「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」は、2018年1月から3月まで放送された全12話のアニメ。
通称デスマ次郎の別称で名を上げたネタアニメである。アニメは知らんがその名だけならどこかで聞いたことがあるという人もいることだろう。
そのデスマ次郎がこの春YouTubeにて全話無料公開されたぞ。はっきり言って2度見たくなるような面白みや価値など皆無のものだが、この作品までになるとそんなことは問題ではない。
内容自体はマジでどうでも良い。ただコイツが日本クソアニメ史の裾野を広げるきっかけの一つとなったことには、記録観察をするだけの価値がある。このようにして異世界クソアニメというコンテンツが波及するに至ったという理解は、普段インテリをやっているクソアニメハンターとしてはしっかり深めたいところ。私はクソアニメが好きなクソアニメハンターですからね。
単純に名作を追いかけたいという目的なら全く果たされない場だが、クソアニメ史を紐解く上では価値がある。そんなニッチな分野、目的においてはコイツだって古文書的扱いなわけさ。それなら異世界クソアニメ乱立が成った今になって振り返ることに何らかの価値があるような気がするじゃないか。
つうわけでこの度YouTubeにてデスマ2周目への挑戦となったのである。リアタイ以降二度と再び見ることがないだろうと思ったものとまさかの再会になるだなんて、人生って何が起きるか分からない。長く生きていればこんな困った作品に会うことだってある。
これの少し前にはスマホ太郎というどうしようもないクソアニメが名を上げることがあった。それと並ぶくらいにクソ要素が強いのが数年後に来たというわけで、当時の超新星の枠を持っていったのがこのデスマ次郎なんですね。今後もっと伝説として深まって行きそうな気がするから気合を込めて2周目を見た。内容がアレなことはもう分かっているから、再視聴にあたってかなりの覚悟を要しました。
あと私が見た段階で視聴回数が130万にも達していたのに驚き。マジかよ、これを見たい人がそんなにいるのか。よく見れたものだな。これをリアタイしていた時には、最終回まで脱落なく行った人は700人くらいしかいないのではないか?と思っていたのにな。そんなネタなところも含めて意外と多くに愛されたアニメみたいです。私も一応そこに含まれているし。
ゴールデンウィーク初っ端に見てきたが、こうして時間と心に余裕がある時でないと見れたものじゃない。この時期の視聴となって良かった。
私がこんなクソアニメを見ている間にもデスマーチと戦っている誰かさんがきっといることだろう。それを思えばクソアニメ視聴ごときで弱音を吐いてはいられない。とまぁなんか見る拷問みたいなポジになってきたな~。まぁそこまでに達せるのもある種の芸なり技巧なりと考えられないこともない。じゃあ総合的には良しとするか。
つうか相変わらずどういう心境と視点からアニメを見てんだよっ!と自分で自分にツッコんでしまう。
私の中ではこれを見たことでクソアニメハンターとしての意識が改まったことから、アニメオタクライフ新章の始まりとなった一作でもある。実に想い出深い。深いのだが、お話自体は構想の浅いものであって、全話リアタイした割には全然覚えていない。というか脳が覚える必要のない情報として記憶から切り捨てた結果が今なのだと思う。人の脳って案外機能的かつ実用性に優れる作りになっているものだな。
内容は極めて下らないものであり、それならそれで当時としては異色の新作としてちょっと目立っていたんだよね。クール毎に遭遇するクソアニメ率は最近になる程高い傾向にあるが、2018年だと今程1クール中に発見されるクソアニメの数が多くはなかった。これも時代による変化ですな。クソアニメが許され、求められるようになったことからアニメ界も多様性の時代を迎えたと言えますな。
まぁそんなこんな異次元の駄目さを誇る本作を久しぶりに見た感想がそんなにないのだが、ある分だけ書き殴って行こう。デスマーチなんて始めた時が諸々の終わり時ってね。
内容
アラサーおっさんの鈴木一郎くんは、日々忙しくプログラマーの仕事をしていた。度重なる過酷な残業の中、一郎くんの心身は摩耗していく。
