品になるのかよ。当時リアタイしてそれ以降見ておらず、今回が随分期間を空けてからの2周目視聴となった。
これはなかなか斬新な設定で展開するラブものだったから印象深い。基本設定からキャラのことも結構覚えていた。この世界みたいになったらいよいよ日本もヤバいよなと思いながら見ていた。あれから約10年で日本はどう変わったのやら。実情は私ごときではよく分からん。
改めて見て面白いな。設定が斬新で恋愛模様の描き方にもなかなかスリリングなものがある。ツインヒロインはどちらも魅力的ゆえ眺めていて楽しいです。退屈なく最後まで楽しめるものだった。
フレデリックによるOP曲「かなしいうれしい」は、中毒性が高い面白い楽曲で当時よく聞いていたな~。本当に悲しいも嬉しいもあるアニメなのさ。この歌も懐かしい~。
では懐かしの楽しいアニメの感想と行こう。
内容
世は超少子化を迎えた。
結婚者が増えない、そうなれば子供が増えない、じゃあ日本は終わります。そうして終末のリズムのままに終わってやるわけには行かない。ここが国としての頑張り時です。
そこで政府は、超・少子化対策基本法(通称「ゆかり法」)をぶっ立てた。これはスーパーコンピュータが科学的にこいつとこいつの遺伝子は相性が良いと導き出し、その情報によって政府がカップルが決めるという超科学的婚活システムなのである。
こうして科学技術が導く恋の法則を人は「科学の赤い糸」と呼ぶようになった。野暮ったいようでやっぱりロマンス満点なようでな不思議な響きの呼称である。
この政策は満16歳以上の男女に適用される。16歳以上の男女は自由恋愛が禁止され、あとは政府からコレが理想のパートナーだと勧められるのを待つだけとなる。
主人公少年 根島由佳吏は16歳を迎え、政府通知でこいつがバッチリお前にマッチするという女の紹介を受けた。それはありがたいことだとはならず、彼は困ってしまう。なぜなら彼は同級生女子の高崎美咲を好いていた。彼女とは気持ちを確かめ合っており、両思いであると分かっている。だが政府が勧めた相手は真田莉々奈というよその学校の学年がひとつ上の女だった。
由佳吏少年は迷う。先に好きになったのは高崎さんだ。ならば彼女と添い遂げたい。でも科学の赤い糸が選んだのは莉々奈ちゃんだった。本能で好いた女か、それとも科学の赤い糸が導いた女か、どちらを選ぶのが本当の恋なのか。
本能と科学の板挟みの中、イレギュラーな恋の三角関係が展開する。惑え、本能と科学の狭間で。そして選べ、少年よ。
感想
設定が斬新だ。まずはそこが面白い。
なんかものすごく進んだ科学技術の元で展開するラブドラマではあるが、ぶっ飛んですごいのはそこだけ。あとの要素的には今ある日本みたいな感じで、学校も人間も普通。こんなすごい科学技術を政策に取り入れるあたりどんなサイバーシティなのかと思えば、それ以外は一見してマジで普通の学園もの世界なんだよな。要素として一点集中で思い切り近未来感を出しているのが面白い。
この科学に基づいて選んだ相手を国が斡旋してくるという究極お見合いシステムはすごいことだな。こんなのがあるなら今ある結婚相談所、出会系サイトなんて商売も上がったりだな。あとは良いことだろうけど、国が恋愛まで管理すれば結婚詐欺なんてのもなくなりそうだな。
16歳を待って相手が決まれば、役所の人間が家に来て相手の情報などを説明してくれる。相手と面会して程々に仲を深めたであろう時期になれば、次は役所にカップルを呼んで性教育についての講義やあとちょっとの実践まであったりする。すごいことだな。童貞&処女でもオール安心な抜かりなき科学政策だな。
今だってリアルにこういう少子化対策を担当しているなんとか庁だか省とかいうのがあるのだろうけど、もうこのくらいしないと何もならず、半端な事をして下手を打てば予算を捨てるだけの結果になるよな。まぁ難しいことだからどうしてもなんとかしようってなら最悪ここまでのことをしないと現状は動かないのかもしれない。