疲れが限界に達して眠ってしまった彼は不思議な空間に誘われる。なんか知らんが過労の末に彼がたどり着いたのは、見知ったゲームのような異世界だった。
以降はそのへんをブラブラして奴隷女を拾ったりして異世界ライフを満喫するのである。
感想
ヤバっ!キッツ!だとは思ったけど、久しぶりに見てもキツいです。これはまた酷いな~。
途中で心が折れそうになったけど「負けたくない!」のクソアニメハンター的ファイティングスピリットで乗り越えた。全12話を連続ってキツいな。やっぱり一週間に1話というリズム感でないとマッチしない作品もあるのだな~と思った。
いてもいなくても良い人達があってもなくても良い事をしている。それが連続していくものだからシンプルにつまらん。なので見ても見なくても良いものだと言えるが、そこを敢えて切り込んで行くことこそクソアニメハンターの真髄だから。
退屈だから眠くなるものかと思えば、そこの都合も異次元にレギュラーなものとなり、心にキツいことから眠気を押しのけてなんか目が冴えて来た。寝るにしても安らぎ、落ち着きがいるからな。その点この作品はそこの平静をかき乱してくれる。
作業用動画としては究極のそれかもだが、安眠用にはつかえない。それこそ眠気を殺して作業させる用の効果があったわけだ。
ぶっちゃけ当時としては新鮮に思えたデスマーチからの異世界送りの要素くらいしか覚えていない状態の再視聴となった。でもそれもそのはずで、そのくらいしか要素として残るものがないのかも。
このくらいの時代には、一生懸命働いても報われないから、それなら楽が出来る異世界に行った方が良いとなったところで思考が止まる社畜精神が旬だったのだろう。そんな精神の旬ってなんだよって話だけども。そこまでの思考を辿る道に納得が出来る現実逃避コンテンツではあった。でも最近のこの手の作品には、仕事なんて始める前からも既にサボりたいの心が見えるような。
主人公は鈴木だけどよくある名前だから佐藤と間違えて呼ばれることが多い。これって鈴木にしても佐藤にしても、後おまけに田中にしてもあるあるなのかな。私は何れの名前でもないので分からないところだな。
この名前問題を受けて関係ないことだけど、昔読んだギャグマンガの「世紀末リーダー伝たけし」に出てくるボブ鈴木というおっさんが、自分の呼び方はボブ鈴木か鈴木ボブでも可、でも本名は佐々木というバカみたいな説明をしていたのを思い出した。
主人公がサトウをちょっとイジったサトゥーを名乗っているのはなんか語感として気持ち良い。間違って呼ばれる佐藤の方をキャラネームしているあたりちょっと気に入ってんじゃんか。
デスマーチってのは過重労働を意味することで、サトゥーくんはそれに疲れてこんな世界に舞い込んでしまった。私としてはこんな世界でブラブラしている彼を一刻も早く現世に返して再びデスマーチに合流させてやりたい。最終回がそうなって終わるなら現在地の底にある作品評価をバクアゲしてやっても良い。この作品が逆転を狙うなら最後をそれで飾ることだな。あれだけ現実逃避してきた最後には現実に向き合ったとなればなんか綺麗に格好良く締めれるしな。
それからアニメで聞くデスマーチといえば、これよりずっと前のアイシールド21で既出なんだよな。
ゲームみたいな世界に来てからは、疲れた社会人オタクが持つ理想の現実逃避先ってな感じで話が展開する。そのいちいちがどうでも良くてしょうもないのだが、そういう立場の人間が描く妄想世界として見るなら解像度が高いとも言えるのがちょっと興味深いところ。私にはない発想と願望だからな。
キャラクター、シナリオ共に魅力的な部分がなく、ただ流れる時間がそこにあったくらいしか振り返りが出来ない。
主人公は都合良く若返った姿で異世界に来る。以降はそこらをブラブラして奴隷女を拾ってモテてで、特にやることがない。この奴隷女を拾うというのも異世界あるあるだよな。このくらいからもそれがあったんだ。奴隷はもちろん可哀想と思うが、こういう主人公に拾われるならそれはそれでやっぱり可哀想とも思えるから何をどうやったところで考えものだな。
作画は全体的に整っているが、キャラ絵がしょぼく決して上手い絵でもない。主人公の外ハネ茄子頭はこのくらいの時代にちょいちょい見られた気がするが、やっぱりダサいな。それならバリカンで全部刈ってしまえ。