相手を欲して出会いを求めているけど、個人活動ではどうにもならんという人間にとってはマジで実用性のあるありがたい政策だと思う。その逆で独身主義だとか同性愛者の者からすれば迷惑でしかないものでもあるよな。チェンジではなくそもそも拒否は可能なのかな。
16歳以上は自由恋愛禁止ってのも結構思い切った制約だな。政府通知の相手との関係を拒否った場合には、まぁ早い話が国への反逆的に取られるらしく、それなりのペナルティを課されることもあるとか。例で言うと志望校への受験を妨害されるとかがあるらしい。自分達が万全の科学で導き出した回答を拒否られたらそりゃ気分も悪くなるだろうが、それでペナルティは酷い話だな。やっぱり自由に恋愛したいよね。
これよりずっと前に見た「仮面ライダースーパー1」でもこんな感じの技術があったんだよな。カップルを何組かさらってきて、その中で科学的に相性が良いとされるペアを導き出してパートナーをシャッフルさせる。そうして恋の過ちなく無駄なく子供を産ませて自分達の利益にするという悪者の高度な科学作戦が描かれたことがあった。
あれを見た時には、支配者のエゴと説得性ある実用性を感じたものだ。あれがもうちょっと平和的に流用された世界がこのアニメっぽいな。
自分の直感や本能で恋をすれば、人は過ちを犯すことがあるかもしれない。しかしそのリスクも含めて自由恋愛の醍醐味だから。
科学的に相性の良い相手が知れる、良き子供が作れると事前に分かれば確かに実用性の高い発明だと言える。相手を探す時間がオールカットされ、タイパの良い婚活にはなる。だがそれで何が面白いの?とはなる。
めっちゃ便利ですごいと思うが、私としてはこれはナンセンスで気持ちの悪いシステムだと思う。アイデアとしてはとても興味深いけどね。
恋愛を単なるパートナー探し、もっと用途を絞って言ってしまえば子供を生むのに必要な生細胞探しくらい割り切った作業に考えれば、このシステムはめっちゃ実用的で超役立つ。だが正しき概念で恋愛を楽しむなら科学の介入は野暮の邪魔者でしかない。自分に合う人なのか、一緒にいて幸せになれる人なのかという答えが見えない中で行なう宝探しが恋愛の醍醐味だ。その醍醐味を殺す科学システムは恋愛マナー的に、もしかすると道徳的にもあってはいけないものなのかもしれない。
私にとって恋愛は趣味です。その趣味に最初からこうしろと確定ルートを用意されてはつまらないし、横から縦からうるさいとしか思えない。自分であれこれと好きな事、楽しい事を漁っていくのが趣味の道なんだよ。
つうわけでこの基本設定が面白く、それだけにあれこれとたくさん言及する余地があるのが作品の魅力。クソ野暮ったいものだけどアイデアは一級品。
これの後にも数学で恋愛を解き明かそうという面白いのと同時にクソ野暮ったいアニメがあったが、数学や科学に頼るようじゃ恋愛ファイターとしてはダメダメだな。真にその道で勝利者になりたいなら裸一貫本能のままに行くべき。
とまぁ恋愛に向き合う意味を知り、覚悟が決まるきっかけになるアニメではあった。ならば十分に教養です。
ネジくんこと根島由佳吏くんは良い子で好感が持てる。彼の趣味が古墳巡りなのがマニアックだけど良い点。まだ言葉だってロクに発達していなかった時代にも人が文化として持っていたのが古墳作り。そうして人が本能から打ち立てたこの文化、または芸術ってロマンがあって素敵。そのように目を輝かせて語る彼の心はピュアで可愛い。これって作者がそっち系のマニアなのかな。
高崎さんとの大事な思い出となった消しゴムのおまじないの話がガキらしいピュアなもので可愛い。ああいう何でもないことでも大人になって振り返ったら実に可愛い思い出として昇華されるだろう。
このネジくんが最初は高崎さんが好き好きの思いでいるのだけど、科学が選んだ相手の莉々奈ちゃんと会えばそっちも良いじゃんとなって来るんだよな。