茄子頭とキノコ頭はホント全く刺さらない。ダサい見た目であとなんとなく早期段階で禿げそうな頭だなとも思えた。これがモテるというのが一番のファンタジーなのかも。
主人公を演じたのは堀江瞬だったのか。こんなに前からいたんだ。彼の代表作といえば現在最新シリーズをやっている「かのかり」の主人公 和也くんだよな。ホント、いつまでこんなことやってんだよっていう状態のまま長く続けているシリーズになってしまった。和也くんが見方によってはスクイズの伊藤誠くんくらい悪評高いネタキャラとなってしまったからこっちが霞んでしまうところだな。しかしこちらも悪名高きデスマ次郎だからな。それを演じたってなら堀江瞬にとっては、役者としての経験値を稼ぐのに良い現場になったことだろう。ネタな役を演じて割りを食うこともあるかもしれないが、役者の彼のことは好きで応援しています。
サトゥーにやたら懐いているアリサを演じているのが悠木碧なのは、かのかりを見た後だとなんかちょっと面白い。あっちだと悠木碧が演じるギャルに振られる役で堀江瞬が出ているからな。あっちとこっちで逆なのね。
サトゥーに寄ってくるヒロイン達もどんどん増えて来て、これが不要な増殖となってネタっている。もうコピペ増殖にしか思えん。
新エピソードを展開させるための舞台装置くらいに新ヒロインを投入して個々を活かせないというのが駄目ハーレムの駄目な手法である。これもそこに乗っかっているのだと思う。肝心のヒロインズも可愛くないしキャラクターとして面白くもない。
最初に出てきた宿屋の娘はちょっと可愛かったかも。そのゴツめのお母ちゃんの声がゴットゥーザ様(後藤邑子)だったのは耳に残る思い出。
内容として特に良さはないが、残した功績として強いて上げるなら主題歌についてかな。
ランガのデビューシングルがOP曲に、WUGちゃんのラストシングルがED曲に使用された。かつて我々が愛したWake Up, Girls!発のプロジェクトチーム達の活躍がありました。
ランガデビューとWUGのラストシングルを飾った先がコレなら寂しくはあるのかもしれないが、デスマ次郎としては光栄なタイアップアーティストだったのではなかろうか。
アニメのクソさに対してこちらは大好きなのがWUGが歌うED曲「スキノスキル」。この曲は完成度が高く、今聴いても心に染みる良い曲だ。最近でもたまにYouTubeにアップされているMVを見に行くことがあるくらいだし。今回配信をきっかけにまた聴いて改めて良い曲だな~と感動しました。
とまぁ褒める部分があるなら曲くらいのクソったアニメだったな。
内容が空っぽで脳死で見てしまうものだが、そういうのを求める時代になったのだなという当時の社会変化が見えるものなのかも。忙しい社会生活にあって人生に夢も希望も見えてこない。ならばこういう世界に逃げ込みたいという願望が多くの間でシェアされるようになったのなら、この手の作風が乱立するのに納得出来るかも。
最近の景気を見ても決して良いとは言えず、人生に絶望して異世界に逃げたいと思うヤツが増えるのもまぁ分かる。もしかすると異世界クソアニメが増えるのって、社会学的に見て興味深い考察が得られるのかもしれない。逼迫した世相ありきで生まれる悲しき産物だったのかもな。
まぁいくらデスマーチをやり込んだところで、リアルの我々は異世界に逃げ込むことが出来ない。そこは覚悟を決めて地に足つけてやっていきましょう。異世界を目指して空を飛ぶことなんてないのだから。
とまぁこんなことを思いつつクソアニメを最後まで見尽くす私の活動もまたスキノスキルがあってこそ叶えられることですね。何かを好きで貫き通すのもまた人生を楽しくするスキルです。以上の感想をもってこの不毛な異世界狂想曲を終わるとしよう。
つうかこれを受けて感じたことをグダグダ言いはしたものの、アニメの内容にほぼ触れていないような。まぁそのくらい触れることも無しなんだけどね。さすがに3周目視聴は何があっても無いだろうな~。これでグッバイでございます。
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