高崎さんが好きという気持ちは、科学の要素なんて無しに自分が裸の心で導きだしたもの。じゃあそれが本当の思いで良いじゃないかとなっても科学のパワーが黙っていない。最初こそそんなものは科学のまやかしと思っていたら、やはり科学もバカに出来ない。莉々奈ちゃんのことも魅力的に思えてネジくんの心は揺れるのです。
この科学のパワーもすげぇと分からせられるのが作品のキツく痛いところ。ずっと高崎さんに操を立てるでは済まなくなるくらい科学のラブが強まってヤバい。
本能と科学、二つの要素に心を引っ張られる中でネジくんが悩ましい青春を送る過程が面白い。彼の都合からすれば苦しいだろうが、対岸の業火として眺める分にはどこまでも楽しい見世物でしかない。
確かにこれ、後から来る科学の恋人の莉々奈ちゃんも段々良くなってくるから困るんだよな。彼女の破壊力も脳にスドンと来るから侮れない。
シャツの胸のボタンが開いているのに気づかない、スカートを穿き忘れてパンツのままネジくんとお話しているなど、ちょいちょい隙の多い女だがそこが良い。ガチガチにガードが仕上がっているよりも、何箇所かは侵入ポイントを残した不完全さが人間の魅力としてツボなのです。
ここで莉々奈がクソみたいなゴミ女だったら「ほら、やっぱり科学の赤い糸なんてインチキクソ発明じゃん~」と笑って話が済むのだけど、彼女がしっかり可愛くて良い子なのよ。演じた牧野由依の清楚な感じの声も良いな。綺麗な声をしておる。
これはネジくんの青春がマックスで悩ましくて楽しいことになってんな~。
莉々奈ちゃんは政策のことを割と軽視しているのか、お前は高崎さんと一緒になればええやんの思いでいる。なんならキスして来いまで言う。既に結婚しているのだとしたら、旦那の浮気の一やつ二つは許す肝っ玉母ちゃんというところなのだろう。
高崎さんは通知を無視するのはマズイからネジくんは莉々奈ちゃんと一緒になるべきとしている。
高崎さんの心理もちょっと面白く、自分が推すネジくんの良さは莉々奈にもしっかり知って欲しいと思っている。そこでどこが良いのか布教を始めるのはなんか変な感じ。以外とディープに語り始め、つむじが良いとかちょっと猫背なのも良いなど、彼をよく知っていないと出てこない内容のプレゼンを行っていた。高崎さんの視点と語り口調も結構マニアなそれ。
高崎さんが政府通知発表前にネジくんに心の内を言っちゃうからネジくんの心も決まりづらいよな。これから科学なお相手が決まるという直前で両思いだと確認して深めのキッスなんてされたらそりゃネジくんの方でもそっちに未練&ぞっこんラブの想いが強まってしまうよ。高崎さんのアレがなかったらネジくんはスムーズに莉々奈の方に行っていたかもしれない。
で、ネジくんはあくまで高崎さんラブだが、要所要所で科学の赤い糸の力、つまりは莉々奈ちゃんの魅力に引っ張られて心が揺らぐ。これは決して彼が軽薄な二股野郎ということではなく、高崎さんも莉々奈ちゃんもしっかり可愛い子ちゃんなのが悪い。
どうしてもネジくんが優柔不断に見えてしまうだろうが、高崎さんへの想いは真なるものであり、また同時に科学の力も真なるものだから両方に心が引っ張られるのは物の道理として間違いのないことなのだ。とまぁ彼の事はフォローしておきます。別にスケベ丸出し女好きクソ男でもないのでね。むしろこういう立場にあるキャラにしては可愛らしい少年で好感の方が強い。
私もかなりネジくんの心で見てしまい、あれ~これはどっちの女もいいぞ。選べん!となるのだった。これはツインヒロインのどちらともいけます。視聴者の間でも強くどちらかに寄ることなく、半々くらいで人気が割れたんんじゃないかな。
莉々奈が最初こそうるせぇチビだなと思わせておいて、ストーリー進行上で着実に魅力を出して来てやっぱいいかも~となる設定の女に作り込まれているのが憎い。ネジくんが惑うのもそりゃ分かる。
まずはネジくんからの好感度が最初からカンスト状態の高崎さんがいる。それを後から来た莉々奈がステータスゼロ状態からどんどん追い上げて行くという珍しいラブパワーバランスで進む話だったな。
ネジくんは高崎さんとそうなった時に備えて、莉々奈は通知を拒否った先でまた現れるであろう真の相手に備えてという言い訳を用意した上で、なんだかんだ二人も恋人が行なう距離の詰め方をしてしまう。
こういうのを見ると、それとは違うのだが先日YouTube配信で見た「School Days」の主人公の浮気パラダイスを思い出す。ネジくんも段々と引き返せない恋の三角沼にハマっている。この精神的にドロついて行く恋愛模様が面白いな。
高崎さんも政府通知のことがあって以降、惹かれ合うのが罪だと感じてネジくんを意図的に避ける時期があったけど、心に嘘をつき続けるのは難しい。やがては校内で隠れてキッスしたりしてなんか不倫みたいだ~。これは楽しい。
もうとんでもなく心がスクランブル状態で三者三様大変なことになっているところにまだ投下される問題が、イケメン男子 仁坂くんのシークレットハート事情。実は彼もまたネジくんが好きということでBL要素もぶっ込まれた。マジかよ、ネジくんモテモテですやん。
これをリアタイしていた頃だと今ほどBLものが流行っていなかったのか、私としてもそっちへの耐性や理解がまだしっかりしていなかった。ゆえに仁坂くんが居眠り中のネジくんいこっそりチュウしている秘密の青春シーンは強く印象的でした。まぁ同級生男子がこういうことをしているのを見る事もないからね。珍しいことだったのさ。
仁坂くんも達観した語りをする魅力的な男子で良いのよ。恋愛なんて勝手に好きになって、それが叶わない場合には勝手に傷つく。そういう自分勝手な心の動きに過ぎない。そのように語る彼の恋愛論は確かにそう。冷たい言い方に聞こえるが、嘘のない真実であるそれに気づく鋭さが良いね。
ネジくんを思う彼の心が切なくてなんか良いんだわ。そっち路線の青春ラブも行けるのか~と本作の汎用性の高さにビックリです。
この仁坂くんも結構人気キャラじゃないのかな。割と完成度の高いキャラに仕上がっている。そりゃメインはネジくんとツインヒロインの楽しい恋だろうが、仁坂くんの恋も爽やかに見れる良き要素だと思う。
こうしてしっかりした子ではあるのだが、皆でキャンプに行って飯を作る時には食材を洗うのに洗剤を使おうとしたからそこはヤバい。これがネタでなくマジで出てくる厨房門外漢が少数いるらしいのが現代社会の怖いところ。
とまぁずっと心揺さぶれるものがあり、この恋の行き先はどこなんだとワクワクするばかりだった。スリリングで良いね。
結局ツインヒロインのどっちを選ぶんだよ。その答えはアニメだと未完ゆえ分かっていない。
なんか聞いた話によると、原作ではそれぞれとゴールするルートが作られたとか。それはそれですごい企画だな。異なる一人に決めた世界線を二つ描くとは考えたものだな。これはファンにとって平和的な処置だったのかも。
私は原作ノータッチ勢なので、これも随分久しぶりだがアニメで完結までやってくれて良いんだぜ。
え?お前で続編が行けるかよ!となる変なアニメの続編が決まることがザラにあるのが今の世だからな。じゃあ本作を完結までアニメにしたって何も不思議じゃない。ていうかマジに作ってもらいたいかも。今後ネジくんやヒロイン達がもっと惑って真の恋を掴むまでの過程が見たくなって来た。
これを見たからには皆さんも少子化対策について、そして心の針が指した先にある真の恋について改めて考えましょう。そこは科学頼みでなく、人類自らの心でなんとかして行きたいものですね。とりあえず科学の赤い糸なら私には間に合っています。
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